【感想・ネタバレ】蛇にピアスのレビュー

あらすじ

「スプリットタンって知ってる?」そう言って、男は蛇のように二つに割れた舌を出した―。その男アマと同棲しながらサディストの彫り師シバとも関係をもつルイ。彼女は自らも舌にピアスを入れ、刺青を彫り、「身体改造」にはまっていく。痛みと快楽、暴力と死、激しい愛と絶望。今を生きる者たちの生の本質を鮮烈に描き、すばる文学賞と芥川賞を受賞した、金原ひとみの衝撃のデビュー作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

こんな小説が19歳に書けるのか!こんなやばい小説が芥川受賞するのか!という驚きがすごい。身体改造を通して今を生きる者たちの生の本質について読める。アマのルイ以外必要ない。ルイが全て。自分の身を全く顧みずに自分の愛したものに全力になれる。それは素晴らしいとこのように見えて、歪んでいる。シバさん「殺したい」や「結婚したい」とかも矛盾を孕んでそうで、どちらも愛ゆえのこの歪な感情。こういう人間の矛盾や歪んだ感情について描かれている小説が好き。ルイの「所有」に対しての考え方も共感できた。

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

古本屋で見つけて、なんか聞いた事あった気がしたから買ってみたけど、おもしろかった!寝る前にちょっと読もうとしたら全部読んじゃった、2時間弱で読めた
主人公がすごいギャルで周りもそんな感じだから読み終わって作者調べたら主人公のイメージそのまんまのギャルだった

うーんなんだろ、感想とか難しいけど、ルイは極端に愛に飢えてる印象。両親に愛されて育たなかったのかな
最初はアマに依存してる様子は無くて好かれてるから一緒に居るって感じだったけど、記事見つけてからは必死に変えよう隠そうとしたり、死んでからは意気消沈したり。
その後もずっとルイのことを思い出してたにも関わらずシバが殺したって思い始めてからはシバにも髪型変えるように言ったり喜んでくれたからってご飯食べれるようになったり。
とにかくずっと愛してって感じがした

人間社会で生きてく上で刺青や過度なピアスって不利になる事多いのに、どういう気持ちで入れてるのかなって考えた事あったから、子供や陽の光が当たらない暗闇で過ごしたいってのをみて、こういう考えもあるのかと腑に落ちた

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2025年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ



金原ひとみさんの「情熱大陸」を観て気になり読んでみた。

初めはこういう感じのよくある物語かと思ってたけど、ラストは好きな終わり方だった。
絶望の先の希望という感じ。

金原ひとみさんのイメージは「何でもいいよ! 小説書けたら送ってみて!」の人だったけど、10代でこの作品を書いたことはすごい。
他の作品も読んでみたい。

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2025年06月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作品の名前はずっと前から知ってた。
若者の恋愛模様がリアルに書かれてる小説が読みたくなって、ふと思い出したのが読んだきっかけだった。


こういう本が読みたかった、という意味では思った通りの作品だった。恋愛をテーマにした作品は、どうしても「恋愛」が美化されがちだが、蛇にピアスは現実を疑似体験できるような描写ばかりで、私は好きだと思った。


とはいっても、ルイたちの日常は自分のものとはかなり遠く、ところどころグロテスクなシーンも多かった。
出会い方から結婚まで、色んな恋愛があるのだなぁということに安心を得てみたり、人の性癖をこんなに身近に感じられるのも面白かった。


また、他の人の感想を読んでいると、世の中の性癖への理解って薄いんだなと感じさせられた。
キレると人を殺してしまうほど衝動が抑えられない人の性癖がノーマルで、
一見まともな感覚を持ってそうな人の性癖は、、。



最後の衝撃が大きかったせいか読み終わって2日ぐらい色んな感覚が頭から離れず、やっと今この感想を書くに至ってます。
金原さんの他の作品も読んでみたいなと思いました。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

10年前に読んでラストの意味が分からず、スプリットタンだけは印象に残ってあとは忘れていた。
この前読んだ金原ひとみさんの『ミーツ・ザ・ワールド』がとてもよかったので、10年ぶりにこちらもまた読んでみたがやっぱり分からなかった。
このまま自分の中で流れてしまうのは嫌だったので他の人の感想や考察を読みあさってからもう一度考えて、自分なりに言葉にまとめておく。
解釈は自由なのでここに書くことが「答え」だとは思わないが、一つの考え方だと思ってほしい。

