金原ひとみのレビュー一覧

  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    20年前から最近までのエッセイと掌編小説集。金原さんはやはり尋常ではない半生を送られたのですね。
    冒頭の「母という『ペルソナ』」がよかったのですが、中盤のあれこれはちょっとついていけなくて、自分は絶対友達にはなれんなあと思い、もう全部読む必要はないかなと諦めたけれど、終盤の離婚と娘たちとのことはよかったな。日付を見たら、どうでもいいやと思ったのは2000年代の者が多くて、最近は安定してきたってことかなぇ(上から目線)。
     しかし、よくこんなに赤裸々に描けるもんです。生きるために書いてきた、なるほどです。

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    2025年12月04日
  • 蛇にピアス

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    ルイはアマが死ぬことを予測していたのかもしれない。死ぬまではいかなくても離れ離れになることは予期していたかもしれない。
    ルイがなぜ舌ピアスを早く拡張したがっているのか分からなかった。ゆっくり決められたスピードで拡張していけばよかったんじゃないかと思う。
    だけど、ルイは生き急いでいた。なぜだかその生き急ぐという感覚に共感してしまった。急がないと間に合わないという感覚。ルイはアマに褒めてもらうために、アマと繋がってる実感が欲しくて舌ピアスをあけてスプリットタンにしたかったんだなあと思った。
    最後にスプリットタンにならなかったのは、画竜点睛のように完成させるとアマとの繋がりの痕跡が消えていくと思った

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    2025年12月05日
  • 私の身体を生きる

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    「汚してみたくて仕方なかった」鈴木涼美
    売春が無くならないのは、男側の問題の方が大きいけど、自分に値打ちが付くことに依存する女側の問題もあるのかもしれないと思った。女は性処理として利用されてきた時代が長く続いたせいもあり、完全に無くすことは難しいのだと悟った。

    「トイレとハムレット」宇佐見りん
    面白かった、、!確かに腹痛と苦悩のポーズは似ている。舞台が好きな理由として「シンプルだから」っていうのはすごく腑に落ちた。たった一つの物語、感情を演じているだけだもんな。現実の方が感情ごちゃ混ぜで騒がしいもの。

    「私の三分の一なる軛」児玉雨子
    生物は毎日ちょっと死んでおかないと生きられないって興味深

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    2025年11月22日
  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    金原ひとみが作家生活20年にわたって書かれたエッセイと掌編小説を収録した1冊。

    金原ひとみのエッセイは初めて読んだけれど、この人は小説を書くことでしか生きることができない人なのだと知った。

    ずっとあり続ける希死念慮の中、小説だけが現実から一瞬目を背けさせてくれる。
    そんな彼女は、小説家になるべくしてなったとしか思えない。

    冒頭の『「母」というペルソナ』に鷲掴みにされた。
    金原ひとみという人は、傷つきやすく、傷つくたびに心の声に耳を澄まし続けたから、こんな本質ともいえる叫びを文章として表現できるのかもしれない。

    エッセイや掌編小説の明確な記載がなく、まるで白昼夢を見ているかのような感覚に

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    2025年11月21日
  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    エッセイと掌編がごちゃ混ぜの構成で、エッセイ?小説?とどちらとも取れるような内容のものもあった。
    それだけエッセイと小説の雰囲気が似ている。
    とにかく感情が勢いのまま溢れ出しているみたいな文章。
    恋愛感情も、嫌い、嫌だという感情もすごく豊かな人なんだなあと感じた。
    わりと淡々と物事を受け止めてしまう私と、対極にある人だなと思う。
    物事に対する考え方とか姿勢、行動のパターンというのか、とにかく私と全然違う。
    でも自分の内なる感情をこんなに分かりやすく言葉にして伝えるって凄いことだよなぁ…と感心した。

    『「母」というペルソナ』に共感する人も多いみたいだが、これも私にとっては、斬新というかなるほど

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    2025年11月14日
  • 私の身体を生きる

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     身体や性についてのエッセイ集。この中で柴崎友香さんが呈示していた疑問「なぜ書き手の性別を限っているのか」、私もこれと同じことを思った。もう、このフェーズは終わっていないか。いま、同じテーマで、男性やその他の性の人の語ることも聞きたいし、それらが同じひとつの場所に並べられているところを見たい。
     どのエッセイもそれぞれ興味深かったし、色んな方向に心動かされたが、上記の意味で、柴崎さんが「このような疑問を私が持っていることを編集者と共有できたので、書くと返答した」という経緯を書いてくれていたことが、いちばん嬉しかった。もちろん、疑問の詳細は私が書いたこととは違ったけれど。

