金原ひとみのレビュー一覧
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わたしと、わたしが好きなあのひとと、わたしのことが好きなあのひとと、わたしが好きなひとがすきなひと。もうほんとうにわたし。不幸なわたし。恋愛がつらいわたし。不安なわたし。吐いてしまうわたし。わたししかないんだけれども、これ、分かる、と思わされるところが凄い。全部リアルだから。返信が帰ってこないと胃がキリキリしてしまってって、ものすごいリアル。こういうものを読んでいると、結局人間はほんとうにエゴイズムまみれで、自分のどうしようもない不安の穴を、他人で埋めているとしかおもえない。それをなんかいいものっぽく書くか、正直に書くか。このひとは正直すぎるだけだとおもう。その正直さにはとても好感がもてる。
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Posted by ブクログ
ひとみ嬢がまたひとつ脱皮した。
彼女の著作を順番に追っていくことほど、一方的にもはや変質的に彼女を読み解こうとせん情熱にかられてしまう行為はない。
AMEBICで彼女の才能にうちのめされた私。
彼女はひとつの壮大なラブストーリーを自らの中に強固なものとして持っていた。ほかの作家と同じように。
そこが彼女の出発であったが、同時に彼女には自身という、わずらわしくもいとおしく、支離滅裂でありながら興味をそそげる存在があった。
AMEBICでは徹底的に自身の狂気に向き合い、その混沌からすこしずつ、ひとつの塔のような、中心が生まれてきた。
ほとんど同じくして、その混沌には何にも代え難いオリジナルのリズムがあることも確立されている。
何事も、自身へむかえばむかうほど、しっぽを追いかける蛇のごとくに、滑稽である。
彼女は自己愛の極地に滑稽を見いだした。。。。
ハイドラ、星へ落ちると、彼女らしいラブストーリーともう一度向き合っていく過程の中でも、その文体はどんどん輝きをまし、ハイドラで、わたしは彼女の初期にひとつの完結と金字塔をみた気がした。
その後、この短編集の秀逸たるや!!!!
ラブストーリーから一歩進みでた彼女の滑稽な自分活劇!!!
また彼女が一方的な期待に答えてくれる。
わたしはお煎餅という言葉を友達の子供が熱心に繰り返すのをききながら、感動にふるえる。
一番すきなのは、ミンク。
とにかくひとみ譲の本を読むと、自分自身の苦悩が薄まることは一ミリもないのに気が楽でしかたがない。
それから少しニヒルになる、自己愛〜
この次の短編集からは、とうとう彼女は母になるのだ。
彼女が好きだから最近のインタビューはくまなく読んでいるので近況にくわしすぎて、そのあたりの事情はわかるために、どきどきしている。覚悟しながら新たな扉をひらくのだ。。。 -
Posted by ブクログ
金原ひとみさんの本はこれで三冊目。
蛇にピアスで彼女の作風に脱帽し
アッシュベイビーを読んでなんて気持ち悪いと、ここまでリアルに不快にされたのは初めてで、手に力は入らないし目はちかちかする。気持ち悪くて仕方ないのにとりつかれたように読んでしまう。忘れたいのに一生はなしは忘れられない今から3、4年前でそれ以来彼女の作品は手に取らなかったのに、なぜだか吸い寄せられるように手にとった結果やはり気持ち悪く、そしてとことん鬱になった
アミービック
アメーバのような。
精神が分離するきもちわからなくもない。だけどリアルすぎて、暗すぎて、とことん自分自身を追いつめてしまう。
わたしもアミービックなのかもしれない。
評価つけにくい、やっぱり。
ここまで苦しくなるのも珍しいと思うから4で。
金原ひとみさんはある意味毒であり、一度手に取ったら離れられない。とりつかれる -
Posted by ブクログ
「私」「僕」「俺」三人の主人公のなかで、愛する人を決定的に失い最も不幸なはずの「俺」が、最終的にいちばんマトモな人間でいられている、というところが印象的。
「俺」は「私」を失うことでアイデンティティを取り戻し、「私」や「僕」は「彼」を得たことで「彼」やその関係そのものに依存し、アイデンティティを喪失した(あるいはそう望んでいる)のではないか。
「私」も「僕」も「彼」との結合を強く求めるところも、そういう印象を補強している。
「オートフィクション」のときも思ったけど、物語の進行と主人公の内的描写のコントラストが面白かった。今作では複数の視点から謎を解き明かしていくような要素も含まれていて、最後まで楽しめた。 -
Posted by ブクログ
「彼」を中心に「私」と「僕」と「俺」の視点から描かれる連作短編集。
関心を引くための自傷行為など、人を好きになる意味を考えさせられました。
自分を愛してくれる「俺」を捨てて「彼」を選んだ「私」
同棲している「僕」から「彼」を奪ったけれど、その影に怯える「私」
「彼」を奪われて自暴自棄になる「僕」
「私」が出ていき、自暴自棄になる「俺」
登場人物の名前は決して出てこないし。
ほとんど、情報は与えられず、好きな人に対する感情のみ。
また、「彼」自身の感情は言葉では語られない。
あくまでも、「私」または「僕」からの強い想いのみが描かれる。
他人に依存するということがこれほどに脆いもので。
盲目的に誰かを愛するということは自分をも傷つけるものなのか。
激しさとか欲とか嫉妬とか歪な形のものが描かれていて。
決して目を背けてはいけないのだと思い知らされるだけでなく。
きっと誰にでもあるだろう、どろどろした感情は。
なぜか、今を生きているということを強く痛感させられた。