金原ひとみのレビュー一覧

  • 憂鬱たち

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    金原ひとみ作品やっぱり最高だな。
    「憂鬱」をテーマにして、主人公カンダユウがカイズ、ウツイの名前の男に翻弄される短編集。
    特に「ゼイリ」の話が好きだった。

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    2024年06月13日
  • ハジケテマザレ

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    ヘビにピアスとアッシュベイビーしか大昔に読んだことなく本作読んでみて作風の違いに良い方でびっくりした。
    そもそも良く覚えてないんですが、ネチネチ陰湿なイメージしか残ってない。
    これは真逆で、主人公のこじらせ癖はあっても、それも愛おしい感じ。
    バイト仲間の交流なのですが、そばで見てる主人公の心の機微を覗き見が楽しい。そして展開するお話自体がポップでとても楽しいお話でした。
    ツボな小説でした。

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    2024年06月13日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    ネタバレ

    金原さんの小説はきつすぎる。エッセイの方がマイルドで読みやすかった。

    ↓
    激しく共感‼️
    子供を産み激しい育児をしていた頃の私は元来の私ではなく、子供たちの手が離れるにつれ元の自分に戻っていった、という意識が拭えない。

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    2024年06月12日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    最初読み始めた時、これエッセイなん?痛々しく、自分の負の感情を浮き彫りにされる、、、と辛くなった。
    しかし、読み進めると、この切り裂くような言葉が結構中毒的に心に刺さった。

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    2024年06月06日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    短い作品だったが、物語への没頭は半端なかった。没頭というか侵食といった方が良いか。恋愛小説というか偏愛小説と呼ぶに相応しく、またそのジャンルで言う傑作でないだろうか。文庫版あとがきの瀬戸内寂聴氏の解説に泣けた。

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    2024年05月06日
  • マザーズ(新潮文庫)

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    子どもを持つことって、幸せなことではないんだろうか。
    衝撃的な展開の重なりに、実際に自分が育児をしてみたらどんな風になるんだろうと一抹の不安を感じた。今はまだ経験がないから共感できないことも、子どもができたらまた変わるだろう。

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    2024年03月06日
  • 軽薄(新潮文庫)

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    「失えるものの数だけ、人は魅力を携えるのかもしれない」人の魅力はその人が失えるものの数に比例する?前に読んだ『死ぬこと以外かすり傷』を思い出した。

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    2024年03月03日
  • 星へ落ちる

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    くるしくてつらい、だけどその中に潜む愛がこれまた残酷。まるで恋愛から甘いところをほとんど抜いてしまったよう。目を背けたいのにページを捲りつづけていた。
    もどかしい気持ちでいっぱいになりますが、わたしはすごく好きでした。

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    2024年02月19日
  • マザーズ(新潮文庫)

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    一気に読めました。
    人間の描き方が魅力的で楽しい。
    母親業をやっている人たちは色々な種類の人がいる。

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    2024年01月22日
  • ハジケテマザレ

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    ネタバレ

    主人公のフワフワとした感じ、普通な自分の人生に満足はしていないが一歩踏み出すこともできない、不安定な感じが見事に表現されていると思う。
    主人公以外の登場人物はなんだかんだやりたいことがあって、ふわふわしている岡本だって彼なりに筋が通っていて、そんな周辺の人たちと自分を比較してネガになっている主人公の気持ちがなんとなくわかる。いまどきの人っぽいけど、いまどきの人ってそんな自分が嫌で動く人も多いんだろうな。

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    2026年07月06日
  • 持たざる者

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    他の金原さんの小説同じく、読み始めたら最後まで一気に読んでしまう、読まされてしまう、そんな引き込む力がある小説。
    どの登場人物にも理解し難い部分があり、一方で切実なその人だけの痛みが、手に取るようにわかったりする。
    それぞれの人生を進むしかない、と暗い中にも前向きになるような小説でした。

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    2023年12月20日
  • アタラクシア

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    昔に「蛇とピアス」を読んだ時に全く合わず、ずっと敬遠してた作家。

    テレビ番組で「デクリネゾン」を紹介していて本屋に買いに行ったが無くてこの本に興味が沸いて衝動買い。

    年を重ねたせいか人生経験を積んだせいかとても心に響いた。

    全ての人物に共感するとこは無いが、全否定は出来ない。

    色んな人の心の葛藤を苦しいまでに赤裸々に描いている。

    又、やはり文章と言うか筆力が凄くて評価に値する作家だなと思い改めた。

    綿矢りさより金原ひとみの方が個人的には評価が高い。それ程面白かった。

    他の作品も読んでみよう。

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    2023年12月06日
  • 持たざる者

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    中心人物が4人、1人1章持ち回りのようにエピソードが進んでいく形で読みやすかったです。
    いち要素として3.11があり、確かにあの当時ってそういう空気感あったなと思い出すのと同時に自分はその頃どうだったかと思い返したり、また3.11を抜きにしてもこの価値観を自分が受け入れられるかと考えたり。
    いつまでも「隣の芝生は青い」ではいけないような気がする1冊でした。

