穂村弘のレビュー一覧
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神保町の古本市で、たまたま立ち寄った店でたまたま見つけ、たまたま知っていた「穂村弘」という名前(永井玲衣さんの本で見かけた)と、たまたま見たことのあるフジモトマサルさんのイラスト(村上春樹さんの本で知った)と、たまたま西加奈子さん(好きな作家の1人)の文も収録されていることもあり手に取った。
穂村さんの「歌人」という肩書きからすると、最初の一冊として読むのは変化球なのかもしれない。蕎麦屋のカレーみたいなものか。でも「この人の話は面白いな」と思うには充分すぎる内容だった。これだから古本探しはやめられない。
本との出会いは人との出会いに似ている。たまたま知り合った人の話がとんでもなく面白かった -
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ビックリしたのが若い人だと思ってたけど、読み進めて、あれ?60代超えてるの?と思った。文章がおじさんらしくなくスッキリで説教くさくない、おじさん特有の自虐的卑屈さもなくヘヘっと笑ってそうな文章力が魅力的な人。
それを踏まえて奥様とのやりとりもチャーミングでお互いをよく見ていてよく話を交わして、よくある真実の愛や愛してる心から!なんて愛を語る事はハリボテでこの二人の間にある事こそが、愛というべきものだと思う。
唐突な話をしてもよく聞いて、見ている世界が違っても受け入れて、謎だとしても謎だなぁとしみじみして、こんなに話をしている二人なのに、ずっと一緒だったのにこんな事知らなかったと新たな相手の側面 -
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短歌自体はあまり読まないし詠まないのですが、穂村弘さんの短歌に対する優しいコメントが好きです。
はじめて穂村さんのエッセイを読んだけど、面白かった。
穂村さんはけっこうダメ人間な感じで四十代まで来て、「社会の片隅で、役に立たない自分が役に立たないことばかりを考え続けた結果が、現在のものを書く職業につながっているのかもしれません」と書いてある。
「けれども人間の最終的な目標は生きるのほうのはずです。多くの人が死ぬときに後悔するのは生き延びることに資源を割き過ぎたということなんですね。「もっと純粋に生きることに熱中すれば良かった」と思う。」
ゆっくりと考えさせられました。 -
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歌人・穂村弘のエッセイ
本作は、北海道新聞で連載中の「迷子手帳」をまとめたものです。
・世界がゆがむ
嘘がもつ暴力性のお話。といっても嘘には物理的な暴力の力はない。嘘が発覚したときのあのぐにゃりと現実がゆがむような気持悪いあの感覚、それは嘘がもつ怖さのひとつ。
・恥ずかしい記憶
誰もがひとつや二つ持ってる忘れたいほど恥ずかしい記憶。特にそれが自我大爆発期の学生時代のものとなると恥ずかしさレベルもグンと上がるというものです。でも、不思議なもので、他人のそうした記憶の話は涙が出るほど笑えるものがあったりあします。穂村さんのそれもなかな面白いお話なので、このエピソードは人前では読まないように。 -
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『ダ・ヴィンチ』誌上で今も連載されている、穂村弘さんが読者から募集した短歌を選び、評する「短歌ください」。人気シリーズ第三弾の文庫化。
歌人の穂村さんが、読者から寄せられた短歌を評する「短歌ください」の文庫化第三弾です。今回も面白い。
それぞれの短歌の短い文中にぎゅぎゅっと詰められた、作者さんごとに違う言い回しや世界観。日本語って本当に色々な表現方法があって、軽やかだったり重厚だったり自由で大好き。
個人的に気に入った歌をいくつか。
「半ドンの日は掃除機をかけながらママとチャーハンが待っている家」(こずえさん、テーマ「昭和」)
チャーハンのリアリティ。初夏の日差しの香りもしそう。
「余 -
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短歌を読むこと、特に歌集が、あまり得意ではないのです。好きではあるはずなんだけど。
1ページに何首も並んでるのを見ると、ペース配分に困ります。いいねーステキ、これ好き、わあすごい!ぜんぜんわからん、はいまたステキ、では次、と行き過ぎちゃう。
読み方が雑すぎる!と反省してじっくり感じ入って読もうとすると、今度は振り回されて疲れちゃう。
ふいに心を刺されて泣けるかと思えば、全然わからなくて疎外感しかないのもある。この乱高下から適切な距離感を見いだすにはどうすればいいの…
そんな私にとって、とてもありがたい本でした。
本の流れに視線を任せるだけで、読むことに焦らなくてすむのがうれしい。
まず口 -
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緑内障になったと同時に自身の弱さを吐き出し
不安なこと、いまの思いを正直に書き
読者に届けてくれた。
眼科医の後藤先生、精神科医の春日先生との対談は
わかりやすく、読者が疑問に感じていることを
種村さんが代わりに問いかけて安心感を与えてくれる。
P.078
〈究極的には『どうせ死ぬんだから何でもやればいいんだ』
という話になりますが、
そうは言ってもなかなか踏ん切りがつかないものです。
『恥をかいたら嫌だ』という気持ちも絶対あるわけですから〉
その一歩が踏み出せない。
そういうことは多々あるけれど
エッセイを読み、少しだけ勇気をもらいました。 -
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歌人・穂村弘さんが、自身の緑内障や家族、これまでの半生のことについて語った本書。
著作をコンプリートしていない穂村ファンとしては、穂村さんの上半身が(エッセイのなよなよしている印象とは裏腹に)しっかりされている理由がわかって嬉しかった。
そうか、若い頃のベンチプレス!
「シンパシー/ワンダー」、「生きる/生きのびる」のおはなしも改めて聞かせていただき、再確認した。
緑内障の主治医の後藤克博先生、長年のご友人で共著も出されている春日武彦先生との対談も興味深かった。
調べると、後藤先生は短歌好きで、歌集も出されているようだ。読んでみたい。
瞳を巡る短歌、という、瞳に特化した他の歌人の短歌の短い紹