あらすじ
穂村弘が選ぶ何でもありの短歌ガチャ100。
現代短歌のフロントランナー穂村弘が腕によりをかけて選んだ、明治から現在までの短歌100首。うつくしい短歌、不思議な短歌、へんな短歌、おかしな短歌、不気味な短歌、かなしい短歌……。好きなところからひとつずつ取り出して、なんでもありのマジカルな短歌ワールドをとことん楽しもう。最初は意味のわからない短歌も、穂村弘の切れ味のいい鑑賞文を読めば納得できるはず。穂村弘は言う。「ガチャポンのハンドルをガチャガチャ回すと、カプセルに入った何かがポンと出てきます。ジャンルだけは決まってて、でも、その中の何が出るかはわからない。だから、わくわくして夢中になりました。」短歌の楽しさと多様性を、ミステリアスでファンタスティックなメリンダ・パイノのカラーイラスト25点と共に詰め込んだ、ホムラ印のガチャポン・マシーンがここに。
※この作品はカラーが含まれます。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
これは楽しいガチャポン(゚∀゚)短歌だけを読んで自分で想像するのも良いけれど、解説付だともっと楽しい♪いつか自分で選んだ短歌の本や名言集を作りたいと思っているけれど、なかなか…(^o^;)
Posted by ブクログ
勝手に作ってた「短歌は敷居と意識が高い人向け」というイメージをぶち壊してくれた一冊。
大正の歌人から現代の小学生とバラエティに富んだラインナップの短歌がガチャ形式で繰り出される。ガチャについてる小さい紙のように添えられた筆者の解説がこれまたとにかく面白い。
100年前も今も人の喜怒哀楽のスイッチは変わらないのだと実感し、日常を切り取って「詠む」楽しさを知った。
光る君へブームがまだ去ってない人はぜひ。
Posted by ブクログ
『短歌のガチャポン』このタイトルにひかれました。子どもの時も今も、私にとってはガチャポンではなく、ガチャガチャです。でも、このタイトルは、ガチャガチャでもカプセルトイでもダメで、ガチャポン!言葉そのものがかわいいし、音の響きもいい。何が出てくる分からないワクワク感、本書でも堪能できました。
穂村弘さんが選んだ、明治から現在までの短歌100首。どの歌も、心に刺さるもの多しです。
それぞれの歌は日常から生まれているのに、31文字という制約の中で、常識を超えていることの不思議を感じます。
冒頭の数ページは、素敵なイラストつきの短歌が載せられていて、「ガチャポン短歌の世界にようこそ!」という感じでお出迎えしてくれています。
短歌それぞれに、穂村弘さんの解説文が載せられており、これがまた読んでいて楽しいのです。“こんな読み取り方があるのかー”という感じで新しい発見がありました。読んでいるだけで頭のコリがほぐれるようです。
以下、私の好きな歌 ネタバレになります。
イヴ・モンタンの枯葉愛して三十年妻を愛して三十五年 (岩田正)
※オシャレな感じで、素敵なご夫婦!
おふとんでママとしていたしりとりに夜が入ってきてねむくなる(松田わこ)
※かわいすぎるー
ティ・カップに内接円をなすレモン占星術をかつて信じず(杉崎恒夫)
※内接円、レモン、占星術、言葉がすべてカッコいい!
