穂村弘のレビュー一覧
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歌人・穂村弘さんが、自身の緑内障や家族、これまでの半生のことについて語った本書。
著作をコンプリートしていない穂村ファンとしては、穂村さんの上半身が(エッセイのなよなよしている印象とは裏腹に)しっかりされている理由がわかって嬉しかった。
そうか、若い頃のベンチプレス!
「シンパシー/ワンダー」、「生きる/生きのびる」のおはなしも改めて聞かせていただき、再確認した。
緑内障の主治医の後藤克博先生、長年のご友人で共著も出されている春日武彦先生との対談も興味深かった。
調べると、後藤先生は短歌好きで、歌集も出されているようだ。読んでみたい。
瞳を巡る短歌、という、瞳に特化した他の歌人の短歌の短い紹 -
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最近読んだエッセイのなかでは一番面白かった。「毎年、半袖に着替えるのが人よりも一日だけ遅れる」とか、「猿みたいにウキウキ言いながら初めて携帯電話を買う」とか、「一刻もはやく面白い映画を観終わった後の自分になって安心したい」とかが、情けないのに共感できた。映画については、最近『国宝』を見た時に同じことを思ったかも。いや、あれは上映時間が長すぎてトイレに行きたかっただけか。
しかし、生きることのむずかしさや非モテを嘆く人が、ふたを開けてみたら結婚しているとがっかりしてしまう(後半以降でしれっと「妻」の存在が明らかになる)。一生不幸でいてほしいわけでも、ましてや穂村弘ガチ恋勢でもないが、「なんだ、結 -
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意外に面白かった。
もっと嫌になるかと思ったからだ。
私は主人公よりもその妻に近いところにいる。
2人にとっての真実がどこにあるかはわからないから、ここでその是非を問うても意味はないだろう。
そもそも、人と人との関係において正しさは無力で、正しくても正しくなくても暮らせないものは暮らせない。そして、自分がどうしても子供を失いたくないと思えば、正しくないことだって私ならするなと思った。
ただ、著者はおそらくとても正直な人で、ここに書かれたことは彼の世界の真実なのだということは信じられる気がした。
書評という体裁を取っていることは、私には功を奏しているように思えた。ことの顛末についてそのま -
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Posted by ブクログ
「NHK短歌」のテキスト内の連載という、穂村さんの本業の短歌をめぐるコアなやりとり。
作家・漫画家・モデル・ブックデザイナーなど様々なジャンルで、
歌を詠んだり、歌に係わっている人との対談はどれも刺激的だった。
三十一文字の制限があるからこその表現。
もっと短い俳句では、今を切り取る表現になるが、
短歌ではより飛翔感、スケール感を語ることが、1行の中で出来る。
置きかえ不能な言葉にまで突き詰めること、
歌=本人と思われがちな部分、神の短歌と世界平和、
文語が要請する言葉運び、時代に影響される発想、逆張り・二物衝撃。
文語の型の中では、批評や指導で出来が良くなっていくものでもある。
歌会・結社の