金原ひとみのレビュー一覧

  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    これまで読んだどのエッセイよりも抉られた。どのページを開いても鋭く濡れた刃物で切り付けられるような痛みが走る。「瞬間的な心の充足ではなく、恒常的な魂の充足などあり得るのだろうか」この一文に泣いた。

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    2024年01月12日
  • マザーズ(新潮文庫)

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    すごい。圧巻。すべてを書き切っているのでは。

    3人の若き母たちを題材に、母親であることの幸福と孤独、身を切るような痛み。金原ひとみ節として不倫、クスリ、暴力の描写はあるけれど、それもその時々で彼女たちには必要なもの。

    読むタイミングは選んだほうがいい。若すぎるとわからないし、登場人物に近すぎると嫌悪感が勝りそう。まだそこに足を踏み入れないギリギリという、最適なタイミングで読めたことを幸せだと思う。

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    2024年01月04日
  • アタラクシア

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    ネタバレ

    「望んで結婚したはずなのに、どうしてこんなに苦しいのだろう」
    登場人物があまりにも多いので、相関図をメモしながら読むことを推奨します。
    私は明誠社で働く佐倉真奈美を見て、まるで自分をネタに書かれているのかと思うほど共感してしまいました。
    暗黙のルールのもとに成り立つ関係。
    そしてその距離感を無視して極端に重い言葉、軽い言葉を吐けば一瞬で崩壊してしまう空気感。
    夫も彼も両方いて初めて成り立つ関係であること。
    どちらも等しく必要な存在であること。
    金原ひとみさんの作品はどれも自伝かと思うほど、体験していなければ書けないはずのことが書かれているので読んでいて驚きます。
    そして、
    夢心地のような幸せと

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    2023年12月29日
  • fishy

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    ひげむらさんが貸してくれた「fishy」

    女性3人組の組み合わせはよくあるし、現に私も現在の大学での行動は3人でいるけれど、ここまで毛色が異なり(なんならお互いがお互いを嫌いである)、いつ崩れてもおかしくない緊張感漂う関係性がおもしろかった〜。

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    2023年12月21日
  • オートフィクション

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    ネタバレ

    オートフィクション(自伝的創作)にもかかわらず、リアルを感じるというか

    22th winter から15th winter と22歳から15歳のリンまで話は遡っていくわけだが、どれも男との衝突。
    その中で、他人に責任を押し付けたい、責任逃れしたい、でも自分が全ての責任を持てる様になりたい。という価値観がみえ、それは子どもで自分じゃ何も決められない、家に帰る時間すらも決められなかった子ども時代の堕児の経験からなのか。

    想像の話でしかないが、作中のリンにオートフィクションとして語らせることで、自分の私小説を書くことを試みたのだろうか

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    2023年11月03日
  • 腹を空かせた勇者ども

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    ネタバレ

    金原さんの小説があって良かった。

    思えば自分も割と喜びとか怒りとか悲しみとか、
    そういう感情の大きなブレが苦手で、色々考え込むことが煩わしいと思っていた人間で。

    色々考えてこむようになってから、
    あの頃の自分は浅はかだったな、とか思っていたけど、自分に子供ができたとしたら、こんなに思い悩んで欲しくないな、とか思ったり。
    安全なとこで、幸せって枠からはみ出さないように、自分が見守れる中でめちゃくちゃ幸せになってほしいとさえ思うのだけど。

    でもその陽キャたちは陽キャたちで、
    ハードモードな人生を送っている。

    結局程度の差こそあれ、みんなそれぞれ色々大変なことを抱えて生きている。
    帯にも金原

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    2024年08月18日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    著者の余りの自己否定に、自分は何か許されるようなものを感じて、共感とともに癒されるような、そういう感想をもっている。

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    2023年08月13日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    著者の作品を初めて読んだ。

    感情とある種の無感情の交差が時にはゆっくり時にはスピードを増して、心に迫り来るのが、私の読書史上、エッセイとしてはかつてない衝撃を受けた。

    他人によく思われたいと意識していないとしても、人はどこか無意識にありのままの気持ちを曝け出すことに抵抗を感じてしまうところがある。
    しかし、著者の心の中や思考を全て知ることはできない前提があるうえで、直感的に、こんなにも包み隠すことなく自身を表現できる人に私は出会ったことがない。それがあまりにも真っ直ぐすぎて、こちらの心が何かしらの準備や抵抗をする前に、言葉が身体に入ってきてしまう。だからこそ、人から人へと伝染していってしま

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    2023年06月19日
  • アタラクシア

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    文庫化したので再読。ほぼ四年ぶりで忘れている箇所も多かったけど、当時とまったく変わらず振り切れるほどの共感度。ラスト5ページで物語の様相がガラッと変わる展開もたまらない。
    共感、という個人的な一点に関してなら本作を超える小説が今後でてくることはないんじゃなかろうか?と思うほどに、私が常日頃から抱えている思考のブラックボックスをすべて開示して明るみの下に並べられたかのような心地がする。
    タイトル『アタラクシア』とは古代ギリシア哲学の専門用語であり、「心の平静不動なる状態、乱されない心の状態。激しい情熱や欲望から自由な、平静な心のさま。」という意味だが、本作の読書中は台風に只中にのみ込まれたかのよ

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    2023年11月03日
  • デクリネゾン

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    年齢の変化、人間関係の変化、環境の変化、そんな細やかな日常の中の気持ちや感じてることが、とても細やかに言語化されていて、じっくり読めた。金原ひとみさんの作品は食事がとても美味しそうで、今回もたくさんの魅力的な食事がでてくて、美味しいご飯を食べたくなった。

