あらすじ
私ら人生で一番エネルギー要る時期なのに。ハードモードな日常ちょっとえぐすぎん?ーー陽キャ中学生レナレナが、「公然不倫」中の母と共に未来をひらく、知恵と勇気の爽快青春長篇。
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著者の作品で主人公になりがちな厄介タイプがママとして脇役に収まり、明るく健康的な娘目線で描かれているのが斬新。
冒頭でママと上手く会話出来ないと嘆いているが話が進むにつれ深く納得していく。そんなママとも仲良く過ごせる主人公のコミュニケーション能力は流石。
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大好きな金原ひとみ様。読んでてずっと"楽しい"って感情になれて、最終章はなんか熱くなって感動すらした。 ママは今の私に似てるけど、レナレナは中高生の時の私に似てるから、あの2人はそっくりだと思うし、レナレナも大人になったらママみたいになると断言します!!笑
学生の時の自分&友達思い出しながら共感して読めたり、ママの意見に唸ったり、楽しい作品すぎ!
『腹をいっぱいにして、もう二度とお腹が空くことはないんじゃないかと思っても、お腹は空く。だとしたら、今は会いたくないと思ってる駿くんが、やっぱり話を聞こうと思ってくれることだってあるだろう。』
『距離をとってくれた人とかもいて、それもあとから優しさだったんだなって分かって嬉しくなったりするよ。人は閉じた貝みたいになる時ある。でもちょっと開いた時、レナレナの優しさの形にその子も触れるはず』
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2023年刊。
金原ひとみさんの割と新しい長編小説。これも素晴らしい傑作だ。
主人公はレナレナこと玲奈、中学生。母親は堂々と不倫中で両親の離婚が間近い、が、レナレナは素晴らしく明るく、活発で、たくさん友だちを作っていく名人だ。アタマはあまり良くなさそうだが、バスケ部で頑張っている。エスカレーター式に高校まで行ける私立の女子中学校に通っている。
この素敵な快活さは突き抜けており、ときに悩むことはあっても、ウジウジせずに前に進み続ける。こんなに屈託のない子がそばにいたら、友だちになりたくなったろう。
レナレナが主に親友の二人の同級生と遊んでいる日常が中心で、そのにぎやかなパロールの奔流がとても輝かしい。
ママは映画関係で勤めているが、文人気質で、理屈っぽい話を延々と聞かせたがる。金原ひとみさんの他の小説にも出てくる、あのちょっとイヤな口うるさい女性の類型である。そんなうるさい世界論をため息ついて聞きながら、レナレナがいろいろ考えたり、心の中で反論したりするのも楽しい。
最終章で高校生になるのだが、レナレナはあんなにがんばっていたバスケ部を急に休部してしまう。なぜ突然イヤになったのか、本人は親に上手く説明できないし、恐らく本人にもよくわかっていない。気まぐれな思春期の発作ということなのか。
で、何故かロック系の女の子バンドに誘われて、初めてのベースを弾き始める。学校祭にバンドが出演するところがクライマックスだ。
思春期ー青春期の女の子を主人公としながら、恋愛体験が出てこずに終わるのは女子校だからか。でもこれはこれで面白く、すがすがしくて良い。
読んでいて主人公の女の子の明るさが愛しくなってくるような、キュートな小説だった。
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楽しかったー!!おもしろかったー!!
最後はなんか気付いたら泣いてた。「行けー!!走れーー!!」と思いながら泣いてた。
正直めちゃくちゃ暗い出来事がたくさん起こるのに、主人公であるレナレナがそれをもがきながらも乗り越えていくので落ちていくような感覚はなくて。
でもグサグサ刺さるような言葉はたくさんあった!
辛辣でありながら面白おかしく家族をディスるヨリヨリに対して感心しつつも
「何となく、テレビに出ているような芸人とかお笑いを思い出す。内輪ウケの話で馬鹿話をして、最後にはみんな笑って終わり。多分あれを面白いと思うのは日本人だけで、内輪の安全な範囲でハメを外して皆で笑ってるようにしか見えなくて、何となく乗り切れないなと思う。」
ってところとか……!!
