白井智之のレビュー一覧
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『名探偵のはらわた』に続くシリーズ二作目
シリーズとは言いつつも、それぞれ独立したお話になっています
帯の紹介によると前作との関係性は「姉妹編」とう扱いになるようで
前作は実在の事件をモデルにお話を仕上げていましたが(津山三十人殺しや阿部定事件など)、今作も同じように実在の事件が扱われています
人民寺院事件
……なのですが、私はこの事件、この本で初めて知りました
凄い事件もあったものです
巻末解説によると、
「前作で津山三十人殺しなどを扱ったが、スケールの劣ることなく、そして一つの事件とじっくり向きあいたくて選んだ題材(要約)」
との事
そしてそれに見合った圧倒される内容
物語後半、読みながら「こ、これはものすごい作品を読んでいるぞ……!!」という、傑作に出会った時特有のあの興奮が今でも忘れられません
2023年の各種ランキングを席巻した本作ですが、その年だけでなくオールタイムレベルでの大傑作では、というくらい面白かったです -
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食をテーマにしたミステリー、と言われたら、シャレオツなグルメ三昧なミステリーなんだろな、的なのを裏切るとかってのは白井智之には通用しない。
まぁ、カニバリズムはあるだろなくらいの想像で入ってみたら、
いや、ちょっとそれなん、食をテーマにした本を食事中に読めなくなるような展開かー、で、安定しすぎてて。
5作の短編から成ってるうち、個人的なドハマりは
、
げりがげろと、ディテクティブ・オーバードーズ。
げりがげろなんて、まさにその文字の通り、見た目はそのまま摂取と排泄の機能が逆になる世界で。
そんな世界観を多重推理とパズラーの天才にかかればこうなるのかー、からの、まさかのラストは全人生を賭けた献身的愛情の感動ものと思わせておいて……いや、物語ここで終わるけど、あとは地獄しかないじゃんだったり、
そして、信頼できない語り手を、薬物でもってそもそも信頼できないもんにしておいて、
それを信頼できる語り手にきれいに解かせて、
まさかのラストは、え、そこは信頼できるとこなん?!で終わる「ディテクティブ・オーバードーズ」もお見事すぎて。
自分のライフスタイル的にメシ時に読書に充てることが多いから、読めるかーなっただけで、
これ意外と評価低いのに首傾げてしまう、最高のミステリーでしたよ? -
Posted by ブクログ
文庫版になって初めてこの本のことを知りました。
「これが最後の仕事になる」という一行の後は、各作家独自の世界が広がっています。
1編6ページなのでスキマ時間に読みやすく、飽きたらブックマークして、他のことをしながら読み進めることができます。飛ばし読み・つまみ食い読みもできます。
わたしは、病院の待合室で読んでいましたw
文章構成のお手本としてもオススメです。
オチがある作品は落ち着きます。オチだけにw
〔作品紹介・あらすじ〕
最初の1行は全員一緒。
1編6ページ、24種の「最後の仕事」。
早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。
ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。
著者一覧(掲載順)
小川哲
五十嵐律人
秋吉理香子
呉勝浩
宮内悠介
河村拓哉
桃野雑派
須藤古都離
方丈貴恵
白井智之
潮谷験
多崎礼
真下みこと
献鹿狸太朗
岸田奈美
夕木春央
柿原朋哉
真梨幸子
一穂ミチ
三上幸四郎
高田崇史
金子玲介
麻見和史
米澤穂信
『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第三弾。 -
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ネタバレ面白かった。
内容自体は結構王道?なミステリーだった。
速読が何に関係してくるんだろうと思っていたが、速読というより本のサイズが重要だったのか。
文章の全体的にコミカルさがあって読みやすかった。人物名や地名に遊びを感じて面白かった。
ただ、最初に犯行を語っていた2人組が誰だったのか。片方は老人だったから新垣だろうけど、本の中での犯人は永見と決まっていた。これもミスリードというか、もう一捻りあるんだろうか。
→と思っていたが、他の方の感想で「クソガキ→クソ垣」だとわかった。なるほどなー。確かに自分も最初該当箇所を読んだ時、「クソガキなのに年寄りだからって?」と引っかかった文章だった。おもしろ。
