穂村弘のレビュー一覧
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たくさんの人が投稿した短歌を穂村さんが一言添えて紹介していく方式。その一言で理解が深まったり、自分と全然違う解釈で驚いたり、穂村さんと一緒に鑑賞しているような気分で読める。
短歌は、良いことも悪いことも区別なく、一瞬をピックアップして切り取る。短歌の目線を持ってあらためて見てみると、世界は色とりどりだ。同時に、あまりにも儚くてさみしくなる。大きなイベントも心に残るけど、日常の小さなできごとだって負けないくらい大きくて、かけがえのない思い出になるんだなと実感する。
やっぱり、自分で見て聞いて触れたものが自分の世界のすべてなのかな。そう思うと、これまでの人生何も成し遂げていないけれど、毎日感情を -
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ネタバレ読書日記やガイドブックや書評本を読む時、まず目次からわくわくする。
どんな本を読んでいるのかな?
私が読んだ本はどう紹介されているかな?
今回、目次を見て、あまりの既読本の少なさに驚愕した。
歌人である彼が歌集とか句集とか詩集を紹介するのは当然で、この辺は想定内。
日本の近代文学もほぼ読んでいないので、ここも想定内。
だけど、ニアミスに愕然としてしまったのだ。
「そっちか…」
例えば花輪和一だとしたら、普通は『刑務所の中』だろう。
もちろん私もこちらは読んだ。
だけど、穂村弘が紹介するのは『刑務所の前』の方なのだ。
あづまひでおの『失踪日記』(読んだ)ではなく、『失踪日記2』の方なのだ。
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Posted by ブクログ
こんな本が出ていたのを全然知らなかったけど、ふと見つけて読んでみた。精神科医の春日武彦氏と歌人穂村弘、おふたり友達同士で「死」について語る、という。
わたし自身は本当に我ながら異常ではと思うほど「死」というものに対する恐怖が激しく、「死生観」みたいな話も苦手なので、この本を読んだらちょっとはなんとかならないかという思いもあったんだけど、仲のいい友人同士が笑いながらのんびり雑談する感じで、怖くもなく楽しく読めたのはよかったけど、わたしの死への恐怖は別に減りもしないし変らなかった……。でも、こんなふうにいろいろ語り合える友人がいるっていいなあと思った。テーマは死でも、温かいいい雰囲気だったんだよね -
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穂村弘(1962年~)氏は、札幌市生まれ、上智大学文学部卒、1986年に連作「シンジケート」で角川短歌賞次席(同年の受賞作は俵万智の『サラダ記念日』)、1990年代には加藤治郎、荻原裕幸等とともに「ニューウェーブ短歌」運動を推進した、現代短歌を代表する歌人の一人。エッセイスト、絵本の翻訳家等としても活動している。
私は50代の会社員で、近年短歌に興味を持ち始め、これまで俵万智、穂村弘、東直子、枡野浩一、木下龍也等の歌集や短歌入門書、また、いくつかの現代短歌のアンソロジーを読み、1年ほど前から新聞短歌に投稿しており、穂村氏にも数首選んでいただいている。
また、穂村氏の作品では、歌集のほか、入門書 -
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本の情報誌、『ダ・ヴィンチ』の読者投稿企画の連載「短歌ください」を文庫化した一冊。読者から寄せられた短歌の中から、歌人の穂村弘さんが選出し、講評が添えられています。
読者からの投稿とはいえ、どれも日常を鮮やかに切りとった傑作ぞろい。思いもよらない視点、考えたことのない世界を見せてくれます。
穂村さんの講評がまた良くて、短いながらも歌の本質に触れるような優しい誉め方が印象的です。こんな講評を頂けるなら、短歌を投稿してみたい! という気持ちになりそう。
読み進めるにつれ、「常連さん」の名前を憶えてきて、推し歌人みたいなのが出来てくるのも楽しいです。
私は現代歌人に詳しくないのでわからなかったの