穂村弘のレビュー一覧

  • もしもし、運命の人ですか。

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    急げ。
    うすのろ。
    今ここで愛を告げろ。

    それが出来ない男の心のつぶやきと叫び。
    穂村さん、好きだわぁ。

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    2022年10月20日
  • 鳥肌が(PHP文芸文庫)

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    ふとした日常で思うこと。穂村さんの考えと重なる部分も多々あり、自分を理解してくれているのでは?と錯覚に陥ってしまった。
    「出会いたかった本がここにある」と帯に書かれていましたが、まさに!平積みしていた書店に感謝です。出逢えて良かった!これから何度も読み返します。

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    2022年10月19日
  • 短歌ください 明日でイエスは2010才篇

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    掲載されている短歌自体も素晴らしいが、穂村弘の解説も凄い。一つ、紹介したい。

    “君を待つ3分間、化学調味料と旅をする。2分、耐え切れずと目を覆い、蓋はついに暴かれた。”

    せつこという、当時15歳の女性が書いた短歌だ。定型から完全にはみ出したこの短歌に著者はこう書いている。

    “カップラーメンの出来上がりが待てなくて2分で開けて食べちゃった。たったそれだけのことを、ここまでハイテンションに詠い切ったのは凄い。今度は五七五七七の短歌定型でつくってみてください。”

    化学調味料と旅をする、っていう表現も斬新だが、蓋はついに暴かれた、っていう表現はもっと凄い。
    先祖代々絶対開けてはいけません、と言

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    2022年10月16日
  • 鳥肌が

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    宅配で届いた本を暗がりで触って、うわすごい気持ち悪い汚れがついてるから後でエタノールで拭こう、と思ったのですがどうやら特殊印刷でした。
    タイトル通りで大成功か。

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    2022年10月07日
  • 短歌ください

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     読者投稿の短歌を、温かい眼差しで掬い上げる著者の眼差しがとても魅力的。よい投稿作品が送られてこなければ成立しないものはずなのに、著者の添える一言ですべての作品が輝いて見える。この歌人さんは、ご自分もすごい歌を作られるけれども、他の人の歌を見る目もとてもすごいと教えられた。

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    2022年10月05日
  • 短歌と俳句の五十番勝負(新潮文庫)

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    ネタバレ

    五十番勝負だから、1日一番ずつ読もうかなーなんて思っていたが、面白すぎて、さくさく読めてしまいました。

    「俳句」と「短歌」って、同じようなものだと思っていたけれど、全然違うことに驚き、短い中に込められたいろいろなものが湧いてくるようで、浸りきりました。

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    2022年09月28日
  • シンジケート[新装版]

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    やっと手に出来た穂村さんのデビュー作。
    凄かった。
    度々鳥肌が立ったのは、FRESHNESS BURGERの冷房がききすぎてただけじゃない。
    これいい!こっちもいい!と付箋を立てていたら、付箋紙の意味がなくなった。

    リアリティの中の夢心地の瞬間を絶妙に捉えた句。
    逆に、キラキラ名詞のあとに続く塩辛い現実。
    はたまた静と動の美しさ。
    口語体の魔力。
    愛しき日常の素晴らしさ。
    その刹那にセンチメンタルな気分になる。
    そしてふと、私達読者のどんな毎日にさえ、それらは含まれるのだと気付いた。
    毎日を丁寧に生きていきたいものだ。

    これがデビュー作だなんて、ホント衝撃だ。
    当時、サラダ記念日のお祭り騒

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    2022年09月29日
  • あの人と短歌

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    key word 対談集 短歌 ゲストジャンルは様々 牧水すごい 現代近代歌

    短歌はすごい、エッセンスや感性・文法が凝縮されている気がする。だから深く、ゆっくりと味わいたい。好き。でも不安になる。私の一方的な感覚で読んで良いのか…。
    歌集も好きだけど、対談集やエッセイ付きのものは読み人や選者の話も聞けて安心して読める。この本は安心したり、新しい一面と出会ったり、感覚・感性を擦られるいい本です。穂村さんの少し内向的で穏やかな印象が尚更素敵です。
    素敵な本、ゆっくり丁寧に読みました。

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    2022年09月25日
  • ぼくの短歌ノート

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    「高齢者を詠った歌」「間違いのある歌」など、近現代の名歌から新聞歌壇の投稿歌までテーマごとに、穂村弘が気になった短歌を集めて解説している。

    「間違いのある歌 その2」
    “誤植あり。中野駅徒歩十二年。それでいいかもしれないけれど   大松達知”

    この短歌に関して著者は、こう述べる。
    “人生の殆どが旅になる。なるほど、それも悪くはなさそうだ。”

    「ドラマ化の凄み」
    “わが使ふ光と水と火の量の測られて届く紙片三枚”

    これは大西民子という歌人の短歌だが、簡単にいうと「水道光熱費の請求書が来た」、ということだ。著者はこう書いている。

    “光熱費の請求書が言葉の力によってこんな見事な歌になるとは、

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    2022年09月25日
  • 短歌ください 明日でイエスは2010才篇

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    ネタバレ

    穂村さんのダ・ヴィンチ投稿のため、傾向と対策を知る参考書と思って取り寄せた 2010-2013年(第31-60回)連載分をまとめた単行本の加筆修正した文庫版 表紙は陣崎草子さん
    ブク友の5552さんも張飛さんもライバルですからねっ

