金原ひとみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公を含めて女性作家三人の飲み会が面白かった。作家はフリーである以上なんの保証もない、と不安を吐露している箇所があったが、それでもかなり飲食は贅沢してると思わずにはいられない。
主人公が娘に対しても恋人に対しても言葉で追い詰めて行くのがちょっと息詰まる感じ。
金原ひとみはなんとなく恋愛への関わり方が山田詠美に似てるなーとところところ思うところもあるのだけど、山田詠美は少なくとも「生きづらさ」みたいなのは出してない。そこが違うかなぁ。
ブルサンが入ったキッシュ食べてみたい。
あとは最後別れるとばかり思ってたら結婚するのか。ちょっと拍子抜け。 -
Posted by ブクログ
まだ小学生だったけど、綿谷りささんとともに芥川賞の最年少記録を塗り替えたと話題になったことからずっと頭の片隅にある小説。綿谷りささんの蹴りたい背中は小中学校の時に読んだけど、こちらの作品はようやく読んだ。なんとなく自分の価値観にはない話のようで怖く感じて手がつけられなかった。吉高ちゃんは好きだが、映画も観れてない。
やっと読んだ感想は、やっぱり私とは全く住む世界が違う話だな、と。でも自分の知らない世界を知る怖さよりもそれを上回る好奇心があった。
主人公の揺れ動く心が繊細で、人間らしさが見えて、よかった。一見どんなに理解し得ない価値観だと思っていても、私たちは同じ言葉を使う、心を持つ、人間なん -
Posted by ブクログ
赤いカバーがなんとなく目に留まって手に取った。蛇にピアスの人か、むかし読んだな、くらいの知識で読み始めて、一気に読んでしまった。不安定で繊細で、なんだか引き込まれる文章。エッセイは普段読まないので、こんなふうに考えている人もいるんだなと興味深い気づきがあった。逆にわたしってなーんも考えずに図太く生きてるんだな…。ご本人のしんどさを思う気持ちと、不安定さゆえ引き込まれる彼女の生き方、文才と自分の平凡さの対比を残念に思う気持ちと。
お子様はどう育っているんだろう。流石に仮名だろうけど、不倫をしたりされたりしている友人たちのことをここまで細かに書いて大丈夫なんだろうか…(下世話な感想しか浮かばない自 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小説としては不自然なぐらい句読点が少ないけど、その分できるだけ現実に近い口語調になってる。
正直お母さんいけ好かなすぎだし、譲ることを知らない頭でっかちって感じ。物事の抽象化が好きすぎだし、多分執着心が強くて理想家なんだと思う。実際それはほんとなんだろうけど、レナがパニクったときにお母さんが解決してくれて少し和解するシーンを読むと、あくまでそれは思春期のレナを通しての印象でもあるのかもと思った。
レナレナほんまもんの陽キャすぎて正直まぶしい。良い友達関係築けてるとこも。あと、スタバでのおじさんに対する不満?(おじさんなのにスタバくんなよみたいな)がリアルで笑っちゃった笑 もちろん口に出さな -
-
ネタバレ 購入済み
刺さるのに刺さりたくない
私には小説の好み的な意味でも性癖的な意味でも性格的な意味でもすごく刺さる作品だった。
アヤの生きることへの無力さ、死にたいと思っているにも関わらずこの人を知りたい欲しい、仕事での地位などの小さいものにもこだわっているところが『生』というものへの執着を感じた。
ホクトの小児性愛すらも超えた性癖には言葉にできない程の嫌悪感を抱いたが、何が彼をそうさせたのかと気になってしまったり、彼は何を考えているのかと何故か嫌いにはなれなかった。
アヤの死にたいけど生きたい、でも死にたい、でも勇気はない、だから『何故か愛したっぽい』人(村野さん)に死を要求して『生』という責任から逃れようとしているのだろうか。村野 -
Posted by ブクログ
綿矢りさ、村田沙耶香、に並んで自分がよく読む現代の女性作家さん金原ひとみ。
オートフィクションって言葉を知らなかったのでなんとなく気になって読み始めました。
主人公のキャラクターとしては金原さんらしいと言った感じ。
ただ思考回路や規範意識などがいつもよりも更にぶっ飛んでるので共感できる人は強者かもです。
主人公は苦しんでるんだろうけど、読者として客観的に見れば「こうすれば良いじゃん」って思っちゃいます。
ただ自分の人生も他者から見ると「こうすりゃもっと豊かに暮らせるんじゃね?」って思われそうだなと思ったり。
自分が真剣に悩んでることが他者からすると些事に思えたりって、きっとありますよね。
本の -
Posted by ブクログ
2006(平成18)年、単行本として刊。
通読してみて、どうも了解しにくい、不可思議な感じの小説だった。
主人公の小説家リンは作者の自己像を幾らかでも投影しているのかどうか知らないが、とりあえず言葉はビビッドで、若者の言語感覚がうまく捉えられており、ナチュラルである。
そんな主人公は現在付き合っている男性について「好き好き大好き」と手放しにストレートな感情吐露を繰り返すのだが、どこで曲折するのか、最後には唐突に自分から別れを切り出したり、破局に結び付くのが当然であるような行動を爆発させる。
この心の屈折が私には理解できなかった。それは単に私が女性心理に疎い野暮ジジイだからかもしれない