金原ひとみのレビュー一覧

  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

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    始まりはみんな普通
    自分で自分を狭量に定義付けて、自ら剣山の仕込まれている穴に向かっていくような女性たち
    過激な行動と思想だけど、身に覚えがあるものばかり
    そうなりそうだったから子供を産んだのかもしれないなと思う自分に気付く
    最高でした

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    2025年09月26日
  • 腹を空かせた勇者ども

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     2023年刊。
     金原ひとみさんの割と新しい長編小説。これも素晴らしい傑作だ。
     主人公はレナレナこと玲奈、中学生。母親は堂々と不倫中で両親の離婚が間近い、が、レナレナは素晴らしく明るく、活発で、たくさん友だちを作っていく名人だ。アタマはあまり良くなさそうだが、バスケ部で頑張っている。エスカレーター式に高校まで行ける私立の女子中学校に通っている。
     この素敵な快活さは突き抜けており、ときに悩むことはあっても、ウジウジせずに前に進み続ける。こんなに屈託のない子がそばにいたら、友だちになりたくなったろう。
     レナレナが主に親友の二人の同級生と遊んでいる日常が中心で、そのにぎやかなパロールの奔流が

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    2025年09月25日
  • 軽薄(新潮文庫)

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    ネタバレ



    『軽 薄』



    お久しぶりです♪ 金原ひとみ さん♡


    この作品を読む前は…

    タイトルが『軽薄』だもん
    誠実さなんて皆無で ただただ軽い
    ちょっぴり【ちゃらんぽらん】を添えた
    そんな 主人公のお話かと思っていたの



    裏表紙に書かれている「あらすじ」には


    18歳の頃、カナは元恋人に刺されるも一命を取り留めた。29歳の今、仕事も夫と幼い息子との家庭も充実しているが、空虚な傷跡は残ったままだ。その頃、米国から姉一家が帰国しカナは甥の弘斗と再会。19歳になった彼に激しい愛情を寄せられ、一線を超えてしまう。カナに妄執する弘

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    2025年09月23日
  • AMEBIC

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    勢いが良くて好き。アッシュベイビーを読んだときの暴走みたいな何かを思い出した。
    20年前の本なので、最近は大通りで流してるタクシーを拾わなくなったなと懐かしく感じる。

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    2025年09月22日
  • 私の身体を生きる

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    様々な『自分の』性との向き合い方について書かれている。メタ的な性との向き合い方でないのは、女性の作家たちだからだと思う。
    女性も誰かの性を搾取することもあるだろうが、しかし圧倒的に搾取される側であり、自分の生命と性とが紙一重に近い存在だと思い知る。
    アンソロジーの最初の島本理生さんの作品が個人的ににとても響いた。
    なぜ自分の性と向き合うだけで傷ついてしまうのか。男性も同じなのだろうか。傷ついたことを思い出さないで自分の性について語れる人間がいるならば、どんな人生なのか知りたいと思う。

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    2025年09月20日
  • 軽薄(新潮文庫)

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    甥との恋ということで、恋愛には興味のない自分にとって響くものはあるのだろうかと心配でした。でも主人公の満たされない心にフォーカスされており、とても面白かったです。超おすすめです。

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    2025年09月18日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    この方の書く小説のような(ただしドラッグには溺れていない)エッセイ。おしゃれ生活語りかと思いきや、パリの魅力を読者に感じさせない視点が面白い。

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    2025年09月15日
  • 腹を空かせた勇者ども

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    鬱っぽい性質を持ってるのがママだけで、ママとは価値観の違う娘が若々しく彼女なりの精いっぱいで明るく学生生活を謳歌してるのが気持ち良い

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    2025年09月15日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    これまた西加奈子さんのポッドキャストを聴いて読んだ一冊。
    普通、とされる意見や行き方やしがらみや、自分に対する評価や肯定感なんていらないのかもな、と救われる一冊。衝動やどうしようもないところなんて、どうにもしなくていいと思える。
    まるごと自分を愛しましょう、がしたい人はすればいいし、しなくても世界はまわっていく。そんな風に思えた。日々の生活が綴られていて、それぞれの人の人生があって、だからといってこうしたらいい、とかこれが正解、という焦燥や焦りもなく、ただ生きていく。
    人生の歩んでいる道は違うけど、こういう文章になぜだかホッとする。
    しかし小説家がおすすめの小説を教えてくれるなんて、いい時代だ

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    2025年09月09日
  • デクリネゾン

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    期待以上に面白かった!!
    改行少なめで紙いっぱいに文字が並んでるのが、主人公の“ものをたくさん考えてる”のを表しているような気がしてさらに良い。
    わたしも会話に加わりたいくらい、うわ!わかる!っていう考え方が出てきて読み終わるのがもったいない気すらした。

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    2025年09月06日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

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    短編集ですらすら読めた!
    とにかく過激で鬱鬱鬱な色々なことを抱えている女の人たち!
    依存するってやっぱり恐ろしいなって思った。
    ストロングゼロもこうやって人ってアル中になっていくんだなってすごく感じた。
    共感できない部分も多かったけどどれもついつい読んじゃう話だった。

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    2025年08月31日
  • ハジケテマザレ

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    真野ちゃんの自分の内面に関する思考にドップリ浸かる描写が一々読んでるこっちの内面を抉る。
    p.169〜171までのブリュノのセリフにあるカレーを他の単語に置き換えたら、読者それぞれにフィットした答えが見えてきそう。僕は本でした。

    読み終わった後はおもろーー!!!!めちゃくちゃおもろかった!
    自分のことを、何者でもない普通だの無個性だの思っている人だったり、読書に興味あるけど活字苦手・・・って人に読んで欲しい!
    普通ってたまに抉られるけど、悪くないと思える!
    会話多いから読みやすい!