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    2023年05月15日
  • 蛇にピアス

    購入済み

    虚無感

    後半は怒涛の展開でした。
    なんというか、なんともいえない気持ちです
    面白かったです

    #エモい #ダーク #深い

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    2023年05月03日
  • 蛇にピアス

    og

    購入済み

    すきです

    この作品を読んでどんな感情を抱くのが正しいのかはわからないけれど、多分正解はなあと思っていて。ただ心は揺さぶられて、私の語彙では表現できない嫌な気持ちを残していきます。それでもこの作品は好きで、何故か好きで。小説を読んでは映画を観て、映画を観ては小説を読み。繰り返してしまいます。
    ただひとつ言えるのは、人によってはかなり苦手な作品かもしれない

    #癒やされる

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    2023年04月29日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    勝手にすごくパンクな日常が描かれてるのかと、恐る恐る読み始め、
    でも綴られてる日々は、
    誰もが抱いた事のあるような悲しさや虚しい感情が研ぎ澄まされて文章になっていたり、どうしようもない気持ちや落ち込みを、何とか友達やお酒の力で乗り越えることとか、
    自分の日々起こる、考えや気持ちや怒りを、誠実に言葉にして、それを繰り返す日々がこんなエッセイになるのは、とても新鮮でした。
    瑞々しいものを読んだ気持ち。死にたくなってもいいし、どこに行ってもいい。
    ずっと泣きそうで、つらくて、寂しくて、でも幸せだという乖離の中で生きてきた、そういう自分に向き合っている。読めてよかった。

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    2023年04月23日
  • 持たざる者

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    やっぱり金原ひとみはすごい。すごすぎる。
    4人の一人称と他人から見たその人物。あまりにも鮮やかなその対比。あらゆる関係は相対的なものだと改めて。
    そして我々の人生は絶対に自分でコントロールできないものに支配されていると同時に、それゆえに我々は人生を選択できているのだという逆説。
    悩みのなさそうなあいつにも、あいつにしかない痛みがあるのだ。
    きっと読む前よりも世界と人に優しくなれる。その複雑さを受け入れられる。

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    2023年03月27日
  • fishy

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    久しぶりに一晩かけて一気読み。

    女の生きづらさか過不足なく過剰過ぎず描かれていて
    (覚えたくも無いけど)親近感があって
    それだけでも読み応えがあるのに、この作品の
    真骨頂は3人の関係性の愉しさ。
    仲良し、とか、友達、とかよくある既存の
    関係じゃないのに、みたことあるし、
    居たことある気がする。絶妙。

    ユリの狂気と正気の表裏一体さと、理論武装と、すべてにおいて惚れ惚れする。
    大好きな人物ではあるけど、友達になれるかって言うと、恐ろしさが勝つ。
    彼女の言葉を借りるなら、友達ではなく「同時代を生き、空間を共有する人」になら、なれるのかも(とかく、こういう表現が巧みなだけで大好き)

    弓子の「家

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    2023年02月16日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    西加奈子さんが推薦してて。

    西さんが言われてたように、
    こんなにネガティブでいいんだ、落ちてていいんだと思える本。
    自分の相反する感情、自堕落さをそのままにしててもよいんだと思える。
    なくすのでなく、もっと感じとってみよう、向き合ってみようと思った。

    出会えてよかったし、何度も読み返したい。

    著者は、根本的には真面目で誠実な人なのかなと思った。

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    2023年02月01日
  • fishy

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    2023年読んでよかった本ベスト3に必ず入ると確信した。金原ひとみさんの中にある人間や感情の引き出し、それらの表現についてもっと知りたいので過去の作品読み漁ろう

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    2023年01月19日
  • アタラクシア

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    結婚・離婚・不倫....男女の複雑に入り混じった群像劇とでもいうのだろうか。きっと共感できるような部分やそういう人いた気がする的な感覚。とにかく想像が追いつかない部分や謎を感じるところも含めてまるで生きている人間と接しているような文章が響いた。人物が全て描かれるのではなく過程で少しずつみえてくる感じは本当に人と触れ合っている感覚さえ感じる。読み手によっては期待すると何も見出せないのかもしれない作品。

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    2022年10月30日
  • アタラクシア

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    様々な状況に置かれた男女視点の話。

    登場人物が皆、自己分析と言語化が上手く、聡明で、そのため感情論の部分が少なく、とても「文学を読んでいる」という感覚を強く感じた一冊だった。

    金原ひとみさんの本を読むといつも思うが、あと数年を経、男性経験を重ねたらたどり着く思想の境地なのだろうなと。それがこの作品には特に色濃く出ていたように感じた。

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    2022年10月17日
  • アタラクシア

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    金原ひとみの圧倒的筆力を感じさせる、渡辺淳一文学賞受賞の小説。
    最初の章「由依」で描かれる、いま・この一瞬を味わう由依の甘美な多幸感、続く「英美」でのどうしようもない閉塞感と世界への呪詛に、金原ひとみの初読者として、たいへんに惹かれた。その後は、ゆっくり一章ずつ読み進め、楽しんだ。
    上記の通り、タイトルの登場人物の視点で各章は描かれるので主役はいないのだけれど、ほぼ主役であろう由依というキャラクターは、恐ろしくも魅力的で。サイコパス的だと言えばわかりやすいのだけれど、そうではないのだろうと留保したくなる、そういう感触をもった。
    彼女ほか、登場人物たちの織りなす人間関係の均衡が、ドミノのように繊

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    2022年09月10日