金原ひとみのレビュー一覧

  • 憂鬱たち

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    金原ひとみさんの作品はどれも安定して、不安定なイッちゃってる風(完全にイッちゃってるのではなく、イッちゃってる風ってとこがポイント)。

    今回の「憂鬱たち」も健やかにセックス、ドラッグ、バイオレンス!に加えて精神的にウニャウニャと云う、一時の村上龍をエンドレスで再生しているよう。

    精神科に毎回行こうとする主人公の葛藤やら無駄骨やらな日々を綴ってます。

    全然嫌いじゃないけど、朝イチの電車で読むには向いてないかと。

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    2012年08月28日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    生きるって苦しい。
    ひたすら受容と排出の繰り返し。
    結局彼女が存分に愛されることを恐れるのは生きることから逃れられないからなのかな。

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    2012年06月15日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    久しぶりの金原作品。
    いつも、独特の雰囲気にのまれそうになってしまうのだけど
    今回はシンプルで、しかも、中々よかった。
    文章全体がリズミカルで読みやすい。
    リツくんの存在はとても気になった。

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    2012年03月21日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    金原ひとみで、初めて読んだ。
    読み始めたら引き込まれる。
    歪んではいるけれど、人は人をここまで好きになれるのかな?って思った。
    唯一の武器=生きる理由みたいなもので失う訳にはいかない。
    そんな弱さが愛おしい。

    似ている者へのコンプレックス、負けてるから、自分だけ持ってないからの心の叫びがドキドキする。

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    2012年01月26日
  • 星へ落ちる

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    そんなことないかも、と思いながらも
    結局また引きずりこまれている。

    どんなに好きだと一緒に居たいと不安に思っても
    それはつまり自分の中でしか理解されない
    相手に愛されていようといまいと。
    本当はあんまり考えすぎない方が上手に生きられるのかも知れないけれど、
    やはり私もそういう風にしか生きられない。

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    2011年12月14日
  • オートフィクション

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    文章があまりにも純粋すぎて、何度も心苦しい気持ちになった。
    暴力的でスピード感溢れる筆致は読んでいて清々しい。

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    2011年11月07日
  • AMEBIC

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    金原ひとみさんの本はこれで三冊目。
    蛇にピアスで彼女の作風に脱帽し
    アッシュベイビーを読んでなんて気持ち悪いと、ここまでリアルに不快にされたのは初めてで、手に力は入らないし目はちかちかする。気持ち悪くて仕方ないのにとりつかれたように読んでしまう。忘れたいのに一生はなしは忘れられない今から3、4年前でそれ以来彼女の作品は手に取らなかったのに、なぜだか吸い寄せられるように手にとった結果やはり気持ち悪く、そしてとことん鬱になった

    アミービック
    アメーバのような。
    精神が分離するきもちわからなくもない。だけどリアルすぎて、暗すぎて、とことん自分自身を追いつめてしまう。

    わたしもアミービ

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    2011年11月03日
  • 星へ落ちる

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    「私」「僕」「俺」三人の主人公のなかで、愛する人を決定的に失い最も不幸なはずの「俺」が、最終的にいちばんマトモな人間でいられている、というところが印象的。
    「俺」は「私」を失うことでアイデンティティを取り戻し、「私」や「僕」は「彼」を得たことで「彼」やその関係そのものに依存し、アイデンティティを喪失した(あるいはそう望んでいる)のではないか。
    「私」も「僕」も「彼」との結合を強く求めるところも、そういう印象を補強している。
    「オートフィクション」のときも思ったけど、物語の進行と主人公の内的描写のコントラストが面白かった。今作では複数の視点から謎を解き明かしていくような要素も含まれていて、最後ま

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    2011年10月07日
  • 星へ落ちる

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    4人の人物を軸に3人の視点から書いてる本。

    めちゃめちゃ面白かった!!!
    角度が違うだけで、3人の持ってる根本みたいなのは同じ事言ってんだろなって。でも、人間が違うと違うんだね。

    とってもドロドロしてるようで、すごくストレートに伝わってきたかなぁ!

