穂村弘のレビュー一覧
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自分にはない感性で作者のこれまでの恋愛変遷が描かれていて面白かった。過大妄想や繊細な描写もあれば、好意の数値化やら性愛ルールの統一やら合理的な場面もあって、男性脳と女性脳両方所持してるんじゃないかと感じるくらい思考の幅が広いと感じた。身近にいたら面倒そうだけど、些細な日常をこんなに面白おかしく語られたらそのセンスに嫉妬してしまうかも笑 どこまで本気で冗談なのか掴みにくい文体も、作者の言葉を借りるならわけのわからないワイルド系と不思議ちゃんの中間くらい掴みどころのない人だと感じた。自己愛や過剰な自意識、妄想も、知識とユーモアと好奇心さえあれば魅力に変えることができるという希望を持てた。掴みどころ
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穂村弘(1962年~)氏は、札幌市生まれ、上智大学文学部卒、1986年に連作「シンジケート」で角川短歌賞次席(同年の受賞作は俵万智の『サラダ記念日』)、1990年代には加藤治郎、荻原裕幸らとともに「ニューウェーブ短歌」運動を推進した、現代短歌界を代表する歌人の一人。歌誌「かばん」所属。エッセイスト、絵本の翻訳家等としても活動している。
堀本裕樹(1974年~)氏は、和歌山市生まれ、國學院大学法学部卒、出版社勤務、コピーライターを経て、角川春樹が主宰する俳句結社「河」に参加し、結社賞の各賞を受賞。3年間編集長を務めた後、2010年に独立。俳句結社「蒼海俳句会」を主宰。創作のほか、句会やイベントを -
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穂村弘さんの短歌入門書ですね。
まことさんのお薦めの本でした。読むのにかなり時間が掛かりましたが、興味深く読めました。
まことさん、ありがとうございます。
入門書とありますが!歌人の為のステップ解説書と、短歌の構造別の解説書が主な主題ですね。
穂村さんの圧倒的な短歌愛にあふれ、エネルギッシュに語りに騙ります。ただ、時代的に、巻末の対談で語られているように、この本が出された時代と、現在には些か温度差があります。それほど、短歌の世界も目まぐるしく進化を遂げているのに、驚きを感じます。
私は、短歌のまだ素人ですが、その私にも、短歌の表現の自由さや世代の広がりを、短歌集に(まだ、それほど読んで -
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歌人・穂村弘が、歌について考える。自己や他者、コミュニケーション、性別、リアリティ……様々な世代の歌人たちが詠った短歌の「面白さ」を味わう、著者初の歌論集。
主に短歌系の専門誌に掲載された文章を集めた、穂村弘さんの歌論集です。
正岡子規や与謝野晶子などから現代の歌人まで、様々な時代の短歌を取り上げ、それを味わい、鑑賞・分析するような本。
進むにつれ専門性が高くなっていくような気がして、鑑賞専門だけど短歌は好き、くらいだとちょっとレベル高いかもと思ったのですが、エッセイのような雰囲気も強かったのでそれでも楽しく読めました。
するっと心に入っているような素朴な歌から、繰り返し読んでも掴みどこ -
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穂村さんの本名が「辻」(しんにょうの点は一つ)だと知った。
その「辻」を高確率で「述」と誤記されるとあった。そうなのか。しんにょうの点を二つ書いてしまうほうが多そうだけれど、そんなのは普通すぎて面白くないか。そんなものでは文章にならないのかもしれないな。
(本題と関係ないが、プロが文章を書くこと自体の操作性に思い当たってしまった。そりゃそうだ、面白く書くのがプロなんだ。気持ちよく面白がってられるのは作家のおかげなんだな。穂村さんの文章が好きなのは、天性のものに惹かれたからと自分で思ってたけど、違うのかもな。)
なんてことない言葉やどうということもない会話を拾って題材にしてるの、エッセイで -
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ネタバレ穂村弘の書評集は、他の書評集より読むのに時間がかかります。
作品を論理的に読み解き、分析し、解説してくれるような書評は、私には読みやすいのですが、穂村弘は感覚の人なのです。
まず感性が受け止めたものを、感覚を通して言語化して論理化する。
その感性の部分が私には圧倒的に足りていないと、いつも痛感させられます。
俳句は少ない文字数で表現するため、何をどれだけ削除しているかを脳内で補いながら読む。
それは絵画や写真と同じく、完成の不足を論理で逆算するということで、拙いながら、なんとか理解できる…時もある。
けれども、短歌は…未だ読み方がわからない。
描写の奥に隠された思いを読み取れないのです。
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うかつだったり、見栄っ張りだったり、怠惰だったり、薄情だったり…。
そういう自分の姿には、ついつい目を瞑ってしまうのが人間の性だ。そうやって、不都合な自分を無かったことにし続けるからこそ、私たちはふだん、自分自身をかわいいと思えるのではないだろうか。
穂村さんは、おもしろい。そして、油断のならない人だ。
「僕なんて、僕なんて」とずりずり後ずさりながら、私たちの核心に迫ってくる。後ろめたいところを、ぴたりと言い当ててくるのだ。
ご本人にはもちろん、「読者の痛いところを突いてやろう」なんて意図は微塵もないだろう。自分の古い傷跡を見せながら、当時を振り返る。本当にただそれだけのつもりかもしれない。 -
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著者のエッセイや書評を読むと、本が付箋だらけになる。今回一番、ああそうだそうだよ、あの感覚は言葉にすればこういうことだったんだ!と思ったのは、次のくだり。
「『おれは鉄平』を読んでいると、座禅や瞑想をしている時よりも(したことないけど)自分の心が無になっているような気がする。純粋な面白さの中に〈私〉が溶けてしまった感覚である」
そう、夢中で本を読んでいるときって、「私」は「溶けて」しまっていて、四六時中自分にべったりと張り付いている自意識から解放されている。本を読まずにいられないのには、その快感を求めているという面が確かにある。
また、「命や神の問題は、本当は人間にとっての最大の関心事なのだ