私はまさにそんな感じだ。そんな感じの学生だったし、そんな感じのまま大人になってる。
でも言葉にして吐き出さないと死んじゃうんだよね。ドロドロの毒みたいなのを同じ気持ちの誰かと一緒に吐き出して、笑い飛ばしていかないと身が持たないんだよね。やれやれ。嫌な大人かも!わたし!
現代の都内の私立の中学生ってこんな優雅な暮らしをしてるのかな。こんなこと言ったらレナレナに「優雅って!自販機のジュースだよ!?マックのオレンジジュースSサイズだよ!?スタバなんて月1しか行けないんだよ!?」って怒られるかもしれないけど。
私はバイトをしてる高校時代がこんな感じだったな。
学校帰りはしょっちゅうミスド行ったりカラオケ行ったり。私は商業高校でほぼ女子しかいなかったからまさにこういう感じで。女子だけでワイワイ。
誕生日になったらケーキ屋でバイトしてる友達が遅刻してホールケーキ持ってきてくれて教室でみんなでフォークでつつきながらケーキ完食したり、ドルオタの友達はジャンボうちわ学校に持ってきててそれを教室の後ろに飾ったりカラオケに持っていったり廊下でアイドルの最新曲のダンス踊ったり。学校指定のサンダルにポスカでめちゃくちゃな落書きして、冬はいつも腰にひざかけ巻いて、体育の帰りは食堂でポテト買って食べていつも手にはリプトン持ってて。
別にリア充とか陽キャとかじゃなかったけど青春だったなーとは思う。女子校みたいなもんだからかカーストとかもなかったし。誰が何してもよかった。ほんと共学じゃなくて良かった〜〜!!!ってしみじみ思う。
なんか、そういう日々を思い出せる小説だった。
楽しかった!!このままハッピーに過ごして、大人になってもずっと幸せでいてほしい!!
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2024年出会ってよかった小説NO.1。
主人公の健気さや明るさで世界救える。とにかく励まされる内容でした。いっぱいご飯食べて運動したくなる!!
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金原ひとみの疾走感、やっぱりクセになるよね。中高女子校のあの友だちとの距離感わかる。陽キャと距離を置きたい、自分を大事にしたいっていうママとの方が自分に近いかもなんだけれど、主人公みたいに、とにかく行動してく先にしかないものがあるのかも。
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令和の時代を切り取った小説だった。
今の時代の若者というか子どもがどういう世界でどういう考え方をしてどう人間関係を結んでいくのかというのをとてもよく書いている。オンラインゲームで国籍の違う友達と出会って遊んだり、彼氏に束縛されている友達に自分が何ができるかを悩んだり、とにかくコロナ禍と現代が詰まった時代小説としてとても面白かった。
私は主人公の女の子よりも、そのママの方が気になっていて。平成のサブカルの価値観を内在してるママが、昔なら主人公になり得る存在だっただろうなと思いながら読んだ。友達同士や家族の絆にどこか冷笑的で知的なこと文化的なことこそが大事であるという、平成のオタクな人やサブカルの人が大事にしているものを大事にしてるママが主人公の女の子を大人として諭したり説教したりしてるのを見るのが、なるほど令和の時代だとこういう風にうつるのか、こんな風に受け取られるのか、と思えた。ママもパパも平成の価値観で話してて、主人公の女の子は釈然としない、みたいなのが自分の世代が古いものになっていったことを読みながら実感させられる体験だったと思う。
令和の時代に親でいることの大変さと子どもたちの素直さと難しさを体験できたいい小説だと思う。
金原ひとみがこんな小説を書くこと自体がなんかもうすごいなと思えてならない。
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コロナ禍を生き抜く女子高生達の青春活劇。
といってしまえばそれまでなのだが、主人公レナの口を通して語られる彼女らの日常は、話し言葉と書き言葉の垣根を踏み壊したような絶妙な文章体で、力強く描かれている。
語り口は軽いのに文体は決して軽く無く、読み進めるたびに女子高生のリアルな心情がグイグイ入り込んでくるところに、金原ひとみの圧倒的な文章力と唯一無二の表現力を感じる。
海外生活をしていた金原ひとみ自身、ティーンエイジャーの子供達を育てながら、様々なジェンダーや境遇を抱えた人々と触れ合いながら生活していたのだろう。主人公を取り巻く女子高生の友人達にも、日本語が苦手な帰国子女であったり、国境を超えて家族が分断されているような家庭が登場し、僕自身の高校時代とは全く違う社会だ。
