あらすじ
私ら人生で一番エネルギー要る時期なのに。ハードモードな日常ちょっとえぐすぎん?ーー陽キャ中学生レナレナが、「公然不倫」中の母と共に未来をひらく、知恵と勇気の爽快青春長篇。
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Posted by ブクログ
金原さんの小説があって良かった。
思えば自分も割と喜びとか怒りとか悲しみとか、
そういう感情の大きなブレが苦手で、色々考え込むことが煩わしいと思っていた人間で。
色々考えてこむようになってから、
あの頃の自分は浅はかだったな、とか思っていたけど、自分に子供ができたとしたら、こんなに思い悩んで欲しくないな、とか思ったり。
安全なとこで、幸せって枠からはみ出さないように、自分が見守れる中でめちゃくちゃ幸せになってほしいとさえ思うのだけど。
でもその陽キャたちは陽キャたちで、
ハードモードな人生を送っている。
結局程度の差こそあれ、みんなそれぞれ色々大変なことを抱えて生きている。
帯にも金原さん自身が書いていたけど、
勝手に幸せになって欲しい。
なんか読んでて何回も泣きそうになった。
金原さんの小説があってよかった。
彼女と会った時に、この小説を読んでいたら、
めちゃくちゃ不満そうな顔をされたけど、
彼女にも幸せになって欲しいです
Posted by ブクログ
また私は読まず嫌いだった…!と実感してしまった。著者の作品を、勝手なイメージで、若い時にデビューしてもてはやされた、イマドキの、若い女性が書いた、薄っぺらい小説でしょう、と、ハナから読んでいなかった。
完全に自分の偏見だった。こんなにページを繰る手が止まらないとは思っていなかった。この作品で描かれているのは、自分とは遠い世代のコロナ禍の日常。ただでさえ近頃の若者は理解できない、とつい老害地味た発言をしてしまう自分が、タイムスリップしたみたいに自分の15歳の頃に思いを馳せてしまった。
この年末年始は金原ひとみさんの作品を読み漁ることになりそうだ。
Posted by ブクログ
小説としては不自然なぐらい句読点が少ないけど、その分できるだけ現実に近い口語調になってる。
正直お母さんいけ好かなすぎだし、譲ることを知らない頭でっかちって感じ。物事の抽象化が好きすぎだし、多分執着心が強くて理想家なんだと思う。実際それはほんとなんだろうけど、レナがパニクったときにお母さんが解決してくれて少し和解するシーンを読むと、あくまでそれは思春期のレナを通しての印象でもあるのかもと思った。
レナレナほんまもんの陽キャすぎて正直まぶしい。良い友達関係築けてるとこも。あと、スタバでのおじさんに対する不満?(おじさんなのにスタバくんなよみたいな)がリアルで笑っちゃった笑 もちろん口に出さないし、その場限りの不満でしかないのが高校生すぎて許せちゃう。
ほかにもレナに共感すること多すぎて、自分まだまだ精神年齢高校生なのではと気付かされてしまった笑 ヨリヨリが意外と交友関係広げたくないタイプなのもめちゃくちゃわかる。そういう子ってまじでいた。あと、子は親の選択に従うしかないのに、親は子の選択に口出すよね。
レナが祖父母と両親がレナレナに求めているものが違うから、祖父母には甘えられるって感じる描写。居心地の良さ=相手から求められてるものがそのときに自分に合っているか、なのかもと。あとお父さんとお母さん、それぞれに自分の気持ちを理解して貰えてないと感じた時、傷つき方が違うっていう描写も、相手に対して求めるものが違うからといえる。
結末はいまいち結論的なのがないまま終わったなって感じ。パパママがなんで結婚したのか、ママはなんで彼氏作ったのか、レナはママとの向き合い方をわかったのかとか解決?して欲しくはあった。ほんとにコロナ禍の学生生活を見せてもらったなって感じ。多分ミステリー好きの人には向かないのかも?意外と好み分かれる系。
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「責任って!お前は大人か!」
「差別された人が差別されたことを話せるようになるまでには時間がかかる」
「仲のいい友達じゃなくても、一緒に試合に勝つという目標を持って団結できる人たちがいるということに心強さを感じてきた」
「同じ日本人なのに、親子なのに、私たちは大切なものが違いすぎる」
「冗談っぽくだけど、お前がいなきゃ楽なのにって、母親にしょっちゅう言われるんだよ。俺がいるのあいつらのせいなのにな」
「自分が共感できない人ほど思いやりな(さい)」
「カプセルが溶けたみたいに相手の気持ちが伝わってくることがあるんだよ。」
「ママとパパが愛し合っていないことを、体が悲しんでいる」
「あんなにお腹をいっぱいにして、もう二度とお腹が空くことはないんじゃないかと思っても、お腹は空く。だとしたら、今は会いたくないと思ってる駿くんが、やっぱり話を聞こうと思ってくれることだってあるだろう」
「人のことは自分の延長戦上でしか考えられないって思う」