あらすじ
日常生活の中で感じる他者との感覚のズレ、居心地の悪さ。「ある」のに「ない」ことにされている現実……なぜ、僕はあのとき何も云えなかったのだろう。内気は致命的なのか。共感必至の新感覚エッセイ。
装丁=横尾忠則
感情タグBEST3
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自分も自意識過剰で考えすぎなところがあるから共感したり、ほぇーこんなことまで考えるんだなぁと驚いたり。
日常の中で感じるちょっとした違和感だったりをこんな風に切り取って、こんなにうまく面白くまとめるなんて、すごいなぁ。
とにかく面白くて、何度もぷっと吹き出してしまった。
穂村さんのエッセイ、たくさん読みたい!
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解説より引用「穂村さんは『無意識の合意』の不具合を見破ろうとしている。自分の『できなさ』を武器として世界を解析し続ける。」 穂村さんの本は私の心の安定剤。共感度100%でこんな人私以外にいるんだ!じゃあ結構いるのかも!と安心させてくれる。 普通のことができないこと、嫌なこと、恥ずかしいことがあっても穂村さんのように後でネタにできればいいのになぁ。 普段の生活の中の、普通は話題にもならないようなことや感覚を、正確に自分の心情とともに描写する力欲しい。
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ひとつひとつはすごく短いのだけれどその全てのオチのつけかたが天才すぎる。気にしすぎだよ、と思う部分も多いけどそれがこの作者の感性なんだろうな、本当に繊細だよ、、それでいてだいたい全て、読み終わった後に心が温かくなるというか、軽くなるのですごい。折に触れて読み返したい掌集。
「パッチワーク博士」「永久保存用」「心と爪先」「東大でいちばん馬鹿な人」「スピーチ」とか好きだった。
⚫︎あらすじ
永久保存用 いちばんヨクキク随筆集
人気歌人にして、エッセイの名手・穂村弘の、もっともセンシティブな部分を収録したエッセイ集。自称“ふわふわ人間”穂村弘のあたふたっぷりに共感しつつ、その鋭い自分観察と分析は、まさに“永久保存用”の納得感。
(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
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ゆるいけど、なんか核心をついているというか、「そういうこと、あるある。なんだろうね、あの気持ち」みたいな共感できることもあり、穂村弘のエッセイは本当に好き。
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通勤電車の中や家でご飯食べてる時や、フフフと読んでた癒しエッセイ。
著者はどうしてこうも内気人間の心に刺さる文を書かれるのか… たぶん陽キャの人には (何言ってんのこの人) ってなる内容なんやろな… (遠い目)
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すっごく共感できた。私もふわふわ人間だなぁ〜。
確信が持てない、正解がわからない。ズレている自覚はある。だからこそ、なんで?ということをたくさん考える。考えたことがズレなく、確実に、表現されているところが、すごい。他のエッセイも読んでみたい。
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穂村弘(1962年~)氏は、札幌市生まれ、上智大学文学部卒、1986年に連作「シンジケート」で角川短歌賞次席(同年の受賞作は俵万智の『サラダ記念日』)、1990年代には加藤治郎、荻原裕幸とともに「ニューウェーブ短歌」運動を推進した、現代短歌を代表する歌人の一人。エッセイも多数執筆しており、『鳥肌が』で講談社エッセイ賞(2017年)を受賞している。。
本書は、2013年に単行本が出版され、2017年に文庫化された。
私は、短歌に興味を持ったことをきっかけに、先日著者の『はじめての短歌』を読んだところ、その中で著者は、人生には「生きのびる」と「生きる」という二つの側面があり、短歌とは「生きる」ことを表現したものである、と語っており、その軽妙な語り口にも惹かれて、本書を手に取ったのだが、期待に違わぬ、実に面白いエッセイ集だった。
何が面白いのか? 著者は自らを“ふわふわ人間”と称し、本書の中で、現実世界の合理に則した行動を取れない自分の姿を描き、できないことの多さをため息と共に列挙しているのだが、そのひとつひとつが、私自身の奥底に仕舞い込まれた「現実に対するそこはかとない疑問」を刺激し、強い共感を覚えるのだ。程度に差はあれ、多くの人が同じような感覚を抱くのではないだろうか。
それについて、陣崎草子(絵本・児童文学作家、歌人)は解説で次のように分析している。「本当は穂村さんは、「すべきことを当たり前にできる」ことを前提として合理的に回る社会や、「今、ここ」にコミットすることで幸福に耽り、現実の破れ目を忘れようとする意識の在り方など、私たちの世界を覆う「無意識の合意」みたいなものの不具合を、とてつもない真剣さで見破ろうとしているのではないか。自分の「できなさ」を道具として世界を解析しつづけることで、「神が創りたもうたこの世界」のほころびを、舌を巻く細やかさで指摘し、摂理のおかしさを暴こうとしている。それは自己の生について「どうせ死ぬ」と腹を括って「今、ここ」にコミットし、神の摂理に合一することで幸福を得て、永遠を感じようという「満ち足りた私」型の方法論とは、真逆の生き方になってくる。だから穂村さんは、「今、ここ」に生きるという在り方と、自身の在り方との「ずれ」に苦しみ、情けなくなる。しかし、そのねじくれた「ずれ」こそが、卓抜にユーモアとエッジの効いた散文を生む原動力にもなっている。「足りてない」ことへの怒りが燃えあがることで、かえってどうしようもないおかしみが生まれてしまうのだ。」 納得である。
