金原ひとみのレビュー一覧

  • AMEBIC

    Posted by ブクログ

        

        『AMEBIC アミービック』


    金原ひとみさんの作品
    うーーーん 時間かかっちゃった
    ちょっぴり heavy ヘビーな作品。


    摂食障害気味の女性作家「私」のパソコンに日々残されている意味不明の文章=錯文。
    錯乱した状態の「私」が書き残しているらしいのだが………。関係を持った編集者の「彼」とその婚約者の「彼女」をめぐって、「私」の現実は分裂し歪んでいく。錯文の意味するものとは。錯乱した「私」は正気の「私」に何を伝えたいのか。孤独と分裂の果てには何が待つのか。
    著者の大きな飛躍点となった第三長編。
    ………ですって。

    一人称形式で進行していきます
    錯乱と錯文のイ

    0
    2025年05月27日
  • クラウドガール

    Posted by ブクログ

    4.0/5.0

    登場人物たちがお互いに確定的な印象を持っておらず、全く相反する感情を同居して抱いているのが印象的だった。
    そして、人や物事に対して連続性を認めない杏の考え方が非常に面白かった。他人に対して抱く感情は全て過去のものに対してであって、そのどこを切り取るかで全く見え方が変わるという記述に唸らされた。

    0
    2025年05月20日
  • 腹を空かせた勇者ども

    Posted by ブクログ

    日本を救うのは、やはり10代女子の「勇者」たちの旺盛な食欲だ。

    さまざまな問題を、スナックやファストフードとともに豪快に平らげてしまう。
    感染性の高いコロナウィルスも彼女たちの弾けることばや軽やかなフットワークにはついてこれない。
    胸のすくような爽快な読後感だ。

    ところでこのママは著者自身のカリカチュアだろうか?
    少々口うるさいが、「勇者」たちの強力なサポーターだ。

    0
    2025年05月17日
  • アッシュベイビー

    Posted by ブクログ

         『アッシュベイビー』


    金原ひとみ さん
    『蛇にピアス』の次の作品


    パンチ 効いてんなぁ…ってね
    刺激的だわ

    キャバ嬢のアヤは大学のゼミで一緒だった
    ホクトとルームシェアをしている。
    彼は小児性愛者で、大人の女には見向きもしない。ある日、ホクトの同僚の村野という男に出会ったアヤは村野に強く惹かれてしまう….
    …って入りです。


    本作の『アッシュベイビー』は…
    『蛇にピアス』のときよりも激しい性行為
    だったり、性的描写がリアルに描かれていて
    嫌悪する人も少なくないような気がします。
    ただ、文章は繊細で力強く(これは蛇にピアスにも言えますが)…アンバランスな感じが堪らないんで

    0
    2025年05月17日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    文章がえぐるように鋭くて深い。特に最初の3つは当事者になった気分が味わえるのでおすすめ。最後の2つはちょっと常軌を逸していてあまり共感はせず。

    0
    2025年05月14日
  • マザーズ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    すごい迫力ある作品
    女性を取り巻く社会の価値観、生物としての役割の中で欲望、執着、妬み、自由などのあらゆる感情が、波のように寄せては返す

    教科書に書かれているような理想の母親はいない
    みな1人の人間であり女である
    それぞれのキャラクターが際立っていて、部分的に自分に重なる一瞬がある

    五月の子供が亡くなることは衝撃すぎたが、それ故に夫婦仲が良くなるという、運命的なサイクルが回る

    男女の関係は満たされると離れ、失うと近づく
    それは1対1の関係だけでなく、彼ら彼女らを取り巻くすべのものを包括している

    0
    2025年05月10日
  • 軽薄(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    私は誰も愛していない夫も彼も__
    心に開いた穴を埋めるため、許されざる恋をした。
    お互いの感情が静かに強く摩擦し合い、文章から伝わるヒリヒリ感に読む手止まらずでした。
    この狂気を殺意をそして愛を野放しにしてはならない。

    0
    2025年04月30日
  • 私の身体を生きる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自分の身体、この女の身体について色々考えたりすることが最近多くてなんかつらくて手に取った。女性たちが自分たちの身体のことや性のことを話すときなぜだか安心する。わたしもそう思っていると、同じように考えている人がいるというのはそういう安心材料になるんだと思う。どの書き手も性被害を受けている人が多くて本当に社会はクソだ…… 碌でもない人ばかりで、そのせいで自分の体を大切にできない女性がいたりするんだと知った。
    わたしはもうずっと女しか子どもを産めないことが本当に許せないので、藤野可織さんの妊娠についてのエッセイは本当に本当にめちゃくちゃ凄いな〜と思った。妊娠出産の機能を持つのが女性だけである時点で

    0
    2025年04月30日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ


    現代、といっても昭和からの現代じゃなくって、本当に「今=現在」という意味での現代の文学、といった感じ。

    そんな意味での現代文学に触れられて嬉しい。年齢のせいなのか、人生の経験値のせいなのか、性格のせいなのか、私には分からない&刺さらないことも多々あった。

    でも客観的に読んで、女性的な鬱をとてもうまく、巧みな文章力で表現されていて、「すごい!」と本当に心から感動。

    辛い環境をなんとか生き抜くために、他人からは理解不能な行動をとること、でもそこまでそれによって周りに迷惑をかけていない範囲なら、第三者がジャッジすることではないなと痛感。乗り越えるも、乗り越えないも、その人の勝手。

