あらすじ
日常のなかでふと覚える違和感。恐怖と笑いが紙一重で同居するエッセイ集。小さな子供と大きな犬が遊んでいるのを見るのがこわい。自分以外の全員は実は……という状況がこわい。「よそんち」の不思議なルールがこわい。赤ちゃんを手渡されると、何をするかわからない自分がこわい……。ユーモア満載で可笑しいのに、笑った後でその可笑しさの意味に気がついたとき、ふと背筋が寒くなる。そんな42の瞬間を集めた、エッセイ集。第33回講談社エッセイ賞受賞作。解説:福澤徹三
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
ちょっとした違和感とかぞわってすることを、コミカルな文章で書いてあって、その中には、わたししか怖いって思ったことないと思ってた!ってものもあって、ちょっと安心すると共に、逆に、こんなことこわいんだなぁ、と、人の感性の唯一無二さと無限さを感じる面白い本です。
そして、装丁がスゴイヨ!
装丁(鳥肌に見立ててぶつぶつになってる!のと、マットな肌触り)とタイトルと中身と、フォントどこをとっても面白い本でした。
_φ(・_・
■自分フラグ
自分が何をしでかすかわからないという恐怖、これ本当に自分だけ頭の回線おかしいのかもと思っていたけど、他にもいて(少なくとも穂村さんがそうで)ちょっと安心、、、よかった、、、
よく思うのは、舞台やライブ観劇中に、私が今ここで舞台に上がったらどうなるだろう、という意味わからんことをよく考える。自分でも謎。いつかやっちゃうのかな。
■他人に声をかける
これこそみんな持ってるものなのでは。
電車で席を譲れないのは、譲ることに抵抗があるわけではなく、他人に声をかけることに抵抗がある、いいことだろうが悪いことだろうが他人という未知の扉を叩くことは本質的には恐ろしい。という一文は、分かる人にはわかるのではないだろうか。
幼少期のほうが、こういう、他人に対して素直にやってあげたいな、とおもうことをできていたのはどうしてだろうか。
世の中とか他人とか社会とかを知りすぎてしまったからなのか。
逆に、わたしは、時によってはむしろ声をかけないでくれオーラを放ちまくることもあるし、オーラとか目に見えない雰囲気というのは本当にあるんだろうな、と思う。
■原材料という不安
これもわかるよ〜!!最近、加工食品の原材料みては慄いて、棚に戻すっていうのを繰り返してる。人間の生命維持のために遠ざかるほど怖さが増す、のもわかる。
肉食というのも怖いし、それが弱肉強食というのであれば、娯楽的に(化粧とか皮とか)他の動植物を搾取しているのって、やっぱり、なんとなく、いい気持ちはしない。
こないだ、プラセンタが入っててとてもお肌にいいですよ〜プラセンタって豚(牛?)の胎盤なんです〜って言ってるお姉さんみた時は、ほんとにちょっと恐怖だった。
Posted by ブクログ
こわいものにまつわるエッセイ。といっても、おばけの類いではなくて、「人間が一番怖い」系。あとは、人の目が怖い、とか。
考えすぎでしょ、と思わなくもないけど、身の回りに目を凝らしてみると見え方が変わるかもしれない。
Posted by ブクログ
寝る前に少しずつ読むつもりでいたのに、あっという間に最後のページまでめくってしまいました。
特に赤ちゃんを抱くのが怖い、次に自分が何をするか不安という感覚に共感しました。
普段なら、言い表せず、もやもやしたまま素通りしてしまう鳥肌が濃縮された一冊でした。
Posted by ブクログ
頭の中にふと浮かぶ怖い想像。日常の中に潜む不安。恐ろしい出来事が起こるんじゃないかと妄想が沸きだす。そんなホラーな話が穂村さんの手で綴られた短編エッセイ。じわじわ怖い。タイトル通り「鳥肌が」……!