【感想・ネタバレ】蛇にピアスのレビュー

あらすじ

「スプリットタンって知ってる?」そう言って、男は蛇のように二つに割れた舌を出した―。その男アマと同棲しながらサディストの彫り師シバとも関係をもつルイ。彼女は自らも舌にピアスを入れ、刺青を彫り、「身体改造」にはまっていく。痛みと快楽、暴力と死、激しい愛と絶望。今を生きる者たちの生の本質を鮮烈に描き、すばる文学賞と芥川賞を受賞した、金原ひとみの衝撃のデビュー作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

ほんとに知らない世界や感情を覗かせてくれる。この世界の例えば歌舞伎町とかにありそうな暗部。ストーリーも短めだしいつもと違う刺激を受けるにはちょうどいい。

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2026年03月23日

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学生時代に映画版を見て影響を受けたと思われる子達がこぞって舌ピアスを開けていたな〜、と懐かしくなったけど当該作品を観たことが無かったのでこちらの原作で挑戦。

主人公・ルイの独白のような語りでストーリが進行する。時折強いワードと感情表現が出てくるのが等身大の彼女を現しているようでリアリティさを増している。

流されやすいようで、嫌なことは嫌と言い切るし自分の気持ちに素直でいるところが私も見習いたいくらいルイに好感を持った。

とにかく無駄がない洗練された作品。短めのボリューム感だけどミステリ的要素もあって思考を咀嚼する楽しさすら感じられる。

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2026年03月01日

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学生時代に映画を観て、数年越しにやっと原作を読んだ。おもしろかった。原作を読むとより一層、映画版むちゃくちゃよかったなあとも思った。シバさん、アマが原作で読んだイメージまんま。初見が映画だったことも手伝っているのかもしれないけれど。この本がデビュー作ってところに更なる魅力を感じる。デビュー作らしい、力というか。文字でぶん殴られてるというか。いやあ、金原ひとみさん好きだ。

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2026年02月03日

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再読とはむかしと今とで、心を持っていかれた場面、目をそむけたくなる場面が変わったことに気づいて、ああ、人生を歩んできたなと思える行為である。私は本書を、その自分の成長具合を測る作品としていて、20代のときに何回か読んでいる。(正直なところ、そこには、芥川賞を受賞した作品を理解できないと私は人間ではないのではという引け目もあったように思う。)30代で読んだのは今回で初めてだ。残念ながら20代のときに読んだ感想が見当たらなかったが、当時は「痛み」がどうのと言っていた気がする。しかし年齢を重ねて今回思ったのは、主人公が「不安定から安定への道」へ行こうとしているな、ということだった。

主人公は、付き合っている男(アマ)を愛しているとも気付けない19歳のルイ。アマの本名も家族構成も知らないまま関係を深めていくのだけど、アマの死後、シバさんとは名前から知っていって初めていたってまともな関係を築き始める。

上記のところに今回は心が向かった。20代のときに感じた、作品全体に通底した「痛み」は何も感じなかった。さすがに舌ピアスを2Gから00Gに変えたときは、いてぇ~と思ったが、一時的な感想だ。前回読んでから10年以上が経ち、人生は痛みそのものだと感じて、鈍感になったのかもしれない。

今回感想を書くにあたり、芥川賞受賞後の金原ひとみ自身のインタビューを読んだ。そこでは彼女がこのように言っていて驚いた。「当時は舌ピアスをやりたくていろいろ調べていたけど、痛そうだから小説にやらせたところもある。」。

読者は読者でこのように自分の成長深化として小説を使うが、小説家は小説家で、小説にそんな使い方があるのかと驚いた。

私は小説に、感情移入を求めているのを知ったのもこの本からだったかもしれない。
また何年後かに読んで今度は何に自分の心が動いたのかを知りたいと思う。
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30代で私が感じたテーマ【不安定から安定へ】

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2026年01月23日

Posted by ブクログ

多分、20年ぶりくらいに再読。最近金原ひとみさんの記事を読んで気になったので。
20年経っていると、忘れているもので最初から最後までドキドキ、ゾワゾワ。
読後感はまるでフランス映画を観たあとのような。
壮大なミステリー。2000年の渋谷の空気とアマに想いを馳せる。
金原ひとみさん、これしか読んだことなかったけれど他にも読んでみよう。

