金原ひとみのレビュー一覧

  • 軽薄(新潮文庫)

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    最初は金原ひとみらしくない進み方で進んでいくなあと思ったけど、やっぱり金原ひとみは金原ひとみだった、狂気に満ちていた
    でも最後にはそんな狂気が世界で一番美しく正しいものとして存在していて、自分の信じている模範とやらものに恥ずかしさすら感じました

    にしても読み疲れた…

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    2021年01月15日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    これはジョイスの『ユリシーズ』じゃないか?

    いえ勿論、似てもなければ、書かれた動機もまったく違うのは明らかなのだけれども、同じ不倫もの、「元ザヤ文学」にカテゴライズされ得る小説として、そう考えながら読むと案外楽しい。

    主人公「早希」の、メランコリックな人物造形を担う、不穏で気がかりな文章が、癖になる味わい。著者は、実はこの種の文章を書き連ねることが主目的なのではないか?と思わされる加熱具合。ここら辺は好みが分かれそう。

    著者の長編作品も読んでみたいと思う。

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    2021年01月12日
  • クラウドガール

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    うーん
    難しい、もやもやする
    結局、最後の姉妹はどうなったのか
    広岡は未成年淫行をやり過ごしたのか笑

    はっきりさせて欲しかったですね

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    2020年05月20日
  • 星へ落ちる

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    男性と女性とまた違うホモセクシャルの男性との決して交わることはあるけれど不安や恐怖、嫉妬、拭えない三者の暗闇を彷徨うような物語。果たして登場人物は愛を感じていて幸福なのだろうか。疑問を感じた。けれど登場人物の腐敗した感情は読者を魅了する。愛ってなんだ、そういう時に読まれる小説だと思う。

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    2020年05月05日
  • マザーズ(新潮文庫)

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    女性が母になると抱く葛藤、育児の辛さ…特に1歳までの乳児期は睡眠も細切れで、思考能力も判断力も低下する。ほっとけばすぐに死んじゃうような赤子を抱えて、でも一瞬の隙間時間があれば1分でも寝たいと訴えてくる脳と体。
    育児の地獄体験にはわかるーわかるーと同意できる反面、クスリをやっているユカの脳内はぶっ飛びすぎており、旦那の浮気を疑い発狂する姿は恐怖だった。

    母親の中にはこんなドロドロが渦巻いているんだよ、と男性に勧めたい気もするが、暗すぎて引かれるかもしれない。

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    2019年07月14日
  • マザーズ(新潮文庫)

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    3.5
    同じ保育園に子供が通う3人の母親達。
    ドラック、虐待、不倫、皆それぞれぶっ飛んでる。
    育児、格闘、孤独や悩みが本当リアルに書かれていて、乳児期のノイローゼになる程追い詰められる所や、旦那への苛立ち、もう解りすぎて当時を思い出した。

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    2019年06月07日
  • マザーズ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    衝撃の小説やった。
    嫁さん含め、世の妊娠、子育てを経てきた人(ingの人も)はこんな思いをしていたのか、そりゃ少子化になるわ。そりゃ子供なんて欲しくないわ。俺もきっと恨まれてきたんやろなぁ…

    小説としてはスゲーと思う。ただ、とんでもない現実を突き付けられた感があって「オモロかったか」と言われると、決してオモロくはなかった。俺の思ってた母性とか親子愛は自分勝手な幻想やったんやと思い知らされた気がする。

    もし、これが世の女性のほとんどが感じることであるなら、子どもなんて産まなくて良いし、日本なんて滅んでしもたらエエねん。

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    2019年03月31日
  • 軽薄(新潮文庫)

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    アメリカから帰国し久々に会った10歳下の甥っ子に求められ始まった関係。背徳的で魅力的。10歳下の男というだけじゃなくて、甥っ子ってところに背徳感が満ち満ちる。その背徳が蜜の味で、そんな描写のところばかりを読んでいた気がする。会話がダラダラ続くこともなく、三人称で描写がしっかり書かれているちゃんとした小説。
    主人公には息子もいて、そこかしこに叔母や息子をもつ母の心情が描かれていたりして、そこがまたムードをあおる。それだけでも十分だと思うけど、甥っ子には実は影があり……。
    「軽薄」とは何をいっているのだろう。どことなく何事にも一枚膜を隔てているような主人公のスタンスをいうのか、それとも社会のモラル

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    2019年09月07日
  • 持たざる者

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    3人ともの気持ちがわかりすぎて苦しくなる。
    私は千鶴ちゃんタイプかもしれない。
    他2人の気持ちも全てではないけど共感できるところが多々あった。
    原発がテーマというより人の生き方にフォーカスしている印象だった。

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    2018年11月07日
  • 持たざる者

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    自分よりも大切な人を守りたいと強く願うとき
    どうして人間は少しの亀裂にも気が付けないのだろう
    大切に思うが故のことなのにという思いがどうしても視野を狭めてしまう

