金原ひとみのレビュー一覧

  • 憂鬱たち

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    好きだったなあ、とても。

    ひとは皆、憂鬱だから
    ああ、これ感じるもんなあ、というような普通さだったりする。
    最初のデリラでこのままの流れかと思いきやそんなこともなく、期待した人には残念だったかしら、なんてね。
    一冊の流れとしてもわかりやすく、後に進むほどシンクロする。
    テンポよくあっという間に完読。

    官能的ブラックコメディと謳われているが、
    女子のわたしとしては全然"官能"は感じられなかった(笑)
    でも、どこか"気持ちのいい部分”に触れてくる。

    絶妙。

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    2013年11月02日
  • 星へ落ちる

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    ストーリーはなんてことないのに、文章というか、行間の雰囲気が好きな感じ。
    よしもとばなな氏とか、江國香織氏とか。

    苦手感のある芥川賞受賞作家さんが楽しめた自分がうれしいw

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    2013年08月12日
  • AMEBIC

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    ものすごくわからないようなものすごくわかるような。

    錯乱状態になっているときに彼女が書く文は
    わたしが時折頭で描くその文に似ていたりするわけで、
    かといって彼女ほど常にクレイジーでいれるわけでもないが。

    とりあえず狂っているような正気のような本なのに、
    文の違和感もなく引き込む力があるのが
    金原ひとみの天才的なところだと思う。

    これ、金原さんの自伝ではないのかな。

    主人公の名前も何もわからなかったが、
    何もかも凄くわかった。

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    2013年03月13日
  • 憂鬱たち

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    発売当初読んだときよりも自分にフィットしてきた!!比喩と笑いに磨きがかかった短編集。全部好きだけど「マンボ」がとくに好き。

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    2012年07月28日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    一緒に棲んでいても恋人だという実感、安心感を持てない日々。新崎に植え付けられた無機的な美に心を囚われ噛み吐きを繰り返す。一度は愛され人間らしい温かみに触れながらも、自らに抱えたハイドラと決別できず、再び新崎の被写体に堕する。歪んだ図式で世界を捉えている人が常識的な世界に戻るのは難しい。普通の幸せに浸りきることができない人間の不可解。深い感興を覚えた。

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    2012年07月23日
  • オートフィクション

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    ネタバレ

    4つの連作短編。22歳の章が良かった。意味不明な奇声は影を潜め、じっくり読ませる地に足のついた作品。細かな心理描写、深く掘り下げられた冷静な自己分析。著者の真摯な姿勢が読み取れ実に清々しい。猥雑な卑語の連発も全然気にならなかった。
    「生じている矛盾に不満や不安を感じ思い悩み、震えながら取り乱しながら、それでも、無視することで目を逸らすことで生きてゆく上で必要な自分自身のバランスをとっている。」著者の面差しがよぎった。
    オートフィクションとは、著者の自伝ではないかと読者に思わせる作品のこと。

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    2012年07月17日
  • 星へ落ちる

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    「例えばさ、ずっと一つの星を見上げてると、自分がその星に落ちていきそうな気がしてこない?」

    星へ落ちるってタイトルにきゅんとした。

    男と女と、男の彼氏と、女の元彼。

    複雑な人間関係の中で共通するのは、完全に自分のものにならない相手に落ちて、もがいているところ

    人の心なんて縛れないのに、なんで恋をすると人はそれを自分のものにしたがるんだろう。

    愛おしいと思えば思うほど、相手のすべてを知りたくなるし、それで苦しむんだよね。なんでかな。

    って読んでて思った。

    描写がね、いい。ルクルーゼの鍋とか、東京タワーとか、カレーとか、情景を頭に浮かべやすいの。

    とんとんとんとん。にんじんを刻ん

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    2012年01月07日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    読み終わった時、金原ひとみが新しくなったって思った。
    モロすぎる表現が売りな所があったけど、ハイドラは前のような分かりやすい表現は少ないものの心に何か重いものがのしかかって来て金原作品では初めて感じる感覚だった。
    でも金原ひとみが書く主人公っていつも真っ直ぐ純粋だから故に歪んでいってしまって、見てるこっちの心が痛くなる。
    それが癖になってつい手に取ってしまうのが不思議。

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    2011年07月15日
  • オートフィクション

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    初めて金原さんの作品を読んだときから、崇拝に近いくらい絶大な信頼をおいている。大好きな作家さん。今までの中で一番かも

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    2011年04月14日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    自立と隷属、自由と拘束、妄想と現実。
    人の心は常にこれらの間で揺れ動いている。だからこの小説にも終わりはない。ラストシーンはまさにそれを象徴している。

    素晴らしい作品だった。

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    2011年04月07日
  • オートフィクション

