金原ひとみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
金原ひとみさんばかり読んでしまう。
こんな作品も書けるんだ!
これまでに読んだ2作品ほどグロくないし、すごく好き。
歳をとるとそつなくこなせることが増えるから傲慢になるけれど、本当はできることは限られていて、その限られた中で何が1番大切か考えなくちゃいけない。と気づける人は自由になれるのかも。
子供の頃できていたのだから、きっと私たちにもできる。
結婚してようがしてまいが、30近い女は反省ばかりしてるんですね。
自分のことが客観的に見えているくせに感情に流される人たちを見るのが気持ちよくて気持ち悪くて癖になる。
最初に読んだのが憂鬱たち、だからはまったのかも。
憂鬱を気怠げでかっこいい音楽に昇華するビリーアイリッシュやチリビーンズのように好きになってしまった。
どの作品の主人公たちもみんな真面目で勤勉で、努力の方向性が間違っていてもがむしゃらに走り続けるから苦しんでいる。大体の人はここまで頑張れないから正気を保っていられるんじゃなかろうか。
金原さんは恋愛の描き方も独特で、少女漫画くらい夢見がちかと思いきや、昔のフィールヤングより病んでいて、全部刹那的で永遠なんて存在しない。
他人の恋愛はうまくいくかいかないかの2択でどうでもいいのでこれまで読まなかったのだけど、執着が愛に変わる時、それはもともと自分の中にあったんだと気づく爽やかさがすごく好きでもっと読みたくなった。
自分の価値観を信じて間違えたから世間の価値観に合わせていたけれど、やっぱり素直に生きるしかないのだ。本当に素直になればきっとうまくいく。だって世間の価値観に合わせているうちに大切なものを失くすかもしれないでしょう?そんなことに気付ければこの世はきっと楽園に変わる。
無くしたものより欲しいものより今持っているものをいかに愛せるか。
執着を手放し自由になれそう。
カナが他の主人公たちと違ったのは体が健康だったこと。だから体と心の声がちゃんと聞こえたのかも。だって拒食症や蕁麻疹に苦しんでいる時に正常な判断ができるわけない。
憂鬱な人は常に最悪の事態を想定しているから雑でいられる海外暮らしと相性がいいんだろうな。可能性を排除して諦めるしかないから自由になれる。
サリンジャーはいつか無くしてしまう子供の純粋さを讃えていたから、8歳の子供に対してまだこんなものか、という表現にどきっとした。
カナの感情はカナだけのもので、誰にも文句言う権利はないし、秘密を守る権利があるけれど。
家族だから気が合うとは限らない、という至極当然のことを日本人は見ないふりをするから怖い。
『好きではないし、行きたいとも思わない。でも 行ってしまえばすぐ馴染む。でもここに居続けるには、常にルールを厳守する必要がある』
カナが感じているのは憂鬱ではなく苛立ちだ。
世間の期待に応え続けているのに世間は心を満たしてくれない苛立ち。こんなに頑張っているんだからもっと満たされるべきなのに、が拭えない。
日本で暮らすことの違和感や息苦しさ、
海外で暮らすことの自由や不安の表現が上手で、わかる、と思う。
でもコミュニティの中の人間を平等に扱うために他者を排除する時代にはいったので、やっぱり楽な逃げ道は簡単に使えない。抱えすぎているものを手放して不自由になる、ことが同じなのかもしれない。私はもう、一人で憂鬱でいることに疲れたのだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
『軽 薄』
お久しぶりです♪ 金原ひとみ さん♡
この作品を読む前は…
タイトルが『軽薄』だもん
誠実さなんて皆無で ただただ軽い
ちょっぴり【ちゃらんぽらん】を添えた
そんな 主人公のお話かと思っていたの
裏表紙に書かれている「あらすじ」には
18歳の頃、カナは元恋人に刺されるも一命を取り留めた。29歳の今、仕事も夫と幼い息子との家庭も充実しているが、空虚な傷跡は残ったままだ。その頃、米国から姉一家が帰国しカナは甥の弘斗と再会。19歳になった彼に激しい愛情を寄せられ、一線を超えてしまう。カナに妄執する弘斗は危うげで、そしてある過去を隠していたーー。
二人を繋いでしまった、それぞれの罪と罰。
喪失と再生の純愛小説。
こう書かれていたんです
〈えっ、ちゃうやん…全然 ちゃうやん……〉
そうですよね♡
ちょっぴり安心?して読み始めました
金原さん 12番目の作品
甥と関係を持つカナ…
甥と不倫って
普通に考えられないでしょう?
