白井智之のレビュー一覧
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グロミスの極み!
鬼才、白井智之氏が放つ連作短編集
『死体の汁を啜れ』!!!
★4.5
『名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件』で、実際に起こった事件を元ネタに、特殊設定、多重解決推理の粋の極みを目の当たりにし、それによりワンツーをくらい
『エレファントヘッド』で、おったまげ~の、ぶったまげ〜の脳味噌ぶちまけのストーリーとこれまた多重解決の極限を披露され、ノックアウトされた口である
ということで、文庫化を機に本作を手に取ってみた
上記2作には到底及ばないが、至って上質なグロミスである
白井氏は、トリックもさることながら、ストーリーも一級品である。
おしりから読んでも面白いかも!!
蛇 -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白いミステリー。人民教会の信者たちは病気や怪我を認識できない。そういう集団妄想によるひっくり返され方が面白かった。余所者からしたら意味わからないけれど、本当にそういう集団妄想があるのだとしたらあまりにも興味深い。Wがレイモートン校長なの普通に騙された。だって髭もじゃの人が校長なんでしょ?!と思って読み返してみたら、めちゃくちゃ叙述トリック仕込まれてた。Wと校長二人が存在すると誤解するよう巧妙に描かれてる。
何回違う推理披露するんだよと思いつつ、これが多重解決ミステリかぁーと。面白かった。タイトル回収もきれいだった。全部読んでから表紙を見たらゾッとする。りりこを失ったのは大きすぎる -
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有栖川有栖デビュー三十五周年記念トリビュート
錚々たる作家が7人も参加していてすごく豪華な短編集
「昨今のミステリ界を牽引する作家の中には、世代的に有栖川有栖作品に親しんだ経験を持つ人が多いことに着目」した企画とのこと
有栖川有栖作品には魅力的なキャラクターが多く存在するので書きやすくもあり、書いてみたかったのではないかと思う
有栖川有栖らしさの完成度で言うと
『クローズド・クローズ』 一穂ミチさん
『縄、綱、ロープ』 青崎有吾さん
『型どられた死体は語る』今村昌弘さん
は上手かった が、上手いだけに所々で本家らしくない違和感のある表現が気になってしまう
でもまたそれも良しと思える
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Posted by ブクログ
有栖川有栖デビュー35周年記念トリビュート企画に参加した作家たちのアンソロジー。
名だたる作家の完成された作品に有栖川先生の幾つかの本をもう一度振り返りたくなるほど。
何も知らされなければ有栖川先生が書いたのでは…と思いそうでもあり、とても楽しめた。
各々作家さんのこれまでのイメージが少し違って見えたりして短編であるのが残念なほどで、もっと堪能したかったという気分。
個性が光り、それぞれの特徴も魅力もあった。
どれも良かったが、一穂ミチと夕木春央が特に好き。
○縄、綱、ロープ〈青崎有吾〉
○クローズド・クローズ〈一穂ミチ〉
○火村英生に捧げる怪談〈織守きょうや〉
○ブラックミラー〈白井智之 -
Posted by ブクログ
ネタバレ真相の可能性をすべて説明し、それをひとつひとつ潰していってくれる、ミステリー初心者が入りやすいミステリー。
最後はきれいにまとまっており、読後感もいい。
ストーリーは文句なく面白かったけど、辻褄が合わなかったり、心理描写が微妙なところは残念。
でもこれは登場人物たちの感情が薄いだけかもしれない。調査団の人たちは推理にしか興味がないし、主人公?(大塒)は自分とりり子にしか興味がない。親友が目の前で撃ち殺されているのに、ちょっと怒っただけでケロッとしてしまう大塒には感情移入できなかった。
何度読んでも理解できないことがある。
P217の「男は言った」の前後にあるセリフがどっちも男のものとは思え -
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Posted by ブクログ
ネタバレ多重解決の推理の手がかりがすべて多重解決するためだけに用意されたものだった、という、それが許されたらなんでもありじゃん!という多重解決界の掟破りな本作。だいぶ邪道だが、新しいかもしれない。
メインの動機自体は、死んだと思っていたクローンが実は犯人で成り代わりを目指していたというオーソドックスなもの(バールストン先行法と言うらしい。最近知った)。クローンが合法に製造されているという特殊設定ならではの仕掛けではあるが、「自分自身のクローンを食する世界」である必要性はあまり感じられず、もっとカニバリズムありきのトリックであればより良かったかもしれない。
クローンチームの3人が、白井智之作品には珍し -
Posted by ブクログ
名探偵にはなれそうもないけど、読者への挑戦がはさまれた作品は大好き。
推理に必要なものが全て提示されてからの真相の開示。
うん、楽しい。
東川篤哉と麻耶雄嵩や法月林太郎を1冊で読めるのはアンソロジーならではの贅沢さ。この、ある意味真逆ともいえる作品を立て続けに楽しませてもらった。
麻耶さんの作品は、ミステリはミステリでも、推理小説でない方のミステリっぽくてぞくぞくしたし、法月作品は親子で軽口たたいてるようでいて、なかなかに重いし。
市川憂人さんは、たぶん、初読み。雪の密室で、ちょっと切ないラストがよかった。米澤穂信さんのは、たぶん、小市民シリーズかな。名前だけは知ってても未読だのこのシリーズ、 -