金原ひとみのレビュー一覧

  • 星へ落ちる

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    くるしくてつらい、だけどその中に潜む愛がこれまた残酷。まるで恋愛から甘いところをほとんど抜いてしまったよう。目を背けたいのにページを捲りつづけていた。
    もどかしい気持ちでいっぱいになりますが、わたしはすごく好きでした。

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    2024年02月19日
  • マザーズ(新潮文庫)

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    一気に読めました。
    人間の描き方が魅力的で楽しい。
    母親業をやっている人たちは色々な種類の人がいる。

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    2024年01月22日
  • デクリネゾン

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    読み終えるのに
    途轍もなく時間がかかってしまったけれど
    面白かった。

    ストーリーがというより
    セリフや表現のひとつひとつに唸ってしまう。
    そんな作品でした。

    主人公はアラフォーの小説家。
    離婚した二人の元夫と
    年下の大学生の彼氏
    最初の夫との娘(中学生)と同居していたが
    途中から年下の彼と住むことになり
    娘は実父の元へ。   

    複雑な家庭環境といえばそうかもだけど
    離婚時のゴタゴタは乗り越えた後の話で
    どの組み合わせで会っても
    わりに平和な時間と美味しいご馳走がならぶ。

    主人公はこれ以上ないくらい自由に
    欲望のままに
    生きてきたはずなのに
    自信満々でもなくて
    娘への愛情はたっぷりで

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    2024年01月14日
  • 持たざる者

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    他の金原さんの小説同じく、読み始めたら最後まで一気に読んでしまう、読まされてしまう、そんな引き込む力がある小説。
    どの登場人物にも理解し難い部分があり、一方で切実なその人だけの痛みが、手に取るようにわかったりする。
    それぞれの人生を進むしかない、と暗い中にも前向きになるような小説でした。

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    2023年12月20日
  • アタラクシア

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    昔に「蛇とピアス」を読んだ時に全く合わず、ずっと敬遠してた作家。

    テレビ番組で「デクリネゾン」を紹介していて本屋に買いに行ったが無くてこの本に興味が沸いて衝動買い。

    年を重ねたせいか人生経験を積んだせいかとても心に響いた。

    全ての人物に共感するとこは無いが、全否定は出来ない。

    色んな人の心の葛藤を苦しいまでに赤裸々に描いている。

    又、やはり文章と言うか筆力が凄くて評価に値する作家だなと思い改めた。

    綿矢りさより金原ひとみの方が個人的には評価が高い。それ程面白かった。

    他の作品も読んでみよう。

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    2023年12月06日
  • 持たざる者

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    中心人物が4人、1人1章持ち回りのようにエピソードが進んでいく形で読みやすかったです。
    いち要素として3.11があり、確かにあの当時ってそういう空気感あったなと思い出すのと同時に自分はその頃どうだったかと思い返したり、また3.11を抜きにしてもこの価値観を自分が受け入れられるかと考えたり。
    いつまでも「隣の芝生は青い」ではいけないような気がする1冊でした。

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    2023年11月26日
  • アタラクシア

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    アタラクシア。心の平穏。

    誰ひとり平穏じゃなくて、みんな情緒不安定すぎる。

    ”望んで結婚したはずなのに、どうしてこんなに苦しいのだろう”



    「誰も愛してなくても、誰からも愛されなくても、普通に生きていける人間になった方がいい。」


    私は、普通に生きていける人間になって、そのうえで、ちゃんと、心から、真剣に、人を愛したい。

    祈りのような愛。

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    2023年11月23日
  • マザーズ(新潮文庫)

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    これやばち。この気味の悪い、無機物的な文章はなかなか普通の作家には書けない。
    理論と論理
    理論は論理の行き着く先。論理はプロセス
    人の生や死は、ある程度なんらかのルールの中にないと、どうしていいかわからなくなっちゃうもの
    子育ての大変さ。というよりもはや異常といっていいほどの苦労がわかる。
    ずっとストーリーが強烈だが、劇的な終わり方ではなく哀愁の残る終わり方なのがオシャレ。面白かったな。

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    2023年11月21日
  • アタラクシア

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    アタラクシアとは、哲学で「心の平静・不動の状態」を指し、古代ギリシャの哲学者エピクロスは、この境地の実現が哲学の目標と説いたという。

    そんな言葉とは真逆な内容。

    最も幸せな瞬間を、夫とは別の男と過ごす翻訳者の由依。浮気する夫や文句ばかりの母親、反抗的な息子に、限界まで苛立つパティシエの英美。妻に強く惹かれながらも、何をしたら彼女が幸せになるのか分からない作家の桂……。
    望んで結婚したはずなのに、どうしてこんなに苦しいのだろう──

    結婚=心の平静というような思いでその道を選んだはずなのに、その選択ゆえに心の平静からかえって遠ざかってしまう登場人物たち。
    そのドロドロとした感情に飲み込まれて

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    2023年11月16日
  • クラウドガール

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    自分の感情の赴くまま、自己中心的に生きる高校生の杏と、自分の欠落した部分に気づき、理性的に内面の再構築を試みている大学生の理有。この二人の姉妹が、交互に各々の章にて一人称で語っていくかたちの小説です。

