【感想・ネタバレ】ハイドラ(新潮文庫)のレビュー

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【金原ひとみの魅力】

すごく好きだ。自分に移し替えてしまう。僕も結局は僕のままを愛してくれる人の所へ帰る、いやそこでしか息ができないみたいに。映像化を望みます。きっと、駄作に違いないけど。

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2015年01月19日

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一緒に棲んでいても恋人だという実感、安心感を持てない日々。新崎に植え付けられた無機的な美に心を囚われ噛み吐きを繰り返す。一度は愛され人間らしい温かみに触れながらも、自らに抱えたハイドラと決別できず、再び新崎の被写体に堕する。歪んだ図式で世界を捉えている人が常識的な世界に戻るのは難しい。普通の幸せに浸りきることができない人間の不可解。深い感興を覚えた。

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2012年07月23日

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読み終わった時、金原ひとみが新しくなったって思った。
モロすぎる表現が売りな所があったけど、ハイドラは前のような分かりやすい表現は少ないものの心に何か重いものがのしかかって来て金原作品では初めて感じる感覚だった。
でも金原ひとみが書く主人公っていつも真っ直ぐ純粋だから故に歪んでいってしまって、見てるこっちの心が痛くなる。
それが癖になってつい手に取ってしまうのが不思議。

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2011年07月15日

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自立と隷属、自由と拘束、妄想と現実。
人の心は常にこれらの間で揺れ動いている。だからこの小説にも終わりはない。ラストシーンはまさにそれを象徴している。

素晴らしい作品だった。

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2011年04月07日

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短い作品だったが、物語への没頭は半端なかった。没頭というか侵食といった方が良いか。恋愛小説というか偏愛小説と呼ぶに相応しく、またそのジャンルで言う傑作でないだろうか。文庫版あとがきの瀬戸内寂聴氏の解説に泣けた。

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2024年05月06日

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【本の内容】
出会った瞬間から少しずつ、日々確実に、発狂してきた―。

有名カメラマン新崎の専属モデルを務める早希は、私生活でも密かに彼と同棲している。

付き合って三年を過ぎ、セックスの時以外は体に触れてこない新崎。

不均衡な関係に深い倦怠感を覚えるなか、ずっと早希のファンだったというバンドマンの松木と出会う。

ひずみのない愛を求めては傷つく女性の心理に迫る、傑作恋愛小説。

[ 目次 ]


[ POP ]
有名カメラマン新崎に見いだされ、専属モデルとして活躍していた早希。

2人は公私にわたるパートナーだったが、関係は冷めていき、早希は次第に精神のバランスも崩していく。

そんな中、彼女はミュージシャンの松木と出会う。

好意を隠さない松木と、もはや自分を利用しているとしか思えない新崎。

2人の間で揺れながら彼女が選びとった結論は……。

愛とエゴを描く恋愛小説。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]

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2014年09月19日

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いつもほどは狂ってないかな。

松木さんと暮らして
まともになっていけばいいのに
新崎さんの元に戻るなんて。。
でも、わかるよ。。

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2013年03月17日

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ネタバレ

もうこの人読むのやめよう、と
前回〃アッシュベイビー〃を読んで思ったのですが
買ったまま長らく放置していたことに気付き、読みました。
やっぱり、読んでいてキリキリしました。

ああ、知っている。うっかり「わかる」って言いたくなるくらい。
この思考、傾き方、歪み加減。最後の選択も。

噛み吐きは、鮮明な描写でぐったり。

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2012年12月11日

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生きるって苦しい。
ひたすら受容と排出の繰り返し。
結局彼女が存分に愛されることを恐れるのは生きることから逃れられないからなのかな。

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2012年06月15日

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久しぶりの金原作品。
いつも、独特の雰囲気にのまれそうになってしまうのだけど
今回はシンプルで、しかも、中々よかった。
文章全体がリズミカルで読みやすい。
リツくんの存在はとても気になった。

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2012年03月21日

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金原ひとみで、初めて読んだ。
読み始めたら引き込まれる。
歪んではいるけれど、人は人をここまで好きになれるのかな?って思った。
唯一の武器=生きる理由みたいなもので失う訳にはいかない。
そんな弱さが愛おしい。

似ている者へのコンプレックス、負けてるから、自分だけ持ってないからの心の叫びがドキドキする。

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2012年01月26日

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本編ももちろんですが、
瀬戸内寂聴さんの解説も素晴らしい。芸というのは一に才能、二に才能、三四に才能、五に才能だと。
ごもっとも。

よかった!