だが、そこには今も昔も変わらない高校生の青春があり、レナが己の感情を爆発させるシーンにはやはり心が掴まれる。
個人的にはレナが、本が好きな友達に対し「本っておもしろいの?」と問いかけたシーンで、
「文芸には楽しいも面白いも、悲しいも寂しいも、辛いも虚しいも腹立たしいも、全部あるよ」
と答える場面がとても好き。
まさに著者が文芸に感じている無限の可能性を表現しているなと思う。
難しく考えなくても読めるが、読んだ後には色々と考えさせられる素敵な作品。
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圧倒的陽キャ、レナレナの中学から高校の途中までを描いた青春ストーリー。
というと、かなりライトな小説のようで、確かに重くはなく疾走感はあるのだけど、全然チープではない。主人公と一緒に考えさせられ、心の動きに並走して、ラストなんて泣きそうになったりして、とても楽しい読書だった。
読書人に、私も含めてここまでの陽キャは少ないと思うけど、物事に正面からぶつかり、よく考えたり考えなかったり、友達に相談したりして問題を解決しようとするレナレナのまっすぐな眩しさに、自分にもこんな時があった、と初心に帰るような気持ちになる人は多いんじゃないだろうか。
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中高生女子の軽やかな語りで、すらすらと読める短編連作。コロナ禍でも元気いっぱい、食べること遊ぶこと部活で忙しいレナレナの可愛いこと!
そして夫公認不倫中で、週に2日は外泊というキャラのたった母親の言動も見逃せない。というとひどい母のようにみえるが、論理と美味しいご飯で思春期女子を丁々発止とさばいていく。
レナレナや友人たちは、親、友達、恋人との付き合い方に悩みつつ乗り越えていく。コロナ倒産など大変なこともあるが、余り深刻な感じはしない。
すっきり爽快な読後感で私は好きだが、本当にこんなにうまくいくのかなと思わないでもない。中高生やその親が読んだらどう感じるか知りたいと思った。
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金原さんの小説があって良かった。
思えば自分も割と喜びとか怒りとか悲しみとか、
そういう感情の大きなブレが苦手で、色々考え込むことが煩わしいと思っていた人間で。
色々考えてこむようになってから、
あの頃の自分は浅はかだったな、とか思っていたけど、自分に子供ができたとしたら、こんなに思い悩んで欲しくないな、とか思ったり。
安全なとこで、幸せって枠からはみ出さないように、自分が見守れる中でめちゃくちゃ幸せになってほしいとさえ思うのだけど。
でもその陽キャたちは陽キャたちで、
ハードモードな人生を送っている。
結局程度の差こそあれ、みんなそれぞれ色々大変なことを抱えて生きている。
帯にも金原さん自身が書いていたけど、
勝手に幸せになって欲しい。
なんか読んでて何回も泣きそうになった。
金原さんの小説があってよかった。
彼女と会った時に、この小説を読んでいたら、
めちゃくちゃ不満そうな顔をされたけど、
彼女にも幸せになって欲しいです
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主人公レナレナの、子供らしい思春期突入中学一年から少し大人の入口見えてきた高校一年までが、鮮やかに描かれている。あれ?この感覚なんだか懐かしいかも、と思ったら、そう、太宰治の「女生徒」を思い出した(何十年前だろ)。
思春期の女の子の頭の中を、言葉でブワーッと表現するのは、その現代語会話の言葉の面白さもあり、怒涛の異世界的感覚が押し寄せてきておもしろい。もちろん現代の「勇者ども」のほうが、疾走感があるし、ママや友達との会話も豊富に織り交ぜられ、より多層的だ。
同じ年代に子を持つ親の目線としては、現代の複雑な世界を生きて受験が終わっても相変わらず勉強して部活もして、いろいろ悩んだり迷ったり笑ったりしている子供たちを、あらためて誇りに思えて、応援したくなる本だった。
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日本を救うのは、やはり10代女子の「勇者」たちの旺盛な食欲だ。
さまざまな問題を、スナックやファストフードとともに豪快に平らげてしまう。
感染性の高いコロナウィルスも彼女たちの弾けることばや軽やかなフットワークにはついてこれない。
胸のすくような爽快な読後感だ。
ところでこのママは著者自身のカリカチュアだろうか?