水無月の崎のみなとの午前9時赤き切手を買ふよ旅びと(若山牧水)
※旅で出す手紙っていいな。しかも、切手もその場所でお買い求め。赤い切手、見たことないなあ。歴史的仮名遣い、好きです。
あはれしづかな東洋の春ガリレオの望遠鏡に
はなびらながれ(永井陽子)
※春に、思い出したい。
腹ばひになりて朱の墨すりしころ七面鳥に淡雪はふりし(斎藤茂吉)
※朱の墨、淡雪の取り合わせ、忘れられない。
明日より春休み無人の教室に青き白墨干菓子のごとし(塚本邦雄)→あとがきに掲載
※子どもらにとっては、羽が生えたように嬉しい春休み、教員にとっては無人の教室に色々な思いがよぎる春休み。白墨が青、めったに使わない色ってところが物悲しい。青の感じ、旧字体になっています。スマホで出てきませんでした。月ではなく、円です。
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著者の穂村弘が「ふと思い出して嬉しくなったり、たまたま目に飛びこんできて「いいな」と思った歌」を集めた本。
右のページに短歌が1首掲載されていて、左のページに著者の解説などが、書かれている。
通常のアンソロジーと違う点は、プロの歌人だけでなく一般の人が新聞の短歌投稿欄に送った短歌なども紹介されている点だ。
本書で掲載されている短歌をいくつか紹介したい。
結婚はタイミングだと言われた日 独りの部屋でおなら出し切る カン・ハンナ『まだまだです』
この短歌の解説には、「表現への踏み込みに作者の気迫を感じる」とあり。
前科八犯この赤い血が人助けするのだらうか輸血針刺す 金子大二郎「日経歌壇」
この短歌の解説には、「専門歌人の歌集を何冊読んでも決して出会えないような一首」と書かれていた。
(7×7+4÷2)÷3=17 杉田抱僕『短歌ください 君の抜け殻篇』
「かっこなな/かけるななたす/よんわるに/かっことじわる/さんはじゅうなな」と読むらしい。数式が短歌になったなんて驚いた。
本当はメロンが何かわからないけどパンなりにやったんだよね 砂崎柊「短歌ください」
メロンパンを見る眼差しが優しい。
あの羽は飾りなんだよ重力は天使に関与できないからね 木下龍也『つむじ風、ここにあります』
たしか、この短歌は木下龍也がまだ投稿歌人だったころに、日経歌壇の穂村弘欄で第一席になった短歌だと思う。
この本は、短歌の解説もわかりやすくて短歌の初心者の人にもおすすめである。
Posted by ブクログ
31字に詰まっている作者の感情や背景、風景を想像するのが面白いので、短歌を紹介する本を読みたいと思っていた時に出会えた一冊。
全てが自分の心を動かす歌かと言われたらそうではないけど、これぞ私の求めていた短歌の醍醐味!と言うものが多い。初心者なので背景や推測を一つ一つ書いてくれているのもありがたい!
私が好きなのはなくなるペットに関する一句、ビデオを見て感じた一句、子どもの作った一句
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「天国に行くよ」と兄が猫に言う無職は本当に黙ってて
あの羽は飾りなんだよ重力は天使に関与できないからね
が好きだった。特に意識せず好きだなぁと思った2首だったけど、どっちも天国に関係する短歌だと後で気づいた。
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ガチャポンというタイトル通り、いろんな人のいろんなシチュエーションにおける技法も年代もごちゃまぜの短歌集。最初に25句が解説なしで、挿絵とともに一ページに一句ずつ載っていたので、やばい、意味わかんないと焦ったら、そのあと全句(その25句も含め)解説付きで載っていた。全く意味が分からないと悩んだ句も、穂村弘さんもこういうことかな?みたいな解説だったので、なんか安心。
私の好みでカシャポン当たり句
「おふとんでママとしていたしりとりに夜が入ってきてねむくなる」松田わこ
「前科八犯 この赤い血が人助けするのだらうか輸血針刺す」金子大二郎
「ラジオ体操の帰りにけんかしてけんかし終えてまだ8時半」伊舎堂仁
「今日君が持ってる本を買いました。もう本当のさよならなんだ」福島遥
「歩道橋の上で西日を受けながら 自分yeah 自分yeah 自分yeah 自分yeah」後藤諭
「ニワトリとわたしのあいだにある網はかかなくていい? まようパレット」やすたけまり
「見えるでしょうこれが破壊というものですぽろぽろぽろぽろうるさい涙」干場しおり
「あの羽は飾りなんだよ重力は天使に関与できないからね」木下龍也
「私には才能がある気がします それは勇気のようなものです」枡野浩一
「羽のある者達が急激に増え恋をするという蟻の世界は」田中有芽子
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「天国に行くよ」と兄が猫に言う 無職は本当に黙ってて 山川藍
ふと本屋さんで手に取り立ち読んだ一冊
単行本冒頭に掲出されたこの句にやられてしまいました
その日は買わずに帰ったのですが、数日たっても忘れられず結局購入
バラエティに富んだ短歌100首、とても面白い一冊でした
……というか、100首どころじゃありません
穂村先生の解説欄に頻繁に引用句が登場するものだから、最終的には200首くらい載っているのでは?ってな印象