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2025年12月09日

購入済み

虚無感

後半は怒涛の展開でした。
なんというか、なんともいえない気持ちです
面白かったです

#エモい #深い #ダーク

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2023年05月03日

og

購入済み

すきです

この作品を読んでどんな感情を抱くのが正しいのかはわからないけれど、多分正解はなあと思っていて。ただ心は揺さぶられて、私の語彙では表現できない嫌な気持ちを残していきます。それでもこの作品は好きで、何故か好きで。小説を読んでは映画を観て、映画を観ては小説を読み。繰り返してしまいます。
ただひとつ言えるのは、人によってはかなり苦手な作品かもしれない

#癒やされる

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2023年04月29日

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蛇にピアス 蜷川幸雄監督の映画での吉高さんと重なりあらためて読むと映像が浮かんで過激さが伝わってきました。芥川賞、綿矢さんの蹴りたい背中と同時受賞で若さが凄く勢いを感じます。
いつまでも読み続けられる小説ですね。

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2026年03月31日

Posted by ブクログ

初 金原ひとみ。痛みという快感に自分のリアルを見つけた彼女。愛されたいという欲望もあるけれど、流されるままに流れるままに。

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2026年03月27日

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この界隈を赤裸々に描ける語彙と表現。他にいない新星だったろうな、と。高校時代のパンクなのに文学少女な同級生を思い出す。彼女は小説を書いているだろうか。40分。

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2026年02月19日

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本自体は、120ページくらいで、短い。
読んでいて、中々、理解には難しい主人公の心情には、読んでいて疲れを感じた。
主人公は、情緒が不安定で周りを取り巻く環境も世間から見ても良いものではないと思われる。
ただ、疲れは悪い意味では無く、新鮮さを含んでおり、ルイの心情も読み解いてみたいと思えるものだった
ルイ自身の心情は、ルイも著者自身も誰も分からないとする解説も読んだが、私としてはルイにはルイの信念があるのではないかと思う。行動には想いが乗っているように見え、読み解けるものでは無いかと思う。

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2026年01月22日

Posted by ブクログ

未知の刺激が人を大きく変える。そんな印象を受けた物語。ルイはアマのことを恋人というよりは、自分の道標でありながらも支配下に置くことができる稀有な存在として側に置いておきたかったのだと思った。そんな二律背反に近い感情を抱かせる人間に出会えることはそうないだろうから。だから彼を失う恐怖に襲われて以来、正気じゃない生き方はどんどん加速していった気がする。

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2026年01月07日

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読みやすかった。自分の暮らす世界とかけ離れているものの、ずっと死にたいような気持ちでいるのは共通してて、ドン引きと共感を交互に楽しめた。

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2026年01月07日

Posted by ブクログ

この本は面白い繋がりで辿り着きました。
辻村深月さんの「鍵のない夢を見る」のあとがきから「オール讀物」という文芸誌の存在を知り、そこに金原ひとみさんと千早茜さんの対談が載っており、2人の作者に強い興味を持ちました。
読んだ感想を一言で言うと「19歳でこれを書いたのは天才」です。ひたすらに主人公の心理描写が鮮度MAXで描かれていると感じます。読んだ瞬間は強く「あーこの感じ、わかるわ」と思うのに次の瞬間に振り返るともう何を言ってるかよくわからないという面白い読書体験でした。はちゃめちゃになりそうなストーリーなのに終始醒めずに読み遂げられる面白い本です。短いので「とりあえず読んでみて感想聞かせてよ」と言いやすい本だと思いました。

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

小説なのにその痛々しさと生々しさに、実際に本から目を背けてしまった場面も多くあったけど、それほどまでに物語の臨場感がリアルに伝わってくる文章だったのだと思う。

危うさと美しさの世界観に浸れる一冊。

私的に、シバの「俺、残酷な言葉には詳しいの」という一言が印象的だった。
どこかサイコパスなのに、賢さからくる色気というか、ルイがシバに惹きつけられるその気持ちがわかるような、わたしもシバと目が合ったまま言われてるような、そんな気持ちにさせられた一文だった。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作品の名前はずっと前から知ってた。
若者の恋愛模様がリアルに書かれてる小説が読みたくなって、ふと思い出したのが読んだきっかけだった。