少々口うるさいが、「勇者」たちの強力なサポーターだ。
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助走が短くて瞬発力のある文、そんな金原さんの文章が好きだ。
ライトな小説のように思わせる文体で重苦しさを感じないんだけど、それだけで終わらないのがまたいい。
読み終えた後にしっかり読み手に何かを残してくれて、それが何なのかを紐解くのがまたいい時間になる。
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レナレナが両親、友人達との関係を通して、他人の考えている事と自分が思うことの違いとどう折り合いをつけていけば良いのか、レナレナの心の葛藤に共感してしまったり、こんな風に考えるのか!と新鮮だった。「私は正しいことを言って、正しさと正しくなさの狭間で苦しんでいるミナミを正しさで殴ってるような気もした。」という箇所には、とてもハッとさせられた。考えても解決しないことばかりが多いけど、とても軽い調子の会話だらけの文章に何か救われるような気持ちになりました。
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怒涛の会話が続く文章、金原さんぽい。
レナレナ、ヨリヨリ、ミナミ、良い関係だ。中学生から高校生って、子どもだけど少しずつ変わっていく時期だよね。家族の形も恋愛も、縛られるものじゃないのかもだけど、公認不倫かぁ…なかなか難しい。コロナ禍のときを描いてるから、当時を思い出す。他人事のようで、身近な人にもたくさん影響を与えた数年間。あの頃学生だったら、自分はどうだったかなと考えてしまった。
四編それぞれのタイトルも良いなと思った。
『腹を空かせた勇者ども』『狩りをやめない賢者ども』『愛を知らない聖者ども』『世界に散りゆく無法者ども』
食欲の止まらない玲奈の食べるシーンが多くて印象的だった。
Posted by ブクログ
また私は読まず嫌いだった…!と実感してしまった。著者の作品を、勝手なイメージで、若い時にデビューしてもてはやされた、イマドキの、若い女性が書いた、薄っぺらい小説でしょう、と、ハナから読んでいなかった。
完全に自分の偏見だった。こんなにページを繰る手が止まらないとは思っていなかった。この作品で描かれているのは、自分とは遠い世代のコロナ禍の日常。ただでさえ近頃の若者は理解できない、とつい老害地味た発言をしてしまう自分が、タイムスリップしたみたいに自分の15歳の頃に思いを馳せてしまった。
この年末年始は金原ひとみさんの作品を読み漁ることになりそうだ。
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p.107 何だか、嫌な気持ちになった。自分の親とか誰かに憎しみを露わにする瞬間が、私は怖い。いつも見ているものを裏側から見るような、例えば公園に落ちている大きな石の裏っ側、電気シェードの裏っ側みたいに、見れば大抵、見なければよかったという気持ちになる。
レナレナ最高!これからもその真っ直ぐさ、透明さ、清らかさを持ったままでいてほしい。
複雑な感情が嫌いなままで、いいよ。
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1人の思春期真っ盛りの女の子が、学校生活、家族、恋愛、勉強など日々の出来事に、泣き、喜び、盛んに心を動かしていく。
10代の若者の共感もあるだろうけれど、むしろ大人に読んで欲しい。自身の過去に重ね合わさる部分と、今の若者を少しでも知ろうとすることができるかもしれない。
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読む前にチラッと感想を見たけれど、おっしゃる通り「こんな解像度で10代女子の感情が描けるの!?」と思う。脱帽。
金原ひとみが今10代でないけれど描けるのは、自身の10代の時の感情と、「今っぽい」といつの時代も別物扱いされる「現代」の10代の感情に共通するものがあるのだろうか。
「大人って言葉で表現できない感情などないのだろうか」など、グサグサと刺さりそうなフレーズもいい。笑