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    2025年08月25日
  • 蛇にピアス

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    ネタバレ

    こんな小説が19歳に書けるのか!こんなやばい小説が芥川受賞するのか!という驚きがすごい。身体改造を通して今を生きる者たちの生の本質について読める。アマのルイ以外必要ない。ルイが全て。自分の身を全く顧みずに自分の愛したものに全力になれる。それは素晴らしいとこのように見えて、歪んでいる。シバさん「殺したい」や「結婚したい」とかも矛盾を孕んでそうで、どちらも愛ゆえのこの歪な感情。こういう人間の矛盾や歪んだ感情について描かれている小説が好き。ルイの「所有」に対しての考え方も共感できた。

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    2025年08月16日
  • 私の身体を生きる

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    女性作家、芸術家たちの生と性、身体をテーマにしたエッセイ集
    自分も漠然と感じてた「女性であること」への違和感、敵対心、恐怖、いろんな言い尽くせない気持ちをそれぞれの人が言語化してくれるよう
    現代日本で高らかに女性讃歌を謳うのは難しいことを痛感する
    それでも次代はと願いたい

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    2025年08月10日
  • 持たざる者

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          『持たざる者』



    金原ひとみさんの作品♡



    今回のお話の設定は 
    震災から およそ 三年後 という設定
    四人の男女の連作短編なのだけれど…


    妻子と離別した
    グラフィックデザイナーの 修人

    修人のかつての愛人で現在は
    シンガポールで家庭を営む 千鶴

    千鶴の妹で自由奔放に暮らす
    シングルマザーの エリナ

    エリナとイギリスで出会い、駐在員の夫の
    帰国が決まった 朱里



    この四人のお話
    震災、死別、家庭環境の変化だったり
    それぞれの立場や環境が全然 違って
    なかなか興味深く読めました


    どの お話も ほんっとに よくわかる


    金原さんの表現や言葉が

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    2025年08月07日
  • マザーズ(新潮文庫)

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    とても好きです。
    休日を使って一気に一日で読み終わりました!
    この本をきっかけに新しい視点が増えました。親ならばこうあるべきと思っていた価値観が、親も人なのだと改めて実感させられました。
    とても良い学びにもなる小説でした。

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    2025年08月03日
  • アッシュベイビー

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    この小説から金原ひとみさんにのめり込みました。
    この日常的に感じる感覚の表現や思考回路等全て好きです。
    人間らしさがよく出てるんじゃないでしょうか?
    好きな作家さんの1人です。

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    2025年08月03日
  • ハジケテマザレ

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     2023年刊。
     レストランで働く若いバイト仲間たちを描いた連作小説。
     今時の若者たちの生き生きとした語法がてんこ盛りで、ウィットが効いていてとても面白かった。これこそ<いまの>言葉の芸術、という感じがする。自分の知る限り金原ひとみさんの小説はいつもそうだというわけではないので、本作がその点において抜群にヴィヴィッドなのだ。
     微妙なニュアンス、人それぞれの感受性をキラキラと描き出しながら、言語遊戯のたまらない愉しさを存分に味わわせてくれる傑作。

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    2025年07月27日
  • マザーズ(新潮文庫)

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           『マザーズ』
     

        ドゥマゴ文学賞 受賞



    今作の 金原ひとみさん ♡
    余韻がすごいです


    今作は考えさせられたなぁ
    不思議なの
    共感はまったくしてなかったの
    ……でもね
    この作品 好きだなぁ って思う



    同じ保育園に 子どもを預けている
    三人の母親の物語
    作家のユカ、モデルの五月
    専業主婦の涼子 



    それぞれ三人の視点で 物語はすすみます
    ドラッグ、不倫、虐待、流産…って、
    読んでいて どれも共感しがたいのに
    本当に不思議
    共感してないんだけど…受け入れちゃってる
    あるかもなぁ……って想像しているの



    赤ちゃんが産まれて育つということは、

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    2025年07月10日
  • 蛇にピアス

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    「これを読めば痛みを通じて自分が見つかるらしい。」

    と言って隣の席の友人がこの本を勧めてきました。

    初っ端から痛々しい表現に度肝をぬかれながらも、読む手が止まらず放課後になる前に読み終わってしまいました。おかげで授業の内容はパーです。

    僕はこの本は青春小説だと思います。「きっと私の未来にも、刺青にも、スプリットタンにもなんの意味もない」と言い切った主人公。
    「青春は、意味もないものに思い切り熱中できる時代。しかし大人は意味があるものにそこそこしか熱中できない。」というのを聞いたことがあります。
    部活だって、友達と遊ぶことだって、心から恋愛することだってなんの意味も無いかもしれない。それで

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    2025年06月29日