このサイズでしっかり中身も詰まっていて面白かった。全部の本がこのサイズであって欲しい。
あと「蓼食う虫も好き焼き」の最後がどうなったのか、普通に気になる。 -
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もっと有栖川さんを読んでから…そう思ってずっと楽しみに温めていた一冊。
気付けば33作品読んでたので、そろそろいいかなと解禁。
■夕木春央『有栖川有栖嫌いの謎』
タイトルがすごい。勇気がすごい。引きつける力がすごい。途中でやめられない。
「なぜ有栖川有栖をそこまで嫌うのか?」が気になって気になって、一気読みで止まらなかった。そしてセリフが強烈すぎて何度も笑った。夕木さんってこういう作品も書くんだ。
「三部作」と「蓮野シリーズ」の作風の違いにも驚いたけど、この作品でまた違うテイストに驚く。まだまだ引き出しがたくさんありそう。
そして、これはさすがに有栖川さん怒ってないかなと心配したけど大丈夫そう笑。
優しい有栖川さんだから、こういう自由な作品も書けるんだろうな。
■青崎有吾『縄・綱・ロープ』
途中で何度か青崎さんの作品だということを忘れてしまった。アリスと火村の性格も、セリフも文体も展開も、すべて見事に完コピされていて楽しかった。
■一穂ミチ『クローズド・クローズ』
普段の火村とアリスなら言わないようなことを言っているのが新鮮だった。
女子高に少し戸惑っている感じも面白い。
火村ワールドに一穂さんの個性が出ていて、それもまた良かった。
■阿津川辰海『山伏地蔵坊の狼狽』
火村でも学生アリスでもない、マイナー?な山伏地蔵坊の安楽椅子探偵を使うところがさすが。『ブラジル蝶の謎』も出てきてニヤリ。
最後にそれぞれの作品を有栖川さんがどう読んだのか、その感想まで読めるのが嬉しい。
有栖川さんが楽しんで面白がっていて、それを読んでまた温かい気持ちになった。
最高な企画。またこんな企画があったら嬉しい。ここに出てきた未読の作品も読みたくなった。 -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった。
できるだけ前知識を入れずに読んだ方がいい。あらすじや感想を詳しく調べず、何が起こるのか分からない状態で読んだ方が、この作品の驚きを一番楽しめると思う。
序盤から何度も予想を裏切られ、一気に物語へ引き込まれた。短い中に驚きが詰まっているのに、無理やりどんでん返しを入れている感じがなく、どれも自然なのがすごい。
設定がとても面白かった。
最初はかなり非現実的な設定に感じたけど、作品内でその仕組みが説明されることで、「この世界ではそういうものなのだ」とある程度納得しながら読み進めることができた。
もちろん細かく考えれば、「本当にそうなるのか?」と思う部分もある。
ただ、SFミステリーはそもそも現実には起こらないサイエンスフィクションを前提とした物語なので、提示されたルールを受け入れ、そのルールの中でどんな物語が作られるのかを楽しむのがいいのかもしれない。
特にすごかったのが、何度も「これが真相なのか」と思わされるところ。
一度納得したはずの推理や前提が次々とひっくり返され、そのたびに物語の見え方まで変わっていく。
ここまでどんでん返しが詰め込まれた小説は初めて読んだ。
エログロな描写がかなり多くて、人によっては苦手かもしれないけど、ただ刺激が強いだけではなくて、作品全体の不穏さや異常さをより強く感じさせる要素になっていた。自分はこういう要素のあるミステリーが好きなので、そこもかなり楽しめた。
『殺戮にいたる病』のような、一つの巨大などんでん返しによる衝撃とはまた違い、『エレファントヘッド』は何度も何度も読者の足場を崩してくるような面白さがある。
これだけ複雑な物語を破綻させず、一冊の小説としてまとめ上げているのが本当にすごい。
どうやったらこんなストーリーを思いつくのだろうか。
読み切った勢いのまま感想を書いてたら、思ったより長文になっちゃった -
Posted by ブクログ
ネタバレ最後はあー、なるほど!それでこのサイズの本を出したってわけね!!
となりつつ、読み返したら最初の叔父さんたちの会話がただのミスリード??関係なく恋人が??そんなことある??となってしまってモヤモヤ……と……ジオラマを見て…などが推理しやすくしてくれていたのかな、とは思いつつ、叔父さんたちは結局自分たちが手を汚さずに甥っ子たちを一掃できて良かったね的な感じなのかな……???
とか思っていた私が馬鹿でした。
他の方の感想を読んで、4回くらい見返したらちゃんと「クソガキ」が「クソ垣」のことで、確かに甥っ子たちが話している様子にもちゃんと当てはまりましたー!
なるほどね、納得納得!!私がぜんぜん気付いて無かっただけでしたわー!