金原ひとみのレビュー一覧
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『AMEBIC アミービック』
金原ひとみさんの作品
うーーーん 時間かかっちゃった
ちょっぴり heavy ヘビーな作品。
摂食障害気味の女性作家「私」のパソコンに日々残されている意味不明の文章=錯文。
錯乱した状態の「私」が書き残しているらしいのだが………。関係を持った編集者の「彼」とその婚約者の「彼女」をめぐって、「私」の現実は分裂し歪んでいく。錯文の意味するものとは。錯乱した「私」は正気の「私」に何を伝えたいのか。孤独と分裂の果てには何が待つのか。
著者の大きな飛躍点となった第三長編。
………ですって。
一人称形式で進行していきます
錯乱と錯文のイ -
Posted by ブクログ
『アッシュベイビー』
金原ひとみ さん
『蛇にピアス』の次の作品
パンチ 効いてんなぁ…ってね
刺激的だわ
キャバ嬢のアヤは大学のゼミで一緒だった
ホクトとルームシェアをしている。
彼は小児性愛者で、大人の女には見向きもしない。ある日、ホクトの同僚の村野という男に出会ったアヤは村野に強く惹かれてしまう….
…って入りです。
本作の『アッシュベイビー』は…
『蛇にピアス』のときよりも激しい性行為
だったり、性的描写がリアルに描かれていて
嫌悪する人も少なくないような気がします。
ただ、文章は繊細で力強く(これは蛇にピアスにも言えますが)…アンバランスな感じが堪らないんで -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の身体、この女の身体について色々考えたりすることが最近多くてなんかつらくて手に取った。女性たちが自分たちの身体のことや性のことを話すときなぜだか安心する。わたしもそう思っていると、同じように考えている人がいるというのはそういう安心材料になるんだと思う。どの書き手も性被害を受けている人が多くて本当に社会はクソだ…… 碌でもない人ばかりで、そのせいで自分の体を大切にできない女性がいたりするんだと知った。
わたしはもうずっと女しか子どもを産めないことが本当に許せないので、藤野可織さんの妊娠についてのエッセイは本当に本当にめちゃくちゃ凄いな〜と思った。妊娠出産の機能を持つのが女性だけである時点で -
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現代、といっても昭和からの現代じゃなくって、本当に「今=現在」という意味での現代の文学、といった感じ。
そんな意味での現代文学に触れられて嬉しい。年齢のせいなのか、人生の経験値のせいなのか、性格のせいなのか、私には分からない&刺さらないことも多々あった。
でも客観的に読んで、女性的な鬱をとてもうまく、巧みな文章力で表現されていて、「すごい!」と本当に心から感動。
辛い環境をなんとか生き抜くために、他人からは理解不能な行動をとること、でもそこまでそれによって周りに迷惑をかけていない範囲なら、第三者がジャッジすることではないなと痛感。乗り越えるも、乗り越えないも、その人の勝手。
「私だっ -
Posted by ブクログ
5編からなる短編集
どの短編も、ほぼ主人公の一人称で語られており、危なかしくて、ハラハラする。
だからついつい読んでしまう。
どの主人公も、いろいろなパターンで落ちるところまで落ちてゆく。
文章が本当に上手くて、言葉選びは絶妙。
☆ストロングゼロ☆
鬱病の彼に振り回され、はけ口にストロングゼロを飲み続け、仕事中も容器を移して飲みまくり、仕事もままならなくなる。
☆デバッガー☆
同じ会社の10歳年下の彼に、間近で顔を見られる事を気にして、整形依存に走る。
☆コンスキエンティア☆
夫とうまくゆかず、不倫を繰り返すがどの相手にも納得がいかない。
☆アンソーシャルディスタンス☆
生きている -
Posted by ブクログ
2019年に単行本として刊行。
本作は良い。様々な若い女性や男性に視点を置き、男女関係や夫婦関係、家族関係等における多様な軋轢・すれ違いを描いていてリアリスティックである。金原さんは言語感覚も若く、今時の若者をうまく描いていると思う。
もっとも、本作では下の名前で章ごとに視点が動いてゆくのだが記憶力が弱く人の名前を覚えられない私にはその点がちょっと苦手だった。
女性たちはそれぞれの個性が際立つというほどでもないが、唯一、「由依」だけは異常な人物で、コミュニケーションに根本的な欠落があり、彼女が何を考えているか誰にも分からず、まるでサイコパスのような人間だ。自分なら絶対に近づかない人間だ -
Posted by ブクログ
ネタバレきっと、これは将来の私の姿だ。
そう思うくらい志絵の思考が今の自分に近かった。
かつ、そんな人間が「子供」を持ったらどんな人生になるのか、志絵の目線を通してリアルに想像することができた。
これからも自分のための時間を減らしたくない。
その対象は人によって様々で、恋愛だったり、友人との食事だったり、読書だったり、推し活だったりするんだろう。
子供ができたからって一人の人間であることに変わりはない。自分の時間だってほしい。仕事は全力でやりきりたい。
だけど、子供に自分の100%を注がないことによって、子供が懐いてくれないのではないか。
そんな不安を持っている私の代わりに、志絵がいろいろ経験してく