金原ひとみのレビュー一覧

  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    20人によるエッセイ。
    共感できる話が一つや二つはあるのではないでしょうか。
    私は瀬戸内寂聴さんでした。

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    2021年09月27日
  • 緊急事態下の物語

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    コロナ本がたくさん出てきたが、今まで読んだ中で1番コロナ禍という感じだった。
    2度見をした。すごいなぁこのママ。
    パパがいるのに彼氏がいるの?え?
    で、彼のところに行くために
    夕ご飯と明日のお弁当を作って、夕方さっさと出かけていく。
    SNS上でケンカする友達のお父さんとお母さん。
    イーイーさんの友達のお父さんがコロナで死んでお葬式も普通にできなかった。
    日本に来んなよって外国人差別をされる。
    ママの彼がコロナ陽性になって、ママは濃厚接触者でPCR検査。
    で、とりあえず学校休んでと娘に言うママ。
    日曜日はバスケの大会なのに。
    よその男と遊んで濃厚接触したママのせいで全部ぶち壊される私の気持ちは?

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    2021年07月10日
  • 憂鬱たち

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    初めて読む作家さん。期待以上に面白かった。少し読み進んだ時に、筒井康隆に似てると感じたが、あとがきにも名前が出ていたので、間違いではなかったようだ。因みに、このあとがきは、何が何やらさっぱりわからなかった…w
    この方のお父様の翻訳された作品は、何冊も読んでいたのだけど、あまりの違いにびっくり。それでも、才能はしっかりと受け継いでおられるようだ。
    わたし的には、「デンマ」と「マンボ」が特に、面白かった。

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    2021年07月05日
  • 持たざる者

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    グイグイと読まされた感じ。
    震災後の話だけれど、震災の直接的な被害者というよりは、原発による放射能から逃げる人たちがメイン。目に見えないあの頃の恐怖が思い出される。 

    放射能に異常なまでに過敏になり、妻子と別れることになった修人。日本から離れたフランスで子を失った千鶴。放射能を避けた形でイギリスに来た、シングルマザーのエリナ。
    このエリナが「金原ひとみ」の作品の登場人物っぽい。読んだのはまだ2作目だけど…

    4章に出てくる朱理だけは、震災はからんでいないようだ。ただ、4章だけが常にイライラ、モヤモヤする。

    結局はエリナみたいな生き方に憧れてしまう。こういう風にはなれないと、分かっていても…

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    2021年04月05日
  • マザーズ(新潮文庫)

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    まったく関連性がないのだが、読みながら島尾敏雄の「死の棘」を思い返しながら本作を読んでいた。

    ・不倫モチーフという共通点。
    ・精神的に追い詰められた果てを執拗に追う著述。
    ・触れると崩れ落ちそうな緊張感に包まれた小説世界。
    ・鳥かごのような逃げ場のない地獄を、どこか引いた目線で見つめる態度。

    「死の棘」では、妻が妄信した旦那の虚像(内地から来た青年将校と島の娘の大恋愛の末の結婚)が暴かれた先の地獄の日々が描かれていたが、本作が暴く虚像は「母性」。

    すでに真綿が首に巻き付いた状態で小説が始まり、緩慢に頸動脈を圧迫されるがごとき読書なのだが、いたたまれなくも中毒性があるところも「死の棘」と同

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    2021年04月04日
  • 憂鬱たち

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    金原ひとみ初読。
    非常に良さそうなので続けて別作も読んでみたい。
    何らかの正当なものに対するカウンターとして「露悪的」であるのとは違う、
    素性として「なまくら」であることの愉楽性、とでもいうのか。

    憂鬱を飼う女性、神田憂が、精神科に通院しようとするたびに
    彼女を襲う困難を連作短編形式で描いた小説。

    皮膚科と耳鼻科をハシゴした先に、
    耳鼻科でメンタルカウンセリングを受ける話「ジビカ」。

    タクシー運転手の目的地の聴き間違いの結果、運ばれた秋葉原で、
    電マのバイブレーションを試しわける結果になる話「デンマ」。

    セックスレスについて、
    乗ったタクシーの運転手から解説を授かる話「マンボ」。

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    2021年01月03日
  • AMEBIC

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    金原ひとみさんの小説は、彼女が若くして芥川賞を獲ったときから読もうかなと思いつつ、なぜか読まずじまいでいた。
    ヘヴィーなイメージがあったので、読む時期を選びそうだと勝手に思い込んでいて。
    結果、やはり、ヘヴィーだったのだけど。笑
    読んでいる最中、思わず「頭が変になりそうな小説」とつぶやいてしまうほど。
    でもこれは、貶しているわけではなく、どちらかと言うと感嘆に近い。「すっげーな…」って感じ。

    主人公は摂食障害気味の女性作家「私」。
    パソコンに日々残っている意味不明の文章=錯文は、「私」がアルコール摂取後に書き残しているらしいのだが、彼女にはその記憶がない。
    体の関係を持った編集者の「彼」とそ

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    2020年12月09日
  • 持たざる者

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    海外生活や子育て、女性として生きることに苦悩を味わっている自分としては、とても感慨深い小説だった。繊細な心の考察がとても沁みます。

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    2020年11月26日
  • オートフィクション

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    「結婚しても、子供を生んでも、ずっと死にたい気持ちは変わらなかった」
    筆者のインタビュー記事を読んで、彼女の本を絶対読みたいと思った。