句読点などなくドンドン溢れ出す感情たちや自分でコントロールなんてできない体や精神の動きなど、学生時代特有の、未発達で絶賛発展中の興味深い心理描写が秀逸でした。
Posted by ブクログ
とても良かった。今までの金原ひとみの小説とは違う、キラキラした青春小説の趣きで驚いたが、好きだなあ。作者のインタビュー記事などを検索してみると、主人公のレナレナには自身のお子さんが投影されているようだ。
レナレナがとにかく明るくて仲間思い。深く考えることは苦手だが、一生懸命に生きている。一方、作者の分身とも思われる母親のユリは、バリキャリしかも夫公認で不倫中。こういう設定はまあ、まったく期待を裏切らない(笑)。
この有能でシニカルな母親ユリとレナレナの関係性が興味深く、二人の会話にハッとする箇所がいくつもあった。例えば、レナレナが我が家にはお金があるのかと心配したとき、「幾らお金があっても不安な人は不安、なぜお金がなくなることを不安に思ってしまうのかを考えた方がいい、その問いに向き合う力がないなら勉強をしなさい」というように、折々できちんと言葉で説明できてるところがすごい。
レナレナも母親が大好きな気持ちと、反面その母親の不倫に傷付き、友人に乱暴な言葉で説明した自分自身にさらに傷付いてしまうところなど、家族への思いが繊細で切なくなる。が、レナレナも確実に成長し、最終章では新しい家族の形を予感させる。
素直で良い子すぎるのが心配なくらいのレナレナだが、これからどういう人生を切り拓いていくのか、ぜひ続編に期待したくなった。
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中学生が毎日を普通に懸命に生きていく話。
自分と友達と親。学校と部活。コロナ禍で変わっていく社会。
周りに助けられながら自分の頭で考える。
つたない言葉で気持ちが上手く伝えられないもどかしさ。使えるお金もスマホも制限されている感じ。
高校生になって少しずつ成長していく様子がいい。
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小説としては不自然なぐらい句読点が少ないけど、その分できるだけ現実に近い口語調になってる。
正直お母さんいけ好かなすぎだし、譲ることを知らない頭でっかちって感じ。物事の抽象化が好きすぎだし、多分執着心が強くて理想家なんだと思う。実際それはほんとなんだろうけど、レナがパニクったときにお母さんが解決してくれて少し和解するシーンを読むと、あくまでそれは思春期のレナを通しての印象でもあるのかもと思った。
レナレナほんまもんの陽キャすぎて正直まぶしい。良い友達関係築けてるとこも。あと、スタバでのおじさんに対する不満?(おじさんなのにスタバくんなよみたいな)がリアルで笑っちゃった笑 もちろん口に出さないし、その場限りの不満でしかないのが高校生すぎて許せちゃう。
ほかにもレナに共感すること多すぎて、自分まだまだ精神年齢高校生なのではと気付かされてしまった笑 ヨリヨリが意外と交友関係広げたくないタイプなのもめちゃくちゃわかる。そういう子ってまじでいた。あと、子は親の選択に従うしかないのに、親は子の選択に口出すよね。
レナが祖父母と両親がレナレナに求めているものが違うから、祖父母には甘えられるって感じる描写。居心地の良さ=相手から求められてるものがそのときに自分に合っているか、なのかもと。あとお父さんとお母さん、それぞれに自分の気持ちを理解して貰えてないと感じた時、傷つき方が違うっていう描写も、相手に対して求めるものが違うからといえる。
結末はいまいち結論的なのがないまま終わったなって感じ。パパママがなんで結婚したのか、ママはなんで彼氏作ったのか、レナはママとの向き合い方をわかったのかとか解決?して欲しくはあった。ほんとにコロナ禍の学生生活を見せてもらったなって感じ。多分ミステリー好きの人には向かないのかも?意外と好み分かれる系。
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「責任って!お前は大人か!」
「差別された人が差別されたことを話せるようになるまでには時間がかかる」
「仲のいい友達じゃなくても、一緒に試合に勝つという目標を持って団結できる人たちがいるということに心強さを感じてきた」