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    2025年11月02日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

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    思考を巡らせてもどうせ何か見覚えのあるストーリーにのせてベルトコンベアの上を運ばれていくだけなら、ドパミン放出を道標に、何をどうしたいのかわからないけど何かをしている状態で生きていてもいいよなあとは思うのだけど、
    実際はわたしみたいな社会不適合人間は社会に適合する形で守られないとダメだなという思いが強まった
    退屈で演技くさくて茶番だけど、これが1番の安全策
    結局やりたいこともやりたくないことも自分の意思の本物らしさを信じきれないのであれば、世間に伺いを立てながら飼い慣らされる方が楽
    下手に抗おうとすると、その抵抗するスタンスが自分の意思らしきものの形成に大きく関与してしまって逆に支配される構造

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    2025年10月12日
  • 私の身体を生きる

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    どんなことをどんな風に語るかは自由なはずなのに、不思議と受ける印象が近い方も多い。圧倒されたのは、自身の自慰について複数名の方が赤裸々に書かれていたこと。もちろん秘めておくべきかどうかは個人の自由だが、同じことを目の前の男性に言われたらきっと眉間にシワを寄せてしまうと思うので、(こんな性差を感じてどうかとも思うが)そうならないのを織り込み済みの、女性性を逆手に取った表現ような気もする。私のお気に入りはセブンルールで見たことのある藤原麻里菜さん。「もし、技術が発達して、アバターを作って仮想空間で生きれるとしたら、私は女の身体を選ばず、カービィみたいなピンク色の球体を選ぶだろうと思うのだ。そうした

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    2025年10月05日
  • アタラクシア

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    真奈実の気持ちわかるなあ
    生々しい感情をむき出しにして、その感情を主題にした演技くささの残る劇に登場しなきゃいけないのは嫌だ、自分が役者であることすら完全に忘れて生身で空気に触れているのならむしろ楽しいけど
    だいたい自分を外側から見る視点が消えない
    p77「暴力というのはその真骨頂で、こちらにとっては痛みよりもその暑苦しさのほうが地獄なのだ」
    暑苦しさから逃れたくて涼しい観客席に避難するような生活を送っている

    感情を持つというのは偶然なのか必然なのか
    必然と感じて理由をこじつけて納得しようとしたり今までの経験を振り返って根拠を模索したりするが、そう感じるような反射づけが環境によって偶然生じた

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    2025年10月05日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

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    金原さんの作品は「蛇にピアス」以来だったが、リアルで露骨すぎて、ある意味新鮮だった。ストーリーや内容はオブラートに包むことなく、どストレートで、時に不快感を覚える時もあるが、感情に波を起こさせてくれるところが昔と変わらない良さなのかなと思った。言葉の使い方や選び方などが印象的で、共感できることが多い。読む人を選ぶ作品かもしれないが、私はこういう忖度のない、妥協のない、人間の本質をえぐる作品を描く作者のことをこれからも応援したい。

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    2025年09月22日
  • 私の身体を生きる

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    テーマはとても興味深い。
    面白いかと言われれば分からない。
    人の隠しておく部分を覗き見したような気持ちになった。「隠しておく」部分ではないのである、もっとオープンに話そうよ、自分の身体のことなんだから、がメッセージか?

    年を経ると病気の「身体」のことをしょっちゅう話すようになるのに、この本読んで「隠しておく」部分と感じたのは何故なのだろうか? 社会による刷り込みか?

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    2025年09月18日
  • 憂鬱たち

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    憂鬱な女性“神田憂”の、現実と妄想を行き来する7つの短編集。
    各短編には、同じ名前を持ちながらも別の職業に就いた男たちが現れ、彼女の憂鬱に拍車をかける。驚いたのは、これらが数年をかけて雑誌や媒体で発表されていたことだ。その間に作者は私生活で変化を経験したはずだが、スタンスは一貫して揺らいでいない。そこにこそ金原ひとみの「らしさ」があるのでしょう。

    地頭の良さ、家庭の背景、美しさ。そうした彼女の資質を前提にしてこそ、この露悪的で反抗的な文体は文学として成立しているのかと思う。
    私には共感できる部分は少ないし、嫉妬も感じるが、思考の暴走、現実感の歪みに 作者の魅力があるのかなと。

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    2025年09月12日
  • 私の身体を生きる