    仲が良く、内面的な結びつきの強い姉妹です。両親は離婚しており、小説家の母親と暮らしていたのですが、その母親はある日亡くなってしまう。それから姉妹は短い間、祖父母に引き取られますが、ほどなくして、新たな場所で姉妹だけで暮らしていく。それらは小説内で次第にわかってくる事情で、物語自体は妹の杏が彼氏の晴臣をボコボコに殴り散らすシーンから始まります。

    洗練された文章だと思いました。序盤1/3くらいま

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    2023年11月01日
  • デクリネゾン

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    ハッピーエンドでよい。
    自分の衝動に素直に生きることは良い。
    これに出てくる歌舞伎町の火鍋のお店は行ったことある

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    2023年08月23日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    ネタバレ

    文章を書く仕事で食べていきたいと目標に向かって精進し、やがて大きな文学賞を取り、今書くことで生計を立てられている。不仲ではない夫と子供がいて、とガワの情報だけ見れば、それこそ華やかに、夢を叶えた人物、という印象を受けるけど、実際とても考え込む性格だしどちらか…と言わなくてもネガティブで、細かいことにしゅんとしてクヨクヨしがちな私は親近感を抱いた。絶対に狙っていないだろうけど、フフッと笑ってしまう一文があったり。

    p154「次女がYou Tubeをチラ見しながらスマホでゲームをやり、私はパソコンで「孤独のグルメ」を流しながらクラッシュ・ロワイヤルの対戦とポケモンGOを繰り返すという知性の欠片も

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    2023年08月12日
  • 持たざる者

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    震災直後の疑心暗鬼、デマ、風評、エゴ‥‥復興っていう美談で誤魔化そうとしてるけど、露呈してしまった暗部は恥だとしても後世の為に記録しておくべきだ。金原ひとみは偉い。

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    2023年08月04日
  • 持たざる者

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    久しぶりの金原ひとみ作品。
    海外赴任した話が出てきますが、海外で暮らした人にしかわからない感情、感覚と思っていたら、作者も海外で生活していたのですね。20年以上前の気持ちを作品から味わうとは。
    最後の朱里さんの話、自分かと思いました。今はあの時の経験はどこに⁈それにSNSなどで海外が日本から切り離されたものではなくなってきている気もしますが、住んだ人にしか味わえない感情がふつふつと湧いてきました。作品の力ですね。

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    2023年07月26日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    金田一秀穂さんは
    日本語は緊急事態に向かないと言う

    緊急事態を宣言します、には
    本当に緊急事態なの?

    緊急事態宣言を発出します、だと
    ああそうですかとどこか他人事

    日本語の得意は落とし所を探す事

    ロックダウンより20時閉店
    和を持って貴しとなす、それでいい

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    2023年06月27日
  • 軽薄(新潮文庫)

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    私は強烈な過去をもってるわけではないけど
    カナに共感する部分が多かった

    これを読んで私が軽薄な人間であることが
    なんかわかってしまった感がある。
    けどそれを知っても揺るがない感じが
    それもまた軽薄というか。
    態度や行動っていうか感情が軽薄。

    不倫をしてしまうところが軽薄というよりかは、
    それ自体をなんとも思ってないところが軽薄。

    その感情がめっちゃ似てた。
    不倫はしてないけど。

    最後が何がとは言葉で表せんけど
    あんま好きじゃなかったな。
    なんやろ。
    選んだ道は全然肯定するねんけど。

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    2023年06月05日
  • fishy

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    心情の変化と関係の変化。そこだけでもワクワクしながら読み進められた。(解説でも触れていたが)これは純文学だと思う。

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    2023年06月05日
  • アタラクシア

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    蛇にピアス以来の金原ひとみ。デビュー作は宇多田ヒカルが出てきた時と同じような衝撃があった。色々な経験を経た今の彼女が書く物語に興味があって読んでみた。他の作品も読みたい。

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    2023年05月13日
  • AMEBIC

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    あなたは、二人で行った食事の席で相手にこんなことを言われたとしたらどう思うでしょうか?

    『私は食事を摂らない主義なので』

    人がこの世を生きていく中では衣食住はそれぞれに大切です。どれも疎かにして良いものでもありませんが、特に”食”は生物として人がこの世に存在するために欠かせないものです。人が生きていくためのエネルギーの源泉としての”食”。それを『摂らない』という選択肢は普通にはありえないことです。

    しかし、この世にはさまざまな人がいます。食べたいのに食べられない人もたくさんいます。またその一方で食べたくないので食べないという選択肢を選ぶ人もいます。いわゆる摂食障害という疾患のある

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    2023年04月10日
  • 軽薄(新潮文庫)

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    過去のトラウマから理性的だった恋愛観が、段々とタガが外れていく小説。
    一生懸命取り繕っていた体裁を、あれよこれよと剝がしていき、最後は本能一択で結末を迎えます。
    本能で突き進めばそりゃそういう最後になるだろうな、と失笑してしまうような最後でした。
    これだけ正直に生きられたらある意味幸せで、羨ましいなと思いました。
    なんだかんだで相思相愛ってましたからね。

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    2023年03月30日