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    2023年11月26日
  • アタラクシア

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    アタラクシア。心の平穏。

    誰ひとり平穏じゃなくて、みんな情緒不安定すぎる。

    ”望んで結婚したはずなのに、どうしてこんなに苦しいのだろう”



    「誰も愛してなくても、誰からも愛されなくても、普通に生きていける人間になった方がいい。」


    私は、普通に生きていける人間になって、そのうえで、ちゃんと、心から、真剣に、人を愛したい。

    祈りのような愛。

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    2023年11月23日
  • マザーズ(新潮文庫)

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    これやばち。この気味の悪い、無機物的な文章はなかなか普通の作家には書けない。
    理論と論理
    理論は論理の行き着く先。論理はプロセス
    人の生や死は、ある程度なんらかのルールの中にないと、どうしていいかわからなくなっちゃうもの
    子育ての大変さ。というよりもはや異常といっていいほどの苦労がわかる。
    ずっとストーリーが強烈だが、劇的な終わり方ではなく哀愁の残る終わり方なのがオシャレ。面白かったな。

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    2023年11月21日
  • アタラクシア

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    アタラクシアとは、哲学で「心の平静・不動の状態」を指し、古代ギリシャの哲学者エピクロスは、この境地の実現が哲学の目標と説いたという。

    そんな言葉とは真逆な内容。

    最も幸せな瞬間を、夫とは別の男と過ごす翻訳者の由依。浮気する夫や文句ばかりの母親、反抗的な息子に、限界まで苛立つパティシエの英美。妻に強く惹かれながらも、何をしたら彼女が幸せになるのか分からない作家の桂……。
    望んで結婚したはずなのに、どうしてこんなに苦しいのだろう──

    結婚=心の平静というような思いでその道を選んだはずなのに、その選択ゆえに心の平静からかえって遠ざかってしまう登場人物たち。
    そのドロドロとした感情に飲み込まれて、読んでいるこちらも「アタラクシア」からは遠いところへ投げ出されたような読後感でした。

    そしてラストが本当に衝撃的。
    そこが繋がるの!?とつい読み直すはめに。

    金原ひとみさんの本は初めて読んだけど、重たく苦しく、でもどこか刺さるので手元に置いておきたい一冊になりました。

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    2023年11月16日
  • クラウドガール

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    自分の感情の赴くまま、自己中心的に生きる高校生の杏と、自分の欠落した部分に気づき、理性的に内面の再構築を試みている大学生の理有。この二人の姉妹が、交互に各々の章にて一人称で語っていくかたちの小説です。

    仲が良く、内面的な結びつきの強い姉妹です。両親は離婚しており、小説家の母親と暮らしていたのですが、その母親はある日亡くなってしまう。それから姉妹は短い間、祖父母に引き取られますが、ほどなくして、新たな場所で姉妹だけで暮らしていく。それらは小説内で次第にわかってくる事情で、物語自体は妹の杏が彼氏の晴臣をボコボコに殴り散らすシーンから始まります。

    洗練された文章だと思いました。序盤1/3くらいまでの間、文章の緩急や構成など、書く人にとっては教科書になるような、パキッとできあがっている美術品のように感じられもしました。そして中盤から終盤へと、深い気づきを得られる箇所がいくつも出てきます。

    強迫神経症で鬱でアル中の小説家である母といっしょにいると、「時空が歪む」という理有のセリフ。あれ、こうじゃなかったっけ、何でだっけ、とか思うことが多くて、と(p160あたり)。これよくわかるんですよ。そういうタイプの人っています。たとえばうちの父と暮らしているとそうなので。これってけっこう世の中では特殊な例だと思いますが、それを著者は知っていて、なおかつここまでうまく言い表すのですから、すごいぞ、と思いました。たとえば強迫神経症(強迫症)は、一昔前には、その患者の家族がQOLを著しく下げることになる五大疾病のひとつとして、WHOで数えられていたそうです。度合いにもよるでしょうけど、この病気に持たれているイメージよりも実際はずっと大変なんですよね。本作の主人公である姉妹は、こういった影響下で育ちました。二人の抱える内的な問題の源流にあるのはおそらくこのような過去の影響です。でもですね、まだ姉妹で良かったんですよ。子どもを二人つくっただけでも親としてはフェアなことをやったほうだと思う。これがひとりっ子だとフェアにはいきませんから。

