金原ひとみのレビュー一覧

  • 憂鬱たち

    Posted by ブクログ

    発売当初読んだときよりも自分にフィットしてきた!!比喩と笑いに磨きがかかった短編集。全部好きだけど「マンボ」がとくに好き。

    0
    2012年07月28日
  • ハイドラ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    一緒に棲んでいても恋人だという実感、安心感を持てない日々。新崎に植え付けられた無機的な美に心を囚われ噛み吐きを繰り返す。一度は愛され人間らしい温かみに触れながらも、自らに抱えたハイドラと決別できず、再び新崎の被写体に堕する。歪んだ図式で世界を捉えている人が常識的な世界に戻るのは難しい。普通の幸せに浸りきることができない人間の不可解。深い感興を覚えた。

    0
    2012年07月23日
  • オートフィクション

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    4つの連作短編。22歳の章が良かった。意味不明な奇声は影を潜め、じっくり読ませる地に足のついた作品。細かな心理描写、深く掘り下げられた冷静な自己分析。著者の真摯な姿勢が読み取れ実に清々しい。猥雑な卑語の連発も全然気にならなかった。
    「生じている矛盾に不満や不安を感じ思い悩み、震えながら取り乱しながら、それでも、無視することで目を逸らすことで生きてゆく上で必要な自分自身のバランスをとっている。」著者の面差しがよぎった。
    オートフィクションとは、著者の自伝ではないかと読者に思わせる作品のこと。

    0
    2012年07月17日
  • 星へ落ちる

    Posted by ブクログ

    「例えばさ、ずっと一つの星を見上げてると、自分がその星に落ちていきそうな気がしてこない?」

    星へ落ちるってタイトルにきゅんとした。

    男と女と、男の彼氏と、女の元彼。

    複雑な人間関係の中で共通するのは、完全に自分のものにならない相手に落ちて、もがいているところ

    人の心なんて縛れないのに、なんで恋をすると人はそれを自分のものにしたがるんだろう。

    愛おしいと思えば思うほど、相手のすべてを知りたくなるし、それで苦しむんだよね。なんでかな。

    って読んでて思った。

    描写がね、いい。ルクルーゼの鍋とか、東京タワーとか、カレーとか、情景を頭に浮かべやすいの。

    とんとんとんとん。にんじんを刻ん

    0
    2012年01月07日
  • ハイドラ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    読み終わった時、金原ひとみが新しくなったって思った。
    モロすぎる表現が売りな所があったけど、ハイドラは前のような分かりやすい表現は少ないものの心に何か重いものがのしかかって来て金原作品では初めて感じる感覚だった。
    でも金原ひとみが書く主人公っていつも真っ直ぐ純粋だから故に歪んでいってしまって、見てるこっちの心が痛くなる。
    それが癖になってつい手に取ってしまうのが不思議。

    0
    2011年07月15日
  • オートフィクション

    Posted by ブクログ

    初めて金原さんの作品を読んだときから、崇拝に近いくらい絶大な信頼をおいている。大好きな作家さん。今までの中で一番かも

    0
    2011年04月14日
  • ハイドラ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    自立と隷属、自由と拘束、妄想と現実。
    人の心は常にこれらの間で揺れ動いている。だからこの小説にも終わりはない。ラストシーンはまさにそれを象徴している。

    素晴らしい作品だった。

    0
    2011年04月07日
  • オートフィクション

    Posted by ブクログ

    果たしてこれは作者の自伝的作品なのかなんなのか笑
    最初は主人公の22歳の作家の口調がギャルで嫌だったんですけど、何も考えていないようで色々な事を考えているんだなぁと分かりました。
    ていうかすっごく嫉妬深くてネガティブ笑
    病的に寂しがり屋だということと病的に嘘が嫌いなのは何故か最後まで読んだ時に分かって(まぁ寂しがり屋なのは最初からだった気もしますけど)、最後の方は責任取れないとか言いだす男に殺意を感じ(爆)お腹の子と主人公可哀想だなぁとか。

    人間を色々なものに例えるところが面白かったwwwあとコイツは〜してそうとか勝手に考えるところも。

    0
    2009年10月04日
  • ナチュラルボーンチキン

    Posted by ブクログ

    「生まれながらの臆病者」、まぁまぁ面白かった。

    40歳ぐらいの登場人物の言葉、
    「この歳の僕らにできることはあんまり多くはないかもしれませんけど、死ぬまでまだ、結構時間はあるはずです。美味しいものを食べたり、お酒を飲んだり、中略、僕らにはまだまだできます。」
    に、私もそう思っていると思った。

    0
    2026年05月17日
  • ナチュラルボーンチキン

    Posted by ブクログ

    金原ひとみさんの本はあまり読んでいなかったのだけど、すごく読みやすかった。
    食べ物や食べ方、食への意識が人の心の持ち様や生き方にまでいい影響を及ぼすことにすごく共感できた。日々口にするものもなんとなく食べていたり、スーパーで食材を選ぶのも半分惰性で、レパートリーが広がらないと自分にぼやいていたが、そこにもう少し意識を傾けてみたら、変わることがありそうと思えた。
    心をさらけ出せる相手が見つかることは貴重な経験だ。心がほぐれていく感覚を味わえた。

