金原ひとみのレビュー一覧
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「汚してみたくて仕方なかった」鈴木涼美
売春が無くならないのは、男側の問題の方が大きいけど、自分に値打ちが付くことに依存する女側の問題もあるのかもしれないと思った。女は性処理として利用されてきた時代が長く続いたせいもあり、完全に無くすことは難しいのだと悟った。
「トイレとハムレット」宇佐見りん
面白かった、、!確かに腹痛と苦悩のポーズは似ている。舞台が好きな理由として「シンプルだから」っていうのはすごく腑に落ちた。たった一つの物語、感情を演じているだけだもんな。現実の方が感情ごちゃ混ぜで騒がしいもの。
「私の三分の一なる軛」児玉雨子
生物は毎日ちょっと死んでおかないと生きられないって興味深 -
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金原ひとみが作家生活20年にわたって書かれたエッセイと掌編小説を収録した1冊。
金原ひとみのエッセイは初めて読んだけれど、この人は小説を書くことでしか生きることができない人なのだと知った。
ずっとあり続ける希死念慮の中、小説だけが現実から一瞬目を背けさせてくれる。
そんな彼女は、小説家になるべくしてなったとしか思えない。
冒頭の『「母」というペルソナ』に鷲掴みにされた。
金原ひとみという人は、傷つきやすく、傷つくたびに心の声に耳を澄まし続けたから、こんな本質ともいえる叫びを文章として表現できるのかもしれない。
エッセイや掌編小説の明確な記載がなく、まるで白昼夢を見ているかのような感覚に -
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ネタバレ生き辛さを抱えた人たちが、お互いに意識せず支え合ってる。そんな印象。
ゆかりがライに生きて欲しいと願い、色んなことをしようとする そこは純粋な思いを感じるけれど。なんて勝手なんだと思う気持ちもある。
それはあなたの自己満足でしょう。余計な事しない方がいいよ。って思う私もいる。
悩んでいるわけじゃない人に、自分の願望や希望を押し付けるのは やっぱり違う。
とはいえ、ゆかりの可愛い性格は私は好きだし、関わり合っていくアサヒやオシン達も好きだ。
みんなで、そうやっていつまでも暮らしていけたらいいのになって思う。
何はともあれ、推し がいるのって強い。
そう思った。私も推しが欲しいと。 -
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エッセイと掌編がごちゃ混ぜの構成で、エッセイ?小説?とどちらとも取れるような内容のものもあった。
それだけエッセイと小説の雰囲気が似ている。
とにかく感情が勢いのまま溢れ出しているみたいな文章。
恋愛感情も、嫌い、嫌だという感情もすごく豊かな人なんだなあと感じた。
わりと淡々と物事を受け止めてしまう私と、対極にある人だなと思う。
物事に対する考え方とか姿勢、行動のパターンというのか、とにかく私と全然違う。
でも自分の内なる感情をこんなに分かりやすく言葉にして伝えるって凄いことだよなぁ…と感心した。
『「母」というペルソナ』に共感する人も多いみたいだが、これも私にとっては、斬新というかなるほど -
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身体や性についてのエッセイ集。この中で柴崎友香さんが呈示していた疑問「なぜ書き手の性別を限っているのか」、私もこれと同じことを思った。もう、このフェーズは終わっていないか。いま、同じテーマで、男性やその他の性の人の語ることも聞きたいし、それらが同じひとつの場所に並べられているところを見たい。
どのエッセイもそれぞれ興味深かったし、色んな方向に心動かされたが、上記の意味で、柴崎さんが「このような疑問を私が持っていることを編集者と共有できたので、書くと返答した」という経緯を書いてくれていたことが、いちばん嬉しかった。もちろん、疑問の詳細は私が書いたこととは違ったけれど。 -
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バツ2の子持ち作家。そして恋愛体質。会話も心の中も全て語彙力があり冷静に自分の気持ちや考えを綴る(そりゃ小説だからそうだけど)その部分に聡明さを感じるというか理性的な人に感じるけどそんなことはなく結構メンヘラ気質で不安定。
上手く行ってる作家で料理にもオシャレさがありデリカシーのない元旦那と繊細で寛容な若い彼。そんな設定が多い(金原さんの作品で印象に残ってるのがこれ系統なのかもだけど)上に巧みな描写力でなんだかもう金原さんのエッセイなのかそうではないのか分からなくなってくる。
金原さんのエッセイ読んだ時も小説かな?と思うような感覚だったから境目を感じなくて混乱してくる。
最近読んだヤブノ -