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    2011年10月06日
  • 星へ落ちる

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    男と男と女の三角関係。ひとりの”男”をめぐった心理状態が、違う目線から、短編集の形式で書かれていて、読みやすかったです。
    金原ひとみが書く、みんな一生懸命なのに、誰も幸せにならない感じがリアリティがあっていいですね。
    今回は全然ぶっ飛んでなかったので、物足りない感じもあったけど、暗いのに刺激的な文面がとても好きです。

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    2011年10月03日
  • 星へ落ちる

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    「彼」を中心に「私」と「僕」と「俺」の視点から描かれる連作短編集。
    関心を引くための自傷行為など、人を好きになる意味を考えさせられました。

    自分を愛してくれる「俺」を捨てて「彼」を選んだ「私」
    同棲している「僕」から「彼」を奪ったけれど、その影に怯える「私」

    「彼」を奪われて自暴自棄になる「僕」
    「私」が出ていき、自暴自棄になる「俺」

    登場人物の名前は決して出てこないし。
    ほとんど、情報は与えられず、好きな人に対する感情のみ。

    また、「彼」自身の感情は言葉では語られない。
    あくまでも、「私」または「僕」からの強い想いのみが描かれる。

    他人に依存するということがこれほどに脆いもので。

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    2012年03月01日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    本編ももちろんですが、
    瀬戸内寂聴さんの解説も素晴らしい。芸というのは一に才能、二に才能、三四に才能、五に才能だと。
    ごもっとも。

    よかった!

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    2013年02月09日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    松木さんと新崎さん対比のシーン、あの対比は新崎さんの悪意ある愛を剥き出しにするのにとても有効だったと思う。

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    2013年10月08日
  • AMEBIC

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    これぞ欲望というような
    一般の欲とは真逆の
    これもまた欲と呼ぶのでは。

    もはや男性とはなんぞや

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    2011年07月19日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    良い本を読んだ。としか言えない。今まで、純文学、ジャンル小説から離れた作品は精神論や観念に尽きるものだと思っていたが、この作品によって覆された。
    やはり女性の内面を百ページ超書き続けるのだが、この作品はその内面と彼女を取り巻く外からのさまざまな影響がうまく絡み合って、お互いをぼこぼこと変形させていく様子が読んでいて爽快だった。主人公のグロテスクな隠しごと、彼女が自分に分かりやすいよう周囲の人間をラべリングしていくがとらえきれていなかったところなど、人間が面白いとおもえる小説は久々だった。
    なんといってもラストの見開きページは圧巻。
    一人称視点だが、必ずしも主人公が正義だと感じられなくなるという

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    2011年07月01日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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     約4分の1日で読み終わってしまった。短さだけがその理由ではない。会話のテンポの良さだけがその理由ではない。いろんな要素が絡み合って、ページをめくる僕の手を急かすんだと思う。
     「痛い恋愛小説」これが僕の一言感想。主人公の女性モデルは写真家と同棲していて、物を噛んでは吐き戻すという行為を止められない。異常に低い体重を維持するためだ。ある時、彼女は自由奔放なバンドマンと出会い、彼に惹かれていく…。決して突飛なストーリーじゃない。でも、どんどん読んでしまう。主人公の衝動的で反理性的な行動に、何故かちょっと共感してしまう。共感する僕はちょっとアウトローな人!?

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    2011年04月24日
  • AMEBIC

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    今日読み終わった!
    この人は蛇にピアスが出た時から綿矢りさ、島本理生と共にあたしが気に入った物書きでした。
    アッシュベイビーの時にちょっとがっかりしたけど、今回は新しい!ウデをあげたっていうのをもろに感じました。
    退廃的で「仕組まれた不快感」に喰われるのは分かっていたけど(それは同期の男性作家だって何人もやってるはず)、今回はちょっと哲学でした。
    登場人物や場面、場所は少なく単調で、決して描写や展開が見やすいわけじゃない。
    でも、カフカとは少し違う、シュールレアリズムでもないなんか新鮮な角度を見た、っていう。しかも、それはあたしたちとはそう遠くない、ギリギリ錯乱って感じ

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    2011年01月16日
  • AMEBIC

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    圧巻されました。初読時はあまり良い印象を抱けなくて友達にあげてしまいましたが、時間が経ってまた読みたくなってきてしまいました。また買うつもりです。

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    2019年01月16日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    表紙が美しかったです。重い仕事がやっと終って、なんとか本の感想を書く余裕ができた。ずっとモニタに向き合ってるから。なんだかもういやでねえ。つうか、全然本の感想になってないし。いちばん気になったことは、アトガキをかいていらっしゃる瀬戸内先生が「松本」とロッカーの名前を間違えていること。「松木」だよ。どうして、編集者はつっこんでうやらんのか?というか、原稿変えちゃだめなのか。というか、それすらも瀬戸内先生の味なのか。金原さんの本はいつも主人公が美人なんだなあと思う。やはり、食べものに対する書き方がグッと迫ってきます。食べ吐きとかしたことはないけれど。自分の居場所がどんどんなくなる感じ。不快と快がわ

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    2011年09月03日
  • オートフィクション

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    メディア禁止用語炸裂の世界。
    今を生きてる自分にメディア禁止も何もないでしょう。

    金原ひとみワールド炸裂。
    アミービックと似た世界観。

    地獄と言われる螺旋階段を落ち続ける。
    自分と向かい続ける。問い続ける。狂い続ける。

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    2015年11月12日