金原ひとみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
内容は何時ものように限りなく過激でこれがファッションで書かれてるなら最も毛嫌いする作品だが、何故だか読み進めてしまうし読みにくくもない。
何故かなと思うとふと最も好きな作家である京極作品に通じる所があるのかと感じた。
自問自答を繰り返し物事の本質に迫ろうと自分自身の心に正直に思う事感じた事をずらずらと書いていく。
そう言う所は相通じるものがあるのではないか。
金原作品はそれをバイオレンス1本で描いている。
最後は正直お腹一杯になった。
金原作品は感情描写や文体が好きで、決して内容が好きなのではない。
なので作家としての才能に共感してる。 -
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先週、先々週とはじけてました。
ってな事で、金原ひとみの『ハジケテマザレ』
ハジケテマザレ
モンキードーン
フェスティヴィタDEATHシ
ウルトラノーマル
の続編短篇
イタリアンレストランのフェスティヴィタに集う個性豊かな人々の人間模様。
マナツとルイコのマナルイコンビ、メイちゃん、岡本くん、ヤクモ、ブリュノ、真野っち、それぞれみんな違ってみんな良い
ちょっと読んでて金原さんらしくないってか、西加奈子さん的な感じがしたなぁ
みんな愛おしいキャラばかりで、愛が溢れた本じゃったわ
あ~、ブリュノのカレー食べたい ԅ(¯﹃¯ԅ)
2024年10冊目 -
Posted by ブクログ
金原ひとみさんの新作で読みたかった作品。
ぶっとんでるけど深いところもあって良かった。
コロナで派遣切りにあった「私」は食い繋ぐためにイタリアンレストラン「フェスティヴィタ」で働いている。
やることめちゃくちゃでパーティピーポーばかりで
ついていけないって最初は思ったけど、読み進めるうちに当時人物たちに愛着が湧く。
「私」は取り柄もなく普通で少し卑屈でマイナス思考。自分もそうなので「私」に共感。
ベテランで毒舌のマナルイコンビ、カレーとDJに目覚めたフランス人のブリュノ、超コミュ力高のヤクモなど個性だらけのメンバーとバイト仲間のyoutuber の彼氏を襲撃したり、激辛フェスで後輩のプロポーズ -
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レイナは年相応であるとも思ったが、文化的な教養とかそういうのとも無縁で、なんと言えば適切なのか分からないけど、平面な子なのだと思う。
しかし、不倫を公然のものとし、家族のなかの母親としての役割も担い続けている、ふてぶてしい母も母で、スノッブじみた話し方をしていて、鼻につく。
この親子に存在する分かり合えなさは、実感として私のなかにもあり、この小説ほどでないにしろ、
違う言語を話しているという感覚、越えられない壁、
これらからくる分かり合えなさというものは痛いほど身に覚えのあるもの。私がここ3年くらい思い悩み続けている問題であった。
ただ、「腹を空かせた勇者ども」では、母への反発心が強かったレ -
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単純に主人公がやりたい放題で周りの男が振り回されてる感があるが、何とも言えない魅力があるんだろう。
志絵自身にも自分では制御出来ない感情があるのも、それが決して常識的で良いことでは無いことも承知の上で生きてる。
それがヤケクソでなく、いけない事も己と悟ってる感じがする。
感情の起伏が激しいがそんなのは誰しも有る事で、読んでて身につまされる。
終盤は作者の想いが前に出過ぎて小説の流れが少しずれてる感じがして少し残念。
金原作品は不倫しないと気が済まないのか(村上作品の男女がすぐ寝るのと同じ感じ)、そのことで描きたいものは何なのか、そうでないと描けないものがあ何なのか、そこを理解出来れば金 -
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望んで結婚したはずなのに、ままならない結婚生活に救いを求めもがく男女を描いた小説。登場人物たちは30代中心で、私はもう通過したせいか(^^)、世代が違うせいか、境遇が違うせいか、あまり響かなかった。
それでも共感出来たのは、英美と由依。
英美の場合は、英美自身に共感出来たというよりも英美と母親との関係と英美と息子との関係。仕事でやむを得ず帰りが遅くなる娘にテレビのほうを向いたまま「子供がいるんだから、もっと早く帰れるようになんとかならないの?」という母親。同居して大切にしてもらえるのかと思っていたら晩御飯を作らされたりして、「家政婦のように扱われている」と文句を垂れる母親。夫が浮気症でい -
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腹減った
ってな事で、金原ひとみの『デクリネゾン』
いつもの金原さんのイメージかと思いきや料理と絡めたお話
普段は和食、居酒屋飯メインのわしじゃが、色んな国の料理が出てきて、これ食べてみたいなってのもあったり
デクリネゾンってタイトルはそれぞれみんなのデクリネゾンって言うのか、読み終えてタイトルの意味を調べると、なるほどなっ‼️って腑に落ちた
志絵、理子、吾郎、蒼葉それぞれみんな好きなキャラじゃったなぁ。みんなそれぞれええ調理(良い人生経験、新しい家族定義と言うのか)されて活かされとる感じですかね
じゃが、『蒼葉』の名前にルビが打って無かったんで -
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自分が面白いと思う小説には2種類あって、ストーリーが気になって一気読みしてしまう小説と、登場人物の会話や独白に惹き込まれる小説。金原ひとみはまさに後者だと思う。
主人公はバツ2で作家の志絵。作者自身を投影してるような部分もあって興味深かった。元夫や娘の理子、恋人で大学生の蒼葉。コロナ禍、蒼葉と同居することになり、入れ代わりに理子は元夫宅へ出ていく。
多様な価値観とか家族観とか、これだけいわれていながら、相変わらず母親には母親らしさが求められ、そこはなかなか寛容にならない。志絵は母親よりも女性の幸せを選択し(たように見える)、それを全面的に肯定したラストは、個人的には良かったと思うのだけど、 -
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「腹を空かせた勇者ども」の裏表になっている作品だと、何かのインタビューで見た記憶があって、こちらの本を読んでみた。
女性小説家で2度の離婚を経たシンママが大学生の男の子と恋愛して……という筋書きで、合間合間に繁華街のスペインバルちっくなお店の料理の描写が差し込まれる。
なぜだか分からないけれど興味を持続することができずに半分読んだところで挫折してしまった。多分、小説家という職業に就いてるし、2回は結婚してるし、娘は理解あるし、小説家の友達はいるし、元夫は育児に協力的だし、年若い男の子から崇拝のような眼差しを向けられてるし、「まあ、じゃあ、いいんじゃない?」と思ってしまったからなのかも…
と -
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ネタバレ
身勝手で自己愛に溢れた主人公を中々受け入れられず、堪えるように読み進めていたつもりが、いつの間にか自分もこの物語のスピード感に巻き込まれて読み切っていた。
リンのセックス中心の世界は15歳まで立ち返ってもその理由となるようなものはなかったように思う。正しく愛情を享受出来なかったから、なんて安い理解はしたくない。
ただそういうものなのだろう、と思った。
直感であり宿命的なもの、それがリンの場合、極端に発出しているだけで、人は誰だって理由もなく好きなものがあり、嫌いなものがある。
22winterの最後はこれまでの生き方や呪縛から束の間解消されたように思えて印象的だった。
(束の間、とあえ