【感想・ネタバレ】鳥肌が(PHP文芸文庫)のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年03月18日

読む前はこわいと感じていないようなことでも、読んだ後は確かにその状況はこわいよなと思わせる説得力がある本。

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Posted by ブクログ 2022年10月19日

ふとした日常で思うこと。穂村さんの考えと重なる部分も多々あり、自分を理解してくれているのでは?と錯覚に陥ってしまった。
「出会いたかった本がここにある」と帯に書かれていましたが、まさに!平積みしていた書店に感謝です。出逢えて良かった!これから何度も読み返します。

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Posted by ブクログ 2021年03月05日

穂村弘(1962年~)氏は、札幌市生まれ、上智大学文学部卒、1986年に連作「シンジケート」で角川短歌賞次席(同年の受賞作は俵万智の『サラダ記念日』)、1990年代には加藤治郎、荻原裕幸とともに「ニューウェーブ短歌」運動を推進した、現代短歌を代表する歌人の一人。エッセイも多数執筆している。
本書は、...続きを読む2016年に出版され、2017年の講談社エッセイ賞を受賞、2019年に文庫化された。
私はこれまで、著者の『はじめての短歌』、歌集『ラインマーカーズ』、エッセイ集『蚊がいる』を読んできたが、その歌もエッセイも、著者の鋭敏かつ独特の感性と、それを文字にする表現力があっての作品であるが、本書も、それらが遺憾なく発揮されたエッセイ44篇が収められている。
解説で、作家の福澤徹三は次のように書いている。「怖さとは想像力である。まだ起きていいないなにかに思いをめぐらせることで怖さは生じる。すでに恐怖の渦中にいてもそれはおなじで、これからを想像するから怖さは増す。つまり想像力が豊かであるほど、恐怖に対する感覚は鋭敏になる。そういう意味でいえば、名だたる歌人でありエッセイストでもある穂村弘さんに怖いものが多いのは当然だろう。本書『鳥肌が』は、穂村さんが怖いと感じる-すなわち鳥肌が立つ事柄について記したエッセイ集である。」
著者が「鳥肌が立つ」事柄とはどんなことか。。。それは、「娘が死ぬのを見届けてからじゃないと死ねない」という母親、夫が無呼吸症候群であることを教えずに毎晩隣で眠る妻、哺乳瓶からミルクを飲むヤギの赤ちゃんの目、外国で起きた連続殺人事件の被害者が皆青目金髪ロングヘア―真ん中分けだったこと、自分が連載していた日記でわずか1ヶ月の間に無意識に同じエピソードを2度書いていたこと、几帳面で仕事もできる男性が自分の年齢を妻に指摘されるまで間違っていたこと、まだ元気だと思っていた自分の母親に「今は昼かい?夜かい?」と聞かれたこと、また、自分と他人の感覚のズレから生じる様々な事柄、未知の自分や将来に対する様々な事柄、等々である。多くは、我々が見聞きしたとしても、一瞬「?。。。」と思いつつ、次の瞬間には流してしまいそうな事柄なのだが、著者はそれを一々留保し、他の類似した事柄や一般的な法則のようなものに敷衍していく。
そして、それらを読んでいると、我々も、日常に埋もれがちなそうした事項が、実は怖いことなのだと改めて気付かされるのだ。
我々の日常に埋没した怖さを軽妙な筆致で描いた、著者の代表的エッセイ集である。
(2021年3月了)

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Posted by ブクログ 2019年08月19日

怖いもの見たさで、手にした本。大正解!、すごく怖かった 笑。特に怖かったのは「ヤゴと電卓」、怖過ぎて、大きな声を出して笑ってしまった!って、どうして笑ってしまったのかというと、著者の穂村さんの心の葛藤が余りにも臨場感にあふれていたので。
・・・・・・・
「彼女は真顔である。突っ込みを入れたくなった...続きを読む。」
「真顔。その時、私の心の中でアラームが鳴った。もう、よせ。この話は打ち切るんだ。でもとまらない。こわいくせに、いや、こわいからこそ、口から言葉が零れてしまう。」
「ぱあっと鳥肌が立つ。二人のやり取りのはいごにそれまであることになっていた「冗談」という文脈が、消えたのだ。」
その他、怖い話がいっぱい。読書で「刺激」を求めたい人には、特におススメです。

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Posted by ブクログ 2023年03月12日

穂村弘は、雑誌ダ・ヴィンチの「短歌ください」コーナーに応募をしていた時期もあり知っていた。数年前に「短歌の友人」を読み、短歌だけでなく文才があることも知っていた。
今回「鳥肌が」を読んで、さらに彼の性格を知ることができた。小心者で、いつも何かにビクビクして怖がっている、そのくせ長生きしたい、美しいも...続きを読むのに出会いたいという好奇心も持ち合わせている。面白い人だなぁ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年09月25日