こういう本が読みたかった、という意味では思った通りの作品だった。恋愛をテーマにした作品は、どうしても「恋愛」が美化されがちだが、蛇にピアスは現実を疑似体験できるような描写ばかりで、私は好きだと思った。


とはいっても、ルイたちの日常は自分のものとはかなり遠く、ところどころグロテスクなシーンも多かった。
出会い方から結婚まで、色んな恋愛があるのだなぁということに安心を得てみたり、人の性癖をこんなに身近に感じられるのも面白かった。


また、他の人の感想を読んでいると、世の中の性癖への理解って薄いんだなと感じさせられた。
キレると人を殺してしまうほど衝動が抑えられない人の性癖がノーマルで、
一見まともな感覚を持ってそうな人の性癖は、、。



最後の衝撃が大きかったせいか読み終わって2日ぐらい色んな感覚が頭から離れず、やっと今この感想を書くに至ってます。
金原さんの他の作品も読んでみたいなと思いました。

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2025年12月07日

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映画を観てからの原作だったので、映画の方が詳しいこともあるんだなと思いました。100ページちょっとの本なので簡潔であまり詳しく書かれていないので想像で楽しむような本でした。
少しタトゥーを入れてみたくなりました。

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2026年04月03日

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文体はとても読みやすかったけど、内容は暴力や痛みで溢れていて、主人公の心の空虚さもありとても重かった。しかし引き込まれるストーリーで一気に読んでしまった。金原さんの他の作品もぜひ読んでみたい。

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2026年03月27日

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一気読みできました。
解説にも書いてあったけどこの作品は現代を生きる若者の暗部、つまり身体加工を含む暴力、アブノーマルなセックス、それに殺人や死への願望が描かれていて興味を惹かれるような内容だった。
ルイがアマとクラブで出会うことで運命が変わる。アマにスプリットタンの魅力を教えられルイは舌にピアスをする。その過程で麒麟と竜のタトゥーも入れるがこの身体加工がルイの過去との訣別を意味しているのか?
読んでて思ったのはルイは意外と育ちが良くて教養あるんじゃないかなって。会話の節々にそういうのを感じるけどそういった一般的な社会から外れて生活するに至った経緯はなんだろうか?
彫り師のシバさんとのアブノーマルなセックスの描写は生々しいがそれで満たされているルイの生き様みたいなのは伝わった。アマが死んだのちシバさんとどうなっていくんだろう。
読んでて一番印象的なのは人間手に入れたいと思うまでが物に対する執着や想いが強くて手に入れた後はそこまで気にしなくなるのではと書いてありたしかになと。

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2026年03月18日

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ネタバレ

読みやすいし物語も面白かったけど特段好きではなかった。
でもこの長さでこういう落ちぶれ方を垣間見ることができたのは良かった。
シバさんに対しては、生きる意思に傾倒しようと思ったからこそ、無意識的に恨まなくなったのかな。

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2026年03月03日

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グロい。想像力が勝手に働くのを無理やり抑えないとページが捲れない。ここで描かれている人体改造は今流行りの承認欲求からくるものではなく、人間であることや、生きている苦しみからできるだけ離れようとするものである。痛みを伴うごとに超人化していくのが、登場人物にとっては快楽だったのかもしれない。痛みを感じることは非常に人間的なのに、痛みを乗り越えた後はますます人間が近づきがたくなる姿に変貌する。ふたつの姿の境界を行ったり来たりする世界に、彼らは生きている。
アマが亡くなってしまうときに、ルイに身がちぎれるほどの苦しみが襲うとき、ああ、まだルイは人間だったんだと気づく。人体改造では得られない精神的な苦痛の代替は、ピアスの拡張ではもはや出来なくて、ルイはこれ以上改造できなくなってしまったのではないか。それでも、麒麟と龍の目を彫ったのはアマの眼差しを常に受けたかったのか。シバに見せつけたかったのか。
自分の想像の絶する世界で、ストーリーをどう飲み込めばいいのか分からない。自分には早すぎたのかもしれない。分からない世界で生きていてよかった。

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2026年01月14日

Posted by ブクログ

ピアス、スプリットタン、タトゥー。身体改造に魅入られた人間は退屈な生への欲望と偏執的な死への欲求との間で蠢く。若者の言葉にもならない底抜けの不安感や衝動が生々しく描かれていた。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