また、巻末には又吉直樹との20頁ほどの特別対談も収録されているが、こちらも面白い。
穂村さんのユニークかつ鋭い感性をして描き得る、出色のエッセイ集と思う。
(2021年2月了)
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飛行機の中でニヤニヤしながら、ずっと読んでた。
飛行機で本読んでると、キャビンアテンダントさんから「読書中すみません、お飲み物はいかがですか」って言われるのすごく好き。というか、それ言われるために読んでる気持ちもある。あれ漫画読んでたら何て声かけられるんだろうか...?漫画でも「読書中すみません」なのかな、今度試してみたい...。
ちょっと落ち込みそうな時に読んだらふふっとなって、肩の力抜ける。世界を2種類の人間で分けたら、自分は絶対に穂村さん側ですよ...。
不器用さの果てに
穂村弘さんは、常に社会における「まともさ」「当たり前」「こうあるべき」などと戦っている。そして、穂村さん的には、大抵「負けている」。
私は穂村弘さんのファンで、エッセイはほぼ読んでいるが、最近の穂村さんは、社会に負けつつも、小さな小さな勝利を自分なりに見出してきたのではないだろうか。
それは社会にうまく馴染めない同志達を強くする。独りで戦って、ボロボロになりながら、「それ、おかしくないか、、?」と、ボソボソと負けを負けとして終わらせない精神力で、私達の道を切り開いてくれるような。
生き方が下手。社会に認められなくて辛い。人間関係がうまく掴めない。そんな私達でも大丈夫。そんな気にさせてくれる心の奥底で使えるハウツー本です。
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「片道一時間四十分の通勤だけで限界だった。満員電車の中で、今にも叫びそうになる。でも、そんな人はいない。本当に叫び出した人は見たことがない。まさか、これだけの人間がいる中で、私の耐久力がいちばん低いということか。」
職場で客を前に同じ我慢をしている。
読みながら、わかるわあ〜と思ったり、そんな繊細な......こっちがガサツすぎるのだろうか、と思ったりした。
中でも「パッチワーク紳士」が好きだ。私も、ちょっとでも状況が厳しくなると態度が変わるし、「押したらこいつの心臓が止まるボタン」が手のなかにあったら即押す。
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だいぶ軽く読める、現代短歌の第一人者のエッセイ集。ちょっと神経質で、だからこそなんか分かるので、わらってしまう。人生ってこんなもんなんだろうなぁ。
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気軽に読み返したくなる本。ショートショートというと星新一のようなSF系の内容によりガチなイメージだが、本書はエッセイのような小話集という感じがした。作者本人の実体験が書かれているような話が多かったが、どこまでが事実でどこからが作り話なのかが気になった。ショートショート好きなのだが、あまり読んだことがない雰囲気で最後まで楽しく読めた。
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日々の事柄で思うことなどが書かれたエッセイ集。自身の自意識過剰さとか、不器用さ、自信のもてなさなどがトピックになってることが多かったが、そんな自分をみる視線が妙に落ちついてるのがなんか心地よい。共感するところが多かった。
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「蚊がいる」(穂村弘)を読んだ。
世の常識(と思われているもの)と自分の中のコアな部分との(面白くてやがて悲しい)ズレに関してのエッセイ集。
実に面白い。
以前「回転ドアは、順番に」(穂村弘、東直子)を読んで思い切り泣かされたのだけれど、こっちはニヤニヤが止まらない。
穂村弘、恐るべし。
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何気ない日常での他人との違いやその時感じた焦りや恥ずかしさなどの感情を事細かに言語化できていてすごいと思った。
個人的にお店でマスターに気軽に話しかけるのは私も性格的に無理だからすごく共感。常連客の演技とまでは思わないが…。
でもそこで終わらずにその人はそのように振る舞う人なんだと周りに示すことができている、内気な自分も周りに自分はこういう人間だと伝えていこうと文章で発信していくのがすごい。
私も見習いたいと思った。
穂村さんはベッドで菓子パンを食べるけど、私は何を書けば伝わるかな…?と考えてしまった。
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穂村さんが好きです。
このゆるい感じというか、しっかりしていない感じが愛おしい。
かっこつけていない、しっかりしていない感じが人間だなぁと思います。
