金原ひとみのレビュー一覧

  • ハイドラ(新潮文庫)

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    一緒に棲んでいても恋人だという実感、安心感を持てない日々。新崎に植え付けられた無機的な美に心を囚われ噛み吐きを繰り返す。一度は愛され人間らしい温かみに触れながらも、自らに抱えたハイドラと決別できず、再び新崎の被写体に堕する。歪んだ図式で世界を捉えている人が常識的な世界に戻るのは難しい。普通の幸せに浸りきることができない人間の不可解。深い感興を覚えた。

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    2012年07月23日
  • オートフィクション

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    ネタバレ

    4つの連作短編。22歳の章が良かった。意味不明な奇声は影を潜め、じっくり読ませる地に足のついた作品。細かな心理描写、深く掘り下げられた冷静な自己分析。著者の真摯な姿勢が読み取れ実に清々しい。猥雑な卑語の連発も全然気にならなかった。
    「生じている矛盾に不満や不安を感じ思い悩み、震えながら取り乱しながら、それでも、無視することで目を逸らすことで生きてゆく上で必要な自分自身のバランスをとっている。」著者の面差しがよぎった。
    オートフィクションとは、著者の自伝ではないかと読者に思わせる作品のこと。

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    2012年07月17日
  • 星へ落ちる

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    「例えばさ、ずっと一つの星を見上げてると、自分がその星に落ちていきそうな気がしてこない?」

    星へ落ちるってタイトルにきゅんとした。

    男と女と、男の彼氏と、女の元彼。

    複雑な人間関係の中で共通するのは、完全に自分のものにならない相手に落ちて、もがいているところ

    人の心なんて縛れないのに、なんで恋をすると人はそれを自分のものにしたがるんだろう。

    愛おしいと思えば思うほど、相手のすべてを知りたくなるし、それで苦しむんだよね。なんでかな。

    って読んでて思った。

    描写がね、いい。ルクルーゼの鍋とか、東京タワーとか、カレーとか、情景を頭に浮かべやすいの。

    とんとんとんとん。にんじんを刻ん

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    2012年01月07日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    読み終わった時、金原ひとみが新しくなったって思った。
    モロすぎる表現が売りな所があったけど、ハイドラは前のような分かりやすい表現は少ないものの心に何か重いものがのしかかって来て金原作品では初めて感じる感覚だった。
    でも金原ひとみが書く主人公っていつも真っ直ぐ純粋だから故に歪んでいってしまって、見てるこっちの心が痛くなる。
    それが癖になってつい手に取ってしまうのが不思議。

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    2011年07月15日
  • オートフィクション

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    初めて金原さんの作品を読んだときから、崇拝に近いくらい絶大な信頼をおいている。大好きな作家さん。今までの中で一番かも

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    2011年04月14日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    自立と隷属、自由と拘束、妄想と現実。
    人の心は常にこれらの間で揺れ動いている。だからこの小説にも終わりはない。ラストシーンはまさにそれを象徴している。

    素晴らしい作品だった。

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    2011年04月07日
  • オートフィクション

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    果たしてこれは作者の自伝的作品なのかなんなのか笑
    最初は主人公の22歳の作家の口調がギャルで嫌だったんですけど、何も考えていないようで色々な事を考えているんだなぁと分かりました。
    ていうかすっごく嫉妬深くてネガティブ笑
    病的に寂しがり屋だということと病的に嘘が嫌いなのは何故か最後まで読んだ時に分かって(まぁ寂しがり屋なのは最初からだった気もしますけど)、最後の方は責任取れないとか言いだす男に殺意を感じ(爆)お腹の子と主人公可哀想だなぁとか。

    人間を色々なものに例えるところが面白かったwwwあとコイツは〜してそうとか勝手に考えるところも。

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    2009年10月04日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    ネタバレ

    書いてあることが全てではないにしろ、この方が感じている「生きづらさ」というものに少しだけ共感できた。

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    2026年03月08日
  • ナチュラルボーンチキン

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    まるで自分の未来を見ているかのような内容だった。新しい出会い、自分から外に出る勇気、人との繋がりを絶たないことは自分にとって難しいけど未来のために頑張っていきたいと思えた。また親との距離感についても今の気持ちを言語化してくれていて救われた。思うように生きたい。

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    2026年03月08日
  • ナチュラルボーンチキン

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    『ナチュラルボーンチキン』を読んで、自分と全く違うタイプの人間とは仲良くなれるのか、と考えた。

    自分の殻の中にいた主人公が、タイプの全く違う同僚・平木さんと仲良くなり、さらにバンドマンのまさかさんと出会うことで、少しずつ世界が広がっていく物語。

    私はどちらかというと主人公タイプだ。だからこそ、世間に忖度せず自分の気持ちに正直に行動できる平木さんは眩しい。ああいう潔さを、私はまだ持てていない。
    複雑な家庭事情を抱えながらもデスボイスでバンドを率いるまさかさんも、最初は「違う世界の人」だった。
    それでも距離が縮まっていくのは、相手のコミュ力のおかげなのか、それとも主人公の中に眠っていた魅力が引