読んでいて、「限りなく透明に近いブルー」と通ずるところがあるのでは、となんとなく思った。19歳といういまの私とおなじ年齢でこの作品を書いた著者に言葉では言い表せない衝撃のようなものを感じた。

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

痛み=生きている
…なのかな。
スタンダードなピアスすら開けたことない自分なので終始痛みを想像してビクビクしちゃった
描写が具体的ですぐ映像が浮かぶのは表現が上手なのかな
共感はできないけど、そんな生き方もあるのかなぁとぼんやり感じる

そういや「ナチュラルボーンチキン」前に読んだのに登録してなかったやw

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2026年01月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オーディブルにて。

他の金原ひとみさんの本より過激。まさに若い頃に書いたのかな、という感じ。

知らない世界すぎて共感はできなかったけど、恋人たらしめるもの、繋がりってなんだろうと思った。

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2026年01月05日

Posted by ブクログ

舌ピや彫物など肉体改造の話。体温のなさそうなサディストが出てきます。映画版の井浦新が艶っぽくて、大変けしからん!とわたしは叫んだのですけど、ビジュアル的に痛いのが苦手なひとは見ないほうがいいような気がします。痛い痛い……ってなるので。

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2026年01月01日

Posted by ブクログ

芥川賞をとった本作、アマのスプリットトタンに魅了され、自分もやりたくなったルイ。舌ピからどんどん拡張していく様子が痛々しい。。
刺青も入れ、身体改造が進行するなか、シバとの関係も深まっていく。アマの死は誰よるものか。。

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2025年12月26日

Posted by ブクログ

痛みと快楽の境界で、若さは静かに壊れていく。
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「蛇にピアス」は、映像化作品を先に観てから原作を読む、いわゆる後追い読書となりました。原作を読み進めるうちに、自然と映画の俳優たちの姿や声が重なり、改めて映像化としても完成度の高い作品だったのだと感じます。

激しい性描写や暴力表現が多く、人を選ぶ作品であることは確かですが、それらは単なる刺激ではなく、ルイという人物の空虚さや危うさを際立たせるためのもの。彼女の生きる世界観は理解しがたい部分も多いものの、刹那的に生きたい衝動や、自己破壊的な欲求は、誰しもの心の奥底に潜んでいるものなのかもしれない、と考えさせられました。

文章は研ぎ澄まされていて無駄がなく、ボリュームも程よいので一気に読み切れます。読み終えたあとに残るのは爽快感ではなく、ざらりとした違和感と余韻。それこそがこの作品の強さだと思いました。原作を読んだうえで、映像化作品を改めて観返すのもおすすめです。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

文章は読みやすいし、訳を説明できないが心に刺さる小説だった。間違いなく読んでよかった作品。

ただ最後の描写がなんとなくしか理解できず(そのラインも絶妙だが)、他の方の解釈を読んでようやく理解できた。まだタイトルの意味がしっくり来ていない。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

10年前に読んでラストの意味が分からず、スプリットタンだけは印象に残ってあとは忘れていた。
この前読んだ金原ひとみさんの『ミーツ・ザ・ワールド』がとてもよかったので、10年ぶりにこちらもまた読んでみたがやっぱり分からなかった。
このまま自分の中で流れてしまうのは嫌だったので他の人の感想や考察を読みあさってからもう一度考えて、自分なりに言葉にまとめておく。
解釈は自由なのでここに書くことが「答え」だとは思わないが、一つの考え方だと思ってほしい。

①シバはなぜアマを殺したのか
作中でははっきり明らかになってはいないが、シバが「男も抱ける」と言ったこと、ルイとはノーマルなプレイしかしないアマがdesireで鞭を見ていたことなど伏線はあった。もしアマを惨殺したのが本当にシバだったとして、それはなぜだったのか。
それは「所有したいから」、言い換えればシバがアマを愛していたから。
アマが人を殺したことで警察に追われる身となり、警察に取られるくらいなら殺して自分のものにしようと思った。
いたぶってから殺したのはシバの性癖であり、シバなりの愛だったのではないか。
この「所有」というテーマは作中に何度か出てくる。

