穂村弘のレビュー一覧

  • 短歌の友人

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     エッセイではほんわかしたイメージの強い穂村さんが、この本ではキレッキレ。改めてさすが歌人、といった印象だけど、どの歌に対する読み方も決して偉そうではなく、まさに"熱く優しい視線"を注ぎながら解説してくれる。
     内容は短歌の概論、短歌の歴史、今、そしてこれからについてだけど、短歌にほとんど触れ合ってこなかった私には難しいところもあった。でも、この本をきっかけに短歌を読みたいと思えただけでも、私には大収穫。また再度読み返したい。

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    2015年12月08日
  • にょにょっ記

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    「にょにょにょっ記」がとても面白かったので、さかのぼってこれを。期待通り楽しめたんだけど、これは何と言っても西加奈子さんによる解説代わりの「偽ょ偽ょっ記」が最高だった。穂村さんのより笑えた。解説がこんなに面白くていいのだろうか。ボリュームもあるし、文庫で読んですごく得した気分。

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    2015年10月05日
  • もうおうちへかえりましょう

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    結構昔めの穂村弘のエッセイ。穂村弘の適度なダメ人間感は読む人を安心させるわ。でもなぁ、この人結婚してるし、恋人いるし、実は結構友達もいるし、私のほうが全然ダメ人間じゃないか…?あれ??


    古本屋を見るとそこに良いものが待っているような気がしてソワソワすることや、松任谷由実が「お互いを高め合う恋愛」の教祖であることや、ボウリング場で素直にはしゃげないことなんかが、私の琴線を刺激する。ビンビン刺激する。

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    2015年08月01日
  • 手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)

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    ネタバレ

     短歌という危険物。
     一般的に「自分の心情」を描くことが原則とされる短歌。しかし、逆に「架空の人物の心情」を描いた怪作。
     大塚英志著『キャラクター小説の作り方』で紹介されていたので読んだ。手紙魔まみという架空のキャラクターの心情を描いた短歌集というのは理解できるが、短歌の意味自体は理解できないものが大多数だった。だがこういう詩集は少しでも理解できたり、心に響いたりする作品があれば良いものなのかも知れない。
     詩集に登場するキャラクターまみはかなりの電波少女だ。常人には理解できない感性を持っている。だがそれがいい。

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    2015年06月18日
  • 手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)

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    ずっと、あの子のためのbibleだと思っていた。
    どんぴしゃ。
    うさぎが好きで、メンヘラで。
    でもね、わたしのためのbibleだった。
    いちど読んだあの日から、ずっと脳みその中をぷかぷか浮いてる言葉たち。猛烈だね。
    渋谷のマツモトキヨシに行くときもそうだし、今のようにくそみたいな気分のときもそうだ。
    あのときあの子に贈るために探していたあの本屋で見つからなかったのは、わたしのためのbibleだったからだ。
    あの子は今でもパンドラの匣を持っているだろうか。

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    2015年04月26日
  • 秘密と友情

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    学生時代、私だけが先生の言っていることを理解できない、って瞬間を体験したことが何度かあるけど、
    この二人のように「世界に馴染めない」と強く感じるようなことはなかったのだけど、
    自分だけ理解できない、っていう感覚のもっと強いものなんだろうか?それとも少し違った感覚なんだろか。

    「生まれ直さない限り、椅子のストッパーを僕には発見できない」というフレーズが印象的だった。

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    2015年04月12日
  • 異性

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    「異性」に関するお二人のリレー形式のエッセイ。オトコノコの不思議、オンナノコの不思議。共感できるところたくさん。お二人の鋭い切り口、考察に目から鱗。結局わからないところがあるから異性に魅かれるのでしょうかね。あのセリフの裏側に隠された真意とかなー。参考になります、穂村さん。2013/200

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    2015年04月09日
  • 異性

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    角田さんと穂村さん、それぞれの綴った文章から男女のことについて実際にあったことを踏まえながらやりとりしていく。
    このやりとり自体も読んでいて楽しかったのだが、お互いが綴っている内容も大変興味深く思わず納得させられることが多かった。

    そのうちのひとつ…

    たぶん、女性の脳は圧倒的に現在優位なんだろう。そう考えることで、私はこの現象を自分自身に納得させてきた。女性にとって「今」が全て。だから、そこまでの経緯がおごりか割り勘かは、「今」となっては問題にならない。
    一方、男性たちは過去から「今」までを連続的に捉える傾向がある。過去の女性たちとの思い出を或る種の資産のように思ってみたり、「戦国武将でい

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    2015年03月16日
  • 求愛瞳孔反射

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    エロ耐性があり、かつ、グロ耐性のある方でないと、こころが傷つくおそれがありますので、お気をつけください。ね。とってもおもしろかったし、穂村さん、若いな!!と思いました。

