金原ひとみのレビュー一覧
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「例えばさ、ずっと一つの星を見上げてると、自分がその星に落ちていきそうな気がしてこない?」
星へ落ちるってタイトルにきゅんとした。
男と女と、男の彼氏と、女の元彼。
複雑な人間関係の中で共通するのは、完全に自分のものにならない相手に落ちて、もがいているところ
人の心なんて縛れないのに、なんで恋をすると人はそれを自分のものにしたがるんだろう。
愛おしいと思えば思うほど、相手のすべてを知りたくなるし、それで苦しむんだよね。なんでかな。
って読んでて思った。
描写がね、いい。ルクルーゼの鍋とか、東京タワーとか、カレーとか、情景を頭に浮かべやすいの。
とんとんとんとん。にんじんを刻ん -
Posted by ブクログ
果たしてこれは作者の自伝的作品なのかなんなのか笑
最初は主人公の22歳の作家の口調がギャルで嫌だったんですけど、何も考えていないようで色々な事を考えているんだなぁと分かりました。
ていうかすっごく嫉妬深くてネガティブ笑
病的に寂しがり屋だということと病的に嘘が嫌いなのは何故か最後まで読んだ時に分かって(まぁ寂しがり屋なのは最初からだった気もしますけど)、最後の方は責任取れないとか言いだす男に殺意を感じ(爆)お腹の子と主人公可哀想だなぁとか。
人間を色々なものに例えるところが面白かったwwwあとコイツは〜してそうとか勝手に考えるところも。
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Posted by ブクログ
自分の人生のちょっと先の、違った結末を覗き見ているような浜野さんの人生。生活の流れも食事もリズムもルーティンに乗せるのって、心が波立たないから楽な心地なのはよくわかる。どこか全てを投げ出し諦めてしまっている様な危うさを感じていたけど、後半にかけて元旦那さんとの生活や不妊治療、モンスター嫌いの所以が顔を出してきてずっしり重みを増して伝わってくる。
平木さん経由で知り合った人脈、新しい環境、体験や感情に触れて少しずつリハビリしていく過程には少しホッとしました。かさましまさかさん、浜野さんと出会ってくれて、浜野さんのことを忘れずにずっと覚えていてくれてありがとう。
悲しい時に声が聞けて、落ち込ん -
Posted by ブクログ
面白くて一気読みしたが、感想を持つのが難しいなというのが率直な感想。
それぞれの登場人物の解像度が高いけれど、みんなちょっとおかしい。英美が一番感情移入できたけれど。
各々のパートではその人の思考や心に触れたり、触れられなかったり、もどかしさが繰り返された。
由依の気持ちが知りたい。なぜ桂がストーカーしていると知ってて結婚に至ったのか。スマホを奪われそうになったのに、なぜ振り切って別のところ(瑛人)に行こうとしなかったのか。考えても分からない。
分からないからこそ自由に考える余地があり、それが小説の醍醐味だよな、と思い直す。
結婚ってこんなに難しいものなのか?と、ものすごく平穏に結婚して平穏 -
Posted by ブクログ
何事も適度であることは大事。ある一定のラインを超すと摩擦が生じ、不穏になり、精神的な負担がのしかかってくる。自分がコントロールしていると思っていたことが、いつしか逆転し、コントロール下に置かれる。アルコール、美容医療、人間関係など「境界」を超える瞬間の短編集。あ、超えたなと思う瞬間はおそらく読み手によって異なり、それがほぼイコールで世間の目でもあるのだと思う。作品が世間の迎合を捨てたとき、小説としての在り方を取り戻すことができるということを証明している。かっこいいぜ。
金原作品の一人称の圧倒的な文字量に今更ながらハマり、カンブリア宮殿のMCが4月から金原さんになるとのことで絶対に観ようと思う。 -
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はじめての金原ひとみさんの作品
一文が長めだけど、読みやすかったし面白かった
主人公が白黒思考なところとか、傷つきたくなくてルーティンを好むところとか共感できた
平木さんやまさかさんと出会って、世界が広がって面白いことに出会えたのは羨ましいな
頑張って傷ついたからこそ閉じ困ってしまった世界を、人との出会いによってまた癒されていってる様が描かれていた
平木さんやまさかさんたちは一見派手で自己中に見えるかもしれないけど、人への許容力が大きくて、自分の意見を押し付けてないから、主人公も接しやすかったんだと思う
妊娠とか、結婚とか、全部とっぱらって、一緒にいれるまさかさんみたいな人って現実には -
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2020年第5回渡辺淳一文学賞
30を前後する男女の群像劇
渡辺淳一文学賞受賞作らしい一作。
この〈アタラクシア〉という、心の平穏を意味するという。なんともストーリーに敵対するのではとも思われるタイトル。
三十歳前後の満たされない男女の群像劇の構成を持つが、おそらく考えた末ではなく、アタラクシア的でない人間関係を描こうとして積み上げたストーリーが、この小説の形体となったのでは。
金原ひとみさんの小説の登場人物達は、決してパワーカップルではないけれど、ハイソ、あるいは意識高い系、または自由人。一般的日本人からすれば、関わる事が少ない人種と思っている。しかし、それは思い違いで、いまや彼らのよ