金原ひとみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
若い頃に妊活でボロボロになり、ただただ平穏な生活を求めていたミドフォー女性が新たな出会いに翻弄されていくお話。
長回しみたいな文章は新感覚ですごく面白いし共感する部分も多かった。
ストーリー展開はかなり無理がある感じなのでファンタジーとして読めば良いのですが、周りの人の「ホスト狂い」とか「宗教にハマった家庭」とか過激な設定がいまいち物語に活かされていなくて持て余した感じがした。
「皆多かれ少なかれ、三十代後半くらいになってくると楽しいことがちょっと重くなってくるんだと思いますよ。霜降り牛みたいに、少々過剰すぎますねって感じで、
心が動かない平穏な状態を求めている人は少なくないはずです。 -
Posted by ブクログ
はじめましての金原ひとみさん。
いつか読んでみたいなと思っていたところに、本屋で目にとまって購入。
ひとの内面の解像度が高い。シチュエーションは自分の日常と近いものは無くても、登場人物の心の動きにドキッとさせられる。
自分で選んで進んできたはずの道が急に不安定なものに思えてきて、生きたいわけでもないのに生きなければいけない現実にもがいている自分と、それをどこか客観視している自分の両面が描かれている。
どのお話も、誰がが救ってくれるわけじゃないことに気付かされているところがリアルで、容赦ないけど清々しさすら感じた。
このヒリヒリする感じ、他のお話も読んでみたいです。 -
Posted by ブクログ
自分がどれだけ憧れ、理解したいと思っても、相手がそうされることを望まないなら、いったい何ができるだろう。死ぬことが自然と考えている人を死から救いたいというのはエゴなのか。人と人は関わり合って、少なからず迷惑をかけ合って生きていくものだと思っている。人生や幸福はどこまで個人のものなのか。
ゆかりにとってのライのように自分を大きく変えてくれる存在と出会うことに少し憧れる。自分の人生にそんな人が1人でもいたら、たとえ会えなくなったとしても、いつまでも自分の世界の中で で生き続けるのだろう。
2人の人間がどれだけ親密になり、愛し合っていたとしても完全に一つにはなれない。円は交わることはあってもピッ -
-
Posted by ブクログ
リレーエッセイ方式で17人の書き手が
『私の身体を生きる』という性をテーマに綴った作品。
想像していた感じと、かなり違っていた。
同じテーマでも書き手によって随分とみえる世界が変わるものだ。編集者から依頼された形で綴っているためか、何となく及び腰に感じる作品も少なくない。
女性しばりでリレーエッセイ集にした意味する所も、問いたいが、赤裸々告白をするものから、トラウマ的な内容を飄々と語ったものまで、多種多様・・・
トップバッターの島本理生さんの作品だけは、眠っていたような共感が呼び起こされる様な感覚があった。
恋愛ものがお得意な作家さんだけに、性の役割にも飄々と鋭い着眼点をお持ちだ。
色 -
-
Posted by ブクログ
愛と性、結婚と離婚など男女の関係について考えさせられる内容だった。
本書の6つの短編はどれもどことなく不安定で儚さが感じられる。ちょっとしたきっかけで全てがガラガラと崩れてしまいそうなギリギリのバランスで保たれている。
もっと現実は違うという気持ちとこんな感じでいつも不安定なのかもしれないと自分の気持ちも複雑であることを改めて思う。
『献身』にあった「今私は自分が、自分自身に固く拘束されていて、でも途方もなく自由だと感じる」のフレーズにはなぜか非常に納得できるものがあった。
本書の中では『仮装』が一番好きな話だった。子供を愛する気持ちと子育ての苦労から解放されたい気持ちとのバランス、そして -
Posted by ブクログ
グロい。想像力が勝手に働くのを無理やり抑えないとページが捲れない。ここで描かれている人体改造は今流行りの承認欲求からくるものではなく、人間であることや、生きている苦しみからできるだけ離れようとするものである。痛みを伴うごとに超人化していくのが、登場人物にとっては快楽だったのかもしれない。痛みを感じることは非常に人間的なのに、痛みを乗り越えた後はますます人間が近づきがたくなる姿に変貌する。ふたつの姿の境界を行ったり来たりする世界に、彼らは生きている。
アマが亡くなってしまうときに、ルイに身がちぎれるほどの苦しみが襲うとき、ああ、まだルイは人間だったんだと気づく。人体改造では得られない精神的な苦痛