    そんな理有と杏、正反対の個性ともいえる二人であっても、共通している価値観があったりします。

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    人の裏にあるものを覗き見ようとしない人、人の隠したいものを暴き立てようとしない人、そういう人なら、結婚していようが、歳の差があろうが、いいような気がした。(p121・杏視点の章)
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    光也にはデリカシーがある。彼は人の踏み込まれたくないところには踏み込まない。人が常に逡巡や躊躇いの中で生きていることを、よく理解している。(p169・理有視点の章)
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    ここで言われている性質って、僕自身も他者とコミュニケーションするときに見ておきたいところですし、自分も他者に向けてそういうことの無いように気を付けたいところでもあります。

    本作が金原ひとみさんの作品に触れたはじめての機会でした。人を描くのはもちろん、関係性の描き方に作者のそうとうな力量を感じました。関係を通して関係性をよく見ていて、そこからクリアかつ慎重に分析出来ていて、その知見が創造に使えるくらい消化されて血肉になっているような気がします。

    さて、金原さんは文學界新人賞の審査員をつとめていらっしゃいます。WEBでは応募を募るためのコメントが掲載されていますが、「何でもいいよ! 小説書けたら送ってみて!」と、とても気さくで軽いのです。新潮新人賞でも審査員をつとめていらっしゃいますが、同じように、「本当に何でもいいよ! 小説書けたら送ってみて!」とある。出合いがしらでは、「ネタなのかな」とちょっと笑っちゃいもしました。

    ただこれは、「大丈夫。この世界はあなたに対して、ちゃんと開かれているからね」というメッセージを含んでいると思うのです。表面的には軽いノリのコメントなのだけれど、小説を応募するくらいの人たちならば、たぶんそのような意味をくみ取っているのではないでしょうか。小説を書く人には、言葉にしていかないとこの世界で溺れ死んでしまうタイプの人もたくさんいると思います。言葉にしていくことが、浮力なのです。言葉にしないと、社会の海に沈んでいって溺死してしまう。そういった人たちに向けて、「何でもいいよ! 小説書けたら送ってみて!」は、あなたが生きていくのに向いているのかもしれない世界への門戸は大きく開かれている、と伝えるメッセージ。そりゃ、腕っぷしで生きていく世界、人生丸ごとぶつけるような世界ですから、めちゃくちゃ厳しい世界ではあるけれども、<開かれている>。それはとても大切なことなんだと思います。

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    2023年11月01日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    ネタバレ

    文章を書く仕事で食べていきたいと目標に向かって精進し、やがて大きな文学賞を取り、今書くことで生計を立てられている。不仲ではない夫と子供がいて、とガワの情報だけ見れば、それこそ華やかに、夢を叶えた人物、という印象を受けるけど、実際とても考え込む性格だしどちらか…と言わなくてもネガティブで、細かいことにしゅんとしてクヨクヨしがちな私は親近感を抱いた。絶対に狙っていないだろうけど、フフッと笑ってしまう一文があったり。

    p154「次女がYou Tubeをチラ見しながらスマホでゲームをやり、私はパソコンで「孤独のグルメ」を流しながらクラッシュ・ロワイヤルの対戦とポケモンGOを繰り返すという知性の欠片もない夕食後のひと時が流れた。」

    p158「また行こうって思う?と聞くと、旦那は言葉を濁した挙句「あの修行道場とは正反対のものに苦しんだ時には行きたいって思うだろうね」と言う。私はその正反対のものにどれだけ苦しめられ鬱に苦しんでいたとしても、修行道場には永遠に行かないだろう。もっと言えば、修行道場よりも死を選ぶだろう。」

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    2023年08月12日
  • 持たざる者

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    久しぶりの金原ひとみ作品。
    海外赴任した話が出てきますが、海外で暮らした人にしかわからない感情、感覚と思っていたら、作者も海外で生活していたのですね。20年以上前の気持ちを作品から味わうとは。
    最後の朱里さんの話、自分かと思いました。今はあの時の経験はどこに⁈それにSNSなどで海外が日本から切り離されたものではなくなってきている気もしますが、住んだ人にしか味わえない感情がふつふつと湧いてきました。作品の力ですね。

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    2023年07月26日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    金田一秀穂さんは
    日本語は緊急事態に向かないと言う

    緊急事態を宣言します、には
    本当に緊急事態なの?

    緊急事態宣言を発出します、だと
    ああそうですかとどこか他人事

    日本語の得意は落とし所を探す事

    ロックダウンより20時閉店
    和を持って貴しとなす、それでいい

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    2023年06月27日