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2013年02月09日

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松木さんと新崎さん対比のシーン、あの対比は新崎さんの悪意ある愛を剥き出しにするのにとても有効だったと思う。

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2013年10月08日

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良い本を読んだ。としか言えない。今まで、純文学、ジャンル小説から離れた作品は精神論や観念に尽きるものだと思っていたが、この作品によって覆された。
やはり女性の内面を百ページ超書き続けるのだが、この作品はその内面と彼女を取り巻く外からのさまざまな影響がうまく絡み合って、お互いをぼこぼこと変形させていく様子が読んでいて爽快だった。主人公のグロテスクな隠しごと、彼女が自分に分かりやすいよう周囲の人間をラべリングしていくがとらえきれていなかったところなど、人間が面白いとおもえる小説は久々だった。
なんといってもラストの見開きページは圧巻。
一人称視点だが、必ずしも主人公が正義だと感じられなくなるというのは、凄い技術と才能だと思った。

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2011年07月01日

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 約4分の1日で読み終わってしまった。短さだけがその理由ではない。会話のテンポの良さだけがその理由ではない。いろんな要素が絡み合って、ページをめくる僕の手を急かすんだと思う。
 「痛い恋愛小説」これが僕の一言感想。主人公の女性モデルは写真家と同棲していて、物を噛んでは吐き戻すという行為を止められない。異常に低い体重を維持するためだ。ある時、彼女は自由奔放なバンドマンと出会い、彼に惹かれていく…。決して突飛なストーリーじゃない。でも、どんどん読んでしまう。主人公の衝動的で反理性的な行動に、何故かちょっと共感してしまう。共感する僕はちょっとアウトローな人!?

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2011年04月24日

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ハイドラというのは首がたくさんあるヘビの怪物のことであろうか?
デビュー作の「蛇にピアス」よりはるかにパワーアップしているぜ
でもうーん、内容的にはあんまり違わないかな
ただ主人公が大人の女になった分、読んだ感じがさっぱりしてていい

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2011年04月04日

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表紙が美しかったです。重い仕事がやっと終って、なんとか本の感想を書く余裕ができた。ずっとモニタに向き合ってるから。なんだかもういやでねえ。つうか、全然本の感想になってないし。いちばん気になったことは、アトガキをかいていらっしゃる瀬戸内先生が「松本」とロッカーの名前を間違えていること。「松木」だよ。どうして、編集者はつっこんでうやらんのか?というか、原稿変えちゃだめなのか。というか、それすらも瀬戸内先生の味なのか。金原さんの本はいつも主人公が美人なんだなあと思う。やはり、食べものに対する書き方がグッと迫ってきます。食べ吐きとかしたことはないけれど。自分の居場所がどんどんなくなる感じ。不快と快がわからなくなる感じが透明感を持ってうまくかけているなあと。

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2011年09月03日

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人は一日に35,000回の選択をしているというのを何かの本で読んだけれど、この本を読んでそれを思い出した。
それくらい主人公の描写が細かい。
恋愛ともなれば尚更そうなのかも。

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2023年06月25日

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ネタバレ

これはジョイスの『ユリシーズ』じゃないか?

いえ勿論、似てもなければ、書かれた動機もまったく違うのは明らかなのだけれども、同じ不倫もの、「元ザヤ文学」にカテゴライズされ得る小説として、そう考えながら読むと案外楽しい。

主人公「早希」の、メランコリックな人物造形を担う、不穏で気がかりな文章が、癖になる味わい。著者は、実はこの種の文章を書き連ねることが主目的なのではないか?と思わされる加熱具合。ここら辺は好みが分かれそう。

著者の長編作品も読んでみたいと思う。

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2021年01月12日

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悲しいことに自分のアイデンティティというものを自分で決めるということはあまりにも難しい。自分が人間でなくなっていくその感触はたしかに苦痛だから生きていると、実は思えたりする。
個性が素晴らしいものなんて、だれが言いはじめたのか。

