金原ひとみのレビュー一覧

  • ハイドラ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    一緒に暮らしてはいるけれども愛を感じられない新崎さんとは対照的な、明るくて積極的な松木さんの存在が眩しかったです。早希にとってもそうだっただろうと思うのですが、だからこそ最後に松木さんではなく新崎さんを選ぶ早希の心情が理解しがたかったです…。夢心地の自分ではなく、現実的な自分でいられる場所を選んだという早希の冷めた答えなのだろうか…。

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    2025年12月22日
  • ミーツ・ザ・ワールド

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    今はそばにいないけど、過去いろんな人が与えてくれた優しさで自分は生かされてるなと。もう会えなくてもちゃんと覚えてるからねと伝えたい。

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    2025年12月21日
  • 蛇にピアス

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    痛みと快楽の境界で、若さは静かに壊れていく。
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    「蛇にピアス」は、映像化作品を先に観てから原作を読む、いわゆる後追い読書となりました。原作を読み進めるうちに、自然と映画の俳優たちの姿や声が重なり、改めて映像化としても完成度の高い作品だったのだと感じます。

    激しい性描写や暴力表現が多く、人を選ぶ作品であることは確かですが、それらは単なる刺激ではなく、ルイという人物の空虚さや危うさを際立たせるためのもの。彼女の生きる世界観は理解しがたい部分も多いものの、刹那的に生きたい衝動や、自己破壊的な欲求は、誰しもの心の奥底に潜んでいるものなのかもしれない、と考えさせられました。

    文章は研ぎ澄まされ

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    2025年12月21日
  • fishy

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    何か怪しい fishy。

    三人の女性たちの、共鳴し合わない関係性の中、それぞれの家庭の噛み合わない情景に不穏さが連続する。

    今、三島由紀夫『鏡子の家』を読んでいて、
    解説等で登場人物達が三島自身のそれぞれの側面を象徴しているといった読み方が多いです。
    それに納得しているわけではないのですが、
    こちらも登場する女性3人もしかしたら著者自身の象徴なのかな、と考えてみたりした。設定自体は作家志望の女性、二人の男の子を持つ編集者、と多少近いところはあるけれど 
    金原ひとみさんは、おそらく自分のビジュアルを含めての作品感を創作していて、
    全ては虚構。
    だから、まるで分身と見せかけたフィクション。

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    2025年12月19日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    なかなかのボリュームで読むのにめちゃくちゃエネルギーを使った。
    現実でも度々問題になる性加害とか性的搾取を題材にした作品である。

    犯罪はもちろんダメだが、たとえ当時は当事者間で受け入れていたことであっても、今のモラルによって一方的にジャッジされ断罪される恐ろしい時代になったんだなとこの作品や昨今の報道等でも実感する。

    こういった問題はセンシティブであるが故に行為の内容はともかく被害を訴える人の感情を第一に考慮しなければならないところに対処の難しさがあるのだろう。

    大きな声では言えないが面倒くさい世の中になったなあと思いつつ、ハラスメント人間に認定されないためには感覚をアップデートし続けな

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    2025年12月19日
  • アタラクシア

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    いつの間にか右手にある紙の重みよりも左手にある重みの方が軽くなっていて驚いた。
    そのくらい、この本に没頭していたという自覚はなかったから
    隙間風がずっとどこかから吹いているような、だけど探すまでもないから微妙にがまんするくらいの心地悪さ
    人には人の地獄、酸っぱい葡萄

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    2025年12月14日
  • ミーツ・ザ・ワールド

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    キャラクターが憑依しているかのような文体で1ページが濃密。想いが溢れまくっていた。主人公・由嘉里に関しての解像度の高さはお見事としか言いようがないのだけど、忘れ難いのはやっぱりライの存在で。Audibleの島袋美由利さんによる朗読も素晴らしかった。

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    2025年12月13日
  • ミーツ・ザ・ワールド

