金原ひとみのレビュー一覧
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ネタバレ短編集
①Shu
こんな男大嫌い
放射能に過敏になり、妻子を移住させるくせに、子供の面倒はみないは、タバコと酒やめないは、浮気するは。色々矛盾だらけやん。
②Chi-zu
①の修人の元カノ?
結婚してフランスへ。子供を産んで幸せに過ごしてたのに、子供が亡くなる。子供が亡くなったのは自分がおかした間違いのせい。そう思ってしまうの分かる。でもその相手が修人だから、なんかイラっとくるわ。
③eri
②の千鶴の妹
自由。金原さんの本の主人公って感じ。脳内では吉高さんに変換して読んでしまった。でも本人にとっては、周りが思うほど、自由に生きてないってのが、なんか良い
④朱里
③のエリナの友達
何故かタイトルの名前が漢字やな。日本に帰ってきた人だから?それともいちいち発想や考え方や、愚痴愚痴してるところが日本人っぽいから?
なんせ私は、この人の気持ちが一番理解できたわ。
最後、ハッピーエンドで良かった良かった -
Posted by ブクログ
ネタバレそうきて、そこを通って、最終的にそうなるの!?え!?というストーリー展開だった。もうちょっと現実的なサスペンス的な展開かと思ったら(浮気がばれて破滅する、みたいな)、純愛小説的な終末へ…。
10歳も年下の甥と不倫するという身もふたもない話。主人公の「カナ」も、甥っ子も、ちょっと強烈な過去を持つ。カナは「恋愛じゃない」と思いながらもなんとなく甥っ子に惹かれていく。終盤まで、過去を引きずっているカナが、甥と関係を持ちながら、自分について、相手について、夫について、人生について、ダラダラダラダラと思いに耽る…っていう展開でなんだかなぁ…と飽きてきたが、最後に冷たかったカナの心の奥底で何かが動く感じが、読んでいる方にもぐらぐらと伝わってくるようで、深かった。
それから、カナが「日本の社会は生きづらい」というようなことを思っている部分には、ふかーーーーーく共感した!
5年ぶりに仕事に復帰して、うまく仕事がこなせていない今の私の不安感は、イギリスから帰ってきて、日本社会に違和感を感じるカナの感じていることと似ていると思う。日本社会は、「今よりも良くしよう、もっと良くなろう、改善改善、カイゼン(製造業では世界共通語になっているらしいKAIZEN)」、といって努力し続けることを強いられる。努力していない人は無能とみなされる。
常に常に、努力しつづけて、毎日が充実していないとダメな感じがする。仕事でも評価されないし、人からもそう見られるし、なぜか自分でもそう思ってしまうカラクリにはめられてしまう。
ただ何となく、平穏に日々のことをこなして、平和だなぁ、幸せだなぁなんて思っていることが許されない雰囲気。
本当に、まさに。努力しても努力しても、決して「ここまでで良し」というゴールはない。また新たな課題を設定されるだけだ。
という、前半の部分もけっこう心に残りました…。 -
Posted by ブクログ
西加奈子のポッドキャストで紹介されていた本で読んでみた。
短編集のような作りだけど、どの物語も登場人物は一緒。
主人公の神田憂とカイズというおじさんとウスイという若者。
神田憂はいつも憂鬱で早く精神科に行かなきゃと思っている。
どの物語も共通点はここだけ。
カイズとウスイはそれぞれの物語ではまったく違う人間として出てくる。
そもそもそれぞれの物語は現実なのか神田憂の妄想なのかがわからない。
終始フワフワした独特な世界観のまま最後まで行くかと思ったら最後で神田憂が自分の憂鬱を肯定する。
そこに一気に一連の物語のテーマ性が浮き彫りになったように感じた。
なんて電波な主人公だと思い読んだ。
おそろしく被害妄想が強く常に周りに対して神経質にしている。
こんな病んだ人間がそうそういるかと思ったが、その被害妄想は誰もが大なり小なり抱えているものであり、そう考えると主人公は健全であり、誰もが病んでいる。
著者には文学感が強いイメージがあり何となく敬遠していたが読み終わった時にはしっかりと自分の中に考えさせられるものが残ったので良い読書だった。