①シバはなぜアマを殺したのか
作中でははっきり明らかになってはいないが、シバが「男も抱ける」と言ったこと、ルイとはノーマルなプレイしかしないアマがdesireで鞭を見ていたことなど伏線はあった。もしアマを惨殺したのが本当にシバだったとして、それはなぜだったのか。
それは「所有したいから」、言い換えればシバがアマを愛していたから。
アマが人を殺したことで警察に追われる身となり、警察に取られるくらいなら殺して自分のものにしようと思った。
いたぶってから殺したのはシバの性癖であり、シバなりの愛だったのではないか。
この「所有」というテーマは作中に何度か出てくる。

②ルイはアマを殺したシバに対してどう思っていたか
ルイはアマが死んだことで相当取り乱しているから、心の痛みを感じていたことは間違いない。
普通なら犯人のシバを恨みそうなものだが、最後は謎の「大丈夫」で突然ポジティブになりシバと暮らすことを選ぶ。ここが本当に意味不明だったのだが、ルイは(理由はよく分からないが)倒錯しており、痛みを感じている時だけ生きていることを感じられる。そこから考えると、シバはルイに今まで感じたことがないほどの「大切な人を失う心の痛み」を与えてくれた。
舌に穴を開け、背中に刺青を彫り、激しいSMプレイをすることで身体的な痛みを与えただけでなく、心の痛みも与えてくれた存在。だからルイにとってはある種神様のような、自分を光ある生へと導いてくれる存在に映ったのではないか。そう考えると最後のまぶしい光の描写とも符合する。

③最後のシーンでルイが生きる希望を持った理由
ルイは痛みによって生きていると感じる、そして多分痛みの程度が強いほど生きている感じも強くなる。だから体だけでなく心にまで激しい痛みを体験したことで、今までにないほど強く生を意識したのではないか。
シバは拒食のルイにご飯を食べさせようとしたり、施術箇所を気遣ったり、本名を教えたりして大切にしていた。つまり、生へと導く行動を取っていた。とはいえ、シバもルイに対して殺意を持っており(シバは倒錯した性癖の持ち主なので、彼にとて殺すことは愛情表現の一つなのだが)一緒にいたらルイも殺してしまうかもしれない。
ルイがラストで見せた生への希望(私の中に川ができた、大丈夫という言葉)は、希望というより「シバに殺されるまでは生きる」とか「シバに殺されるために生きる」という非常に危ういものだ。

④所有というテーマについて
ルイは画竜点睛にちなんで刺青の龍と麒麟に目を入れないでほしいと言う。また「取った魚に餌はやらない」で付き合ったら相手をおざなりに扱う、所有欲のためにシバがアマを殺すなど「所有」というテーマが作品全体を貫いている。
これも理解が難しかったのだが、欲しかったものを所有してしまうことで執着を捨て、次のステップに進むという意味ではないかと思った。
最後は刺青に目を入れたのは、痛みで生の実感を得る段階は自分の中で一区切り付け、生へ向かって小さな一歩を踏み出すという意味だったのではないか。

これで合っているかは分からないが、ここまで考えたらすっきりした。
『ミーツ・ザ・ワールド』では生への希望が地に足のついた形で描かれていたので、デビュー作から20年小説を書き続ける中で他者の存在や人生への希望が大きくなったのかもしれないと思い、少し感慨深くなった。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ルイはアマが死ぬことを予測していたのかもしれない。死ぬまではいかなくても離れ離れになることは予期していたかもしれない。
ルイがなぜ舌ピアスを早く拡張したがっているのか分からなかった。ゆっくり決められたスピードで拡張していけばよかったんじゃないかと思う。
だけど、ルイは生き急いでいた。なぜだかその生き急ぐという感覚に共感してしまった。急がないと間に合わないという感覚。ルイはアマに褒めてもらうために、アマと繋がってる実感が欲しくて舌ピアスをあけてスプリットタンにしたかったんだなあと思った。
最後にスプリットタンにならなかったのは、画竜点睛のように完成させるとアマとの繋がりの痕跡が消えていくと思ったからかもしれない。
結果、ルイは麒麟の刺青を完成させた一方で、スプリットタンは完成させずに穴の空いたまま放置している。そこにルイらしさが出ていて、自分らしさってこういうことなのかなあと思った。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

難しいな。
なんと感想を書けば良いのかわからない。
アマ、ルイ、シバさんの3人しかほぼ出てこないし、文章も読みやすい。
結局、アマは誰に殺されたのか?
シバさんが殺したのか?ルイとシバさんはどうなるのか?分からないまま終わった。

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2025年12月04日

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