金原ひとみのレビュー一覧
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怒涛の会話が続く文章、金原さんぽい。
レナレナ、ヨリヨリ、ミナミ、良い関係だ。中学生から高校生って、子どもだけど少しずつ変わっていく時期だよね。家族の形も恋愛も、縛られるものじゃないのかもだけど、公認不倫かぁ…なかなか難しい。コロナ禍のときを描いてるから、当時を思い出す。他人事のようで、身近な人にもたくさん影響を与えた数年間。あの頃学生だったら、自分はどうだったかなと考えてしまった。
四編それぞれのタイトルも良いなと思った。
『腹を空かせた勇者ども』『狩りをやめない賢者ども』『愛を知らない聖者ども』『世界に散りゆく無法者ども』
食欲の止まらない玲奈の食べるシーンが多くて印象的だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまた私は読まず嫌いだった…!と実感してしまった。著者の作品を、勝手なイメージで、若い時にデビューしてもてはやされた、イマドキの、若い女性が書いた、薄っぺらい小説でしょう、と、ハナから読んでいなかった。
完全に自分の偏見だった。こんなにページを繰る手が止まらないとは思っていなかった。この作品で描かれているのは、自分とは遠い世代のコロナ禍の日常。ただでさえ近頃の若者は理解できない、とつい老害地味た発言をしてしまう自分が、タイムスリップしたみたいに自分の15歳の頃に思いを馳せてしまった。
この年末年始は金原ひとみさんの作品を読み漁ることになりそうだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ作品の名前はずっと前から知ってた。
若者の恋愛模様がリアルに書かれてる小説が読みたくなって、ふと思い出したのが読んだきっかけだった。
こういう本が読みたかった、という意味では思った通りの作品だった。恋愛をテーマにした作品は、どうしても「恋愛」が美化されがちだが、蛇にピアスは現実を疑似体験できるような描写ばかりで、私は好きだと思った。
とはいっても、ルイたちの日常は自分のものとはかなり遠く、ところどころグロテスクなシーンも多かった。
出会い方から結婚まで、色んな恋愛があるのだなぁということに安心を得てみたり、人の性癖をこんなに身近に感じられるのも面白かった。
また、他の人の感想を読ん -
Posted by ブクログ
『ミーツ・ザ・ワールド』を読んだときにも思ったけど、金原ひとみさんはどうしてこんなに「何の取り柄もない人」を描くのがうまいんだろう!?
私自身も、普通じゃない何者かになりたい普通の人、である。フェスティヴィタで働く主人公以外の人たちみたいな、個性があったり才能があったり自分を貫いていたりする人を見ると羨ましくなる。羨むだけで何もできない自分が嫌になる。でもそんな「普通」に寄り添って、ぐらぐら揺さぶって、否定混じりでありながらなんだかんだで肯定してくれる、そんな作品だった。確かに、普通って全然普通じゃないよな〜。
あとめちゃくちゃカレーが食べたくなった。
【読んだ目的・理由】著者の作品が好きだ -
Posted by ブクログ
絶えず見え隠れする「自責の念」「存在することへの疑い」「自分の中の乖離」。
自己嫌悪に陥る心の動きがすごくよくわかる。前向きになったと思ったらまた気持ちが塞がって、という浮き沈みを繰り返し、全くどこにも進めないように感じる。
私がなんとなく感じていたことが言語化されていて納得する部分が半分と、私よりも金原さんはもっともっと繊細で自己矛盾に苦しんできたんだと感じる部分が半分くらい。
あと自分の性格や感じることに対して、何か理由をつけて説明をしたり、経験と紐づけなくてはいけないような感覚は
ー辛い過去がないと鬱になっちゃいけない
ー自己嫌悪は誰かに見捨てられたから
受験や就活や日常のいろんな -
Posted by ブクログ
1人の思春期真っ盛りの女の子が、学校生活、家族、恋愛、勉強など日々の出来事に、泣き、喜び、盛んに心を動かしていく。
10代の若者の共感もあるだろうけれど、むしろ大人に読んで欲しい。自身の過去に重ね合わさる部分と、今の若者を少しでも知ろうとすることができるかもしれない。
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読む前にチラッと感想を見たけれど、おっしゃる通り「こんな解像度で10代女子の感情が描けるの!?」と思う。脱帽。
金原ひとみが今10代でないけれど描けるのは、自身の10代の時の感情と、「今っぽい」といつの時代も別物扱いされる「現代」の10代の感情に共通するものがあるのだろうか。
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朝井リョウ氏による文庫解説が好評とのこと、読んでみたいと願っていた一冊。朝井氏曰く「オリンピック新競技“文庫解説”」ですって‼︎
パリ五輪の最中にね、五輪とか新競技とか、そんな記述など知り得ない、予想だにすらすることなく、この本を手にした“偶然”、この手の偶然みたいなことって、じつは僕にはありがちで、軽々しくも“運命”だなんて言葉でもって話題にする機会も時々ある。現在の僕は、これまでにないペースで読書を続けている。筋金入りの読書家の皆様方から御覧になれば、僕のごときの読書量など取るに足らないものではございましょうが、そんな僕ですら読書を通じて“偶然”や“運命”など、見出すたびに読書の奥深さの一