穂村弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久しぶりの穂村さん。
『鳥肌が』。
本のカバーそのものに鳥肌が立っており、その時点で面白い。(無数の小さな凹凸がある)
本書はちょっとぞっとしたり、今考えたら怖いかも、というようなことをまとめたエッセイ。
よくよく考えたら怖い内容の短歌の考察を交えているのが個人的には嬉しい。
穂村さんの文章を読んでいると、ネガティブなことや、こわがりなこと、なんとなくちょっとダサいことが肯定されているような気がして、安心できる。
あまりに自身の恥ずかしい体験、格好悪い体験を赤裸々に、おもしろおかしく語るから。
(どなたかが解説に、その赤裸々さによって女心を掴んでいる、あざとい、と書いているのも読んだ記憶があるけれど。笑)
P.11
父の小皿にたけのこの根元私のに穂先を多く母が盛りたる 中山雪
P.41
ほんとうはあなたは無呼吸症候群おしえないまま隣でねむる 鈴木美紀子
P.75
ずっと以前のこと。電車の中で今までつきあった相手のことをぼんやり思い出していて、彼女たちが全員長女でしかも一人として男兄弟をもっていないことに気づいた時、ぶわっと変な汗が出た。外見のタイプなどはばらばらなんだけど、唯一の共通点が姉妹の姉限定。これって、これって、何を意味しているんだろう。それから数年後にできた恋人に弟がいることを知った時、何故かほっとした。やった、解けたぞ。呪縛。呪縛?いったい何の?
(私も末っ子しか付き合ったことないな、呪縛かな、と思うなどした)
P.224
子供の頃、友達の家に遊びに行くと、玄関のところではっとした。匂いが違うのだ。そう感じるのは、私だけではないらしく、Fくんの家は「ネズミのおしっこの匂い」だと云われていた。
だが、変な匂いがするのは、Fくんの家だけではなかった。程度の差はあっても、どの家にもそれはあった。それなのに、不思議なことに自分の家には感じない。慣れちゃったのかな。でも、たぶん、友達は感じてるんだろうかな。そう思って不安になった。僕んちはどんな匂いがしてるんだろう。
P.245
昔からこわがりだった。初めてのことやよく知らないことに対して、わくわくする、という気持ちより、こわい、という気持ちが先立ってしまう。海外旅行や習い事や同窓会はもちろん、飲み会なども苦手だ。素面の時とは場のテンションが変わるから。それが楽しい、というのはわかるけど、私には不安の方が大きい。
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Posted by ブクログ
景色や持ち物や、時さえもくるくると変わっていく感じが新鮮で良かった。
穂村弘も短歌も何も知らないまま、事前情報はほんタメのみで読んだ。
なんかほんとうに、すごい。短歌も穂村弘も。
ビュッフェで好きなものを選んでるつもりが、どんどん満腹になって苦しむみたいな感じ。
今回はざーっと流し読みした感じだけど、タイトル通りマーキングしたらもっと楽しいんだろうなって思った。
感じてるものがくるくる変わっていくから、どんどん頭がパズルの形式でぎゅうぎゅうに埋まっていく苦しみと楽しさが同時にくるの、新鮮だなあ。
いつかこの本をどこかで読み返す。そのときはラインマーカーを持って -
Posted by ブクログ
たぶん、私は心の深いところで自分に自信が持てていないのだろう。こうありたいと願う自分と、現実の自分の間のズレがあまりにも大きく、しかも折り合いをつけるスキルが低い。 ー「痛いところ」ー
主に北海道新聞に掲載された、ここ10年以内の穂村さん。自意識過剰なのはそのままだけれど、そんな自分の行動や感情を眺めて、考えているように思った。眼のこと、お母さんのこと、大変な思いがいろいろあったことだろう。
穂村さんの奥さん、というと、しっかりした母親みたいな感じの方を想像していたけれど、谷川俊太郎さんに無言のまま触ろうとしたり、お菓子の思い出を語ったりと、何だか同志という感じがした。
穂村さんの短歌が中学校の国語の教科書に載っているのを、ごく最近知った。17年間の会社勤めを経て、今はとっぷり「天職の世界」にいるじゃないですか~。