• アッシュベイビー
    ネタバレ 購入済み

    刺さるのに刺さりたくない

    私には小説の好み的な意味でも性癖的な意味でも性格的な意味でもすごく刺さる作品だった。
    アヤの生きることへの無力さ、死にたいと思っているにも関わらずこの人を知りたい欲しい、仕事での地位などの小さいものにもこだわっているところが『生』というものへの執着を感じた。
    ホクトの小児性愛すらも超えた性癖には言葉にできない程の嫌悪感を抱いたが、何が彼をそうさせたのかと気になってしまったり、彼は何を考えているのかと何故か嫌いにはなれなかった。
    アヤの死にたいけど生きたい、でも死にたい、でも勇気はない、だから『何故か愛したっぽい』人(村野さん)に死を要求して『生』という責任から逃れようとしているのだろうか。村野さんは生にも死にも執着しているのかどうかも分からない程何も答えをくれなかった。分からないからこそ惹かれ自分の生死を彼に委ねたのではないかと思った。
    そんなアヤと自分を重ねてみたり、ホクトと村野を自分が向き合うとどうなるのかと考えてみたり、とてもヘビーで終わった時にはしんどくて泣いてしまった。
    何度も読み直したいし2度と読みたくないとも思う。
    登場人物みんなを大嫌いだし大好きになった。
    刺さるのに刺さりたくない、いや刺さるべきではないと私はおもう。

    #切ない #怖い #共感する

    0
    2025年03月15日