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    2026年03月04日
  • GOAT meets01

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    SSWのさらささんが寄稿した文章が載っているとのことで購入した。
    彼女の歌の世界観に常にある仄暗さとか根底にある強さとか儚さが、手の届かないものではなく、ちゃんと私たちと同じ日常の隣にあるものに思えてとてもよかった。
    わたしにとってはこの一ページに会うための本。

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    2026年03月03日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    性的搾取などの事象が男女、立場を変えて心情が書かれている。人によって見え方全然違うというはなし。
    違和感とかを分析し続けないと、この本は書けないやろなぁ。
    会社員だと疲弊しきりそうなぐらい考え続けていると思う。
    感情、心情の百科事典みたい。
    常識の変化や、モヤモヤの正体、世代間や個人の感覚の相違とか。
    作品としてすごいけど、読んでるとなかなか苦しいねー。

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    2026年03月02日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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     友梨奈個人の幸せはあるはずなのに、社会が思い通りにならないから死んでもいいと思っている正義感の強さがしんどかった。
     時代の物差し(ルールや罪、常識)は数十年経てば別のものになっているから時代に取り残されない大人になりたい。
    印象に残ったことば
     「時代の要請」時代が小説を必要としている
     自分のことが大好きなのも才能のひとつ
     

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    2026年02月28日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    読んでてキツかった。若者の現代感覚、言葉、表現についていけない。映像化するなら誰を配役する?で盛り上がれそうw

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    2026年02月28日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    他人を理解したいと思うほど、逆に深まっていく隔たり。
    そのどうしようもなさが、静かに、でも確実に胸に残る小説だった。
    誰かの言葉や態度の裏にあるものを、私たちは本当に見られているのか。
    読み終わったあとも、答えが出ない問いだけが残る。

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    2026年02月24日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

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    闇深い系の短編集。
    これこれこれ!こういうのが読みたかった!
    依存症とかメンヘラとかとにかく狂ってる人間の闇みたいなやつ!
    出てくる登場人物が全部闇抱えててクズで
    ある意味爽快です( ´ ▽ ` )
    スト缶依存症の話が1番好きやった!

    こういう狂った人間の話、定期的に読みたくなるんやけど、読み終わった後意外とスッキリするんよな!笑

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    2026年02月23日
  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    後半以降に好きな文章が多かった。他者に対する寛容さ、ままならない人生への折り合いのつけ方、折り合いをつけることなく苦悩する生き方。そうした生き様というか、考え方や感じ方が魅力的だと感じた。エッセイなのに小説を読んでいるような雰囲気なのは、金原さんの書く文体の影響なのかな。時間を空けてじっくり再読したい。

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    2026年02月23日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    長かった‥
    ずっと同じようなテーマの周囲を登場人物目線でグルグル。
    それでも最後まで読もうと思わせるのは、いわゆる「藪の中」スタイルで視点を変えながら、何が正しいのか正しくないのか読者を惑わせ、自分を省みたりして、答え合わせをしたくなるからかな。
    性搾取をキーとしながら、それを取り巻く社会、時代の変化、価値観のアップデート、分断、などを、登場人物を通して見つめていく。
    変化に対応する人もできない人もいて、あるいは所詮人と人はわかり合えないって事はデフォルトな前提として、じゃあどうやってこの先、何らかを共有できるような共同幻想とも言える社会を作っていくのよ?という作者の問いかけだろうか。
    変化の

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    2026年02月22日
  • アッシュベイビー

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    ネタバレ

    正直かなり人を選ぶ。子供や動物の虐待描写あり、吐きそうになりながら読んだ。特に終盤はかなりしんどくて薄目で読んだし、しばらく引きずった。
    金原さんの文章はヒリヒリヒリヒリとしていて、自分の学生時代と重なるところがある。特にこの本では主人公アヤの(おそらく健康な人が見たらなにこれ大丈夫か?と思うような)独白がみっちりと敷き詰められているのだけど、かつて私がとある精神疾患を患っていたころ、愛情を求めて衝動に駆られあらゆる自傷が辞められなかった頃に考えていたことがそのまま、一言一句全てばらばらになることなく文章にまとめられている。脱帽。
    …なので、倫理的にきつくても読まずにはいられなかった。この話は

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    2026年02月21日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    ネタバレ

    そんな分厚くないのに500ページ超えなことに読み終わってから気づいた。笑
    救いようがなく重たい。。欲望に負けたり社会的に立場で苦しくなる男たちよりも、歪んだ正義感のような長岡友梨奈が一番怖いなと思った。
    私は、まだ自分たちより下の大きな時代は生まれてないから、時代の変化を体系的に捉えられない。
    時代の変化で正しさや許されるかどうかが変化するって恐ろしいんだろうな。
    分かり合えないけど、1人の力じゃどうしようもないこともたくさんあって、どこかで線を引かないといけない。でもその価値観も人によって多様で。。。

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    2026年02月21日