句を読んだ感想も、穂村先生の解説とは全然違う事を感じたり、なんなら一日置いて読み返しただけで初読時の自分と全然違う事を感じたりと、ずっと手元に置いて読み返したい作品集でした
他ジャンルで活躍中の人の句も掲載されていてビックリ
ハルカトミユキのハルカは作詞もしているしわかるけど、まさか女子プロレスラー・ハイパーミサヲの名前をここで目にするとは……
いくつか気に入った句を紹介してみる
おふとんでママとしていたしりとりに夜が入ってきてねむくなる 松田わこ
ー作者は当時7歳の少女だそうで。ひえー、すごいー
ラジオ体操の帰りにけんかしてけんかし終えてまだ8時半 伊舎堂仁
ー少年の日のキラキラした一日を思い出す、好き
くちづけをしてくるる者あらば待つ二宮冬鳥七十七歳
ー最初は読み方がわからなかったのだけど、二宮冬鳥(にのみやとうちょう)が作者名だと知れた瞬間に笑ってしまった、かっこいい老人だ
朝を知る野鳥の声を聞きながらまだ夜のまま君を思へり 高山邦男
ーこれは掲載100首ではなくて解説欄に引用された一句
私が大好きなバンドの曲に「ねぇ新聞屋さん 僕の今日は 君にとって昨日のこと?」という歌詞があるのですが、こういった夜更かしした人の今日と早起きした人の昨日が混ざる、みたいなちょっとクラクラするような感覚が好きなんです
花の下を歩いたときのなぞなぞの答えを君は今も言わない 竹内亮
ーもちろんこのままズバリな経験があるわけじゃないんですけど、恋人同士の間だけで通じるお約束のやり取り、みたいなあの雰囲気・空気感がしてすごく好き
ってキリがないよ!
だって素敵な句ばかりだもの、しょうがないよね
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穂村さんが「いいな」と思った歌を集めた100首。
なかなか解説付きの短歌を読むことがないので、これも楽しみが倍増できて良かった。
奥深いなぁ。
素のままの我が身を晒して歌にする。
こんなふうに表現できれば気持ちいいだろうなぁ。
憧れの目で読んでいた。
このなかから特に好きな8首を厳選。
①はじめからゆうがたみたいな日のおわり近づきたくてココアをいれる 〈本田瑞穂〉
②水無月の崎のみなとの午前九時赤き切手を買ふよ旅びと 〈若山牧水〉
③今日君が持ってる本を買いました。もう本当のさよならなんだ 〈福島遥〉
④僕らは未だ見えざる五つ目の季節が窓の向こうに揺れる 〈山田航〉
⑤見えるでしょうこれが破壊というものですぽろぽろぽろぽろうるさい涙 〈干場しおり〉
⑥花もてる夏樹の上をああ「時」がじいんじいんと過ぎてゆくなり 〈香川進〉
⑦君を愛した深さがふっと消えるとき路上に美しきバスが近付く 〈田中雅子〉
⑧かたむいているような気がする国道をしんしんとひとりひとりで歩く 〈早坂類〉
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短歌を読むこと、特に歌集が、あまり得意ではないのです。好きではあるはずなんだけど。
1ページに何首も並んでるのを見ると、ペース配分に困ります。いいねーステキ、これ好き、わあすごい!ぜんぜんわからん、はいまたステキ、では次、と行き過ぎちゃう。
読み方が雑すぎる!と反省してじっくり感じ入って読もうとすると、今度は振り回されて疲れちゃう。
ふいに心を刺されて泣けるかと思えば、全然わからなくて疎外感しかないのもある。この乱高下から適切な距離感を見いだすにはどうすればいいの…
そんな私にとって、とてもありがたい本でした。
本の流れに視線を任せるだけで、読むことに焦らなくてすむのがうれしい。
まず口絵。画と歌の組み合わせを1ページずつ目で愉しむ。続いて、見開きで一首ずつゆったりと、読む。片ページに歌、片ページに穂村弘さんの解説。
穂村さんのファンにとっては、解説はオマケではなく、こちらもメイン。心に触れる瞬間をすくい上げ、軽やかに共感させてくれる心地よさ。さらに、無名の投稿者が対象の「短歌ください」の短評と違って、歌人の作風やバックグラウンドにも触れて、情緒と客観のバランスを整えてくれる。
迷子になりそうな視線にすっすっと補助線を引いてくれるような、その加減が絶妙です。
ガチャポンというタイトルの通り、いっけんランダムに現れるいろんな短歌。時代も出典もいろいろ、でもたしかにひとつのまなざしが選んだ百首。そのまなざしを信頼していれば大丈夫、と思いながら読むことができました。
あとは余談。
短歌って、選ぶこと、そして効果的にプレゼンテーションすることで引き立つんだなあと感心し、そういえば日本人、昔からそんなことやってきてますねと思い当たり。
百人一首のかるたなんて最たるもの。
生まれる前からあったものだから意識したことがなかったけど、1枚ずつカードにしてゲームにしちゃうなんて、いつだれが考えたんだろう。こんな発想は日本だけ?それとも、中国には漢詩の、英国にはマザーグースやシェイクスピアのソネットのカードゲームとかあるのかな?探せばありそう。
苦手とか言ってないで楽しまないと勿体ないですね。自分なりに馴染んでいきたいな〜と改めて思ったのでした。
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やっぱりわたしは誰でも良いわけじゃなく、穂村弘さんが他の方の短歌にコメントつけてくれるのがすごく好きなんだ!!短歌くださいに載ってたものもいくつも取り上げられてて嬉しかった!
