金原ひとみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アメリカから帰国し久々に会った10歳下の甥っ子に求められ始まった関係。背徳的で魅力的。10歳下の男というだけじゃなくて、甥っ子ってところに背徳感が満ち満ちる。その背徳が蜜の味で、そんな描写のところばかりを読んでいた気がする。会話がダラダラ続くこともなく、三人称で描写がしっかり書かれているちゃんとした小説。
主人公には息子もいて、そこかしこに叔母や息子をもつ母の心情が描かれていたりして、そこがまたムードをあおる。それだけでも十分だと思うけど、甥っ子には実は影があり……。
「軽薄」とは何をいっているのだろう。どことなく何事にも一枚膜を隔てているような主人公のスタンスをいうのか、それとも社会のモラルや何となくステレオタイプに反応してしまう一般的なものに対して軽薄ということじゃないかと思った。後者だとしたら、そういう軽薄はそれでいい。そういったものへのなじまなさが二人を近づけたようにも思う。 -
Posted by ブクログ
連作短編っていうんでしょうかね。初出の雑誌やメディアがそれぞれ違う5編なんだけど、主人公らしき女性とその人が今好きな男性、元カレ、今好きな男性の恋人の男性という4人が登場する。
自分としては、元カレくんに感情移入。いいやつなんだよね。去ってしまった主人公に泣き落としの電話をかけたり未練タラタラだったんだけど、地道に工場勤めしながら借金返して生きている。未練を断ち切ったような最後の登場にすくわれた。
対して、幸せそうだった主人公は、疑ったり心配したりしてだんだん満たされなくなっていく。こじつけっぽいけど「星に落ちる」って、キラキラしたところへ昇っていくんじゃなくて落ちていくってこと?
好きになった今のカレ、優柔不断というか不実というか、一番姿を見せず本心がわからない彼がほかの3人を不幸にしてる。 -
Posted by ブクログ
【本の内容】
摂食障害気味の女性作家「私」のパソコンに日々残されている意味不明の文章=錯文。
錯乱した状態の「私」が書き残しているらしいのだが…。
関係を持った編集者の「彼」とその婚約者の「彼女」をめぐって、「私」の現実は分裂し歪んでいく。
錯文の意味するものとは。
錯乱した「私」は正気の「私」に何を伝えたいのか。
孤独と分裂の果てには何が待つのか。
著者の大きな飛躍点となった第三長編。
[ 目次 ]
[ POP ]
人間の脳は「指を曲げる」といった随意運動が意識的に開始される約一秒くらい前に、既にその準備となる無意識の活動を始めているのだそうです。
じゃあ、その無意識の活動を始めようとするのは「私」以外の何なのか?
「私」という存在が自由意志によって行っていると思っているいろいろな行動も、実は脳内の何かによって決定されているのでしょうか?
そういったことで言うと、本作で錯乱状態の「私」が書き残す「錯文」も、「私」という意識以外の何か別のものが書いているとしても不思議ではありません。
本作では自分が分裂していく感覚をアミービックと表現していますが、このような感覚というのは主人公の肉体にも関係しているのかも知れません。
サプリメントと漬物以外はほとんどものを食べない主人公。
減量中のボクサーの五感が鋭敏になっているのに似ているような気がします。
「蛇にピアス」よりはこちらの方が好きなタイプの作品でした。
「蛇にピアス」があわなかった人も読んでみてはどうでしょうか。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
読む前に一度ここのレビューをちらっと眺めたら蛇にピアスよりヤバイなんて書いてあるからいやあれも相当ヤバかったよ?もしかしてみんなあれぐらいじゃ楽勝?むしろ刺激足りなかった?それはヤバイってとか思いながら1ページ目を開いたら確かにヤバくてもうどうしよ今日の夕飯どうしよって思ったくらいツラくてああなんか胃がキリキリするかも。キリキリ。胃がキリキリグサグサ。
と言う感じの小説です。
この本は下手なダイエット本より効果があるかもしれない。描写自体に気分を悪くしたり、吐き気を催したりすることはなかったのだけれど。
わたしの中で食事=臭い、汚いと言うものになってしまった。この気持ちが続く限りはあまりものを食べれないかもしれない。それは良いことなのか、良くないことなのか。