ちょっとした違和感とかぞわってすることを、コミカルな文章で書いてあって、その中には、わたししか怖いって思ったことないと思ってた!ってものもあって、ちょっと安心すると共に、逆に、こんなことこわいんだなぁ、と、人の感性の唯一無二さと無限さを感じる面白い本です。
そして、装丁がスゴイヨ!
装丁(鳥肌に見立...続きを読むててぶつぶつになってる!のと、マットな肌触り)とタイトルと中身と、フォントどこをとっても面白い本でした。

_φ(・_・
■自分フラグ
自分が何をしでかすかわからないという恐怖、これ本当に自分だけ頭の回線おかしいのかもと思っていたけど、他にもいて(少なくとも穂村さんがそうで)ちょっと安心、、、よかった、、、
よく思うのは、舞台やライブ観劇中に、私が今ここで舞台に上がったらどうなるだろう、という意味わからんことをよく考える。自分でも謎。いつかやっちゃうのかな。

■他人に声をかける
これこそみんな持ってるものなのでは。
電車で席を譲れないのは、譲ることに抵抗があるわけではなく、他人に声をかけることに抵抗がある、いいことだろうが悪いことだろうが他人という未知の扉を叩くことは本質的には恐ろしい。という一文は、分かる人にはわかるのではないだろうか。
幼少期のほうが、こういう、他人に対して素直にやってあげたいな、とおもうことをできていたのはどうしてだろうか。
世の中とか他人とか社会とかを知りすぎてしまったからなのか。
逆に、わたしは、時によってはむしろ声をかけないでくれオーラを放ちまくることもあるし、オーラとか目に見えない雰囲気というのは本当にあるんだろうな、と思う。

■原材料という不安
これもわかるよ〜!!最近、加工食品の原材料みては慄いて、棚に戻すっていうのを繰り返してる。人間の生命維持のために遠ざかるほど怖さが増す、のもわかる。
肉食というのも怖いし、それが弱肉強食というのであれば、娯楽的に(化粧とか皮とか)他の動植物を搾取しているのって、やっぱり、なんとなく、いい気持ちはしない。
こないだ、プラセンタが入っててとてもお肌にいいですよ〜プラセンタって豚(牛?)の胎盤なんです〜って言ってるお姉さんみた時は、ほんとにちょっと恐怖だった。

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Posted by ブクログ 2022年09月20日

何気なくて細かいけれど決定的な違和感が、みたいなのをこころに留めて文章にするのがとても上手いなぁと思った。
本編にプラスして解説を読んだことで、おこがましくも、穂村さんの感覚というか精神的なキャパシティに似てる部分が自分にもあるというのを感じて、だから余計にそれを絶妙なバランスでするする読める文章に...続きを読む落とし込めるすごさが気持ちよかった。
楽しくてこわくておもしろい読み物だった。

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購入済み

2022年04月22日

こんな風に自分の中のなかなか言語化しにくい恐怖をすらすらとかけるようになりたいなー。
面白くて、買ってよかったです。

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Posted by ブクログ 2021年11月22日

穂村弘のエッセイは、面白いのは確実。今回は、微妙な恐怖感という穂村さん独特の感性で日常の本当にちょっとした恐怖につながるものがいっぱい。そう言われればそうだよね。と感じるものも多いと思います。

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Posted by ブクログ 2020年09月17日

”怖い”出来事、物事についてのエッセイ。作者以外には、そんなこと怖い?ってものもあり、ひたすらゾッとする話もあり。普段なら聞き流してしまうような、ちょっとしたことからも怖さを見出すその鋭敏な感覚と、表現がスゴイ。私も基本ビビリなので、共感できることも度々。

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Posted by ブクログ 2020年08月16日

表紙のカッコよさに惚れて購入

日常に潜む恐怖を見つけてしまい、鳥肌が立つ思いをするエピソードたち。
文体も柔らかく読みやすい、が、振り返ると楽しみながら読んでいた訳ではなかったと思う。

優しいおじいちゃん(白髪、背が高い、メガネ、痩せ型)が、抑揚少なめ落ち着いた口調で「こないださ…」と、トークし...続きを読むてるような印象。

楽しいと思えなかったのは暗いエピソードが多いからだろうか。でも、「それは心配しすぎだよw」と笑う人も居ると思う。自分が笑えなかったのは、他人事だと思えなかったからじゃないか。

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Posted by ブクログ 2020年05月10日

考えただけで鳥肌が立つと思われる話。
わかる、わかると同意してみたり、一緒にぞっとしてみたり、笑ったりしながら読み終えました。

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Posted by ブクログ 2020年02月04日

誰も気づかないような日常に潜む恐怖感。
それを感じうまく言語化する穂村弘さんのユーモアな感性は素晴らしい。表層的な共感じゃなく、深い共感をおぼえた。

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Posted by ブクログ 2020年01月20日

解説の穂村弘は怖がる達人っていうのがすごくしっくりきた。にしても、怪現象や変な人周りに多すぎだろう。怖がる故に寄ってくるんじゃないか。
親と同世代なのにこんな感じだからたまらないんだよなぁ。(褒め言葉のつもり)

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Posted by ブクログ 2020年01月16日

同じ時代を生きてきたので、共感できることがたくさんあった。「「母」なるもの」「よそんち」は特に好き。

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Posted by ブクログ 2019年11月26日

楽しく読んだ。けど文章の量が少なくてすぐ読み終わっちゃう。通勤電車には良かった。
絶対読んだことある章があってどこに掲載されてたのか気になったのにこの文庫には初出の記述がない。書かなくていいものなのね?

