金原ひとみのレビュー一覧
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コロナ禍を生きるあなたへ贈る、もうひとつのパンデミック。
5人の作家さんによるアンソロジー♬
『腹を空かせた勇者ども』金原ひとみ ★3.5
コロナ禍の新たな日常を送る、育ち盛りの中学生、玲奈のもとにある日突然おとずれた「濃厚接触者」の知らせ。
『オキシジェン』真藤順丈 ★2.5
顔の見えない「ジェントルマン」の声に従い、反ユートピアの物語を紡ぐ男が企てる、脱ディストピアの叛乱。
『天国という名の猫を探して』東山彰良 ★3
死者は活発に人肉を求め、生者が死んだ様に隠れて生きる暮らしで、ぼくは飼い猫を探す旅に出た
『ただしみ』尾崎世界観 ★3
ただ街を映すだけのライブカメラは、嘘の -
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Posted by ブクログ
ネタバレ短編集
①Shu
こんな男大嫌い
放射能に過敏になり、妻子を移住させるくせに、子供の面倒はみないは、タバコと酒やめないは、浮気するは。色々矛盾だらけやん。
②Chi-zu
①の修人の元カノ?
結婚してフランスへ。子供を産んで幸せに過ごしてたのに、子供が亡くなる。子供が亡くなったのは自分がおかした間違いのせい。そう思ってしまうの分かる。でもその相手が修人だから、なんかイラっとくるわ。
③eri
②の千鶴の妹
自由。金原さんの本の主人公って感じ。脳内では吉高さんに変換して読んでしまった。でも本人にとっては、周りが思うほど、自由に生きてないってのが、なんか良い
④朱里
③のエリナの友達
何故 -
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ネタバレそうきて、そこを通って、最終的にそうなるの!?え!?というストーリー展開だった。もうちょっと現実的なサスペンス的な展開かと思ったら(浮気がばれて破滅する、みたいな)、純愛小説的な終末へ…。
10歳も年下の甥と不倫するという身もふたもない話。主人公の「カナ」も、甥っ子も、ちょっと強烈な過去を持つ。カナは「恋愛じゃない」と思いながらもなんとなく甥っ子に惹かれていく。終盤まで、過去を引きずっているカナが、甥と関係を持ちながら、自分について、相手について、夫について、人生について、ダラダラダラダラと思いに耽る…っていう展開でなんだかなぁ…と飽きてきたが、最後に冷たかったカナの心の奥底で何かが動く感じが -
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西加奈子のポッドキャストで紹介されていた本で読んでみた。
短編集のような作りだけど、どの物語も登場人物は一緒。
主人公の神田憂とカイズというおじさんとウスイという若者。
神田憂はいつも憂鬱で早く精神科に行かなきゃと思っている。
どの物語も共通点はここだけ。
カイズとウスイはそれぞれの物語ではまったく違う人間として出てくる。
そもそもそれぞれの物語は現実なのか神田憂の妄想なのかがわからない。
終始フワフワした独特な世界観のまま最後まで行くかと思ったら最後で神田憂が自分の憂鬱を肯定する。
そこに一気に一連の物語のテーマ性が浮き彫りになったように感じた。
なんて電波な主人公だと思い読んだ。
おそろ -
Posted by ブクログ
読むのは2冊目の金原ひとみ作品。1冊目だった「アミービック」は1人の女性の極端な愛情からくる不安定さのようなものを描いていたけれど、この作品もまたそのような要素があったように思う。不安定さというよりは、無感動と身勝手さのような要素が強めだったけれど。
スタイリストのカナは29歳。10代の頃にした恋愛の果てに、カナに執着する相手から包丁で刺された経験を持つ。
その後その記憶から逃れるようにして留学からの海外生活を経て、15歳上の夫と結婚して一男を得、日本に居を移してからも安定した暮らしをしていた。
そんなある日、海外で暮らしていた姉家族が帰国する。19歳になった甥っ子はすっかり男になっていて、 -
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ダウナーでエレクトロニックなチルミュージックにのせて読む。なにか、BGMがあると、いい。
最後はお酒を飲みながら、主人公の憂鬱を、全身に流し込ませて、細部までいきわたらせるみたいにして、読んだ。
登場人物は、主人公の神田憂と、カイズさんというおじさんと、ウツイくんという若者。
そして常に神田憂が考えていることは、セックス。
ぶっ飛んでいる、何かが。流れている音楽と憂のイライラが、憂の妄想が、最高潮に達する。そのエクスタシーの部分。まるでゆったりと優しく入ってこられるかのような。もっともっとと、疼く。
「官能的ブラックコメディ」
理解する作品じゃなくて、感じる作品だろう。
(P61)私は傷つ