穂村弘のレビュー一覧

  • 短歌ください 君の抜け殻篇

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    『ダ・ヴィンチ』誌上で今も連載されている、穂村弘さんが読者から募集した短歌を選び、評する「短歌ください」。人気シリーズ第三弾の文庫化。


    歌人の穂村さんが、読者から寄せられた短歌を評する「短歌ください」の文庫化第三弾です。今回も面白い。
    それぞれの短歌の短い文中にぎゅぎゅっと詰められた、作者さんごとに違う言い回しや世界観。日本語って本当に色々な表現方法があって、軽やかだったり重厚だったり自由で大好き。

    個人的に気に入った歌をいくつか。
    「半ドンの日は掃除機をかけながらママとチャーハンが待っている家」(こずえさん、テーマ「昭和」)
    チャーハンのリアリティ。初夏の日差しの香りもしそう。

    「余

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    2025年10月14日
  • にょっ記

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    上野のバーで初めて読んで即買い、多分一生頭から最後まで通しで読むことはないけど、暇なとき開くとおもろい。拡益亭喜富さん(アナウンサー)の同級生らしい。文化人って繋がるんやなぁ。

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    2025年10月09日
  • 短歌のガチャポン

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    短歌を読むこと、特に歌集が、あまり得意ではないのです。好きではあるはずなんだけど。

    1ページに何首も並んでるのを見ると、ペース配分に困ります。いいねーステキ、これ好き、わあすごい!ぜんぜんわからん、はいまたステキ、では次、と行き過ぎちゃう。
    読み方が雑すぎる!と反省してじっくり感じ入って読もうとすると、今度は振り回されて疲れちゃう。
    ふいに心を刺されて泣けるかと思えば、全然わからなくて疎外感しかないのもある。この乱高下から適切な距離感を見いだすにはどうすればいいの…

    そんな私にとって、とてもありがたい本でした。

    本の流れに視線を任せるだけで、読むことに焦らなくてすむのがうれしい。
    まず口

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    2025年09月26日
  • 迷子手帳

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    ほんのり妄想ちっくなところもあって、やっぱりそこが面白い。

    今回のエッセイも、とても好みなものでした♪

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    2025年09月23日
  • 彗星交叉点

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    日常に溢れている絶妙な言い回しやフレーズのおかしさを集めた本。つい笑ってしまう。私も街中で不意に聞こえてくる会話の断片に注意してみたい。

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    2025年09月13日
  • 満月が欠けている  ―不治の病・緑内障になって歌人が考えたこと―

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    親友が緑内障で、少しづつ進行しているので心配していたところ。
    本を勧めるよりは、読んだことを伝えようという使命感も相まって。
    穂村さんは、明らかな症状がでていないご様子であったが、遺伝性であり家族の状態を知っていることもあり、ここに綴られた想いや不安はいかほどかと察する。

    第4章「満月が欠けている—瞳を巡る短歌—」
    それぞれが心に沁みます。

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    2025年09月08日
  • 満月が欠けている  ―不治の病・緑内障になって歌人が考えたこと―

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    緑内障になったと同時に自身の弱さを吐き出し
    不安なこと、いまの思いを正直に書き
    読者に届けてくれた。

    眼科医の後藤先生、精神科医の春日先生との対談は
    わかりやすく、読者が疑問に感じていることを
    種村さんが代わりに問いかけて安心感を与えてくれる。

    P.078
    〈究極的には『どうせ死ぬんだから何でもやればいいんだ』
    という話になりますが、
    そうは言ってもなかなか踏ん切りがつかないものです。
    『恥をかいたら嫌だ』という気持ちも絶対あるわけですから〉

    その一歩が踏み出せない。
    そういうことは多々あるけれど
    エッセイを読み、少しだけ勇気をもらいました。

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    2025年09月05日
  • 彗星交叉点

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    1つのエピソードが短すぎず長すぎず、丁度よい長さで、読みやすかった。

    内容もクスリと笑えて面白かった。
    ただしニヤついてしまう時があるので外では読めない(笑)

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    2025年08月31日
  • 蚊がいる

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    「片道一時間四十分の通勤だけで限界だった。満員電車の中で、今にも叫びそうになる。でも、そんな人はいない。本当に叫び出した人は見たことがない。まさか、これだけの人間がいる中で、私の耐久力がいちばん低いということか。」

    職場で客を前に同じ我慢をしている。
    読みながら、わかるわあ〜と思ったり、そんな繊細な......こっちがガサツすぎるのだろうか、と思ったりした。
    中でも「パッチワーク紳士」が好きだ。私も、ちょっとでも状況が厳しくなると態度が変わるし、「押したらこいつの心臓が止まるボタン」が手のなかにあったら即押す。

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    2025年08月28日
  • 君がいない夜のごはん

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    書名や表紙のデザインを見て、なにか事件が起こりそうな穏やかでない気持ちになってしまったのだが、中身を読むと全くそんなことはなく、むしろ穏やかなエッセイ集だった。

    全てが食にまつわるエッセイなのだが、著者の食へのこだわりが...みたいな強い主張はなく、なんともゆるい。ゆるゆるである。1編がとても短いし、のんびりしたい時に、気楽に読むのに最適。

    自分も含めて、普段はこういうしょうもない(失礼)ことを考えているオジサンは多い気がするんだけど、それをこうやってサラリと可愛らしく語れてしまうのが、やはり歌人のなせる業なんだろうな。

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    2025年08月25日
  • 迷子手帳

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    「夫婦の会話」が一番好きだったな。あと猫ちゃんのお話が多いところと、紹介される短歌も良かった!穂村さんの文章も好きだけど、奥さんのエピソードも好き。

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    2025年08月21日
  • にょにょっ記

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    ゆるくて心ほぐれるものを欲していたら、まさかの出会い。穂村さんの思考回路というか妄想を覗き見させてもらい、思わず笑ってしまった。このくだらなさ最高〜!!前作はにょっ記で、次作はにょにょにょっ記があるのね...読みます!

