金原ひとみのレビュー一覧
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高橋源一郎さんのラジオで紹介されているのを聞いて読んでみた。
同じ状況でも「気づいてしまう人」と「気づかずスルーする人」がいると思うが、
「女であること」で少なからず嫌な思いをした経験は誰にでもあると思う。
痴漢について、本筋からはずれるかもしれないが、これだけ多くの女性が被害に遭ってる、ということはそれだけ痴漢をやったヤツがたくさんいる、ということよね?
もしかしたらそこにいる善良そうなおぢさん、爽やかそうなお兄さん、しょぼくれたおじいさんだって!
それでもみんな知らんぷりして普通の生活をしているんだろう、と思うとものすごく腹立たしい。
またまた話がズレるが最近読んだ大谷晶さんが自分をすごく -
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金原ひとみさんの作品を少しずつ読んでいく予定。
私の中では村上龍氏とどこか同じカテゴリーに属していて、かつては村上龍で手一杯だったと思う。
本作は二作目にあたり、初期作らしいきりきりとした緊張感が漂う。社会なのか、家庭なのか、何かに抵抗している若さを読むことになる。
「アッシュベイビー」は、ベイビーという生命を扱いながら、それを灰色の存在へと変形させる。そこにこそ金原ひとみの挑戦的な文学性は際立つが、同時に文芸としての限界さえ感じさせられる。
眩しい世界を避けながら、しかし個として沈むことにも抵抗する。そんな難しい生き方。
金原ひとみにとって、作家であること以外に道はなかったのではないか -
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ネタバレ◾️record memo
小さい小さい嘘を重ねて少しずつ自分のイメージ操作をする彼といる間、彼の作り上げた虚構の世界に付き合わされ、ずっとディズニーランドに生きているような気分だった。最初の一ヶ月は楽しくて仕方なかったけれど、半年経つと疲弊が蓄積し、一年も経つとハリボテの裏を知り尽くし、その虚構性に嫌悪しか抱かなくなった。
皆は一体他のどこにそんな要素を見出せるのだろう。何が彼らの足場となり、普通に立っていられるのだろう。それとも足場などなく、普通に地面に立っているのだろうか。だとしたら私が直接地面に立てず足場を必要としているのは何故なのだろう。
結局のところ、明日死ぬかもしれない世界 -
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2003年9月、第27回すばる文学賞受賞。
2004年1月、第130回芥川賞受賞。
綿矢りささんと同時受賞というニュースはもちろん知っていた。
知っていて、あえて読まなかった。
きっと、才能を少し疑っていたのだと思う。
それでもこれから金原ひとみさんを読んでいくなら、やはりデビュー作は押さえておこうと。
若さそのものが文章の中で脈打っていて、刃物のように鋭いようで、どこか弱い。
正直、私には若すぎる世界。
読後の印象は『限りなく透明に近いブルー』や『つぐみ』を初めて読んだときの感覚に近い。
「ほお」と知らない世界を垣間見る感じはあるけれど、胸を打つような感動とは少し違う。
村上龍さんが解 -
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少し金原ひとみという人に興味を持って。
芥川賞流行りの一環でもある。
若い。
こういった空気感は、多分若い人にしか出せない。年齢を重ねるとなんだか恥ずかしくなるからだ。イタイ、ともいうかもしれない。
選考者に村上龍がいて、それもむべなるかな、村上龍もこういうタイプの作家だ(あまり読んだことがないので違うかもしれない)。刹那的で暴力的、どうしようもない絶望感。
完成度は高いな、と思う。読んである時に変な自意識もぎこちなさも感じず、素直に読めた。故に星の数が特に高得点ではないのは、私の嗜好によるものが大きい。
ルイはきれいで良かったよね。
私がこの物語にケチをつけるとすればそこだ。きれいな子 -
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西加奈子さん、村田紗耶香さん、千早茜さん、、他にも豪華な方々のお名前が、、
もうこれ買うしかないやんと思って購入して即読みました。
それぞれの女性作家さんたちがご自身の身体をテーマにリレー形式でエッセイをつづられていて、どのエッセイもすごく赤裸々に描かれていて同じ女性として共感するところもあれば、驚かされることもあり、、それこそ、読んでからは「私の身体は私のもの」を強く感じた。
それぞれの身体に色々な経験や傷が合ったり、コンプレックスが合ったり。
それでも一つしかない自分の身体。
こんな私でももっと堂々と生きていていいんだと思わせてくれる作品でした。 -
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思ってたんと違った‥
というのがまず第一印象。
タイトルから「生」の話だと思っていた。
それぞれ病気や障害、特性などを抱えながら「私の身体を生きる」というような内容だと思っていたし、そういう内容が読みたかった。
‥それはそれとして、読み進めると
こんなに明け透けに自分の体験や性被害や性癖や生き方を世間に曝け出して大丈夫なのか?と心配になるような内容が多くて驚いた。
そして、みんな色々な事を抱え、考え生きているんだな‥と改めて考えさせられた。
普通に見えるあの人も、幸せそうだと感じるあの人も本当は色々な事情を抱えているのかもしれないと。
「性」に対する考え方・感じ方・捉え方も本当に様々で