金原ひとみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「最後の晩餐」をテーマにしたアンソロジー。江國香織さんが好きで手に取ってみたが、他の作家さんの短編も面白くて、他の作品も読んでみようと思う方に出会えたのがうれしい。作家さんによって、好き嫌いがはっきり分かれて面白かった。
「最後の鰻」角田光代
父が亡くなる前のことを思い出した。鰻が好きだった父。命日に家族で鰻を食べようかな。
「小曾根幸子の送別会」寺地はるな
小曾根さんが爽快!好き。
「もうひとりのねえちゃん」藤野千夜
なんかこの話面白いな…と思うと藤野さんの短編だった。人間関係がちょうどいい感じで素敵。
「本当の話」井上荒野
女三世代の感じが好き。
金原ひとみさんの短編に出てくるカ -
Posted by ブクログ
「ナチュラル ボーン チキン」は、「生まれながらの臆病者」というスラングらしい。
金原ひとみさんの本は、日常生活の言葉にできない思いを見事に言語化している、って思う。
なのに、私は、読んだ感想をうまく言葉にできない。
主人公は、他者と出会い、自分のルーティーンを変えていく。それが幸せそうにも見えるんだけど、でも、ルーティーン生活も良かったのにな、とも思ったり。
他者と関わることは、楽しいこともあるけど、辛いこともあるから。私もかなりの臆病者なのかも。
以下メモ
・浜野さん楽しいが分からないって言ってましたけど、その後も毎日つまらない感じですか?
まあ毎日つまらないですね。でも私は敢 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれまで自分の中にぼんやりとずっとあった、輪郭の曖昧な感覚を言語化してもらえた気がする。
「自分一人の重みにしか耐えられないのではないだろうか(p110)」の部分とか、そうか私は自分が自分であると言える範囲を守りたいのか…ってすごく腑に落ちた。
「僕は死について考え続けた挙句、この世界では誰も死なないという認識にたどり着きました(p221)」の死生観の話が垣間見える部分もかなり好き。いなくなってしまった人は誰かの記憶や概念に吸収されて残り続け、あの世とこの世の線引きなんてないのかもしれない。
恋愛や結婚を押し付けられるのは拒否感がある、それなら消えたいと望む人に生きていてほしいと思うのもエゴな -
Posted by ブクログ
この本を書いた時、作者の金原ひとみは19歳というのが驚き。
買ったのが、私も19か20歳かそのへんだったと思うけど、「すごくヤバい作品である」とは聞いていたので、BOOKOFFでたまたま見つけたときドキドキした。
本当にヤバかったらすぐ捨てるか売るかするつもりだったけど、なんやかんやで10年も大切に持っている。
とにかく物理的に痛い本なので、賛否をわける。
「好きな作品です」と言い切れないけど、求心力がすごくて、何回も読んだし、映画も見た。
そのたびに、血の味とか、鈍痛とかをありありと文章で感じる。
ルイもアマもシバさんも、人として色々歪んでいる部分があって、軽蔑しながら読むけど、なぜか -
Posted by ブクログ
龍に麒麟にと盛りだくさんだった。
龍のタトゥーを持つアマと知り合い、ストリップタン、タトゥーに興味を持ち始めたルイ。舌にピアスをあけてもらおうと訪れた彫り師、シバにも興味を持ち関係を持つ。
アマとルイとシバ、一言で言えば三角関係な話ですが、全体的にとても痛々しい。なのにアマに対するルイもルイに対するアマも、シバも優しい。ピアスをあけたり、タトゥーを掘ったりと読んでいて痛みを感じるほどなのに、登場人物はとても優しい。
ルイだけが反抗期の少女のようですが、そこもまたいい。お互いの背景やプロフィール情報がほとんど出てこないのもとても味わい深くて、何度も読みたくなります。ただ、痛い。 -
Posted by ブクログ
スカッとする感じ久しぶり。この感じ昭和?平成?の感覚なのだろうか。とにかくバッティングセンターへ行ってボールがジャストミートした感じの読後感。
金原ひとみのうまいところは、その時代の社会をいれてくる。それが無理なく、そして本音であり、社会の痛烈批判でもあるということ。だから共感できる。
さらりと困難を知る場面があるが、自分のすぐそばの人にも笑っているけど実は抱えている問題だったりするんだろうな、と思う。
そして、気づくのだ。守ってくれる人がいない場合は、自分で困難を乗り越える筋肉をつける。そうして生きていく。レジリエンス力を鍛えることだ。
スピード感あって、さらっと読めたりするが、内容は -
Posted by ブクログ
2026/6/14
ボリュームもすごいし、内容もとても重い。
それぞれの登場人物の心理がとても細やかに表現されていて、共感したり、嫌悪を感じたりして読んだ。
特に、悪を絶対に許さない作家の友梨奈の、読点を打たずに一気にまくしたてる文章には、勢いが凄すぎて笑ってしまった。
私は友梨奈の彼氏の一哉が、一番自分の考え方に近いと感じたけれど、世のおじさんたちは木戸の章に共感する人が多かったんじゃないかと思う。
全くそんなつもりはないのにハラスメントだ、搾取だ、とある日言われてしまう恐怖。
誰が悪くて、何がダメなのか…
タイトル通り、答えは藪の中だ。 -
Posted by ブクログ
正直なところ、読んでいてずっと苦しかった。
身体改造や暴力の描写が痛いのはもちろんだが、それ以上に登場人物たちの抱える空虚さや孤独、自己破壊衝動が生々しく伝わってきて、読者である自分まで傷ついていくような感覚があった。まるで登場人物たちの神経と直結させられているかのようで、途中で読むのをやめることすらできなかった。むしろ一気に読み切らなければ、その重苦しい空気に飲み込まれてしまいそうだった。
読んでいる最中は、ふと村上龍の『限りなく透明に近いブルー』を思い出した。どちらも退廃や虚無を描いた作品だが、『蛇にピアス』はより直接的に人間の痛みを流し込んでくる。そこには救いも希望もなく、最後まで苦し -