だから この作品に嫌悪感を抱く人も
多いかもしれない
でも、繊細で流れるような金原さんの文章に
ドキドキさせられてしまう
甥との会話の中で…
旦那と息子を失っても、感情は動かないのか?という問いに
「それは、世界が変わるよ。泣き暮すと思う。もし俊を助けられるなら死んでもいいと思う。でも、二人が死んでも後を追おうとは思わないと思う。苦しみながら、私はまた日常に戻っていくと思う。でも弘斗だって、両親が同時に死んだとしても、後追いをしようとは思わないよね?」
「そうだね。カナさんが心中を持ちかけてきたら考えるだろうけど」
やめてよと苦笑すると、本気だよと弘斗も 笑った。
…という 場面があるのだけど
ゾクゾクしちゃったの
溜息しかでない
「喪失と再生の純愛小説」
本当…言い得て妙だわ♡♡
不思議なんだけど…
金原さんを読み続けていると
お腹いっぱい になって
「ちょっと お休みしようかしら♪」
に なるんだけど 休んだら休んだで
我慢できなくなるくらいに
読みたくなってしまう
そして "どっぷり"と余韻に浸るの♡
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Posted by ブクログ
これまた西加奈子さんのポッドキャストを聴いて読んだ一冊。
普通、とされる意見や行き方やしがらみや、自分に対する評価や肯定感なんていらないのかもな、と救われる一冊。衝動やどうしようもないところなんて、どうにもしなくていいと思える。
まるごと自分を愛しましょう、がしたい人はすればいいし、しなくても世界はまわっていく。そんな風に思えた。日々の生活が綴られていて、それぞれの人の人生があって、だからといってこうしたらいい、とかこれが正解、という焦燥や焦りもなく、ただ生きていく。
人生の歩んでいる道は違うけど、こういう文章になぜだかホッとする。
しかし小説家がおすすめの小説を教えてくれるなんて、いい時代だなあ。 -
Posted by ブクログ
『持たざる者』
金原ひとみさんの作品♡
今回のお話の設定は
震災から およそ 三年後 という設定
四人の男女の連作短編なのだけれど…
妻子と離別した
グラフィックデザイナーの 修人
修人のかつての愛人で現在は
シンガポールで家庭を営む 千鶴
千鶴の妹で自由奔放に暮らす
シングルマザーの エリナ
エリナとイギリスで出会い、駐在員の夫の
帰国が決まった 朱里
この四人のお話
震災、死別、家庭環境の変化だったり
それぞれの立場や環境が全然 違って
なかなか興味深く読めました
どの お話も ほんっとに よくわかる
金原さんの表現や言葉が響くんだよなぁ
奥さんと離別してから
千鶴と修人で呑んでいるときの会話が…
「修人くんは奥さんに、何か強要したの?」
僕が人に何かを強要するわけがないよ、
笑いながら答えると…
「強要しない人って、強要しないことで何かを強要していたりするものでしょ」
「君の好きにすればいいって言いながら、
相手に自分の思い通りの選択をさせている」
「君は自由だ君に決定権がある、そう言いながら、自由も決定権も奪ってる」
って…すごい言われよう…
反撃するんだけど
「僕は自由と決定権を放棄した人間が何者かの犠牲者であるとは思わない。自分の人生のイニシアチブを取っていけない人間は、会社か結婚相手の奴隷にしかなれない。そういう家畜同然の人間を、僕は人間としてカウントしない」
修人 そんな考えは ダメ絶対ッ! って
言ってやりたいわぁ!
「自分の人生の決定権」
難しいテーマでしょう?
わたしは きちんと できてるのかしら?
流されてないかしら?
もしかして…
あたし…修人になってないかしら?
子供に対しても 強要してないかしら?
しちゃってたりして
ちょっぴり考えさせられちゃう内容
もう一度 振り返って
見つめ直したい そんな作品でした♡
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Posted by ブクログ
『マザーズ』
ドゥマゴ文学賞 受賞
今作の 金原ひとみさん ♡
余韻がすごいです
今作は考えさせられたなぁ
不思議なの
共感はまったくしてなかったの
……でもね
この作品 好きだなぁ って思う
同じ保育園に 子どもを預けている
三人の母親の物語
作家のユカ、モデルの五月
専業主婦の涼子
それぞれ三人の視点で 物語はすすみます
ドラッグ、不倫、虐待、流産…って、
読んでいて どれも共感しがたいのに
本当に不思議
共感してないんだけど…受け入れちゃってる
あるかもなぁ……って想像しているの
赤ちゃんが産まれて育つということは、
「母性」だけじゃないよなぁ…って
環境だってあるんだよなぁ…って
いい環境なら幸せだけど
自分の思う環境と違ったら
泣きたくなっちゃうでしょう?
だからって、ドラッグも不倫も虐待も
ダメなのはわかっているの
そう ダメなの
でもね、ちょっとだけ
「あぁ…辛かったんだなぁ」ってね
思っちゃう
だって 子育てって 大変だもん
もちろん、自分の子は無条件で可愛い
そんなこと わかってるんだけど
イライラしてるとき 子供にあたったり
そういうこと あるでしょう?
殴ったりだけじゃなくてね
冷たい言い方しちゃった とか
そのレベルでもね
だから……なんか考えちゃった。
元気に育ってくれてるってだけで…
奇跡に近いことなんだよなぁ……ってね
ちょっと 深く
しんみりと 考えさせられる
そんなお話でした