金原ひとみのレビュー一覧
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初めての金原ひとみ作品 食わず嫌いをしていたつもりはなかったけど、なんとなく食指が伸びなかった
一昨年の新譜の書評で面白そうだったので購入したまま積読になってた
前半は村田沙耶香作品のような気持ちで読んでた
いるいる、周りに関心がなくて自分のルールを守る人が大切な人
少しずつ過去が語られて、柔らかい優しい雰囲気に
「ボーカルはかさましまさかさんです」
「スパイが作戦を練るように小声で聞いてくる」
あの時のは私は、魚グリルの中で焼かれて炭になった魚みたいな感じの気分」
自分では思いつかない表現がとても心地よい
気持ちがクサクサしてきたらまた読み直そう -
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久しぶりに金原ひとみさんの小説を読みました。ついつい綿矢りささんと比較してしまうのはあるあるだと思いますが、僕は綿矢さん派かな・・・。
そんな訳でちょっとだけ金原さんは食わず嫌いをしていたのですが、そんな気持ちを楽々ひっくり返すようなめちゃくちゃ良い小説でした。
GoogleのAI検索結果では、金原ひとみ著『ナチュラルボーンチキン』は、ルーティン化した味気ない日々を送る45歳の事務職・浜野文乃が、奔放な20代の編集者・平木直理との出会いを機に、人生の煌めきを取り戻す爽快な物語。真逆のタイプの二人が織りなす、笑えて感涙する現代の物語です。と紹介されます。
・前半はパリピで自由奔放、強烈な平 -
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「今自分は理想の状態にあると感じていますか?」
と聞かれた時に戸惑う人がいること、考えてみたこともなかった。
「そうざるを得なかった」から今のように生きて、書き続けてきたと仰る金原ひとみさん。「理想を持ち理想に向けて邁進してきた人」ばかりではない。逆にそんな風に生きてこられた人の方が少ないのではないか。
そういう私だってそうです。
生まれた家から始まって、その他の置かれた環境で(保育園、学校、友人、先生、家族や大切な人や自分の健康などに振り回されながら)自分の身を守りながら、身を委ねながら、「そうざるを得なかった」という中で生きてきてる人の方が本当は多いけど、特に成功者である著名人は理 -
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すごい
この作家の小説を読むたびこのひと言が出てくる
語り手一人の一人称小説に最近感動したばかりだったので、三人語り手がいることにネガティブな感覚を持って読み始めた
そしてこれだけの物語を語ろうとしたらとても一人ではできないと妙な納得の仕方をした
読み終わったあと、妙にわかったような解説をされてもと、解説を読みたくないと思った
解説を書くのにも勇気が必要だったろうなと思いながら、まあ読んだけど
一つだけ、何故殺してしまったのだろうとの気持ちが残る
次の章で死んでしまったことが書かれていて、それが小説の多重構造的な書かれ方で面白かったが、殺さない物語もあったのではないかと今も思う
読みなが -
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「三十代後半くらいになってくると楽しいことがちょっと重くなってくるんだと思いますよ。霜降り牛みたいに、少々過剰すぎますねって感じで。」
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「芥川龍之介だって、自殺の理由を将来に対する唯ぼんやりした不安、と表現したのだ。この恐怖に抗って生き続けることなど、不可能な気さえする。」
こんなことを言うくらい愛する家族も大切な人も生きる意味も特になく波風立てない毎日の為にルーティンをこなして人生を消費している40代労務の浜野さん。
会社のファンキーで自由で刺激的な毎日を好む20代の青髪ショート雑誌編集者の平木直理。
そして、平木さんの紹介で出会ったモッシュが有名なロックバンドボーカルのまさかさん(松 -
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この本のテーマ:老害、男の加害性、悲劇のヒロイン体質な女、平和主義・穏健派の若者など
登場人物の気持ちに感情移入して読んでいたら、次の章で他の人目線でディスられる。
特に、長岡友梨奈の思想は共感し、登場人物内で一番近い人間だと考えながら読んでいたのに、彼氏である一哉や娘の伽耶目線では苦手意識を持った。
金原ひとみの思想はどこにあるのだろう、長岡友梨奈なのかと思っていたけど、誰とも重ならないのかもな。
登場人物それぞれの論理・思想があって、他の人目線のその人を書けるのがすごいなと単純に思ってしまう。
みたいなことを思って読みすすめていったら次のような記述があった。
「武夫まじ普通に真っ -
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作風はまさに会話劇です
登場人物の会話が中心となり物語が進行されます
リアルな会話口調なのでひとつのセリフがめちゃくちゃ長いです
それが読みやすいと感じる人もいれば、読みにくいと感じる人もいると思います
私はテンポ良く読めて心地良いと感じました
登場人物の思考もひとつの文章がとても長いです笑
でもそれがとてもリアルに感じます
あ、こういう考え方の人...今の時代なら結構いるよね...
