白井智之のレビュー一覧
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平成の時代に起きた出来事をテーマとしたアンソロジー小説。
巻末に平成30年史が載っていて、それを見ると、短いようで本当に色々なことがあったんだな。と感慨深くなる。
収録作品としては、どれも面白かったけど、千澤のりこさんの『半分オトナ』が特に良かった。キーワードは二分の一成人式、児童虐待。
貫井徳郎さんの『他人の不幸は蜜の味』も印象的。
女子高生コンクリート詰め殺人事件、スマイリーキクチさんへの誹謗中傷。
どちらも自分の中で強烈な印象を受けた事件なので、胸が痛かった。
他人を誹謗中傷してしまう人は、間違いなくSNS辞めたほうが良い。
白井智之さんの作品は今回初めて読んだけれど、白井さん作品によく言われる言葉たちが改めて理解出来た。
本当、面白いけど気持ち悪すぎる 笑。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ綾崎隼さんが将棋のアンソロジーに寄稿してると聞いては読まないわけにはいかない!
今回の綾崎さんの作品は、「僕らに嘘が一つだけ」の2人と同世代の朱莉さんが主人公。もう一度僕らに〜も読み返した上で、こちらも読み返したいな。
一話目は青山さんのお話らしく、前向きな気持ちになる門出の話。
葉真中さんは初読み。ただただ少年の手腕に鳥肌。
弟子にしたかった少年を冤罪から救うという白井さんの話にはびっくり。そういう将棋との絡め方もあるのか。
橋本さんも初読み。この一戦を勝てば夢が叶うという相手への対応って悩ましい。そこで手を抜かれて夢を叶えること、本気で相手してもらって破れること。
芦沢さんは気になっていた単行本の表題作?思いがけず読めて嬉しい。本気で目指していて、応援もしてもらって、でもそれを辞めたい時の気持ちを思うと胸が締め付けられた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレはじめの方は「2年連続大傑作を拵えてきたシラユキ先生でもたまには凡作も書いちゃうよね…(安心)」と油断していたら………
『最初の事件』
掴みとしてはかなり良い、なんたって小学生名探偵の最初の事件だからね。ここからアフリカ・韓国・時間兵器…etcとお話が広がっていくかと思いきや、ぶつ切り!もったいない!!
『大きな手の悪魔』
「尼崎事件」が元ネタか。狡猾な老婆と紳士な悪魔の頭脳戦。いくらなんでも紳士すぎるでしょ山羊さん…
『菜々子の中で死んだ男』
犯人探しの遊郭巡りと飛躍ロジック楽しく、最後に浮かび上がるタイトルの意味もお見事。
『モーティリアンの手首』
まさかの地学ミステリ。化石に執着する男とその貴婦人、それぞれの思惑は3万年の時を超えて地層に生き続ける。設定がいつもよりSF特化。いつかハードSFとかも読んでみたいね。
『天使と怪物』
1つ1つの密室は既出のアイデアであるが、本作の凄さは3通りの不具者に適した3通りの真相、多重解決に対する新たな試み、異様な現場の状況に筋を通す真犯人の動機。何から何まで計算され尽くさている。密室に対して数通りの解を出し、多重解決を意味のあるものに昇華させた。ああ、怪物とは白井智之だったんだな…
短編でここまでの完成度の作品は正直見たことがない。
ただ、短編集としてみると『死体の汁を啜れ』の方が上かな。