穂村弘のレビュー一覧
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ふとした時に見かけた看板の文言や、街中での他人の会話を聞いて感じたことを主にまとめたエッセイ集。
相変わらずのほむほむ節が炸裂していて、面白い。氏のゆったりのんびりとした文体が好き。「なにそれ、どういうこと?」って前のめりになったり、「わかるわかるw」と共感したりしながら読んだ。
若者たちに写真を頼まれて「はいチーズ」と言って伝わったか不安になっちゃう話とか、友人の奥さんが夫婦喧嘩した時にマジックで床に×印を書いて「ここで首を吊るから」と言い放った話とか、美華さんが自分の名前の漢字を伝える時に「美しいに華やか」ではなく「美術の美に中華の華」と遠回しの言い方を使った話とか…
こういう些細な -
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近くのショッピングモールの本屋さんでなんと、この本が三冊並んでました。短歌コーナーが前よりも大きく設けられているような気がします。この本の表紙は今までの穂村本と趣が違って、ジェットストリームのようなシックな色合い。装丁葛西薫さん。
内容はいつもの昭和感満載で安心します。街角でふと耳にしたことから膨らむ、ほむほむ妄想世界へ!本書のテーマは「偶然性による結果的ポエム」ですって。穂村さん短歌はなくエッセイのみです。
『前にも云ったかもしれないけど』、同じこと言っちゃってます。わかります。
『昭和?』「私も何かを云った後で、今のは昭和だったかなあ、とよく不安になるのだ。」、同感。
『名前の教え方』、自 -
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暴力的で荒々しい言葉遣いだけど美しい言葉の印象を受けました。
暴力的だと感じるのは、恋人(たぶん)をおまえと呼ぶせいかもしれません。
それと、女性を女と呼ぶせいもあるでしょう。
文学で言えばエンタメ系ではなく純文学系の感じがしました。
もう一人の現代の代表的歌人である俵万智さんはエンタメ系というイメージです。
考えたのですが、穂村さんが恋人をおまえと呼び女性を女と呼ぶのは穂村さんは平成、令和の歌人ですが、穂村さんが昭和生まれだからで、そんなに暴力的という訳ではないのかもしれません。でも、あなたという呼称もありますが。
今だったらぼくらとか君とかが多いような気がします。
拙い的を得ない感想だ -
Posted by ブクログ
昨年の年末に、111108のレビューを読んで購入した。読みごたえがあって何度も読んだ。
一番印象に残ったのは、5552もレビューで書いていた「オートマティック」な感じになるのはだめというものだ。慣用句的な表現といっていいかもしれない。慣用句的な、みんなが使いそうな表現を使うと、オリジナリティが希薄になる、そんな内容を書いていて勉強になった。
2章の設置法では、歌集の作り方などを著者自身の経験をもとに書いている。歌集のタイトルは自分の名前とのバランスが大事など、他の短歌入門書ではあまり書いていないことも丁寧に書かれている。
3章の構造図は、いろんな短歌を分析している論文のようで少し難しいが -
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「何かをみつけるの何かって、いったいなんだ。これだというものって、いったいどれだ。今すぐにそれをやり始めて、世界と自分を決定的に変えられるような何かはどこに隠れているんだろう。
経験的に私が示せる答えがひとつある。それは短歌を作ってみることだ。案外そんなところに、「何か」は隠れているものではないか。
(中略)
その時々の景色や感情を封じこめるという点で、短歌は写真みたいなものであり、生き生きと想いを伝えられるという点で、手紙みたいなものでもありますね。
そしてぼくたちが大昔の歌に感動できたり、逆に未来の読者を夢見たりできるという点で一種のタイムマシンでもある。あと言っておきたいのは、今しか作れ -
Posted by ブクログ
掲載されている短歌自体も素晴らしいが、穂村弘の解説も凄い。一つ、紹介したい。
“君を待つ3分間、化学調味料と旅をする。2分、耐え切れずと目を覆い、蓋はついに暴かれた。”
せつこという、当時15歳の女性が書いた短歌だ。定型から完全にはみ出したこの短歌に著者はこう書いている。
“カップラーメンの出来上がりが待てなくて2分で開けて食べちゃった。たったそれだけのことを、ここまでハイテンションに詠い切ったのは凄い。今度は五七五七七の短歌定型でつくってみてください。”
化学調味料と旅をする、っていう表現も斬新だが、蓋はついに暴かれた、っていう表現はもっと凄い。
先祖代々絶対開けてはいけません、と言