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    2015年02月18日
  • 短歌の友人

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    あまりにもいろいろ考えて、ウンウン唸ったあげく、感想がまとまらなかったので、ずっと放置してきた。読み返してもうまく言葉にならないので、しばらくこのままにしよう。未レビューが1件という表示が何となく気になるので、とりあえずこれを感想ということに。

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    2015年02月09日
  • 異性

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    穂村さん、角田さんという
    好きな作家さんのリレー式エッセイ。

    異性も恋愛も形なし。
    だから頭で考えようとする。
    感情だけでは覚束なくて
    足元がふらつくときもあるから。

    そう思っている私には
    本一冊を脳内に入れて
    辞書化したい一冊でした。

    相容れないんだよなあ
    そして好きになったら
    頭はどこかで考えることを停止させようとする。

    ブレーキとギアの繰り返しでした。

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    2015年01月31日
  • 異性

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    異性についてふたりが文通しているみたいなエッセイ。
    名前の通り角ばった角(つの)を食い込ませてくる角田さんと、ただでさえ掴めない輪郭をさらにほわほわと滲ませてくるほむほむ。
    大人の男女が触れる異性の真理は、核心をつきすぎている!

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    2015年01月23日
  • 整形前夜

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    購入:美しさとは何か。自分は他者とは違うものを持っている。一般常識とズレたことをすれば社会不適合の烙印を押されるが、それは生きるためのことでズレを楽しむことが生きる意味なのではないか。
    シヤウセンデンシヤ ト トクキフレツシヤ ガ スレチガヒ サヨナラ サヨナラ

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    2015年01月04日
  • 異性

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    往復エッセイだけれども
    表現巧者の2人だから
    男女の違いについて
    なんだかとてもすごい高みに上っていく気がする

    何か所も引用しておきたくなる本

    ずっと往復していくことが
    可能じゃないか
    と思わせる終わり方

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    2014年12月01日
  • 秘密と友情

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    関節はずし猫ダマシみたいな芸風の
    精神科医と歌人が
    《まっとう》な題材をを語ってみようの対談集。

    春日さんは存じ上げなかったのだが
    穂村さんいわく「あ、このひとは変」がじわじわ伝わってくる。変なんだけど、社会人として世界に溶け込んでいるように見えて変。

    《怒り》
    怒り方には人間の品性みたいなものが出るという一文に共感、穂村さんの披露した怒り方は猟奇的で薄ら寒くなった。

    《努力》
    見つかりさえすれば…スタート地点に立てれば…努力の仕方はおのずとわかるというもの。
    だが、そのスタート地点に立つまでが大変で、ほんとうにパワーのある奴は自分の才能に見合うジャンルをも作っちゃうぐらい確信をもってい

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    2014年11月09日
  • 手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)

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    この本が異色だと思ったのは、わたしが普段短歌に触れていないからでしょうか。
    はじめは理解に苦しんで、なんとなくで読んでいて、だけど、一つ一つの手紙は甘くて繊細で光ってるイメージで読んでた。ときにはとても現実的かつ残酷。
    解釈はたくさんありそうだけど、各々がその時々に解釈してオーケーだと思った。
    手紙魔まみに習いたいと思った一つ
    おやすみなさい。これはおやすみなさいからはじまる真夜中の手紙です

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    2014年10月13日
  • 秘密と友情

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    歌人と精神科医の対談集。さすが世界音痴の歌人(笑)共感する精神科医もなかなかの難あり(笑)自らを変人と認識しながらも社会性はあるもんだから苦悩すんのかね。ったく器が小さいんだか懐が深いんだか(笑)でも自分の心の奥底に封印していた思いをケロっとつらつらされるとありゃー私も世界音痴なのねーと改めて思い知らされる(笑)なんと言っても表紙の猫の目線、満点(笑)

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    2014年10月13日
  • 結婚失格

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    「あるきかたがただしくない」と違って、離婚後のことが著者の心情も含め、小説という形を取ってはいるが詳細に書いてある。書評がとってつけた感があって白々しいが案外読んでみたくなった。裁判所によって身に覚えのないDV夫と見なされ、月一回という裁定が決められるところは詳細でよい。

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    2014年08月12日
  • 異性

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    交換日記のようなエッセイだったが、なかなか同意できる部分も多くて面白く読んだ。バルーンすかーとのくだりは、その解釈と見抜いた女性にドキッとしました。

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    2014年08月02日
  • 異性

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    おもしろかった。
    見事におもしろかった
    意識の違いって、こんなに明確に分析表現できるものなんだなぁ。

    なんとなく、最後の方の物語云々を読んで恋愛をするには自分が主人公になることが必要なのかな。
    特に女性には。そう感じた。
    いや、自分の人生の主人公は自分自身ですよ的論法は承知してるんだが、それよりも明確な物語化というか。
    言うなれば他人に自分のラブストーリーを語ることを恐れない主人公気質…
    男性はそれが過去の武勇伝になっちゃうんだろうなぁと会社のおっさんたちを見てて思った。

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    2014年05月31日