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    金原ひとみさんの転換点と思われる作品と聞き、たしかに私がもつ金原さんのイメージを大きく変えた「ナチュラルボーンチキン」に似た感覚であった。
    ただ、「ナチュラルボーンチキン」のほうがひとつひとつの言葉や考え方にぐっとくるポイントが多かったのに対し、こちらは少し自分にとっての共感性が低かった。主人公のライへの盲目的な「愛」と推しであるM.I.Mへの盲目的な「愛」の双方に馴染みがなかったからかもしれない。でも、それこそ自分とは異なるワールドへ距離をとっている証拠であり、まだ自分が別のワールドに出会い共存することが感覚的にできていない証拠かもしれない。

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    2025年12月09日
  • ナチュラルボーンチキン

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    40代になったら自分も新しいことに対してこれくらい躊躇するのかな?
    不妊治療のところは泣きそうになった。まさかさんと幸せになってほしい。

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    2025年12月07日
  • 蛇にピアス

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    文章は読みやすいし、訳を説明できないが心に刺さる小説だった。間違いなく読んでよかった作品。

    ただ最後の描写がなんとなくしか理解できず(そのラインも絶妙だが)、他の方の解釈を読んでようやく理解できた。まだタイトルの意味がしっくり来ていない。

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    2025年12月06日
  • 蛇にピアス

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    ネタバレ

    10年前に読んでラストの意味が分からず、スプリットタンだけは印象に残ってあとは忘れていた。
    この前読んだ金原ひとみさんの『ミーツ・ザ・ワールド』がとてもよかったので、10年ぶりにこちらもまた読んでみたがやっぱり分からなかった。
    このまま自分の中で流れてしまうのは嫌だったので他の人の感想や考察を読みあさってからもう一度考えて、自分なりに言葉にまとめておく。
    解釈は自由なのでここに書くことが「答え」だとは思わないが、一つの考え方だと思ってほしい。

    ①シバはなぜアマを殺したのか
    作中でははっきり明らかになってはいないが、シバが「男も抱ける」と言ったこと、ルイとはノーマルなプレイしかしないアマがde

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    2025年12月06日
  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    ネタバレ

    20年前から最近までのエッセイと掌編小説集。金原さんはやはり尋常ではない半生を送られたのですね。
    冒頭の「母という『ペルソナ』」がよかったのですが、中盤のあれこれはちょっとついていけなくて、自分は絶対友達にはなれんなあと思い、もう全部読む必要はないかなと諦めたけれど、終盤の離婚と娘たちとのことはよかったな。日付を見たら、どうでもいいやと思ったのは2000年代の者が多くて、最近は安定してきたってことかなぇ(上から目線)。
     しかし、よくこんなに赤裸々に描けるもんです。生きるために書いてきた、なるほどです。

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    2025年12月04日
  • 蛇にピアス

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    ネタバレ

    ルイはアマが死ぬことを予測していたのかもしれない。死ぬまではいかなくても離れ離れになることは予期していたかもしれない。
    ルイがなぜ舌ピアスを早く拡張したがっているのか分からなかった。ゆっくり決められたスピードで拡張していけばよかったんじゃないかと思う。
    だけど、ルイは生き急いでいた。なぜだかその生き急ぐという感覚に共感してしまった。急がないと間に合わないという感覚。ルイはアマに褒めてもらうために、アマと繋がってる実感が欲しくて舌ピアスをあけてスプリットタンにしたかったんだなあと思った。
    最後にスプリットタンにならなかったのは、画竜点睛のように完成させるとアマとの繋がりの痕跡が消えていくと思った

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    2025年12月05日
  • 蛇にピアス

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    ネタバレ

    難しいな。
    なんと感想を書けば良いのかわからない。
    アマ、ルイ、シバさんの3人しかほぼ出てこないし、文章も読みやすい。
    結局、アマは誰に殺されたのか?
    シバさんが殺したのか?ルイとシバさんはどうなるのか?分からないまま終わった。

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    2025年12月04日
  • ナチュラルボーンチキン

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    ネタバレ

    文章はうまい。サクサク読める、入り込める。
    けど、最後もの足りないと思うのは、自分の歳のせいか、、、。もはや老害か笑

    悪く言うと、自意識過剰の自己中な主人公の久々恋愛のノロケって感じ
    結婚、離婚を経て、人との関わりを持たなくなった主人公が、職場に友人が出来、そのツテで恋愛までして、人間関係取り戻したって話だけど。
    たまたま、いい人達に出会えたってだけで、本人は何にも変わってない。

    例えば、この主人公と同じく、結婚に失敗し、離婚して、人との関わりを持たなくなった人が、人生、死んだように生きている人が、この本を読んで、共感はするかもしれないが、自分も、前向きに生きていこうと思えるだろうか?

