金原ひとみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
騎乗位の描写に出てきた「マンコ一帯」という言葉が面白すぎる。聞いたことないけど確かにそうだな、と。
主人子・ルイが、私はきっとアマを愛していたんだな、と気づいたのは彼がいなくなってから。無気力でいつ死んでもいいやくらいに思いながらも、なんとなく生きてきたのはなぜなのか。アマが死んだ今、身体もどんどん痩せて細り、あんなに固執してたスプリットタンにも意味を見出せなくなってしまったのはなぜなのか。
彼を殺したかもしれない男と今は一緒にいる。
ルイの背中には二人が身体に彫っていた龍と麒麟がいて、瞳を入れて命を宿らせる。そうすることで生きていく。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ訳ありの義母と会うことになった波那。結婚相手の蹴人(しゅうと)は義母のことを「害悪じゃないけど合わない人」と言い、波那が無理って思ったらいつでも縁を切ると言う。一体どんな義母がそこに現れるのか……。
こんなに声を出して笑った小説は久しぶりでした。
義母、張子(ちょうこ)のキャラクターがぶっ飛んでいてすごすぎて、波那の前に現れた瞬間から掴みはOK、笑いのオンパレードでした。
面白すぎて、笑いながら怒涛の勢いで読み続けましたが、途中で、こんなに初っ端から笑わされるということは、ラストはどっと泣かされるんだろうなと思いながら読みました。
結果、号泣というほどではなかったですが、やはり泣かされました。ぶっ飛んでる張子はぶっ飛んでるけれど意志がはっきりしていて考え方に一本筋が通っていました。
波那の考え方には共感できる部分も多かったです。
張子のキャラクターは、話し口調から野沢雅子やドラマ「ひとりでしにたい」の主人公の母(松坂慶子)が頭の中で行ったり来たりしていました。
スピード感があって、あまり深刻にならずに読み切ることができる、とにかく張子のキャラが濃すぎて読んでる途中から元気になる、そんなお話でした。
今まで読んだ金原ひとみさんのお話の中ではダントツで好きです。
地味な子と蹴人は一貫して言われているけれど、全然そんなことないなって思いました。張子のアクの強すぎる個性で薄められているけれど、蹴人も充分変わった人だと思い、やはり張子の子だと思いました。波那が、張子と蹴人は同じようなことを別の形で実行してる人と言っていましたが、まさにそれ!私もそう思う!と共感の嵐でした。
自分は決して張子のような陽キャの権化みたいな人間ではないし、なりたいって気持ちもないけれど、根っこの部分が陽気なのか、陰気だからこそ輝かしいものへの憧れがあるのか、こういう人は大好きです。
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Posted by ブクログ
金原ひとみやっぱりいい。いつも金原さんの言葉に救われてる。
パリの砂漠、東京の蜃気楼は比較的短期間のパリと東京の生活を綴ったエッセイでそれはそれで好きだった。一方、本作は20代前半から書きためた作品を掲載していて、私自身それは10年ぐらい前に同世代として経験したことだったり、経験しようがないことを共有してくれていて、単に他人の話ということじゃなく×世代の違いのようなフィルターを通して新鮮な気持ちになりっぱなしだった。
記憶を遡る気持ちがして人が歳をとって変わってく過程の立体感のようなものを感じた。
正直でいいな。そうゆう孤独な目線での誰かの日々の心の動きがら知りたかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレなぜかすごく引き込まれて、一気に読み終えてしまった。
19歳って、大人になり始めているけど、まだ幼さがあって、大人と子供の狭間に立たされる苦しい時期だと思う。
その中で大人びているようなアマに出会い、身体改造に興味を持ち始め、さらに大人なシゲさんとも出会う。でもアマは実際歳下で、大人びている訳ではなかった。ルイはアマの本名、年齢、勤務先など、基本的な情報を知らなかった。表面的なところを知ることをすっ飛ばしたからこそ、アマの本質的な部分を知り、徐々に知らないうちに愛していったのではないか。