(でもやはり文学色は強め。) -
Posted by ブクログ
読むのは2冊目の金原ひとみ作品。1冊目だった「アミービック」は1人の女性の極端な愛情からくる不安定さのようなものを描いていたけれど、この作品もまたそのような要素があったように思う。不安定さというよりは、無感動と身勝手さのような要素が強めだったけれど。
スタイリストのカナは29歳。10代の頃にした恋愛の果てに、カナに執着する相手から包丁で刺された経験を持つ。
その後その記憶から逃れるようにして留学からの海外生活を経て、15歳上の夫と結婚して一男を得、日本に居を移してからも安定した暮らしをしていた。
そんなある日、海外で暮らしていた姉家族が帰国する。19歳になった甥っ子はすっかり男になっていて、カナを愛し、執着し始める。
10歳下の甥っ子との恋愛。小説としてはありそうなテーマだし、もしかしたら現実にもあるのかも知れない。
だけどこの小説は一筋縄ではいかず、美しい恋愛の世界ではなく、肉欲にまみれたドロドロとしたもので、それが愛なのかただの欲望なのかが初めは分からない。禁じられた関係だからこそ燃えるのか、それとも…。
最初はさらっとカナの身体だけを求めているように見えた甥の弘斗の、奥底に隠された強い執着と過去が明かされた瞬間に背筋がぞわっとした。
カナが元々無感動な人間で心から人を愛することも無いからこそ、かつての恋人や甥の弘斗のような男から執着されて一緒に堕ちてしまうのだろうかと考えたりした。
愛さなくてもともに生きていける相手(カナからするとカナの夫)となら平穏にうまくやっていけるのに、愛してしまうと何もかもが狂い始めてしまう。
カナの心情は過去のことも含め解るところもあるのだけど、最後に出した答えは理解はしきれなかった。例えば親しい友人がそういう結論を出したとしたら、本当に?と何回か聞いたあとに恐らく一度は止めるだろうと思う(止めても意味がないと分かりながらも)。
という部分も含め、解るけれど解らない、置いていかれたような感覚に陥る作品だった。
性描写が非常にいやらしい作品でもありました(褒め言葉です)。 -
Posted by ブクログ
ダウナーでエレクトロニックなチルミュージックにのせて読む。なにか、BGMがあると、いい。
最後はお酒を飲みながら、主人公の憂鬱を、全身に流し込ませて、細部までいきわたらせるみたいにして、読んだ。
登場人物は、主人公の神田憂と、カイズさんというおじさんと、ウツイくんという若者。
そして常に神田憂が考えていることは、セックス。
ぶっ飛んでいる、何かが。流れている音楽と憂のイライラが、憂の妄想が、最高潮に達する。そのエクスタシーの部分。まるでゆったりと優しく入ってこられるかのような。もっともっとと、疼く。
「官能的ブラックコメディ」
理解する作品じゃなくて、感じる作品だろう。
(P61)私は傷ついてばかりいて、同時に傷つけてばかりいる。傷ついた分傷つけることを日課とし、傷つけられるために生きているのか生きるために傷つけられているのか、傷つけるために生きているのか生きるために傷つけられているのかもう分からない。ただ一つ私が言えるのは、もう疲れたという事だ。
金原さんの作品は、常に痛みによって成り立っている。痛みと、それに伴う強烈な生の感覚。官能的な表現と描写。性と生。
彼女自身が、痛みと、性の快感によって生かされているような。
物理的な痛みが多い印象の彼女の作品。本作品も痛みに溢れているけれど、その痛みが、心にフォーカスされている。
主人公につきまとう憂鬱。引用部分を見てほしい。
しかし、いくらそこに共感できても、なぜか主人公の行動と妄想は理解に苦しむ。
永遠にたどり着けない精神科。読み手としては「いやいや行けよ」としか思えないのだけれど、行く先々にカイズさんとウツイくんが現れ、そして被害妄想と性的妄想が暴走するうち、精神科は遠のく。
うーん。やはり、理解する作品ではなく、感じる作品である。
日常にドラマを求め、日常に非日常を求めてしまう。
でもなんかうまくいかなくてイライラする。
そんな人たちに。
そんな、憂鬱たちに。