金原ひとみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ざっくりとテーマに沿って、エッセイと掌握小説が入り乱れた一冊。
エッセイと小説の垣根が低くて、一体何が実際にあったことで何がフィクションなのか境目が分からなくなってくるし、それでいいとも思えてくる。
好きなラジオパーソナリティが「いろんなことが平均的にできる人が世の中を回してくれていて、それがどうしてもできない人は世の中を回せないけど、板の上に立つ仕事とかで世の中の役に立っている」と言ってて、金原さんが役に立ってるという実感を持てているかどうかは別にして、金原さんにとって生きるってことに小説がどれだけ不可欠なのかということがとても伝わってきた。 -
Posted by ブクログ
選んだ選択と選ばなかった選択の両方にメリット・デメリットがあり、それらを深く考えて絶望する人間がいる。そんなことに思いを馳せることができていなかった、、。短絡的な思考でしか物事を考えない自分には、志絵の生き方があまりにも辛そうで、いつか彼女が自分自身を破滅へと追い込んでしまうのではないかとヒヤヒヤしながら読み進めていた。そんな志絵には、蒼葉がいて、ひかりがいて、和香がいて、吾郎がいて、そして何よりも理子がいる。人と関わることで孤独を感じるけれど、人と関わるからこそ孤独を癒すことができる。そんな温かさを、コロナという人との関わりを断絶する世情と絡めて描いていたのが素敵な構想だな、と感じた。
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Posted by ブクログ
少し前に読んだ金原ひとみ作品『ミーツ・ザ・ワールド』『マザーアウトロウ』でも見たモチーフやシチュエーションにこれはなんか知ってる空気感だ、とニヤニヤした。フラットな視点を持つ派手な服装のパワフルな人、癖のあるホスト、謎メンツでわちゃわちゃご飯を食べる場面など。ストーリー現在軸において明るいテンションが漂っているという点で、本作は上記2作品と同じ方向性を持っていると思った。特に『マザーアウトロウ』と同じく読んで元気になれる作品だ。
尋常ではない執着と徐々に追い詰められていく従来の自分、その過程を書くのが上手いなぁ。浜野さんの過去の傷からもう血も流れなくなったこのタイミングだからこそ平木さんやま -
Posted by ブクログ
とにかくキマるから読め!!!!!とは言い得て妙で、自らの価値観を最優先に、生きることも明日をやり過ごすことも、絶望することも、そして死という選択さえも躊躇がない女性たちが全力でぶつかってくる。
綺麗事やモラル、他者からの評価、社会の秩序に適応することに重きを置く現代的な感覚からすれば、登場人物たちは煩わしくて疎ましくて、理解し難いものとして映るかもしれない。
でも立場が違えば、考え方のものさしを変えれば、自分の何かに置き換えれば、少なからず共鳴することはあるはずで。言語化しきれない人間の弱さや、融通の効かない頑固さが、躊躇いなく物語に落とし込まれている。
真意を掴むこと、価値観に固執しな -
Posted by ブクログ
面白くて一気読みしたが、感想を持つのが難しいなというのが率直な感想。
それぞれの登場人物の解像度が高いけれど、みんなちょっとおかしい。英美が一番感情移入できたけれど。
各々のパートではその人の思考や心に触れたり、触れられなかったり、もどかしさが繰り返された。
由依の気持ちが知りたい。なぜ桂がストーカーしていると知ってて結婚に至ったのか。スマホを奪われそうになったのに、なぜ振り切って別のところ(瑛人)に行こうとしなかったのか。考えても分からない。
分からないからこそ自由に考える余地があり、それが小説の醍醐味だよな、と思い直す。
結婚ってこんなに難しいものなのか?と、ものすごく平穏に結婚して平穏 -
Posted by ブクログ
2020年第5回渡辺淳一文学賞
30を前後する男女の群像劇
渡辺淳一文学賞受賞作らしい一作。
この〈アタラクシア〉という、心の平穏を意味するという。なんともストーリーに敵対するのではとも思われるタイトル。
三十歳前後の満たされない男女の群像劇の構成を持つが、おそらく考えた末ではなく、アタラクシア的でない人間関係を描こうとして積み上げたストーリーが、この小説の形体となったのでは。
金原ひとみさんの小説の登場人物達は、決してパワーカップルではないけれど、ハイソ、あるいは意識高い系、または自由人。一般的日本人からすれば、関わる事が少ない人種と思っている。しかし、それは思い違いで、いまや彼らのよ