「こわい。こわいよ」っていう口調が好き。

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Posted by ブクログ 2019年09月16日

何気ない日常のなかで、急に背筋が寒くなる瞬間がある。
目の前の風景がぐにゃりと歪んで見える瞬間がある。
でもそれはほんの一瞬で、そう感じたことも見えたことも長くは覚えていないことが多い。
そうした誰にでもあるであろう瞬間を繊細に言語化できるのが穂村さんであり、優れた歌人である所以なんだろうなぁ。

...続きを読む
ちなみに私は、自分以外の周りの人が全て演技をしている、仕込まれているのではないかと思う瞬間(特に観光地などで)と、実は三次元に生きる自分よりも高次元に生きる別の生物がいて、三次元の自分が二次元の漫画を読んで楽しむように、高次元の生物が三次元の自分の悲喜交々を見て楽しんでいるのではないかと思う瞬間が、度々ある。

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Posted by ブクログ 2019年08月17日

別に怖い話ではないので安心して読んでください。どちらかと言うと、虫の大軍を見た時のようなぞわぞわ感を感じました。
内容は別として、余白や白紙ページが多いのが謎。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月11日

こわいものにまつわるエッセイ。といっても、おばけの類いではなくて、「人間が一番怖い」系。あとは、人の目が怖い、とか。
考えすぎでしょ、と思わなくもないけど、身の回りに目を凝らしてみると見え方が変わるかもしれない。

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Posted by ブクログ 2023年06月28日

読書備忘録744号。
★★★。

これもエッセー。姉が読み終わった本を渡された。
良く考えてみたら、これって怖いよね。鳥肌だよね。というエッセー。
確かにあるあるの内容。

印象に残ったのは、
「状況が理解できていないのでパニックに陥る。状況が分かったら、な~んだ。」という話。逆に、
「思い込みから...続きを読む本当の状況が分かっていなかったのでなんでもなかった。本当の状況が分かったらこわっ!」
っていう話。
確かにあるあるですね。

ベランダにぶ~んと虫が飛んできた。うわっ!やつだ!と思ったらなんやカナブンや。
ベランダにぶ~んと虫が飛んできた。カナブンかと思ったら奴だった。ぞわっ!

オカルトとか心霊話題もあり楽しめました。

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Posted by ブクログ 2023年01月20日


穂村弘さんの「こわいもの」エッセイ集。
世界の切り取り方がやっぱりとても面白くてすきだ。淡々と、でもなんともいえない可笑しみがある。

こわさ、というのは万人に共通するものもあるけれど、その人にしかわからないこわさ、もたくさんあって。
日常のなかの小さな違和感。奇妙なズレ。
想像力といちばん強く結...続きを読むびつくのが、こわさ、だと思う。

「状況が理解できればなんでもないことなのに、それを把握するまでは脳内がパニック」と、「状況が理解できていなかったから平気だったけど、後からわかってぞっとする」ケース。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年11月18日

寝る前に少しずつ読むつもりでいたのに、あっという間に最後のページまでめくってしまいました。
特に赤ちゃんを抱くのが怖い、次に自分が何をするか不安という感覚に共感しました。
普段なら、言い表せず、もやもやしたまま素通りしてしまう鳥肌が濃縮された一冊でした。

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Posted by ブクログ 2020年06月14日

同じような人がいて安心した。電車の一番前の車両には乗りたくない(極力乗らない)とか(これは著者のお知り合いの話だが)。万が一事故が起きたら前方ほどダメージが大きい
から。菓子パンのカロリーを見て買うのをやめる、とか。
そして、自分以外の全員が実は自分と異なる何かだったら。とか(自分だけが知らなかった...続きを読むら、取り残されたらという恐怖)。
笑えるものから、鳥肌が立つぞっとすることまで共感すること多い。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月10日

頭の中にふと浮かぶ怖い想像。日常の中に潜む不安。恐ろしい出来事が起こるんじゃないかと妄想が沸きだす。そんなホラーな話が穂村さんの手で綴られた短編エッセイ。じわじわ怖い。タイトル通り「鳥肌が」……!

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Posted by ブクログ 2020年02月24日

ふとした日常の中で感じる怖さが纏められた作品で度々ゾッとさせられました。自分でも同じような怖さを感じているものもあって楽しく読めました。時々出てくる挿絵も不気味で鳥肌が立ちました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年12月08日

おそらくこの人のテーマは決して多くはない。
「この生は一回限り」「私は人とは違う」「あなたは私とは違う」くらいか。
ただそれを絶妙な視点のずらし方で絶妙なテンポで繰り返すから、広がりが見えるのだ。
解説で福澤徹三が「さまざな怖さのつるべ打ち」と書いているが、まさにそう。
素晴らしいイラストと装丁。

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