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    果たしてこれは作者の自伝的作品なのかなんなのか笑
    最初は主人公の22歳の作家の口調がギャルで嫌だったんですけど、何も考えていないようで色々な事を考えているんだなぁと分かりました。
    ていうかすっごく嫉妬深くてネガティブ笑
    病的に寂しがり屋だということと病的に嘘が嫌いなのは何故か最後まで読んだ時に分かって(まぁ寂しがり屋なのは最初からだった気もしますけど)、最後の方は責任取れないとか言いだす男に殺意を感じ(爆)お腹の子と主人公可哀想だなぁとか。

    人間を色々なものに例えるところが面白かったwwwあとコイツは〜してそうとか勝手に考えるところも。

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    2009年10月04日
  • ハジケテマザレ

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    解体全書経由で興味を持ち読んだ金原さんの明るいサイドの小説。
    職場環境の仲の良さが眩しくて、クドカン世代の私としてはTBSでドラマ化してほしいなと思った。

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    2025年12月20日
  • アッシュベイビー

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    クレイジー、狂気的。アヤの心情の流れ?というのかな、溢れ出る心の声の数々とそのスピードの早さ、それが文章になってることがすごいと感じた。そういう小説には初めて出会ったかも(経験が足りないのかも)。胸糞悪く感じるシーンの度に休憩挟んで、読み終えた。

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    2025年12月19日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    リアルタイムで起こっているようで目を背けずに対峙しなければいけないと改めて思わされました。
    一人称の気持ちでここまで違いがあるのかと怖く感じる部分もありました。

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    2025年12月19日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    これだけ分厚い本を、よくぞ熱量を途切れさせることなく書き切れるな、と思った。
    文学的に怒りをぶつけられた、という印象が強い。
    そして今作も非常に強烈な性描写。
    正直、自分でも少し気分の悪くなるシーンもあり、耐えながら読んだことも否定しない。

    突然のロス以降の怒涛の思考、言葉の濁流には、大きな快感を覚えた。
    それこそ性的な快感に似たもの、と言っても過言ではないかもしれない。

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    2025年12月18日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

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    ■はじめに
    今年は小説をよく読んだ。押しも押されもせぬおっさんになってからは、社会評論やノンフィクションに手が伸び、小説を買ってもエンタメ系—そんな読書傾向が続いていた。

    ところが、なぜか今年は小説、それも所謂「純文学」作品を読む機会が増えた、正しくは復活した。

    純文学と書いた途端、そもそも純文学とは何なの?エンタメ作品との違いは? その境目はどこにあるのか?—そんな疑問が頭をもたげてくる。

    僕の中での純文学の定義は「物語の“結果(結末)”よりも、人間の“ありよう”そのものを引き受けようとするのが純文学」である。

    描かれるのは、人間の業(ごう)そのもの。弱さ、矛盾、欲望、逃避、欠落、そ

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    2025年12月17日
  • ナチュラルボーンチキン

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    歳を重ねると自分のことや周りのことを分かったような気持ちになって、心の動きが鈍くなるような感覚になる。
    でも、もっと自由に軽やかに小さな心の動きを見逃さないように行きたい。

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    2025年12月15日
  • デクリネゾン

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    いつ読み終わったか覚えていないけど
    覚えてることがある

    小説家の主人公はどこか筆者が自己投影したいるようにもみえるし
    そう想像することをすかされるような感覚にもなったかも

    娘に対しての言葉で
    料理がまずいって言わないで、
    私は好みじゃないと言って。

    好きな人にブスと言われるのと自分のタイプではないと言われるので傷つき方が違うでしょ

    というところ。
    文脈忘れたけどこういう価値観に影響することを本で読めるの楽しい

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    2025年12月15日
  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    私が知る限りでは、金原ひとみさんは自伝作品を発表していない。未読だが「オートフィクション」なる自伝的要素の強い創作(フィクション)もある様ではある。

    今回、朝日新聞出版から発刊された当書籍は、芥川賞受賞当時(2004年)から現在(2025年)に至るまで、様々な媒体で発表された金原さん自身のエッセイ、日記、掌編を集めたものである。

    本書籍の中でそれらがあたかも、「額装された絵画の様に」キュレーションされ、読むものの感情、それは様々な題名に沿った種々の感情、に訴えかけるという、いっぷう変わった構成の自叙伝であると言えるのでは無いかと思う。

    掌編集である、とは言っても、大きく三つの章に分かれて

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    2025年12月14日
  • ミーツ・ザ・ワールド

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    消えた方が良いと思っている女性に助けられた腐女子の話。これまで彼女の人生には登場しなかった人たちとの出会いをきっかけに人生が進んでいきます。
    人を好きになることや別れや死というものを登場人物たちが考えながら生きています。登場人物はとても優しい人たちばかりです。
    自分は人の死や別れについては悲しくなるし怖いので考えたくないと思ってしまうタイプなので、日々こんなに真剣に考えて生きている人たちってすごいなと思いながら読みました。この本を読んでいつも考えたくないと思っていたことに対する苦手意識を少し減らせたように思います。

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    2025年12月12日