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現代短歌かと思ったら、
しれっと与謝野晶子やら三好達治が紛れてる不思議。
2002年生まれと72歳の短歌が並ぶ不思議。
選ばれた歌より解説文にある短歌に反応しちゃう
ひねくれ者の私。
無名にて死なば星らにまぎれんか輝く空の生贄として
寺山修司
「煤」「スイス」「スターバックス」「すりガラス」「すぐむきになるきみがすきです」 やすたけまり
覚えてしまった。愛唱してしまいそうだ。
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著者である穂村弘さんが選んだいろんな短歌と、短歌にインスピレーションを得たメリンダ・パイノさんによるドローイング。
読み終わった後に巻頭のドローイングを見返すと、最初に見た時と印象が少し違って見える。
1つの短歌にも他の歌人の様々な短歌の引用があり、穂村さんは本当に短歌が好きなんだなあと思う。
Posted by ブクログ
たくさんの歌人の短歌を一度に楽しむのは難しいし、短歌ってかなり好みが分かれる。でもガチャポンだと思えば、どんな短歌と出会えるかは運次第。刺さる短歌も?の短歌もいっぺんに楽しめる。加えて解説つき。その解説の中にもまた関連する別の短歌の紹介ありで、一粒で二度三度おいしい。私にとっては、こんなのありなの?という短歌もあって、短歌の懐の深さは底知れない。
Posted by ブクログ
様々な年代や年齢、立場の人の詩があり、どんな人でも書けるという事を改めて感じ取ると同時に、最初に抱いた印象が解説を読んだ後には変わるところが面白いと思った。
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一首ごとにプロとしての評価が書かれていて、一見意味がわからない歌も「ああ、こうやって読むんだ。こんな意味があるんだ」とわかって良かったです。
いろんな人の歌があるからこそ、自分の好みもわかって面白かったです。
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薄い本だけど、一首ごとに短歌を読み、意味を考え、穂村さんの解説?を読み、それをまた考え、とやっているととても時間がかかる
読み応えのある本だ
プロの歌人が選んだとしても必ずしもピンとくるものばかりではない
それはまあ音楽とか映画とかでもそうだろう
でも読んでいくと、すごい!と思うのがいくつかありすごい
穂村さんの解説も、エッセイばりに面白く、的確だ
Posted by ブクログ
時代作者問わず、色々と一気に読めるのが良かった、まず読んで、次に解説で作者の背景を読むと、印象が変わるから面白い
文字数が少なくて想像が主の短歌ならではの楽しみ方だと思う
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あとがきに「ふと思いだして嬉しくなったり、たまたま目に飛び込んできて「いいな」と思った歌を集めてみました。」とある。
巻頭にはいくつかの短歌がドローイングと共に紹介されていて眼にも楽しい。
かっちりした解説や鑑賞ではなく、感想に近い感じの説明が書かれている。わからないなりに、なんだか心に引っかかる歌が多い。
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「舞い上がれ」のたかしくんの短歌を聞いて、短歌いいなあって思った。ちょっと興味が。
朝日歌壇などで、見かけた松田梨子さん、松田わこさんの短歌が載っていて、わぁって。
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ほんとにガチャポンのように与謝野晶子から朝日歌壇、常連の松田梨子、わこ姉妹までいろんな歌人がでてきて楽しめた。
ほむほむの短歌の解説もものすごくよくて、いちいち心にしみた。
「好きだった雨、 雨だったあのころ、 あのころの日々だった君」 枡野浩一