    思い返せば、一番最初に彼女の作品を手にしたのは、私が高校生の時、「蛇にピアス」。
    正直、痛々しくて読み進められなかった。
    でもあの頃から私は10も年をとって、
    人生が如何に目的不明で、正しさなんてものは幻想で、
    それなのに感情は時に自分を焼き尽くすってことが
    良く分かった。

    「オートフィクション」のリンは、危うくて、激烈で、少しでも傷ついたら、鮮血が飛沫をあげて打つ、そんな女性だ。

    自分と完全に重なることはないけれど、どこかで人生の歯車がずれれば、自分の

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    2020年08月11日
  • マリアージュ・マリアージュ(新潮文庫)

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    「青山」が一番好き。 

    だいたいの物語、好きではなかった。
    登場人物も、ストーリーも。
    それでも、評価は高めなのは、文体が好きだった。

    金原ひとみさんが好きになった。
    素直な文章。それによって、想像しやすい=面白くなる。
    絶妙な感情をストレートに書いてある。 好き。

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    2020年06月14日
  • アッシュベイビー

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    金原ひとみ最高。頭の回転早すぎて、かっとんでて、全速力で駆け抜けてるみたいな文体最高。感覚っていい〜生々しくてまじ人間してる〜という感じになる
    小説を読んでるちこんなにも人のことを知っちゃって嬉しい〜ってなってた入試の時の最果タヒさんを思い出した。

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    2020年03月22日
  • 星へ落ちる

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    それぞれの登場人物の視点からそれぞれの心理が深く表現されていて引き込まれた。
    最後も下手なハッピーエンドではないところが良かった。

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    2020年02月24日
  • AMEBIC

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    10年くらい前に一度読んでいる。再読。

    金原さんの作品はたぶん、全部読んでいる。どの作品を読んでも尖っているし、意味がわからない。最近の作品はまだ落ち着いてきている印象があるが。

    アミービックは初期の作品で、やはり尖っていて意味がわからない。
    登場人物は摂食障害の主人公「私」、編集者の「彼」、その婚約者の「彼女」。
    時折、「私」は錯乱し、パソコンに錯文を書き残している。その文章が、本当にわけわからない。まさにラリっている。
    でも、文章はカッコよく、読んでて心地いい。

    意味がわからないけど、また手に取ってしまう金原さんの作品。

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    2020年02月11日
  • アッシュベイビー

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    痛くて、辛くて、胃もたれを起こす。
    それがすごく、好き。なぜか読み返したくなる。
    好きです。 はい。

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    2019年11月16日
  • 軽薄(新潮文庫)

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    はじめての金原ひとみ。

    様々境遇が異なり、年は30歳と近いのに主人公カナには共感し難い部分が多かった。酒、男、薬がアイデンテティの柱。10代からそういうものに触れ、19で男に刺され、その後海外に渡り、才能が花開き仕事も成熟。稼げるまともな男と結婚し家庭を築く。ここまででも情報の洪水なのに、8歳の息子を抱えながら、10歳下の甥と不倫。あまりに私にとっては非現実的で入りこめない。

    しかし、この物語の本質はそういった主人公の波乱万丈なアレコレについてではない。言葉にしてしまうと、イメージやネタ性が先回って情報洪水を起こすし、実際にも読みながら戸惑い、混乱していたが。
    あとがきを読んで、それまで

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    2019年08月18日
  • 持たざる者

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    最後にちゃんと収束させて欲しかった気もするけど、それぞれの章がリアルできめ細かくて一気に読み終えた。
    金原ひとみ、上手いな。

    それにしてもこの装丁に惹かれる。
    ジャケ買いならぬジャケ借り。

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    2019年05月19日
  • 軽薄(新潮文庫)

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    ネタバレ

    金原さんが学生の頃、受賞した頃から作品を読んでいて。
    今風の言い方をすれば、かなりクセの強い作家さんだなーという印象を持って、その後に出される作品も、かなり人を選ぶ作品だよなーと思っていたけれど、「マザーズ」あたりから、彼女特有の世界観を大切にしながらも、より多くの人に受け入れられる作品が増えてきたんじゃないかと思う。読者である自分の変化もあるかもしれないけれど、金原さん自身が、結婚して子どもを持ったことが大きいんじゃないかな。
    この作品は、文体もまどろっこしくなくて、読みやすくなったように感じたし、そのためか、生きるということに対する彼女なりの価値観が、理解できたかどうかは別として、ひしひし

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    2018年12月31日
  • 持たざる者

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    181027.初めて金原さんの作品を読みました。背景、登場人物の心理描写の数々、綺麗な文章だなぁと。
    4人の人物が描かれていますが、それぞれ全然異なる人物で。よく漫画さんで同じ顔、性格の人物しか書けない方がいますが、これだけ多彩な書き分けが出来るのはすごいなーと思いました。

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    2018年10月27日
  • アッシュベイビー

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    愛と死と性と血と欲…歪んでる…生々しい感情が溢れ出てた
    みんな大なり小なり他人には理解されないような秘密があったりする

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    2019年04月24日
  • 軽薄(新潮文庫)

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    感性豊かだからこそ感じてしまう不幸せと、狭い視野や了見の中で鈍感な幸せのどちらが人生豊かと言えるか。
    題名通り軽薄なのは主人公なのかそれとも平凡な我々なのか?読者に対するアンチテーゼを投げかけているようにさえ思えた。
    官能小説のような表現が強すぎ。そんな必要があったのかちょっと違和感を覚えるが…

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    2018年10月13日