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    高橋源一郎さんのラジオで紹介されているのを聞いて読んでみた。
    同じ状況でも「気づいてしまう人」と「気づかずスルーする人」がいると思うが、
    「女であること」で少なからず嫌な思いをした経験は誰にでもあると思う。
    痴漢について、本筋からはずれるかもしれないが、これだけ多くの女性が被害に遭ってる、ということはそれだけ痴漢をやったヤツがたくさんいる、ということよね?
    もしかしたらそこにいる善良そうなおぢさん、爽やかそうなお兄さん、しょぼくれたおじいさんだって!
    それでもみんな知らんぷりして普通の生活をしているんだろう、と思うとものすごく腹立たしい。
    またまた話がズレるが最近読んだ大谷晶さんが自分をすごく

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    2025年09月09日
  • アッシュベイビー

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    金原ひとみさんの作品を少しずつ読んでいく予定。
    私の中では村上龍氏とどこか同じカテゴリーに属していて、かつては村上龍で手一杯だったと思う。

    本作は二作目にあたり、初期作らしいきりきりとした緊張感が漂う。社会なのか、家庭なのか、何かに抵抗している若さを読むことになる。

    「アッシュベイビー」は、ベイビーという生命を扱いながら、それを灰色の存在へと変形させる。そこにこそ金原ひとみの挑戦的な文学性は際立つが、同時に文芸としての限界さえ感じさせられる。

    眩しい世界を避けながら、しかし個として沈むことにも抵抗する。そんな難しい生き方。
    金原ひとみにとって、作家であること以外に道はなかったのではないか

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    2025年09月02日
  • 軽薄(新潮文庫)

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    危うい関係が秘密の状態までは目が離せないが、やはりこういうのは露見しないと話が終わらないし、面白くもないんだけど、露見するともういいかな、と思ったりする。人は安定と不安定どちらを望むのかね。。。

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    2025年09月02日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ◾️record memo

    小さい小さい嘘を重ねて少しずつ自分のイメージ操作をする彼といる間、彼の作り上げた虚構の世界に付き合わされ、ずっとディズニーランドに生きているような気分だった。最初の一ヶ月は楽しくて仕方なかったけれど、半年経つと疲弊が蓄積し、一年も経つとハリボテの裏を知り尽くし、その虚構性に嫌悪しか抱かなくなった。

    皆は一体他のどこにそんな要素を見出せるのだろう。何が彼らの足場となり、普通に立っていられるのだろう。それとも足場などなく、普通に地面に立っているのだろうか。だとしたら私が直接地面に立てず足場を必要としているのは何故なのだろう。

    結局のところ、明日死ぬかもしれない世界

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    2025年09月01日
  • 持たざる者

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    リアルすぎて、結構辛かった。
    怒りとか焦燥感とか、身に染みるように分かる本だった。感情移入しすぎて落ち込むくらい文章が本当にうまいんだなぁ。
    だから、海外文学の方が読んでて楽な時がある。
    マザーズも読んでみたいんだけど、元気な時の方がいいかな。

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    2025年08月31日
  • 私の身体を生きる

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    こんなにも赤裸々に皆書いて良いのか!?と最初動揺したが、それぞれ考えさせられるものが多く、有意義な時間が過ごせた。

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    2025年08月29日
  • ハジケテマザレ

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    ネタバレ

    この本の筆者インタビューで、「拘束力のない、ゆるいつながりを書いてみたいと思った」「普通が尊いと思うようになった」といわれていて、価値観が同じと思って読むことに。

    話の内容自体は、軽そうで上っ面な感じでわーっと進んでいくけれど、最後まで読んで居心地がよくてゆくてふわふわした感じの世界にいたことが強く感じられた。

    誰が誰かわからなくなったまま読んでたからもっかい読み返したい。
    文章のわちゃわちゃした感じは苦手だけど、コンセプトは好きな作品。

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    2025年08月20日
  • 私の身体を生きる

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    西加奈子さん、村田紗耶香さん、千早茜さん、、他にも豪華な方々のお名前が、、
    もうこれ買うしかないやんと思って購入して即読みました。
    それぞれの女性作家さんたちがご自身の身体をテーマにリレー形式でエッセイをつづられていて、どのエッセイもすごく赤裸々に描かれていて同じ女性として共感するところもあれば、驚かされることもあり、、それこそ、読んでからは「私の身体は私のもの」を強く感じた。
    それぞれの身体に色々な経験や傷が合ったり、コンプレックスが合ったり。
    それでも一つしかない自分の身体。
    こんな私でももっと堂々と生きていていいんだと思わせてくれる作品でした。

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    2025年08月15日