    0
    2026年05月17日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

    Posted by ブクログ

    性加害の告発にまつわる小説としか知らない状態で見ました。

    改めて加害と被害の立場の危うさや
    様々な年代、立場の人の違った考え方を
    知れました。

    0
    2026年05月16日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

    Posted by ブクログ

    ちょいと重すぎて読みたくないなーと思いながら、あれよあれよと一気に読んでしまった。前半これは太宰治の初期のやつだと、もう数十年読める体質ではなくなった太宰初期的な感情に食い込んでくるやつを読まされる拒否感があったけど、中盤から登場人物の一人である作家(作者を連想させる)の狂気に逆に物語感が強まって冷静に読めるようになった。
    正直読んでて楽しくないし、気持ちもいいものでもないが、ここに出てるやつらみたいにはなりたくないなと思うだけでも儲け物かもしれない。
    しかし、自己愛的なものが推奨されて自分を自分で認めることが、自分に甘い=人に厳しいという流れになるのはなんだかなぁだ。バカに鞭(ムチ)を持たせ

    0
    2026年05月15日
  • 軽薄(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    今までに読んだ金原作品の中でもかなり好きだった方かも
    刺されなければならなかったし、殺さなければならなかった。

    二人で作り上げた要塞に二人で閉じこもり、その世界を強化し続け、その世界の倫理に反する小さな罪を見つけ出しては糾弾して攻撃し合う。私たちのしている事はそういう事だった。

    0
    2026年05月13日
  • ナチュラルボーンチキン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    3.8
    おもしろかった!
    ただ単に普段交わらなそうな2人の友情かと思いきや、そこに主人公の過去やらなんやら入ってきて、言うならば再生の物語のようやった
    不妊治療のところがリアルだったなぁ、男女の考え方がリアルで、多くがこうして不妊治療ですれ違うんだろうなと思った

    0
    2026年05月13日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最近世界99を読んだからか、本作との共通点を感じた。それは、正しいとされる価値観や正義は、時代とともに変化していくという点である。作中では、正しさを真っ直ぐ見つめすぎる人々の生きづらさがリアルに描かれており、読んでいる自分まで息苦しくなるような感覚を覚えた。

    また、本作ではギラギラした若者の視点、脂の乗った大人の視点、衰えを感じ始めた中年の視点など、さまざまな立場から物語が描かれている。同じ出来事を経験しても、人によって受け取り方がここまで違うのかと思うと、人間関係の難しさや生きづらさを感じた。私は特におじさんの描写にどこか同情してしまった。事実はそれぞれの個人の中に存在していて、“絶対的な

    0
    2026年05月14日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

    Posted by ブクログ

    さすがの戦闘力。こんなカロリー高い文章、自分なら一生分のパワーを使い果たさないと書けないと思う。すごいなぁ。

    0
    2026年05月10日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

    Posted by ブクログ

    頭をグチャグチャにされる。

    さまざまな登場人物のそれぞれの視点から一連の事件を表現することで、立体的な考察をしながら読むことができる。
    そして、内容の振れ幅が大きすぎるせいで、酔いそうになる。読んでいる途中、これはもう自分の意志を一意に決める必要はないのではないかとさえ感じた。

    故に、最後のリコの姿勢については素直に感心した。自分の芯がしっかりとありつつも、全ての選択肢を否定しないリコの姿勢は、強いとは思わないが、決して弱くはなく、むしろ、弱くないというのが1番強いのではないかと思った。

    ひとつ残念なのは、性描写が多すぎること。
    性加害が物語の根幹であるため致し方ないとは思うが、性描写を

    0
    2026年05月10日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    表現の精度が恐ろしく高い。

    併録された作品はいずれも、救いを見出せない男女の話。

    人は意識的に選択して生きているようでいて、実際には抗いようのない感情に大きく左右されている。
    『「なんか好き」の「なんか」が重大なのだ。』という一文には、特に強くそれを感じた。

    人は誰しも、自分の人生を説明できていると思い込んでいるけれど、実際には後付けで物語化しているだけで、その核心には説明不能な“なんか”がある。

    もし人の選択がそんなにも儚く頼りないものなのだとしたら、モラルや善悪の観念もまた、偶発性の堆積に過ぎないのではないか。

    そう考えると、全てが無意味で空虚なものにも思えてしまう。

    本作はま

    0
    2026年05月09日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ・コロナ。つい数年前の出来事なのに結構、あの時の感覚を忘れていると思った。生命の危機がすぐそこにあり、物理的にも文字通り分断されていた時代。
    ・めっちゃ金原文学としてコロナの時代を書き上げたな〜、というのが率直な感想。生々しく、あの頃の感情を呼び起こされてしまった。

    0
    2026年05月06日
  • ナチュラルボーンチキン

    Posted by ブクログ

    結局のところ、許せないものはあったとしても、手に入れなければならないものなど、人間にはないのかもしれない。あるいは、許せないものを許さないために、何かを手に入れたいと思うことはあるかもしれないけれど。
    という描写の部分がひっかかった。
    不妊治療していた描写を読んでいて苦しくなった。

    0
    2026年05月05日