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2014年03月31日

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ここ最近の著者の作品のなかでは一番面白かった。拒食症の美人モデルが、ずっと不倫関係にあるSで陰気なカメラマンと、たまたま騙されて会ったロックバンドのボーカル(若いときのウルフルズみたいな)との間で、揺れるというもの。ストーリーは単純だが、そこには「1+1=2になる人」と「1+1=0にしかならない人」の対立があって、後者の人間の意地の悪さや、虚栄心、どこへもいけない感じがよく出てる。最後の主人公の行動は、そうだろうなぁ、という感じ。あと、若いゲイ(もちろん後者の人間)に対する共感みたいなのも、よく見てるな、と思う。

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2012年05月29日

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心も身体も不健康だと愛情も歪んでくる。金原ひとみ、いつものパターンの作品にしては、久しぶりに読みやすくて面白かった。
あと少し、ドキドキワクワク感があったら、もっと印象に残ったかなぁ。
でも一気に読めた。

久しぶりの読書は楽しかった。
次またなんか読もうって気になる。

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2012年05月23日

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金原ひとみの作品は、好きとも嫌いもいえない。
けど、読み出すと止まらない。中毒性がございます。

【ハイドラ】は唯一の人間の唯一の存在であり続ける為に、笑顔を捨て感情を捨て思考を捨て、食欲を捨てた主人公が、それでも唯一になれない恐怖と孤独と罪悪感に悶えて悶えてたら、ポッと出てきたすんばらしい人間性の持ち主に全身全霊で愛をぶつけられて、笑顔と感情と思考を取り戻しかけて、罪悪感を肥大させて、揺れて揺れて、、、。って話。


あームカつく


何この子…なんでこんなに自信ないわけ?あんたを、まるごと愛してくれる人がいるのに、満ち足りた気分を味合わせてくれるひ人がいるのに、新崎への想いは執着でしかないのに。

と、イライラの募る話でした。
でも、金原さんの文章は引き込まれる。イライラするけど、共感もする。やっぱ、中毒性がございます。

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2012年04月16日

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危うい。自分の存在価値を見失うのって怖い。噛み吐きをして、35キロの体重をキープする早希。蛇にピアス、もそうだったけど尖ったヒロインを描くのがうまい。

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2012年03月10日

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あっさりした現代小説という感じで、すぐに読めるけどあとに残るものはあまりないかな。女性の危うさが綺麗に表現されていた。ストーリーの詳細がちょっと物足りない感じ。
追記。この本を読んだことすらすっかり忘れてた。ほんとに何も残っていない…。

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2013年06月18日

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愛を求める女性の物語。
金原ひとみさんの小説は「蛇にピアス」以来だったけど、あまり印象は変わらず。現代的な視点がぶれなくて読みやすいと感じた。
愛されることを求めたが故に歪んでしまった女性が主人公で、歪んでしまって普通ではいられないと自覚してしまっているのが痛々しくて、そこまでしなければならないものなのかと怖さを覚えるほどだった。
ハッピーエンドに向かってほしかったけどそうはいかず、でも逆に綺麗に終わらないラストシーンがリアルで好感が持てた。
これも女性が読んだ方が共感できる部分は多いかも。

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2011年09月28日

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なかなかクールでした。うじうじしているようで実はとてもさっぱりしているし、文体さえ嫌わなければちゃんとその先にあるものが見えてくる感じ。でも愛され方の話ばかりで自分にはちょっと物足りなかった。

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2011年07月30日

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ネタバレ

感情移入ができなかったという点では難しい。こういうのが分かる人もいるのか、という感じ。(私が常人であるという前提のもと)常人の捉えられない感性をもつのが作家の仕事だと考えられる。

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2011年03月25日

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彼が撮りたいのは、
人が人の要素を失っていく過程。
早希はそれに答応えるために不自然な拒食をつづける。
そして、松木と出会い
本来の笑顔も取り戻す。
なのに―
早希は彼の元へ戻る。

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2010年07月22日

Posted by ブクログ

金原ひとみが久しぶりにちょっと面白いと感じた。

今回も「世間」とはハズれている女の子の話だけど、新崎さんに気持ちが届かないとことか、共感できる部分があって、ドキッとした。

でも、早希の内面の描写にもの足りなさを感じてしまったのも事実。
リツくんや美月を主人公にしてのストーリーもアリかも。

これまでの作品でも、拒食症とかのシーンが出てきてたし、金原さんもそんな一面があるだろうと思った。
多くの人はそれをネガティブに捉えるだろうけど、作品に活かしているというのは才能なんだろうな。

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2010年07月03日

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