    時間が経過すれば拘っていたことなど大したことでないということが
    明白なのに必死な時は自分のことを一番理解することができていないんだなということをあらためて感じた

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    2018年07月12日
  • マリアージュ・マリアージュ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    結婚のしんどい部分を取り上げてる短編集って感じ。
    全くの他人同士が家族になることの難しさを思わせる。
    これを見ちゃうと尚更結婚なんていいと思えないなぁ。

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    2018年04月29日
  • 星へ落ちる

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    連作短編っていうんでしょうかね。初出の雑誌やメディアがそれぞれ違う5編なんだけど、主人公らしき女性とその人が今好きな男性、元カレ、今好きな男性の恋人の男性という4人が登場する。
    自分としては、元カレくんに感情移入。いいやつなんだよね。去ってしまった主人公に泣き落としの電話をかけたり未練タラタラだったんだけど、地道に工場勤めしながら借金返して生きている。未練を断ち切ったような最後の登場にすくわれた。
    対して、幸せそうだった主人公は、疑ったり心配したりしてだんだん満たされなくなっていく。こじつけっぽいけど「星に落ちる」って、キラキラしたところへ昇っていくんじゃなくて落ちていくってこと?
    好きになっ

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    2017年09月09日
  • アッシュベイビー

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    セックスセックスってセックス以外にないのかって思うけどセックス以外何もないんだろうなあと思う。自分に足りないものを他人に補ってもらうのが愛ならセックスも愛だし。でもそこまでしても二人同じものを見れない、自分の体と心のラグと、他人の心と体との温度差みたいなのはよくわかる。ただもう少し伝えようとしてほしい、ブログとか日記ならこれで良くても小説ならもう少し核心を見せびらかしてほしいといつも思います。ハイドラとかのほうが筋がしっかりしていて好き。

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    2016年07月28日
  • オートフィクション

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    『蛇とピアス』も雰囲気で避けていた金原ひとみ。病的な主人公。衝撃的な文章。電車で読むつもりだったけど落ち着かずすぐ閉じてしまい家で読む。
    どう評価すべきかは未だにわからないのだけど頭を揺さぶる一冊であったのは確か。私、ぬるいわぁって少し思った。

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    2015年08月11日
  • AMEBIC

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    食事というものが汚い醜いなんておもったことなかったけど、これを読んでからなんだか色々考えちゃって食欲減退しました

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    2014年09月07日
  • AMEBIC

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    【本の内容】
    摂食障害気味の女性作家「私」のパソコンに日々残されている意味不明の文章=錯文。

    錯乱した状態の「私」が書き残しているらしいのだが…。

    関係を持った編集者の「彼」とその婚約者の「彼女」をめぐって、「私」の現実は分裂し歪んでいく。

    錯文の意味するものとは。

    錯乱した「私」は正気の「私」に何を伝えたいのか。

    孤独と分裂の果てには何が待つのか。

    著者の大きな飛躍点となった第三長編。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    人間の脳は「指を曲げる」といった随意運動が意識的に開始される約一秒くらい前に、既にその準備となる無意識の活動を始めているのだそうです。

    じゃあ、その無意識の活

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    2014年08月23日
  • 憂鬱たち

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    適切な表現ではないだろうけれど、何故かM的嗜好を持った人の自慰行為(しかも寸止めの)を読んでいるようだった。

    好きではなかったが、こういった文章を書けることには感嘆するしかない。

    とりあえず、同著者で読みたい、と感じた二作品読み終えたので、当分いいかな。

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    2014年04月27日
  • AMEBIC

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    読む前に一度ここのレビューをちらっと眺めたら蛇にピアスよりヤバイなんて書いてあるからいやあれも相当ヤバかったよ?もしかしてみんなあれぐらいじゃ楽勝?むしろ刺激足りなかった?それはヤバイってとか思いながら1ページ目を開いたら確かにヤバくてもうどうしよ今日の夕飯どうしよって思ったくらいツラくてああなんか胃がキリキリするかも。キリキリ。胃がキリキリグサグサ。

    と言う感じの小説です。

    この本は下手なダイエット本より効果があるかもしれない。描写自体に気分を悪くしたり、吐き気を催したりすることはなかったのだけれど。
    わたしの中で食事=臭い、汚いと言うものになってしまった。この気持ちが続く限りはあまりも

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    2014年04月15日
  • アッシュベイビー

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    最初はこんな世界もあるんだなと思って読んでましたが、だんだん狂ってくるというか、いつの間にこんなおかしな展開になってたんだろうという感じです。
    振り切れてる感じが独特で面白かったです。が、もう一度読もうとは思いません。

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    2014年04月14日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    悲しいことに自分のアイデンティティというものを自分で決めるということはあまりにも難しい。自分が人間でなくなっていくその感触はたしかに苦痛だから生きていると、実は思えたりする。
    個性が素晴らしいものなんて、だれが言いはじめたのか。

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    2014年03月31日