金原ひとみのレビュー一覧
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毎日少しずつ、ご褒美のように読んだ。
金原さんの2003年から2025年までのエッセイと短編小説たち。(贅沢!)
これはエッセイ?それとも小説?という境界が曖昧なものもいくつかあり、答えが示されていないのがなかなか珍しい作り。何かのインタビューで、金原さんは小説とエッセイをあまり区別して書いていない、というようなことを仰っていたのが腑に落ちる。
2章以降、書かれた年代順に並んでいて、若い頃の金原さんの文章はやっぱり今と少し違っていて、それも面白かった。私からすれば破天荒とも言える暮らしをし、恋愛と小説を人生の真ん中に置き続けてきた人生を、少しだけ覗かせてもらえる。
「母」というペルソナ は -
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女性作家の自身の身体にまつわるエッセイ集。特に30,40代の今人気の作家さんたちだけを集めたというのが面白い。自身の身長について書かれている方もいたが、自ずと性にまつわる話が多かった。
個人的に感動したのは村田沙耶香さんと能町みね子さん。こちらの感想で、女性なのに自慰について書かれている方が多くて引いた、という感想が少なくないのは正直ちょっと残念だなと思った。村田沙耶香さんは幼少期から行っていた自慰について、いやらしいものという周囲との認識の差に未だに慣れない、ということを書かれていたのだが、子供の頃の自分の王国という表現でその感覚について本当に美しい描写をされており、涙が出そうなほど感動し -
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「ソーシャルディスタンス」って、今やもう懐かしい言葉だ。
未知のウイルスに世の中が怯えていたあの頃、基準を設けられた社会的な距離は、ある程度他人が決めてくれたからある意味で分かりやすかった。今思えば異常だったと思う面もあるけれど、当時は怖かったのだからしょうがない。
だけどこれは、アンソーシャル。確かにあの頃も、親しい間柄での距離感は社会の基準よりずっと近かったし、信用できたのはほぼ100%心理作用によるものだったと思う。ウイルスなんて、目には見えないのに。
5篇の短篇集。金原ひとみ作品らしく、すべて主人公は女性で、そして様々なかたちで病んでいる。
表題作はまさしくコロナウイルスが猛威をふる -
Posted by ブクログ
平野啓一郎氏の「文学はなんの役に立つのか」の中で紹介され、興味をそそられ手にした一冊。金原ひとみ氏の名前は若くして芥川賞を受賞されたこと、「蛇とピアス」というキャッチーなタイトルで記憶に刻まれてはいたものの、自分のジャンルではないのかな…好奇心は持ちながらも手にすることはなかった。
一人称で語られる自身のリアルな体験、心象風景を綴ったエッセイ小説…
物書きとしてパリで暮らす日常から見えてくる、夫婦、親子、仕事….
フランスで暮らす文筆家といえば辻仁成氏が思い浮かぶ。一見の旅行者にとっては憧れのパリであるが、実際に家族で生活者として居を構え、異文化の中で出会う人々、発見、トラブル、心の葛藤…テ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ発売当初の自分が母親になっていない状況で読んだら、また違った感想を持ちそうだけど、母になって8年経っているとなんかもうヒリヒリするくらい3人の気持ちがわかって。
赤ちゃんから3歳までの育児って孤独も感じるし、しんどいし、ちょっとでも母親が気を抜けないというか思い詰めちゃう感じは往々にしてあり、真面目すぎる母親はきついなと思う。
だからといって、不倫していいとか虐待していいとかクスリやっていいというわけでもなく。
でも母親が発散させる場所は絶対的に必要なんだよな。
五月は弥生を亡くしたし、涼子は一弥と離れて暮らし、ユカは再婚相手との2人目の子どもを妊娠しているって不思議な結末で、でも因果応報とい