金原ひとみのレビュー一覧
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とても良かったなあ。ミーツ・ザ・ワールド辺りから作風が変わって、腹を空かせた勇者どもとかに似てる感じ。
ハッピーでポジティブで、スピード感があって、読後、ぽーんと放り出されてしまうような。
イタリアンレストランのフェスティヴィタ池尻大橋店で働くフリーターと社員がわちゃわちゃやって、店で飲んだくれつつたまに、覆面を被ってタクシーに乗り込んで酷い別れ方をした彼氏のところに襲撃に行ったり、先輩がDJしてるクラブに行って踊ったりする日常が描かれる。
なんか、こういう職場って楽しそうだし、仲良かった職場の友人とかも思い出した。朝まで飲み明かして眠い目を擦りながら仕事に行ったり、休日に集まってどっか -
Posted by ブクログ
子どもを産んでみて、そのかわいさ、愛しさに胸が潰れそうになり、もしこの子を失ったらもう生きていけないと思わされ、
その一方で、自分の時間のなさ、思い通りにスケジュールを組めないことにもどかしさを感じていた。
そんなときに手に取り、3人の主人公の境遇とわたしの境遇は一致しないけれど、それでも、よくぞこの気持ちを言語化してくれた!と思う描写の連続だった。
特にこの三つ。
・戦士はローションプレイをしない。
・とにかく密室育児をやってみて思うのは、育児には必ず誰かの助けが必要だという事だ。
・私は半ば、自分を諦めるように祈った。何でも差し出すだろう。私は何でも差し出すだろう。愛しい物ものに、全てを -
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ネタバレ「望んで結婚したはずなのに、どうしてこんなに苦しいのだろう」
登場人物があまりにも多いので、相関図をメモしながら読むことを推奨します。
私は明誠社で働く佐倉真奈美を見て、まるで自分をネタに書かれているのかと思うほど共感してしまいました。
暗黙のルールのもとに成り立つ関係。
そしてその距離感を無視して極端に重い言葉、軽い言葉を吐けば一瞬で崩壊してしまう空気感。
夫も彼も両方いて初めて成り立つ関係であること。
どちらも等しく必要な存在であること。
金原ひとみさんの作品はどれも自伝かと思うほど、体験していなければ書けないはずのことが書かれているので読んでいて驚きます。
そして、
夢心地のような幸せと -
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ネタバレオートフィクション(自伝的創作)にもかかわらず、リアルを感じるというか
22th winter から15th winter と22歳から15歳のリンまで話は遡っていくわけだが、どれも男との衝突。
その中で、他人に責任を押し付けたい、責任逃れしたい、でも自分が全ての責任を持てる様になりたい。という価値観がみえ、それは子どもで自分じゃ何も決められない、家に帰る時間すらも決められなかった子ども時代の堕児の経験からなのか。
想像の話でしかないが、作中のリンにオートフィクションとして語らせることで、自分の私小説を書くことを試みたのだろうか -
Posted by ブクログ
著者の作品を初めて読んだ。
感情とある種の無感情の交差が時にはゆっくり時にはスピードを増して、心に迫り来るのが、私の読書史上、エッセイとしてはかつてない衝撃を受けた。
他人によく思われたいと意識していないとしても、人はどこか無意識にありのままの気持ちを曝け出すことに抵抗を感じてしまうところがある。
しかし、著者の心の中や思考を全て知ることはできない前提があるうえで、直感的に、こんなにも包み隠すことなく自身を表現できる人に私は出会ったことがない。それがあまりにも真っ直ぐすぎて、こちらの心が何かしらの準備や抵抗をする前に、言葉が身体に入ってきてしまう。だからこそ、人から人へと伝染していってしま -
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文庫化したので再読。ほぼ四年ぶりで忘れている箇所も多かったけど、当時とまったく変わらず振り切れるほどの共感度。ラスト5ページで物語の様相がガラッと変わる展開もたまらない。
共感、という個人的な一点に関してなら本作を超える小説が今後でてくることはないんじゃなかろうか?と思うほどに、私が常日頃から抱えている思考のブラックボックスをすべて開示して明るみの下に並べられたかのような心地がする。
タイトル『アタラクシア』とは古代ギリシア哲学の専門用語であり、「心の平静不動なる状態、乱されない心の状態。激しい情熱や欲望から自由な、平静な心のさま。」という意味だが、本作の読書中は台風に只中にのみ込まれたかのよ -
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勝手にすごくパンクな日常が描かれてるのかと、恐る恐る読み始め、
でも綴られてる日々は、
誰もが抱いた事のあるような悲しさや虚しい感情が研ぎ澄まされて文章になっていたり、どうしようもない気持ちや落ち込みを、何とか友達やお酒の力で乗り越えることとか、
自分の日々起こる、考えや気持ちや怒りを、誠実に言葉にして、それを繰り返す日々がこんなエッセイになるのは、とても新鮮でした。
瑞々しいものを読んだ気持ち。死にたくなってもいいし、どこに行ってもいい。
ずっと泣きそうで、つらくて、寂しくて、でも幸せだという乖離の中で生きてきた、そういう自分に向き合っている。読めてよかった。
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Posted by ブクログ
久しぶりに一晩かけて一気読み。
女の生きづらさか過不足なく過剰過ぎず描かれていて
(覚えたくも無いけど)親近感があって
それだけでも読み応えがあるのに、この作品の
真骨頂は3人の関係性の愉しさ。
仲良し、とか、友達、とかよくある既存の
関係じゃないのに、みたことあるし、
居たことある気がする。絶妙。
ユリの狂気と正気の表裏一体さと、理論武装と、すべてにおいて惚れ惚れする。
大好きな人物ではあるけど、友達になれるかって言うと、恐ろしさが勝つ。
彼女の言葉を借りるなら、友達ではなく「同時代を生き、空間を共有する人」になら、なれるのかも(とかく、こういう表現が巧みなだけで大好き)
弓子の「家