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    2025年11月22日
  • 私の身体を生きる

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    「汚してみたくて仕方なかった」鈴木涼美
    売春が無くならないのは、男側の問題の方が大きいけど、自分に値打ちが付くことに依存する女側の問題もあるのかもしれないと思った。女は性処理として利用されてきた時代が長く続いたせいもあり、完全に無くすことは難しいのだと悟った。

    「トイレとハムレット」宇佐見りん
    面白かった、、!確かに腹痛と苦悩のポーズは似ている。舞台が好きな理由として「シンプルだから」っていうのはすごく腑に落ちた。たった一つの物語、感情を演じているだけだもんな。現実の方が感情ごちゃ混ぜで騒がしいもの。

    「私の三分の一なる軛」児玉雨子
    生物は毎日ちょっと死んでおかないと生きられないって興味深

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    2025年11月22日
  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    金原ひとみが作家生活20年にわたって書かれたエッセイと掌編小説を収録した1冊。

    金原ひとみのエッセイは初めて読んだけれど、この人は小説を書くことでしか生きることができない人なのだと知った。

    ずっとあり続ける希死念慮の中、小説だけが現実から一瞬目を背けさせてくれる。
    そんな彼女は、小説家になるべくしてなったとしか思えない。

    冒頭の『「母」というペルソナ』に鷲掴みにされた。
    金原ひとみという人は、傷つきやすく、傷つくたびに心の声に耳を澄まし続けたから、こんな本質ともいえる叫びを文章として表現できるのかもしれない。

    エッセイや掌編小説の明確な記載がなく、まるで白昼夢を見ているかのような感覚に

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    2025年11月21日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    物語終盤になるにつれ長岡友梨奈の
    非排他主義者による排他的思考が激化する。
    本質的に娘の同級生の死が引き金になったわけではないんだろうけど、なにが彼女をそうさせたのか。

    ・長岡友梨奈とかずやの関係への持たれるであろう疑問を彼女がどう考えているのか
    ・そもそも長岡友梨奈とかずやの出会いの詳細
    ・遺産を渡された娘の現在

    この辺がすごく気になってしまった

    最後の展開は集中できた、、多分読み終えて期間が開いてからようやくちゃんと感想が湧き出てくるはず。

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    2025年11月20日
  • ナチュラルボーンチキン

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    食べ物も着るものもすべてルーティンで過ごしていた主人公がマサカさんのライブを観て、グラグラグラっと世界が変わっていく瞬間には興奮した。音楽よりモッシュの描写が多いのも面白い
    でもそこから恋愛につながるんだ、という違和感。マサカさんみたいにすべてを受け入れてくれる存在はそれはそれは羨ましいけど、過去バイトで同じ職場にいて…という理由で、なんでそこまで思ってくれるのかしっくり来なかった
    元旦那の冷め方はなんかリアルで面白かった

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    2025年11月18日
  • ミーツ・ザ・ワールド

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    ネタバレ

    生き辛さを抱えた人たちが、お互いに意識せず支え合ってる。そんな印象。
    ゆかりがライに生きて欲しいと願い、色んなことをしようとする そこは純粋な思いを感じるけれど。なんて勝手なんだと思う気持ちもある。
    それはあなたの自己満足でしょう。余計な事しない方がいいよ。って思う私もいる。
    悩んでいるわけじゃない人に、自分の願望や希望を押し付けるのは やっぱり違う。
    とはいえ、ゆかりの可愛い性格は私は好きだし、関わり合っていくアサヒやオシン達も好きだ。
    みんなで、そうやっていつまでも暮らしていけたらいいのになって思う。
    何はともあれ、推し がいるのって強い。
    そう思った。私も推しが欲しいと。

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    2025年11月16日