金原ひとみのレビュー一覧
-
ネタバレ 購入済み
刺さるのに刺さりたくない
私には小説の好み的な意味でも性癖的な意味でも性格的な意味でもすごく刺さる作品だった。
アヤの生きることへの無力さ、死にたいと思っているにも関わらずこの人を知りたい欲しい、仕事での地位などの小さいものにもこだわっているところが『生』というものへの執着を感じた。
ホクトの小児性愛すらも超えた性癖には言葉にできない程の嫌悪感を抱いたが、何が彼をそうさせたのかと気になってしまったり、彼は何を考えているのかと何故か嫌いにはなれなかった。
アヤの死にたいけど生きたい、でも死にたい、でも勇気はない、だから『何故か愛したっぽい』人(村野さん)に死を要求して『生』という責任から逃れようとしているのだろうか。村野 -
Posted by ブクログ
綿矢りさ、村田沙耶香、に並んで自分がよく読む現代の女性作家さん金原ひとみ。
オートフィクションって言葉を知らなかったのでなんとなく気になって読み始めました。
主人公のキャラクターとしては金原さんらしいと言った感じ。
ただ思考回路や規範意識などがいつもよりも更にぶっ飛んでるので共感できる人は強者かもです。
主人公は苦しんでるんだろうけど、読者として客観的に見れば「こうすれば良いじゃん」って思っちゃいます。
ただ自分の人生も他者から見ると「こうすりゃもっと豊かに暮らせるんじゃね?」って思われそうだなと思ったり。
自分が真剣に悩んでることが他者からすると些事に思えたりって、きっとありますよね。
本の -
Posted by ブクログ
2006(平成18)年、単行本として刊。
通読してみて、どうも了解しにくい、不可思議な感じの小説だった。
主人公の小説家リンは作者の自己像を幾らかでも投影しているのかどうか知らないが、とりあえず言葉はビビッドで、若者の言語感覚がうまく捉えられており、ナチュラルである。
そんな主人公は現在付き合っている男性について「好き好き大好き」と手放しにストレートな感情吐露を繰り返すのだが、どこで曲折するのか、最後には唐突に自分から別れを切り出したり、破局に結び付くのが当然であるような行動を爆発させる。
この心の屈折が私には理解できなかった。それは単に私が女性心理に疎い野暮ジジイだからかもしれない -
Posted by ブクログ
ネタバレコロナ禍の話が1番私に近かったかも。恥
結構、性描写が露骨なので大分読み飛ばした。
自分の楽しみ(欲)のために嫌な事(社会的にさせられること、やらなあかんこと、やりたくないけど無我の境地でしたこと)を無理して頑張ったのに、その楽しみが無くなってしまい、パリンと心が壊れたりピンと張っていた糸が切れたような感覚に陥るっていうのが今回の短編集の共通項のひとつ、なんだけど、コレ分かりみが過ぎる!!
一個一個積み上げてきた、と思ってたのに、今までやってきたことに意味は無かったのかな、とかがやるせなさ、に繋がるのかな。
鬱っぽさ。もテーマ。そして、その原因もはっきりせず、なんかなのも、なんか分かる!