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    2025年08月18日
  • 蛸足ノート

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    久しぶりの穂村弘さん。
    一時期よく穂村さんのエッセイを読んでいたのを思い出して、調べたらあれからまた数冊出ていることを知り、読んでみることに。

    今回は見開き1ページがひとつの話になっているのでサクッと読めたけど、あと半ページくらい長くてもいいのにな、と少し物足りない気もした。

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    2025年08月17日
  • 満月が欠けている  ―不治の病・緑内障になって歌人が考えたこと―

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    歌人・穂村弘さんが、自身の緑内障や家族、これまでの半生のことについて語った本書。
    著作をコンプリートしていない穂村ファンとしては、穂村さんの上半身が(エッセイのなよなよしている印象とは裏腹に)しっかりされている理由がわかって嬉しかった。
    そうか、若い頃のベンチプレス!
    「シンパシー/ワンダー」、「生きる/生きのびる」のおはなしも改めて聞かせていただき、再確認した。
    緑内障の主治医の後藤克博先生、長年のご友人で共著も出されている春日武彦先生との対談も興味深かった。
    調べると、後藤先生は短歌好きで、歌集も出されているようだ。読んでみたい。

    瞳を巡る短歌、という、瞳に特化した他の歌人の短歌の短い紹

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    2025年08月16日
  • 鳥肌が(PHP文芸文庫)

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    面白かった。
    鳥肌が立つのって確かに、自分の目の前に溶け込んでいる風景が、実はかなり異質なものだったことに気づいてしまった時のような、実は○○な事実に静かに気づくような時かも。
    可愛くまとめてる回と真面目なことを言ってる回とのバランスがとても上手だった。世の中の真髄みたいな部分があることで、不器用エピソードが有意味に見えてくる。

    世界音痴なはずである憎めないような著者が、めちゃくちゃ世間との距離をわかっていてバランス感覚抜群なの、後で気づくと鳥肌が。

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    2025年08月03日
  • 短歌という爆弾 -今すぐ歌人になりたいあなたのために-

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    軽やかな穂村弘の文章を期待すると大火傷をします。こういう側面もあったのだなというかこちらが本体なのかもしれない。決して短歌の道は易しくないことを読者に伝えてくれる本。何度も読み直そうと思う。

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    2025年08月02日
  • 世界音痴

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    最近読んだエッセイのなかでは一番面白かった。「毎年、半袖に着替えるのが人よりも一日だけ遅れる」とか、「猿みたいにウキウキ言いながら初めて携帯電話を買う」とか、「一刻もはやく面白い映画を観終わった後の自分になって安心したい」とかが、情けないのに共感できた。映画については、最近『国宝』を見た時に同じことを思ったかも。いや、あれは上映時間が長すぎてトイレに行きたかっただけか。
    しかし、生きることのむずかしさや非モテを嘆く人が、ふたを開けてみたら結婚しているとがっかりしてしまう(後半以降でしれっと「妻」の存在が明らかになる)。一生不幸でいてほしいわけでも、ましてや穂村弘ガチ恋勢でもないが、「なんだ、結

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    2025年07月31日
  • 結婚失格

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    意外に面白かった。
    もっと嫌になるかと思ったからだ。

    私は主人公よりもその妻に近いところにいる。
    2人にとっての真実がどこにあるかはわからないから、ここでその是非を問うても意味はないだろう。

    そもそも、人と人との関係において正しさは無力で、正しくても正しくなくても暮らせないものは暮らせない。そして、自分がどうしても子供を失いたくないと思えば、正しくないことだって私ならするなと思った。

    ただ、著者はおそらくとても正直な人で、ここに書かれたことは彼の世界の真実なのだということは信じられる気がした。

    書評という体裁を取っていることは、私には功を奏しているように思えた。ことの顛末についてそのま

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    2025年07月24日
  • 世界音痴

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    歌人:穂村弘のエッセイ集。

    不器用で独特の感性を持つ筆者の文章が面白い。

    女性が苦手で自分は結婚できる人間じゃないと自虐する姿に共感を感じていたけど、その割にはやたら元カノエピソードが出てくるなと違和感を覚えていたら、途中でいきなり妻の話が出てきてガクッときた。連載の途中で結婚したのだろうけど、登場する元カノや女性に関するエピソードの豊富さと筆者の顔写真を繋げると、さてはこいつ普通にモテてたなと気付いて、途中までの弱男ムーブとのギャップに少し冷めた。

    「文才はあるけど少し変人」確かにこういう人の方が恋人を切らさなさそう。

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    2025年07月21日
  • 蛸足ノート

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     とにかく装丁が可愛くてジャケ買いしてしまった。内容は何でもない日常を少し変わった視点から捉えたエッセイ。一編見開き1ページどんなに疲れていてもスナック感覚で読むことができてとても良かった。
     これを読んだこともあって最近日記をつけ始めているが、面白いと思ったことがあっても振り返ると思い出せない。何気ない日常を留めておくことも文筆家の一つの能力なのだなあと思った。

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    2025年07月18日