この歌好きだわ。
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偶然の出会いに乾杯。
代表作でもないけれど、不意に思い出す歌がある。そんな歌を集めた本だという。集められた歌は時代も人もバラバラだ。不思議な世界があったり、遠い昔があったり。まさにガチャポンのようにどこからでも開いて読める。
Posted by ブクログ
短歌を好きになりました。
もともと詩や言葉遊びが好きで、江國香織さんや中原中也、高村光太郎あたりを揃えていたんですが…
詩よりも短く込められた、五七五七七の口に出して読んだ時の並びが楽しいですね。
ピュアも切なさも可愛らしさも備わってる。
ユートピアにもなればディストピアな世界もある。
わたしは子どもが感じた、大人の視点では見つけられないような感性が好きです。
松田姉妹の作品がお気に入り。
Posted by ブクログ
実際のところ歌集を読んだり、歌人のファンになるほど深く短歌を読み込む熱量や感受性は無いのだが、それでも穂村弘さんの選んだものは読みたい。
いくつか気になる短歌があったので、その人たちの作品も読んでみようと思えた。
Posted by ブクログ
現代の短歌から昔の短歌まで色々な人の短歌が読めて楽しかった。
なかなか意味がわからない難しいものも多かったが種村さんの解説がついているのでなんとなくの雰囲気では読めた。
短歌の技術的な凄さとかはよくわからなかった一方、年齢が近かったり子どもの短歌は共感性が高くて好きだった。
Posted by ブクログ
穂村さんがふと思い出して嬉しくなったり、たまたま目に飛び込んできていいなと思った歌を集めてできた本。
歌に穂村さんのコメント?解説?がついているが、僕には理解が難しいものも多い。。短歌って難しいがおもしろいなと思える。
Posted by ブクログ
かつて短歌に興味を持ったことがあった。それは穂村さんが『短歌という爆弾』を出したころ。職場のバイト女子に勧められて手に取った。そしてハマった。自分でもやってみようと試みて、それはそれはつたなく恥ずかしく交通標語みたいなものになったけれど。
この本を読みながら、当時読んで感銘を受けた歌たちが記憶によみがえってきた。誰の歌だったかも覚えていないのがもったいない。
穂村さんが「短歌」というカテゴリの中からガチャガチャと選んでポンと出したものに解説を加えた本。
彼の解説にはいつも、彼独特の鋭さを含む憂いっていうか、アホな人には通じない忖度みたいなものを感じる。
そしてこんなにたくさんの短歌をどうやって選んだんだろうなーと小学生のごとく思った。
p38
イヴ・モンタンの枯れ葉愛して三十年妻を愛して三十五年 岩田正
この歌の解説で穂村氏は書く。
その「妻」は現代短歌の一人者の馬場あき子である。彼女の歌にこんなのがあるらしい。
猫茶わん洗ひおきしが夜更けて買えりし夫が飯を食べをり
単純にそれだけ読んでも笑えるのだけれど、氏は書く。
・夫の投げた直球に対して「妻」が返した変化球。そのずらし方にも長い時間を経た「愛」が感じられる。
うーん。すごい。
p48 掲出されている歌はこれ。
二種類の唾液が溶けたエビアンのペットボトルが朝日を通す 谷川電話
その解説に引用されたこの歌⇩にぎょっとして惹かれた。
髪の毛が遺伝子情報載せたまま湯舟の穴に吸われて消える
なんとなくきみの抜け毛を保存するなんとなくただなんとなくだけど
この2つの歌を通して
・目に見えないものに対する作者の感度の高さ
と表現している。
p104
思ひがけぬやさしきことを吾に言ひし彼(か)の人は死ぬ遠からず死ぬ 安立(あんりゅう)スハル
この解説では作家の川上未映子が「この2作が現代的で面白い」と言っているのを引用している。
「金にては幸福は齎されぬといふならばその金をここに差し出し給へ」
「こぼれくる春の落葉を寄せて燃す匿名氏より来し葉書燃す」
これに関しては、穂村氏の解説がよかったというのではなくて、安立スハル氏に興味を持った。読んでみたい。