金原ひとみのレビュー一覧

  • アッシュベイビー

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    はじめに女がいて。その次に男がいて。あと付属品がある。これが金原ひとみの世界だ。どうしてこんなことになってしまうのだろうか。蛇とピアス以来、行ったり来たりずっとぐるぐるしているように見えるのだけれども、それは違うのだろうか。私は金原ひとみのどうしようもないくらいに女性に執着して逃れられずじたばたしているその感じがとても好きなんだけれども、手を変え品を変えっていう風に少し思えてしまうのが残念だ。蛇とピアスの爆発的な勢い、みたいなものがあまり感じられない。しかし読み物としては私はこれはまた面白いと思ってしまう。この前蛇とピアスの自室原稿を見たのだけれども、ホテルのメモ用紙みたいのに横書きでがりがり

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    2014年03月03日
  • アッシュベイビー

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    前作の『蛇にピアス』も読んでいるのだけど、その2作を通して感じるのは、「身体」に対する異常な「執着」。

    あたし自身は、自分の体にあまり興味がないから実感としてはあまりピンと来ないのですが、「身体」の何がそんなに重要なのか(あるいは重要でないのか)、気になるところ。

    小説としておもしろいなぁと思ったのは、一番最後の一行。
    「。(句点)」がないってだけで、なんていうか、だいぶ終わりの感じが変わるんだなぁと。
    フェードアウト…っていうか、むしろ崩壊の始まり、あるいは終わり的な…。
    不思議な感じ。

    んで、解説がなけりゃもっとよかったのに。。。
    というか、帯の村上龍の宣伝文句も、解説の斉藤環も、な

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    2013年10月14日
  • 憂鬱たち

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    初めて読んだ金原ひとみ作品。今日こそは病院の精神科に行こうと奮起する鬱の女の子の話なのだけれど、あまりにぶっ飛んでいて、ちょっと引きつつも面白かった。ちょっと常人には思いつかないような妄想の内容がスゴい。改行の少ない文章ながら、不思議と読み易い。

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    2013年09月09日
  • 星へ落ちる

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    好きになった男には彼氏がいた話。

    浮気されるのと
    浮気相手になるのと
    どっちがツラいか。

    「彼」はどういう心情だったのかな。

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    2013年03月17日
  • オートフィクション

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    現実がなんなのかわかんなくなる。

    読んで気分のいいもんじゃないけど
    つい買ってしまうんだな。

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    2013年03月16日
  • 憂鬱たち

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     金原ひとみは相変わらず金原ひとみだ。鬱々としていて、無気力な若者の心情がよく描かれている。でもそんな鬱々とした感情なんて面白いものでもなんでもなくて、ただ鬱々としている若者が在るだけで、ただひたすら無気力に過ぎていく。
     相変わらずの性描写だけど、それは女流作家に許された描かれ方だし。特に金原ひとみだからこその描かかれ方だなと思う。各章の三文字のカタカナの意味を知って、ちゃんと考えて付けられているんだなーと関心した。

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    2013年02月16日
  • 星へ落ちる

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    様々な形、様々な段階の依存が描かれている作品。

    他者に依存できる人、その状態を相手に伝えられる人ってすごく強いし人間らしいんだな、と。
    いつか心を切り刻まれてしまう可能性に怯え、常に相手との間に薄い薄い膜を作ったり、常に複数の退路を用意しているような関係性ばかり築いていたような人には到底できないことですね、ほんとはしたいとしても。

    解説はいしいしんじさん、「彼」の唯一の主体性を持った言葉をしっかり捉えて考察されています、素晴らしい。
    私はそのシーンに違和感を覚えたくらいで、いしいさんほどに裏を読めませんでした、残念。

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    2012年11月20日
  • 星へ落ちる

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    続・ひとみ嬢。
    相変わらずもってかれるズブズブはまっていくような文章。
    恋愛もの・連作もの。男ふたり(ひとりはゲイ)と主人公。
    初期作品を思い起こす。このままアミービックに繋がっていきそう。
    どうしてかここに戻ってきてしまうという人間の本能を、星へ落ちる引力とかけてあるのだ。
    惑星、夜空、ふたりの思い出。引力といってしまえばなんだか美しい思い出の夜なのに、
    もちろん地上ではそうはいかないし、病んでいく様から墜落したところで終わるからなんともいえない。
    元彼、いいひとっぽかった。ほんとうに人って、恋愛って、フカシギデスネ。

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    2012年11月14日
  • 星へ落ちる

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    金原さんの書かれる女性ってなんでこんなに妙な色気と病的なところを兼ね備えてるんだろう

    彼、彼女、私、俺、僕・・・それぞれの立場からそれぞれの目線で話した連続短編集
    人を愛するって、難しい
    登場人物達は恋に愛にゆらゆらと支配されていて面白かった
    主人公への元彼の思いも、恐ろしいモノを感じるけど、逆にここまで恋愛に一直線にのめり込めるなんてある意味才能だと思う

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    2012年08月14日
  • AMEBIC

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    「作家の私」「編集者の彼」「彼の婚約者」を中心に物語が展開していく。
    「私」は食事をあまりとらずサプリメントなどで栄養をとり、たまに家に一人でいる時に錯乱して、意味が読み取りにくい文章をパソコンに残す。
    今までの作品にあった刺々しい攻撃性はない。