「同じ日本人なのに、親子なのに、私たちは大切なものが違いすぎる」
「冗談っぽくだけど、お前がいなきゃ楽なのにって、母親にしょっちゅう言われるんだよ。俺がいるのあいつらのせいなのにな」
「自分が共感できない人ほど思いやりな(さい)」
「カプセルが溶けたみたいに相手の気持ちが伝わってくることがあるんだよ。」
「ママとパパが愛し合っていないことを、体が悲しんでいる」
「あんなにお腹をいっぱいにして、もう二度とお腹が空くことはないんじゃないかと思っても、お腹は空く。だとしたら、今は会いたくないと思ってる駿くんが、やっぱり話を聞こうと思ってくれることだってあるだろう」
「人のことは自分の延長戦上でしか考えられないって思う」
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マインド不足
ってな事で、金原ひとみの『腹を空かせた勇者ども』
もうね、アゲーって感じで、金原さんらしくないって感じじゃったかな。
おじさんじゃし、こんなギャルマインドな感じの内容の本は中々読み進まない
4週間かけて少し読んでは止め、間を開けて読んでは止めの繰り返しで、延長してた返却期間の今日でギリギリ読み切った。
後半はギャル達の気持ちと言うのか、青は春いなって感じで、読みながらちょっと照れちゃった
正に、ギャル達に読んで貰いたいような、そんな感じじゃったよアゲッーー‼️
2024年30冊目
Posted by ブクログ
衝撃の事実:スタバのフラペチーノはコッテリラーメンと同じくらいのカロリーとのこと。
今時の女子ってこんなこと考えてるのかー!と男目線で驚いてばかりでした。おっさんからすると、考え方にジェネレーションギャップを感じることが多くても、自分が中高生だった頃も、大人から見れば案外レナレナと同じような感じだったのかもしれない、人の青春の混乱と感情の嵐は、万人で差は少ないのかもしれないと思いました。
レナレナママは、読者がレナレナに共感しやすくするためにデザインされたキャラなんだろうなと。なので、レナレナママにアンチ感情抱いたら、作者的には、してやったり!なのかもですね。
ただ、レナレナママはレナレナが友達のために行動しようとする時は止めないので、母娘間の愛はあるなと読んでて思いました。
物語の閉め方に消化不良感が残った印象です。レナレナと家族の決着が欲しかったです。
レナレナパパは元からあんな性格と考え方だったのか、レナレナママの不倫を知って壊れたかどっちなのかな。
Posted by ブクログ
女子中学生の解像度高すぎ!
中学から高校に上がるにつれてレナレナの成長も垣間見れて、親戚の子を見守る叔母のような気持ちになった。
レナレナの母親、わたしはキレキレで好きだな。
Posted by ブクログ
主人公のレナレナとその仲間たちがとても好き!
けど、公認で不倫している母親がどうしても
自分の中で理解というか、消化できなくて
話がうまく入ってこなかったかなぁ…。
ただ、中学生のThe青春な物語で
会話文が面白いし元気もらえた!
Posted by ブクログ
レイナは年相応であるとも思ったが、文化的な教養とかそういうのとも無縁で、なんと言えば適切なのか分からないけど、平面な子なのだと思う。
しかし、不倫を公然のものとし、家族のなかの母親としての役割も担い続けている、ふてぶてしい母も母で、スノッブじみた話し方をしていて、鼻につく。
この親子に存在する分かり合えなさは、実感として私のなかにもあり、この小説ほどでないにしろ、
違う言語を話しているという感覚、越えられない壁、
これらからくる分かり合えなさというものは痛いほど身に覚えのあるもの。私がここ3年くらい思い悩み続けている問題であった。
ただ、「腹を空かせた勇者ども」では、母への反発心が強かったレイナも、高校生になってから(「世界に散りゆく無法者ども」)では、自分と母は切っても切り離せない存在と言っており、母も娘を時に軽侮することはあれど、自分にとって何より大事な存在だと思っていることは伝わる。
親子のなかで"分かり合えなさ"(この作品でいう、趣味判断の違い)があったとしても、 なんとかなっていくのかなと少し、ほんの少し 思えた (そんなに慰みになったかとも言えば...)