    「私だっ

    0
    2025年04月30日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    3話目を読み終わった時に、これ以上読めない(いい意味で)と思い、一回本を置いた。それくらい吸引力というか自分の暗い深い部分を引きずり出される感覚。

    0
    2025年04月21日
  • アッシュベイビー

    Posted by ブクログ

    小児性愛者や動物虐待の描写がメインで、終始ドロドロ鬱展開。
    セックスが話の中心。

    ドロドロにどっぷり浸りたい時には良いかも知れないけど、読後感は気持ちの良い物ではない。

    でも、惹き込まれるものはある。
    自分の中の醜い部分が呼応しているのか。

    荒んだ心の時に読むと、不思議とスッキリする。
    ピタリとはまるときは、はまる。

    0
    2025年07月26日
  • 腹を空かせた勇者ども

    Posted by ブクログ

    助走が短くて瞬発力のある文、そんな金原さんの文章が好きだ。
    ライトな小説のように思わせる文体で重苦しさを感じないんだけど、それだけで終わらないのがまたいい。
    読み終えた後にしっかり読み手に何かを残してくれて、それが何なのかを紐解くのがまたいい時間になる。

    0
    2025年03月24日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    5編からなる短編集

    どの短編も、ほぼ主人公の一人称で語られており、危なかしくて、ハラハラする。
    だからついつい読んでしまう。

    どの主人公も、いろいろなパターンで落ちるところまで落ちてゆく。
    文章が本当に上手くて、言葉選びは絶妙。

    ☆ストロングゼロ☆
    鬱病の彼に振り回され、はけ口にストロングゼロを飲み続け、仕事中も容器を移して飲みまくり、仕事もままならなくなる。

    ☆デバッガー☆
    同じ会社の10歳年下の彼に、間近で顔を見られる事を気にして、整形依存に走る。

    ☆コンスキエンティア☆
    夫とうまくゆかず、不倫を繰り返すがどの相手にも納得がいかない。

    ☆アンソーシャルディスタンス☆
    生きている

    0
    2025年03月15日
  • アタラクシア

    Posted by ブクログ

     2019年に単行本として刊行。
     本作は良い。様々な若い女性や男性に視点を置き、男女関係や夫婦関係、家族関係等における多様な軋轢・すれ違いを描いていてリアリスティックである。金原さんは言語感覚も若く、今時の若者をうまく描いていると思う。
     もっとも、本作では下の名前で章ごとに視点が動いてゆくのだが記憶力が弱く人の名前を覚えられない私にはその点がちょっと苦手だった。
     女性たちはそれぞれの個性が際立つというほどでもないが、唯一、「由依」だけは異常な人物で、コミュニケーションに根本的な欠落があり、彼女が何を考えているか誰にも分からず、まるでサイコパスのような人間だ。自分なら絶対に近づかない人間だ

    0
    2025年03月12日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    様々なストレスにより、何かに依存していく女性を描く五編。

    読んでいる間は苦しいし、
    社会通念上、幸せやまともと言える状態じゃないけど
    なんとなく突き抜けたような爽快感を憶えてしまうラストが多かった。
    これが朝井リョウさんが解説で言うところの「とにかくキマる!」なのかな。

    表題作の2人の厭世観のようなものに少し共感できた。

    0
    2025年03月10日
  • デクリネゾン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    きっと、これは将来の私の姿だ。
    そう思うくらい志絵の思考が今の自分に近かった。
    かつ、そんな人間が「子供」を持ったらどんな人生になるのか、志絵の目線を通してリアルに想像することができた。

    これからも自分のための時間を減らしたくない。
    その対象は人によって様々で、恋愛だったり、友人との食事だったり、読書だったり、推し活だったりするんだろう。
    子供ができたからって一人の人間であることに変わりはない。自分の時間だってほしい。仕事は全力でやりきりたい。
    だけど、子供に自分の100%を注がないことによって、子供が懐いてくれないのではないか。
    そんな不安を持っている私の代わりに、志絵がいろいろ経験してく

    0
    2025年03月07日
  • デクリネゾン

    Posted by ブクログ

    結婚や不倫、恋愛の事が描かれている作品なんだけど淡々と描かれているせいか嫌な印象を受けずに読めた。物語に散りばめられている食事や料理が美味しそうでそちらも楽しめた。ビリヤニが食べたい!

    0
    2025年02月25日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    登場人物の誰にも共感出来なかったけど、奈落の底に落ちていくようなドロドロの依存の行末が気になってグイグイ読める。
    欲望に溺れ狂気じみていくのが痛々しいけど、メンヘラ的なこういう感じ結構好み。

    0
    2025年02月20日
  • デクリネゾン

    Posted by ブクログ

    読み進めていくごとに話にのめり込んでしまった。節々に出てくる言葉の表現が素敵で、読んでいるとスッと心に入ってきた。
    話は淡々と進んでいくスタイルだが、それゆえに面白さや魅力がある。20代後半から40代の方に読んでほしい。読む人によって感想が異なるのではないか、と。

    0
    2025年02月13日
  • ハジケテマザレ

    Posted by ブクログ

    世の中はいろんなキャラがいて、相容れない人もいるけれど、各々悩み奮闘しながらなんとか懸命に生きているんだよな、と再認識させてくれる前向きで全肯定な物語りだと思った。隠キャ自認の主人公だけれど、公平で素直でバランスが良くて、自虐的でネガティヴな独白も微笑ましいくらい。
    カオスなドタバタ場面も、空回りせず滑らない描写で愉快で笑った笑った。

    0
    2025年02月08日