    題詠はほんと苦手、今度のお題は切手だけど思いつかない
    テーマは多彩で罪、同性、数字、自然、体、味、エロ、距離、声などなど
    自由詠も募集していて、『どちらのテーマも上限はございません。どんどん送ってください』ですって
    皆さんの「穂村さんに読んでほしいんですけど!!!」と渾身の最高傑作を差し出し、素晴らしい作品が目白押し、才能のぶつかりあいですっ こりゃあ穂村さんに選

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    2022年09月13日
  • あの人と短歌

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    エッセイストや俳人など、様々な分野の短歌好きな人と対談しているから、短歌の魅力を再発見できる。

    著者の短歌に対する考え方も知ることが出来、短歌を作るうえで参考になるような言葉もたくさんあった。

    一番印象に残ったのは著者が、歌人の鳥居に贈った言葉。彼女の魂を「磁力」に例えて、こうアドバイスしている。

    「それを意外なところに突っ込み続けていけば、まだまだ良い歌ができますよ。それこそ幸せな状態とか、恋愛について書いたらどうなるのか、とか。まだ突っ込んでいないところはいろいろあるわけですからね。」

    俺は、この言葉を読んで今まで詠んでなかったような事も短歌にしていってみようと思った。

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    2022年08月28日
  • シンジケート[新装版]

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    とにかく、面白くて時間を忘れるほどはまってしまう歌集だ。

    高橋源一郎という人の、解説文も素晴らしい。著者の短歌の魅力を分かりやすく書いている。真実を鋭く見抜く目を持っているのだろう。劉備兄貴に孔明の事を紹介した水鏡先生のようだ。

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    2022年07月31日
  • 短歌ください

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    言葉なんて絵画や彫刻といった芸術には敵わないとどこかで私は思っていた。そうじゃなかった。短歌という31文字の世界は無限大の可能性を持っていた。投稿作品の底知れない凄さを見事に抱きしめて打ち返す穂村弘という人の懐の深さに脱帽した。日本語がまた好きになった。

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    2022年06月17日
  • 野良猫を尊敬した日

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    久しぶりにほむほむのエッセイを読んだ。
    実はこれ、単行本の時に買って、サインまでしてもらって、だいじ〜にとっておいたんだけど、サイン本は気軽に読めないことに気付いて(笑)文庫版を買ったのです。

    最後の天文部の流星群の話、余韻が最高だった。
    高校の部活の感じと、大人になってから全然会わなくなるというのが本当に分かる。

    あと好きなのは「部屋」の章。
    どんどん不穏な感じになっていって、でも切なくて、最後の一文でその場の空気感とか物理的な温度まで感じられそうに締めているの、さすがとしか言いようがない。

    ほむらさんは、エッセイではとことん自分がダメだなぁとぼやいているのだけれど、現実に起きるちょっ

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    2022年06月15日
  • もしもし、運命の人ですか。

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    初穂村さん。面白い、好き!
    駐車場の話とか、好意の数値化とか、鹿の山内さんとか。
    夫にも薦めたいって思うけど、男の人が読むとまた違う感想なのかな。
    そんな穂村さんの奥さんがどんな方なのかも気になるところ。

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    2022年06月12日
  • 鳥肌が

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    世の中にこんなに、こわいと感じることがあるとは。
    とは言えど、『怖い』というより『コワい』と表現する方がこの場合しっくりくるような気がします。
    目のつけどころが違います。歌人だからでしょうか。
    穂村さん、面白すぎです。

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    2022年06月09日
  • にょっ記

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    とても、とても好きな本だった。
    小さくて、可愛らしいんだけど、ふとした時に下ネタが入ってきたり、俗っぽくなるところが、そういうところがものすごく“普通”な感じがして好き。

    特に良かったのは、
    真夜中に、ぬいぐるみたちに通知表を配る日。
    分かる!!

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    2022年06月01日
  • 短歌ください 明日でイエスは2010才篇

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    ネタバレ

    「どこにでも行ける気がした真夜中のサービスエリアの空気を吸えば」サービスエリアって特別な感覚になる。嗅覚も聴覚もとても澄んでほんとうにどこまでもどこまでも行けるよう。人工物の匂いから自然が救い出してくれるような、どこか懐かしい香り。不可思議で少し足がすくむ感覚。思い出してアンニュイな気分になった

    「煮え切らぬきみに別れを告げている細胞たちの多数決として」こうでも結論づけなくちゃ前に進めないよなぁ。とも詠めたし、全力で拒絶しているとも仮定できた面白い歌。人間関係の断ち切りの難しさを感じる

    「筆圧の強いあの子が今日は来たイヤホン外して「かりかり」を聴く」今日は、はいつも心待ちにしている人なのか

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    2022年06月05日
  • にょにょにょっ記

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    好みの表現が多かった。
    くすっと笑えて、本の中で散歩をしているようなわくわく感を味わえる。
    シュールな笑い好きさんには、ぜひ読んで欲しい本。

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    2022年05月11日
  • シンジケート[新装版]

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    最初、全く意味が分からなかった。

    穂村弘さんの作品は初めてだし、そもそも、短歌の歌集を読むのも実は初めてで・・・最後の記憶は、中学校の国語の教科書だったろうか。

    「あれ、短歌ってこんな感じだったっけ?」というのが、まず思った印象で。
    穂村さんを知ってる方には、本当に申し訳ないのだけれど。

    それでも、とりあえず、細かいことは気にせずに、読み続けてみようと思い、ひたすら歌を追ってみると、だんだんリズム感が出てきたようで、根拠不明な面白さに陥り始めたとき、最初に気になった歌が現れた。


    俺にも考えがあるぞと冷蔵庫のドア開け放てば凍ったキムコ


    えっ、キムコって、あの悪臭を守る、あのキムコ?

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    2022年04月08日