穂村弘のレビュー一覧
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歌人の穂村弘さんの編まれたアンソロジー。
掲載されているのは古くは石川啄木から昭和の歌人を経て、穂村さんが選者を務める日経歌壇、短歌くださいの投稿歌まで。
初心者にもわかりやすい穂村さんの解説付き。
イラストはメリンダ・パイノ。
以下気になった歌にひとことコメントを。
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<これごっほ ごっほのみみよ これごっほ ごっほのみみよ ががのごっほの> 笹井宏之『てんとろり』
収録歌集の『てんとろり』は読んでいるのですが気づきませんでした。あまりに素敵な歌が多すぎて。
<山一つ隔てて育ち妻と俺と同じ日の雪に遊んだわけだ> 柴善之助『揚げる』
解説によると、この歌人の -
Posted by ブクログ
ネタバレお気に入りTBS Podcast「ペーパードライブ」より。
最近詩歌に興味があり、穂村弘ベストであるということと出演者の和気あいあいとしたベスト3紹介で引き込まれる。
作品とはどこまで作者のリアルを織り込むものなのだろう。和歌って文学作品のなかでは現実を反映するものだという感覚があるけど、穂村弘はリアルとファンタジーの融合がすさまじい。何気ない日常の尊い瞬間を切り抜くとか、もやっとかうふっとかの感情機微を鋭利に言語化ということにとどまらない、どこか遠くの異世界へ飛ばされるような浮遊感。一読ではなんのことだかさっぱりという、ある種の心の中で抵抗が生まれるのが良いよね。では、個人的珠玉編です。
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穂村弘さんってやわらかい哲学者だ。
地面に這いつくばっていると、お巡りさんがやってきて「どうしたんですか」と聞かれ「コンタクト落としたんです」と答えると、一緒に探してくれる。
ところが「アリの行列見てます」と答えるとNGで、見ている理由を尋ねられても答えることが出来ないかも知れない。
前者が「生き延びる」に値し、後者が「生きる」に相当する。人生の最終目的は「生きる」ことであるはず。生き延びるために生きるのではなく、生きるために生きていきたい。
穂村弘さんご自身の緑内障の話を基軸に弱さをさらけ出し、やさしく展開していく哲学書みたいな本だった。 -
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ぐっときた歌
お一人様三点限りと言われても私は二点でピタリと止めた
「生きる」「生きのびる」のあいだを行き来しながら人はある
社会で在るためには「生きのびる」
個人で在るには「生きる」
のような?
どうしたって生物としてのヒトだから、身体の調子があって、揺らぐし矛盾するし、機械ではなくて、完全効率的には動けない。
でも社会のしくみを作ってる。
しくみから逃れたかったり、逃れざるを得ないときに歌がうまれるのかな?
p81~
生きのびるの粋を集めた(社会の効率化の洗練に洗練を重ねてる)のがコンビニ、その効率のかたまりに圧迫される⇒上から目線になっちゃうという視点が面白かった
上から目線「コ -
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雑誌『ダ・ヴィンチ』で読者から寄せられた短歌を、人気歌人の穂村弘さんが選び評する投稿コーナー「短歌ください」。その第3弾の文庫版。
この本には、投稿歌人だった頃の木下龍也さんや、岡野大嗣さんの短歌も掲載されている。
解説は、木下龍也さん。その解説もすごくためになる。採用歌の傾向について、①ニッチ②とても個人的な体験③論理の飛躍④納得⑤唐突⑥生々しさ、という6つの観点から分析している。
これは、「短歌ください」に投稿するときのみならず、普段短歌を作るときにも大事なことだと感じた。
この本に掲載されている短歌から、十首短歌を紹介したい。
2歳2ヶ月の娘に命じられ快晴の日に長靴を履く
(トヨタ