彼女と歩いていて、すれ違いざまに「ブース!」と言われたらどうするの正解か、とかデートでサンドイッチを食べるときにハエがとまったらどうするのが正解かとか、普段あまり考えないことを、私だったらどうするかなぁ?と考えてしまいました。
そういうことを考えさせてくれるからエッセイを読むのはおもしろいです。
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すごい着眼点だなぁと思うけど自分も思い当たる節があって、頷いちゃう。みんな素通りすることを穂村さんは一つ一つ捉えている。ただの日常を追求している。
あと、私にとって穂村さんは「ベッドで菓子パンを食べる人」です。がんばれ、ほむほむ。
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初めての穂村さん。
小さい頃から人、事象を客観的に分析して、自分という人間と向き合ってきた方。だからこそのものづくり能力、体験を共有してないのに共感させられる力に圧倒される。又吉、DJ松永のそれと重なる。
中途半端なコミュニケーション能力でこれまで生きてきてると、昔は独自の世界に入り込めたのに今は逃げ場がないなって辛くなる時がある。まさに今。
人生は自分のためのものなんだから、生きたいようにいきなよって背中を押してもらえた気がする。
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ずっとだらだらと読んでいて、面白いなあと思いはするのだけどなぜかページが進まない。
自意識によって繰り広げられるおもしろ葛藤シリーズと言う感じで、あるある〜と思いながらウケるのだけど、その笑いが一時的なもので何にも広げられないものが多い気がする。とやや痛烈な感じになってしまったが、普通に興味深いものもいくつかあったような気がするので読み返したい。
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いつもどおりの後ろ向きでありつつも、(若干ナナメの)冴えた視線で現実を見て、言葉を吟味して綴られているエッセイ。色々なマナーについて語ったエッセイと、又吉直樹さんとの対談も収録。
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巻末の又吉氏との対談が面白い。どの話もすごく共感できるんだけど、著者の姿勢が消極的すぎて、共感できることが不安になってくる…
表紙が素晴らしいと思います。
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『男たち』の時計論争が面白い。男は客体視されることに慣れてないが、女は慣れているので時計1つでモテが変わるわけないと、男女間での思想の違いが良い。
付き合うなら嫌いの感性が同じくらいの人と。長所や美質には慣れてしまうが、短所や欠点は慣れることはない。むしろ蓄積される。
『蝿とサンドイッチ』面白い。私じゃん。
かなり短いエッセイなので、読みやすさ抜群、面白さに綻ぶ。
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帰省したついでに自室から拾ってきました。再読。
解説が秀逸でした。初読だと「ほむほむって面白い」だけで終わっちゃうんですが、解説を踏まえると穂村さんのストイックさに戦慄することになる。この人は常に何が正しいのかを問い質しながら生きてるのか…求道者か…?
―どんなキャラクターであっても、この世のどこかには居場所がある。電車のなかで見かける説教好きなセクハラ酔っぱらいおじさんも、ちゃんとネクタイを締めて結婚指輪をしているではないか。でも、内気だけは駄目。伝わらない心を抱えて世界の周囲をくるくる回るだけ。そう気づいていながら、どうすることもできない。時間だけがどんどん過ぎる。だからこそ内気なのだ。(「内気だけが罪」30P)
いちばんガツーンときた話。これは本当にそう。ウウッつらい…。
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「(この人も毎日を感じずに書かずにはおれないんだろうな)こんな風に生きてたらガス欠起こすよ〜」と思う。そしてここに書いてある事だって全てじゃない。もっと些細で利己的で掬い取りきれない小さな断片はどんぶり一杯かけ3杯くらいはありそう。分かる。そして素敵に毒毒しいカバーデザインは横尾忠則。
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お気に入りは「長友」と「レの字」
「長友」は、バレンタインの日の高校生カップルの会話を、喫茶店で盗み聞いている話。
彼氏がチョコのひとつを、箱に置かれていた位置から「長友」(サッカー選手のあの長友)と名付けた。そんな男っぽい冗談は彼女には通じないだろう、って穂村弘が思っていると、、、、って話。
彼氏と彼女の会話の、絶妙な「間」が感じられて、穂村弘と一緒に読んでいるこっちまで嬉しくなる。そして彼女の妙に負ける。
「レの字」は穂村弘と妻の食事中の会話。
「喫茶店のマスターとお客さんがオセロをやってた。黒がレの字になってたよ。」という妻の報告から始まる。
その「見たまんま」っぷりに感銘を受けつつ、穂村弘がこの女性を妻に選んだ理由が滲み出てくる、そのことに強く共感できて、良い。
決して単純な女性と言いたいわけではなく、情報の選別機能が他の人とは違うからこそ惹かれたんだろう。
Posted by ブクログ
この人は完全にバブルの人で、価値観の隔たりを感じる。何冊読んでもそれは広がるばかりだか、まあ何冊も読んでしまうだけの魅力はある。それにしてもみんな、ベッドで菓子パン食べないの?