一方で、19歳らへんの時にしか分からない闇みたいな部分の描写がすごかったが、最終的に何を伝えたい一冊なのかいまいち理解しきれなかった。もう一回読んだらもう少し理解が深まりそう。
映画化もされているみたいなので、映画も見てみようかなって思った。
追記:ルイは、龍と麒麟を合わせた刺青を入れる。龍は、アマが入れていたもの、麒麟はシバさんが入れていたものと似ているものを入れた。ルイは、飛んで行かないように目を入れないでとお願いして入れてもらった。けど、刺青を入れてから、生きる気力を失ってしまう。これは、背中に彫った龍のアマと麒麟のシバさんが呪っているほどにルイの中で大きすぎる存在になっていることなのではないか。最後に目を入れてもらったのは、龍と麒麟に飛んで行ってもらって、やっとアマとシバさんから解放されて自分の人生を生きていきたいという意志の現れなのではないか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大好きで手元に置いて何回も読み返している。生きたさと死にたさ、昼間の明るい社会から楽園追放を喰らったような居心地の悪さを抱えるルイが、アマとシバさんという二人のマッドな男に出会い不可逆の肉体改造を施してみたり、セックスしてみたり酒飲んだりたまにご飯食べてみたり、そういう破滅的な営みの中で自分の体の輪郭を必死で確かめている感じが悲愴で可憐で。二人の男たちも、重度のサディストだったり癇癪持ちだったりするし主人公を欲の捌け口にしているように見える場面はあるけど、それでもルイを愛そうともしていて、それが身勝手にも見えるし、愛おしくも見えて好き。アマにもらったチンピラの歯(愛の証)を砕いて飲み込むシーンと、私の中に川ができたの、のシーンが特に好き。アマの死の真実は明かされないけど、ルイはアマを殺したかもしれないシバさんを庇おうとし始めていて、そういう現金で短絡的で馬鹿なところが愛おしいなーと思う。
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Posted by ブクログ
・文章で殴られてる感が気持ちいい。金原ひとみの著書はまだ少ししか読めてないけどこの感覚は共通してる。ここまで書くか!くらい深いところまで潜ってくる。
・ひとくちに「○○について書いた本」では片付けられない。恋愛って必要なの?とか。他人のためを思っての言動は、自分の当たり前を人に押し付けるダサい行為なのか?とか。希死念慮とか。それぞれ、そのテーマだけで一冊書けてしまうような内容がたくさんだけど、それについての小説です!とはならない。作者の思想を読まされてるのではなく登場人物が必死に生きてたら、自然とテーマが深まっていく感じ。普通あれくらい踏み込むと作者の顔が文面の奥から見えてくるような、説教臭さもしくは切実さが滲み出るんだけど、というか別にそういう小説も好きなんだけど、金原作品ではあくまで人生が描かれている。登場人物みんながまじで生きてるって感じがする。生き生きしてる、みんな。その空気感が好きだ。
・ユキの言っていること、正直わかる気がする。自分とユキはそりゃ全然違う人間だし、俺の「わかる」は実際、ユキが言いたいことの真意と全くズレた解釈をした俺のなかだけの「わかる」かもしれないけれど。それでも、なんだかユキにすごく感情移入をしてしまう。不幸であるという状態が、むしろ自然であるというか。憧れて幸せに手を伸ばしてみたけど、そのせいでわけのわからない混沌を生み出してしまって、やっぱり苦しいけどこの状態がしっくりくるなというか。みんなから見たら不幸かもしれないけれど、というか自分にとっても苦しいし解放されたい気持ちはあるんだけど、でもそれも含めてこの状態がしっくりくるというか。ユキが一番、自分が勝手に想像している脳内金原ひとみ象にも近い気がしている。どうすりゃ良いんですかねユキさん。一緒に酒飲んで罵倒されてえですユキさん。
・金原作品で一番好きなのは悪口の語彙。乱暴なのに上品。下品と上品が合体してなにやらすごいことになってる。金原ひとみの文章で読む悪口でしか得られない栄養が間違いなくある。