②ルイはアマを殺したシバに対してどう思っていたか
ルイはアマが死んだことで相当取り乱しているから、心の痛みを感じていたことは間違いない。
普通なら犯人のシバを恨みそうなものだが、最後は謎の「大丈夫」で突然ポジティブになりシバと暮らすことを選ぶ。ここが本当に意味不明だったのだが、ルイは(理由はよく分からないが)倒錯しており、痛みを感じている時だけ生きていることを感じられる。そこから考えると、シバはルイに今まで感じたことがないほどの「大切な人を失う心の痛み」を与えてくれた。
舌に穴を開け、背中に刺青を彫り、激しいSMプレイをすることで身体的な痛みを与えただけでなく、心の痛みも与えてくれた存在。だからルイにとってはある種神様のような、自分を光ある生へと導いてくれる存在に映ったのではないか。そう考えると最後のまぶしい光の描写とも符合する。

③最後のシーンでルイが生きる希望を持った理由
ルイは痛みによって生きていると感じる、そして多分痛みの程度が強いほど生きている感じも強くなる。だから体だけでなく心にまで激しい痛みを体験したことで、今までにないほど強く生を意識したのではないか。
シバは拒食のルイにご飯を食べさせようとしたり、施術箇所を気遣ったり、本名を教えたりして大切にしていた。つまり、生へと導く行動を取っていた。とはいえ、シバもルイに対して殺意を持っており(シバは倒錯した性癖の持ち主なので、彼にとて殺すことは愛情表現の一つなのだが)一緒にいたらルイも殺してしまうかもしれない。
ルイがラストで見せた生への希望(私の中に川ができた、大丈夫という言葉)は、希望というより「シバに殺されるまでは生きる」とか「シバに殺されるために生きる」という非常に危ういものだ。

④所有というテーマについて
ルイは画竜点睛にちなんで刺青の龍と麒麟に目を入れないでほしいと言う。また「取った魚に餌はやらない」で付き合ったら相手をおざなりに扱う、所有欲のためにシバがアマを殺すなど「所有」というテーマが作品全体を貫いている。
これも理解が難しかったのだが、欲しかったものを所有してしまうことで執着を捨て、次のステップに進むという意味ではないかと思った。
最後は刺青に目を入れたのは、痛みで生の実感を得る段階は自分の中で一区切り付け、生へ向かって小さな一歩を踏み出すという意味だったのではないか。

これで合っているかは分からないが、ここまで考えたらすっきりした。
『ミーツ・ザ・ワールド』では生への希望が地に足のついた形で描かれていたので、デビュー作から20年小説を書き続ける中で他者の存在や人生への希望が大きくなったのかもしれないと思い、少し感慨深くなった。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ルイはアマが死ぬことを予測していたのかもしれない。死ぬまではいかなくても離れ離れになることは予期していたかもしれない。
ルイがなぜ舌ピアスを早く拡張したがっているのか分からなかった。ゆっくり決められたスピードで拡張していけばよかったんじゃないかと思う。
だけど、ルイは生き急いでいた。なぜだかその生き急ぐという感覚に共感してしまった。急がないと間に合わないという感覚。ルイはアマに褒めてもらうために、アマと繋がってる実感が欲しくて舌ピアスをあけてスプリットタンにしたかったんだなあと思った。
最後にスプリットタンにならなかったのは、画竜点睛のように完成させるとアマとの繋がりの痕跡が消えていくと思ったからかもしれない。
結果、ルイは麒麟の刺青を完成させた一方で、スプリットタンは完成させずに穴の空いたまま放置している。そこにルイらしさが出ていて、自分らしさってこういうことなのかなあと思った。

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2025年12月05日

匿名

購入済み

昔、映画で話題になっていかな?
内容は全然知らなかったので、気になり読んでみました。すごく激しい内容で驚いた。ルナは最初から最後まで不思議な女の子で、何がしたいのかよくわからなかったです。

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2024年09月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鮮烈なインパクトのある本でした。舌にピアスを入れるスプリットタンの話であったり、身体に刺青を入れる話であったりと、自分とは正反対の話であるにも関わらず、何故か気になってしまう不思議な力を感じました。アマを殺したのが恐らくシバさんだと気づいたルイが、その後シバさんとどういった関係を取っていくのかが気になります。

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2025年12月21日

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