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思考を巡らせてもどうせ何か見覚えのあるストーリーにのせてベルトコンベアの上を運ばれていくだけなら、ドパミン放出を道標に、何をどうしたいのかわからないけど何かをしている状態で生きていてもいいよなあとは思うのだけど、
実際はわたしみたいな社会不適合人間は社会に適合する形で守られないとダメだなという思いが強まった
退屈で演技くさくて茶番だけど、これが1番の安全策
結局やりたいこともやりたくないことも自分の意思の本物らしさを信じきれないのであれば、世間に伺いを立てながら飼い慣らされる方が楽
下手に抗おうとすると、その抵抗するスタンスが自分の意思らしきものの形成に大きく関与してしまって逆に支配される構造 -
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どんなことをどんな風に語るかは自由なはずなのに、不思議と受ける印象が近い方も多い。圧倒されたのは、自身の自慰について複数名の方が赤裸々に書かれていたこと。もちろん秘めておくべきかどうかは個人の自由だが、同じことを目の前の男性に言われたらきっと眉間にシワを寄せてしまうと思うので、(こんな性差を感じてどうかとも思うが)そうならないのを織り込み済みの、女性性を逆手に取った表現ような気もする。私のお気に入りはセブンルールで見たことのある藤原麻里菜さん。「もし、技術が発達して、アバターを作って仮想空間で生きれるとしたら、私は女の身体を選ばず、カービィみたいなピンク色の球体を選ぶだろうと思うのだ。そうした
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真奈実の気持ちわかるなあ
生々しい感情をむき出しにして、その感情を主題にした演技くささの残る劇に登場しなきゃいけないのは嫌だ、自分が役者であることすら完全に忘れて生身で空気に触れているのならむしろ楽しいけど
だいたい自分を外側から見る視点が消えない
p77「暴力というのはその真骨頂で、こちらにとっては痛みよりもその暑苦しさのほうが地獄なのだ」
暑苦しさから逃れたくて涼しい観客席に避難するような生活を送っている
感情を持つというのは偶然なのか必然なのか
必然と感じて理由をこじつけて納得しようとしたり今までの経験を振り返って根拠を模索したりするが、そう感じるような反射づけが環境によって偶然生じた -
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憂鬱な女性“神田憂”の、現実と妄想を行き来する7つの短編集。
各短編には、同じ名前を持ちながらも別の職業に就いた男たちが現れ、彼女の憂鬱に拍車をかける。驚いたのは、これらが数年をかけて雑誌や媒体で発表されていたことだ。その間に作者は私生活で変化を経験したはずだが、スタンスは一貫して揺らいでいない。そこにこそ金原ひとみの「らしさ」があるのでしょう。
地頭の良さ、家庭の背景、美しさ。そうした彼女の資質を前提にしてこそ、この露悪的で反抗的な文体は文学として成立しているのかと思う。
私には共感できる部分は少ないし、嫉妬も感じるが、思考の暴走、現実感の歪みに 作者の魅力があるのかなと。
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高橋源一郎さんのラジオで紹介されているのを聞いて読んでみた。
同じ状況でも「気づいてしまう人」と「気づかずスルーする人」がいると思うが、
「女であること」で少なからず嫌な思いをした経験は誰にでもあると思う。
痴漢について、本筋からはずれるかもしれないが、これだけ多くの女性が被害に遭ってる、ということはそれだけ痴漢をやったヤツがたくさんいる、ということよね?
もしかしたらそこにいる善良そうなおぢさん、爽やかそうなお兄さん、しょぼくれたおじいさんだって!
それでもみんな知らんぷりして普通の生活をしているんだろう、と思うとものすごく腹立たしい。
またまた話がズレるが最近読んだ大谷晶さんが自分をすごく -
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金原ひとみさんの作品を少しずつ読んでいく予定。
私の中では村上龍氏とどこか同じカテゴリーに属していて、かつては村上龍で手一杯だったと思う。
本作は二作目にあたり、初期作らしいきりきりとした緊張感が漂う。社会なのか、家庭なのか、何かに抵抗している若さを読むことになる。
「アッシュベイビー」は、ベイビーという生命を扱いながら、それを灰色の存在へと変形させる。そこにこそ金原ひとみの挑戦的な文学性は際立つが、同時に文芸としての限界さえ感じさせられる。
眩しい世界を避けながら、しかし個として沈むことにも抵抗する。そんな難しい生き方。
金原ひとみにとって、作家であること以外に道はなかったのではないか