ってなんとなく感じる人物描写でした
自分の価値観を他者に押し付けることについて考えさせられます
相手の幸せを望む祈りのような要望だとしても、それが相手の本当の幸せとは限らない...
読みながらそういうことをたく -
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金原ひとみのナチュラルチキンボーンを読んだ。
タイトルのナチュラルチキンボーンって何?と思って調べてみた。
「ナチュラルボーンチキン(natural born chicken)」は、
直訳すると 「生まれつきのチキン(=臆病者)」 という意味のスラングです。
英語の
•chicken = 臆病者・ビビり
•natural born = 生まれつきの/根っからの
を組み合わせた言葉ですね。
なのでニュアンスとしては
「筋金入りのビビり」「生粋のヘタレ」「根っからの弱気」
似た言い方:
•チキン野郎
•ビビり
•ヘタレ
•born coward(英語)
そうなんだと思いながら、読み進めていく。 -
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焼肉擬人化漫画を愛する腐女子の由嘉里は、人生二回目の歌舞伎町での合コンにて酔い潰れた時、美しいキャバ嬢のライに助けて貰う。「消えているのが、私の本来の姿」そう語るライと一緒に暮らすことになった由嘉里。他者が暮らす、理解の及ばない世界は由嘉里のものに、確実に影響を与えていくーーー
すごく面白かった。
由嘉里が多種多様な人達と関わっていくにつれて、自身の世界を縦や横に伸ばしたりしていく様は、自分自身と重ねてしまってどこか達観した気持ちになった。自分がまだまだ未熟であるからこそ、自分が持つ世界に自信がない。絶対的な自信を持っている人に憧れる。自分の中に広がる世界では何が崇められているのかを日々考え -
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ネタバレ「調剤薬局までの道を歩きながら、皆はいいなとすれ違う人々を見ながら思う。彼らはさぞ幸せだろう。自分が自分にしか分からない苦悩を抱えているなんて、別に普通の事だと分かっている。この世に生きる全ての人が自分にしか分からない苦悩を抱えているのだろう。でもだから何だっていうんだろう。私は自分の苦悩だけで精一杯なのだから人の苦悩まで気にする余裕はないし、苦悩している時に今世界で一番自分が辛いと思うのは当然だ。苦悩すればするほど、人の気持ちなど考えられなくなるし、自分だけが辛いと思い込むし、周りは皆敵だと思い込む。人間なんてそんなものだ。私は自分が宇宙人だと思い込んでいるが、基本的な所では人間という域を出
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吉田棒一「インフルエンズ」
吉田棒一、何となく知っていたけどえぐいっすね。こんなヘンテコな小節が許されるかよ!と怒鳴りながらめちゃくちゃ推してしまう、舞城王太郎、佐川恭一に続く奇人現るーーーーー
小田雅久仁「魑魅虫」
独特な語りと雰囲気はものすごく好きなのだけど、悪が集まり結局何が起こったのか、ニュアンスしか分からず……
冒頭、女性作家陣の全てのエッセイ、小説、ラフ画、対談、全て素晴らしかった。韓国に興味なくてもあっても、国を超えるとはどういうことは、戦争をするとはどういうことか、読み応えしかない。
全体的に、詩や短歌が挟まっていたり(どれも良い)、目を見張るような絵がページいっぱいに広 -
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ネタバレ初めての金原ひとみ作品。面白かった〜!
ストーリーもさることながら、随所に出てくる、現代の若者が抱きがちな幸せとか生きることに対する価値観に対する提言というか、「もっと気楽に生きたらいいんじゃない」というメッセージのような表現が散りばめられていて素敵だった。
恋愛経験0の腐女子・由嘉里が数合わせの散々な合コンで飲みすぎて気持ち悪くなったところに、「救急車呼んだほうがいい感じ?」と救いの手を差し伸べたキャバ嬢のライ。それまで交わることのなかった2人が共同生活を始め、心の距離を縮めていく、と思いきやそう単純な話ではない。生に対する価値観が違う人と心の距離を詰めて生活していく楽しさも感じたし、やっ -
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再読とはむかしと今とで、心を持っていかれた場面、目をそむけたくなる場面が変わったことに気づいて、ああ、人生を歩んできたなと思える行為である。私は本書を、その自分の成長具合を測る作品としていて、20代のときに何回か読んでいる。(正直なところ、そこには、芥川賞を受賞した作品を理解できないと私は人間ではないのではという引け目もあったように思う。)30代で読んだのは今回で初めてだ。残念ながら20代のときに読んだ感想が見当たらなかったが、当時は「痛み」がどうのと言っていた気がする。しかし年齢を重ねて今回思ったのは、主人公が「不安定から安定への道」へ行こうとしているな、ということだった。
主人公は、付き