金原ひとみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
勝手にすごくパンクな日常が描かれてるのかと、恐る恐る読み始め、
でも綴られてる日々は、
誰もが抱いた事のあるような悲しさや虚しい感情が研ぎ澄まされて文章になっていたり、どうしようもない気持ちや落ち込みを、何とか友達やお酒の力で乗り越えることとか、
自分の日々起こる、考えや気持ちや怒りを、誠実に言葉にして、それを繰り返す日々がこんなエッセイになるのは、とても新鮮でした。
瑞々しいものを読んだ気持ち。死にたくなってもいいし、どこに行ってもいい。
ずっと泣きそうで、つらくて、寂しくて、でも幸せだという乖離の中で生きてきた、そういう自分に向き合っている。読めてよかった。
-
Posted by ブクログ
久しぶりに一晩かけて一気読み。
女の生きづらさか過不足なく過剰過ぎず描かれていて
(覚えたくも無いけど)親近感があって
それだけでも読み応えがあるのに、この作品の
真骨頂は3人の関係性の愉しさ。
仲良し、とか、友達、とかよくある既存の
関係じゃないのに、みたことあるし、
居たことある気がする。絶妙。
ユリの狂気と正気の表裏一体さと、理論武装と、すべてにおいて惚れ惚れする。
大好きな人物ではあるけど、友達になれるかって言うと、恐ろしさが勝つ。
彼女の言葉を借りるなら、友達ではなく「同時代を生き、空間を共有する人」になら、なれるのかも(とかく、こういう表現が巧みなだけで大好き)
弓子の「家 -
Posted by ブクログ
金原ひとみの圧倒的筆力を感じさせる、渡辺淳一文学賞受賞の小説。
最初の章「由依」で描かれる、いま・この一瞬を味わう由依の甘美な多幸感、続く「英美」でのどうしようもない閉塞感と世界への呪詛に、金原ひとみの初読者として、たいへんに惹かれた。その後は、ゆっくり一章ずつ読み進め、楽しんだ。
上記の通り、タイトルの登場人物の視点で各章は描かれるので主役はいないのだけれど、ほぼ主役であろう由依というキャラクターは、恐ろしくも魅力的で。サイコパス的だと言えばわかりやすいのだけれど、そうではないのだろうと留保したくなる、そういう感触をもった。
彼女ほか、登場人物たちの織りなす人間関係の均衡が、ドミノのように繊 -
Posted by ブクログ
アタラクシアとは、「心の平穏」という意味だという。(解説P360)
わたしは特にこの言葉の意味を調べることもなく読み始め、「なんかフランス語なのかなぁ」くらいの感じで読み進めていった。
この言葉の意味を知っていて読むのと知らないで読むのとで、大きな違いがあったようには思わない。
いずれにせよ、この、心というより胸全体に広がる、痣のような痛みには、変わりないのだろう。
誰にも共感できないようで、誰にも共感できるような、不思議な連作短編集。
金原さん特有の、他人との独特の距離感でもって描かれていて、つまり全員人との適切な距離感を保ててない。
というか、適切な距離感の人なんて金原さんの作品におい -
Posted by ブクログ
ネタバレ「家事と育児だけをして息子の成長と今晩の夕飯だけを楽しみに生きていると、この日常は自分が死ぬまで続いていくのだと感じた。そしてそれは私にうっすらとした絶望と不能感をもたらした。でも同時に思う。仕事をする事で薄れてはいるけれど、着実にその絶望は継続してもいるのだ。」(誤字脱字ありそう)
123ページの全てがかなりわかりみ深いと思いました。
人生の虚無を感じている。自分も当たり前な世の中の歯車の1つになって、なんでもなく死んでいくんだなぁと。
そう思うなんてことを言うとあんまり理解して貰えないことが多いけど、同じ思いを言語化してくれる小説を読めて良かった。
仕事をしてることで何となく日々に焦りと緊