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    2012年08月13日
  • 憂鬱たち

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    強烈な鬱に苛まれるヒロイン。生死の境を彷徨いながら正気を失い錯乱に陥る。異常な性への情念や妄想にとりつかれた者の心の底を丁寧に掬いあげる。異常な光景に心を掠めとられもしたが、精神科に行きあぐねるワンパターンにはさすがに疲れた。

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    2012年08月08日
  • AMEBIC

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    ライン踏み。自分だけかと思ってたら皆やってるんですね。金原さんもやっていたなんて。一驚を喫した。誰にもわからない秘密を共有できたような親愛の情をもった。

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    2012年07月25日
  • 憂鬱たち

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    妙に共感できる「症状」が結構あって、鬱の連鎖に翻弄されるパニック状態の人がコミカルに描かれてます。でも、何が言いたいのかよくわかりませんでした。マンガの方がウケるかもしれない...

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    2012年06月12日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    ここ最近の著者の作品のなかでは一番面白かった。拒食症の美人モデルが、ずっと不倫関係にあるSで陰気なカメラマンと、たまたま騙されて会ったロックバンドのボーカル(若いときのウルフルズみたいな)との間で、揺れるというもの。ストーリーは単純だが、そこには「1+1=2になる人」と「1+1=0にしかならない人」の対立があって、後者の人間の意地の悪さや、虚栄心、どこへもいけない感じがよく出てる。最後の主人公の行動は、そうだろうなぁ、という感じ。あと、若いゲイ(もちろん後者の人間)に対する共感みたいなのも、よく見てるな、と思う。

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    2012年05月29日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    心も身体も不健康だと愛情も歪んでくる。金原ひとみ、いつものパターンの作品にしては、久しぶりに読みやすくて面白かった。
    あと少し、ドキドキワクワク感があったら、もっと印象に残ったかなぁ。
    でも一気に読めた。

    久しぶりの読書は楽しかった。
    次またなんか読もうって気になる。

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    2012年05月23日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    金原ひとみの作品は、好きとも嫌いもいえない。
    けど、読み出すと止まらない。中毒性がございます。

    【ハイドラ】は唯一の人間の唯一の存在であり続ける為に、笑顔を捨て感情を捨て思考を捨て、食欲を捨てた主人公が、それでも唯一になれない恐怖と孤独と罪悪感に悶えて悶えてたら、ポッと出てきたすんばらしい人間性の持ち主に全身全霊で愛をぶつけられて、笑顔と感情と思考を取り戻しかけて、罪悪感を肥大させて、揺れて揺れて、、、。って話。


    あームカつく


    何この子…なんでこんなに自信ないわけ?あんたを、まるごと愛してくれる人がいるのに、満ち足りた気分を味合わせてくれるひ人がいるのに、新崎への想いは執着でしかない

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    2012年04月16日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    危うい。自分の存在価値を見失うのって怖い。噛み吐きをして、35キロの体重をキープする早希。蛇にピアス、もそうだったけど尖ったヒロインを描くのがうまい。

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    2012年03月10日
  • 星へ落ちる

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    ネタバレ

    金原ひとみの相変わらずの病的な男女関係。
    「彼」をめぐる、「私」「僕」「俺」三人の関係性や感情を描いている。

    依存性の物語で「彼」の行動ばかりが気になり、最後には頼る、依存よりも結合、一体化したいともとれるような表現が多く見られている。また自分を他人によって証明されたい、求められたいという願望も垣間見える。

    この解説において、いしいしんじ氏が物語の中の関係性を宇宙の星や太陽、月を用いて示してあり、わかりやすく、タイトルにも結び付けてきて、やられたと思った。つか、ひとみ様もこれを踏まえて、当然書かれてますよね(汗)

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    2012年01月24日
  • AMEBIC

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    私小説的な匂いをぷんぷんさせながら
    物語としての駆動装置がすべて空回りする
    というなかなか面白いつくりの小説でした。

    存在するはずのこの後の物語が
    分裂をおそらく救済すると思うのだけれど
    それをわかった上での幕切れ。

    モチーフがそこにないのが分かってても
    そこを書いてなお、分裂にとどまってみてほしかった。

    いや、女同士のアミービックな連合というイメージ
    まで出したんだから書けるはず。
    っていうか、これだから女って畏怖の対象なのよね。

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    2012年01月19日
  • AMEBIC

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    相変わらず、刺激的な描写。
    エッジの効きすぎてる
    文章による表現方法を実験的に試しているような本。
    天才と馬鹿は紙一重とはよく言ったもので、まさに危うい,アンバランスというイメージを抱く内容です。
    文章とは何?この表現が読者にどう受け入れられる?と問いかけるような、そんな書籍でした。
    錯乱と表現される部分の文章は、読むに耐えない書き方がされているので、最後まで一気に読まないとお蔵入りするタイプの本だと思いました。
    ストーリー的な読み物が好きな方にはお勧めしないです。
    中毒性のある本。
    カオス。

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    2011年12月27日