穂村弘のレビュー一覧
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ぐっときた歌
お一人様三点限りと言われても私は二点でピタリと止めた
「生きる」「生きのびる」のあいだを行き来しながら人はある
社会で在るためには「生きのびる」
個人で在るには「生きる」
のような?
どうしたって生物としてのヒトだから、身体の調子があって、揺らぐし矛盾するし、機械ではなくて、完全効率的には動けない。
でも社会のしくみを作ってる。
しくみから逃れたかったり、逃れざるを得ないときに歌がうまれるのかな?
p81~
生きのびるの粋を集めた(社会の効率化の洗練に洗練を重ねてる)のがコンビニ、その効率のかたまりに圧迫される⇒上から目線になっちゃうという視点が面白かった
上から目線「コ -
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雑誌『ダ・ヴィンチ』で読者から寄せられた短歌を、人気歌人の穂村弘さんが選び評する投稿コーナー「短歌ください」。その第3弾の文庫版。
この本には、投稿歌人だった頃の木下龍也さんや、岡野大嗣さんの短歌も掲載されている。
解説は、木下龍也さん。その解説もすごくためになる。採用歌の傾向について、①ニッチ②とても個人的な体験③論理の飛躍④納得⑤唐突⑥生々しさ、という6つの観点から分析している。
これは、「短歌ください」に投稿するときのみならず、普段短歌を作るときにも大事なことだと感じた。
この本に掲載されている短歌から、十首短歌を紹介したい。
2歳2ヶ月の娘に命じられ快晴の日に長靴を履く
(トヨタ -
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『短歌のガチャポン』このタイトルにひかれました。子どもの時も今も、私にとってはガチャポンではなく、ガチャガチャです。でも、このタイトルは、ガチャガチャでもカプセルトイでもダメで、ガチャポン!言葉そのものがかわいいし、音の響きもいい。何が出てくる分からないワクワク感、本書でも堪能できました。
穂村弘さんが選んだ、明治から現在までの短歌100首。どの歌も、心に刺さるもの多しです。
それぞれの歌は日常から生まれているのに、31文字という制約の中で、常識を超えていることの不思議を感じます。
冒頭の数ページは、素敵なイラストつきの短歌が載せられていて、「ガチャポン短歌の世界にようこそ!」という感じ -
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この本は学術書なのかと思っていたのですが、歌人の穂村弘さんの硬めのエッセイのような内容でした。
穂村さんは42歳の時に緑内障の診断を受けたそうですが、そこを中心に書かれています。
穂村さんは大学は北大で山岳部より安全だという理由でワンダーフォーゲル部に入ったそうですが、北大はすぐ退学されて上智大学の英文科に入りなおしたそうです。
そのころからベンチプレスで筋肉貯金を始め、就職はSE(システムエンジニア)に。
そして緑内障の診断を受けられるのですが、緑内障は完治する見込みがない病気で、「ついに私は不治の病になってしまったんだな」と思ったそうです。
緑内障に自分でできることは目薬のみ。
あとは -
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角田さんも穂村さんも大好きで興味を持った本。
角田さんは女性として、穂村さんは男性としての意見を交互にやりとりして進んでいく。
こういう女性が多いかもしれないけど自分は違うとか、もてる男性はこうだが自分にはできないとかいう話題も出てきて、男女の違いを紐解くという面白さももちろんあるけど、ただ角田さんと穂村さんが恋愛観について意見を交わし合うという意味でもすごく興味深かった。
特に印象に残ったのは次の二つ。
一つ目は、「もてる」というのは対人的な「スペース」、つまり「隙」が関係しているのでは?という考察。
隙、確かに大事だよなぁ、わかるわかる。
学生の頃からもてるのは、狙った獲物は逃さない -
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私の若い頃には世界が滅びるとか日本がダメになるとか、そういう感覚はありませんでした。当時は、世界はとても広く、ポテンシャルがまだまだあると思っていました。そうした条件下においては、他人と傷つけあっても互いに別の場所で生きていけばいいだけで、無数の選択肢があると考えることができました。
でも、時代の流れの中で近年感じるのは、全員が方舟に乗って危うい運命を共有しているような感覚です。そんな状況だと、方舟の上で喧嘩するとか焚き火をしちゃうとかいったことは、非常にリスクが高くなってしまいます。加害性について全員が敏感になる必要がある。