穂村弘のレビュー一覧
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穂村弘さんと彼の憧れの方々との対談集(2014~2015に連載の内容)。お相手は谷川俊太郎、宇野亞喜良、横尾忠則、荒木経惟、萩尾望都、佐藤雅彦、高野文子、甲本ヒロト、吉田戦車という錚々たる方々である。
穂村さんは自分より10歳近く年上だが、同じ時代を追いかけてきたという感覚はあり、いずれの対談も共感するところが多かった。驚いたのは、佐藤雅彦さんが穂村さんの文章を写経していたという話。他にも、萩尾望都さんの「11人いる!」の続編のネタバレとか。
また、期せずして、YouTubeチャンネル「三宅書店」で高野文子さんの『るきさん』が紹介されていたのを観て、共時性を感じた。読んでみようと思う。 -
Posted by ブクログ
神保町の古本市で、たまたま立ち寄った店でたまたま見つけ、たまたま知っていた「穂村弘」という名前(永井玲衣さんの本で見かけた)と、たまたま見たことのあるフジモトマサルさんのイラスト(村上春樹さんの本で知った)と、たまたま西加奈子さん(好きな作家の1人)の文も収録されていることもあり手に取った。
穂村さんの「歌人」という肩書きからすると、最初の一冊として読むのは変化球なのかもしれない。蕎麦屋のカレーみたいなものか。でも「この人の話は面白いな」と思うには充分すぎる内容だった。これだから古本探しはやめられない。
本との出会いは人との出会いに似ている。たまたま知り合った人の話がとんでもなく面白かった、なんて最高だと思う。 -
Posted by ブクログ
ビックリしたのが若い人だと思ってたけど、読み進めて、あれ?60代超えてるの?と思った。文章がおじさんらしくなくスッキリで説教くさくない、おじさん特有の自虐的卑屈さもなくヘヘっと笑ってそうな文章力が魅力的な人。
それを踏まえて奥様とのやりとりもチャーミングでお互いをよく見ていてよく話を交わして、よくある真実の愛や愛してる心から!なんて愛を語る事はハリボテでこの二人の間にある事こそが、愛というべきものだと思う。
唐突な話をしてもよく聞いて、見ている世界が違っても受け入れて、謎だとしても謎だなぁとしみじみして、こんなに話をしている二人なのに、ずっと一緒だったのにこんな事知らなかったと新たな相手の側面を発見したとして喜ぶ二人がかわいい。
本自体も見開き1頁に一区切りで読みやすく、
ぼんやりした日常の中でもふと思った事を上手に書き縮められ
また、1つの事を大きく頭の中でパラレルワールドを展開し思いにふける事もあるので
エッセイと一言にはいえない、愉快さも持ち合わせている。
好きなのは280ページの「旅行のこれから始まる喜び」。メインイベントの名所の絶景よりも
リュックを背負って初めての街にでた、平凡な町並みの方が空気がキラキラしていて旅が始まった!という感覚が好き。コースもそうだメインのステーキよりも前菜のこれから始まります!のワクワク感がたまらない!
という事をたった2頁にしっかり書ける
気づきと要約さ。この本を読んでよかったなと思える。
旅行の新幹線や空港のワクワクとか
宿からでた1歩目…そうそうわかるわかる!
という日常の些細な散りばめられた好きを大事に掬ってくれている。 -
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短歌自体はあまり読まないし詠まないのですが、穂村弘さんの短歌に対する優しいコメントが好きです。
はじめて穂村さんのエッセイを読んだけど、面白かった。
穂村さんはけっこうダメ人間な感じで四十代まで来て、「社会の片隅で、役に立たない自分が役に立たないことばかりを考え続けた結果が、現在のものを書く職業につながっているのかもしれません」と書いてある。
「けれども人間の最終的な目標は生きるのほうのはずです。多くの人が死ぬときに後悔するのは生き延びることに資源を割き過ぎたということなんですね。「もっと純粋に生きることに熱中すれば良かった」と思う。」
ゆっくりと考えさせられました。 -
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『ダ・ヴィンチ』誌上で今も連載されている、穂村弘さんが読者から募集した短歌を選び、評する「短歌ください」。人気シリーズ第三弾の文庫化。
歌人の穂村さんが、読者から寄せられた短歌を評する「短歌ください」の文庫化第三弾です。今回も面白い。
それぞれの短歌の短い文中にぎゅぎゅっと詰められた、作者さんごとに違う言い回しや世界観。日本語って本当に色々な表現方法があって、軽やかだったり重厚だったり自由で大好き。
個人的に気に入った歌をいくつか。
「半ドンの日は掃除機をかけながらママとチャーハンが待っている家」(こずえさん、テーマ「昭和」)
チャーハンのリアリティ。初夏の日差しの香りもしそう。
「余るものはいらないものだ ひとりだと全ての時計が壊れて見える」(三日月さん。自由題)
余るものはいらないもの。なくすものも、壊れたものもいらないもの。脆くて寂しげな自己否定感が美しく表現されてる気がします。
「あの人のつまさきとっても好きだから私を履いて「トントン」てして。」(ヨシムラさん。テーマ「靴」)
透きとおった純粋な恋の歌なのに、なんだかとっても色気を感じる。何でだろう。 -
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短歌を読むこと、特に歌集が、あまり得意ではないのです。好きではあるはずなんだけど。
1ページに何首も並んでるのを見ると、ペース配分に困ります。いいねーステキ、これ好き、わあすごい!ぜんぜんわからん、はいまたステキ、では次、と行き過ぎちゃう。
読み方が雑すぎる!と反省してじっくり感じ入って読もうとすると、今度は振り回されて疲れちゃう。
ふいに心を刺されて泣けるかと思えば、全然わからなくて疎外感しかないのもある。この乱高下から適切な距離感を見いだすにはどうすればいいの…
そんな私にとって、とてもありがたい本でした。
本の流れに視線を任せるだけで、読むことに焦らなくてすむのがうれしい。
まず口絵。画と歌の組み合わせを1ページずつ目で愉しむ。続いて、見開きで一首ずつゆったりと、読む。片ページに歌、片ページに穂村弘さんの解説。
穂村さんのファンにとっては、解説はオマケではなく、こちらもメイン。心に触れる瞬間をすくい上げ、軽やかに共感させてくれる心地よさ。さらに、無名の投稿者が対象の「短歌ください」の短評と違って、歌人の作風やバックグラウンドにも触れて、情緒と客観のバランスを整えてくれる。
迷子になりそうな視線にすっすっと補助線を引いてくれるような、その加減が絶妙です。
ガチャポンというタイトルの通り、いっけんランダムに現れるいろんな短歌。時代も出典もいろいろ、でもたしかにひとつのまなざしが選んだ百首。そのまなざしを信頼していれば大丈夫、と思いながら読むことができました。
あとは余談。
短歌って、選ぶこと、そして効果的にプレゼンテーションすることで引き立つんだなあと感心し、そういえば日本人、昔からそんなことやってきてますねと思い当たり。
百人一首のかるたなんて最たるもの。
生まれる前からあったものだから意識したことがなかったけど、1枚ずつカードにしてゲームにしちゃうなんて、いつだれが考えたんだろう。こんな発想は日本だけ?それとも、中国には漢詩の、英国にはマザーグースやシェイクスピアのソネットのカードゲームとかあるのかな?探せばありそう。
苦手とか言ってないで楽しまないと勿体ないですね。自分なりに馴染んでいきたいな〜と改めて思ったのでした。