あらすじ
穂村弘が選ぶ何でもありの短歌ガチャ100。
現代短歌のフロントランナー穂村弘が腕によりをかけて選んだ、明治から現在までの短歌100首。うつくしい短歌、不思議な短歌、へんな短歌、おかしな短歌、不気味な短歌、かなしい短歌……。好きなところからひとつずつ取り出して、なんでもありのマジカルな短歌ワールドをとことん楽しもう。最初は意味のわからない短歌も、穂村弘の切れ味のいい鑑賞文を読めば納得できるはず。穂村弘は言う。「ガチャポンのハンドルをガチャガチャ回すと、カプセルに入った何かがポンと出てきます。ジャンルだけは決まってて、でも、その中の何が出るかはわからない。だから、わくわくして夢中になりました。」短歌の楽しさと多様性を、ミステリアスでファンタスティックなメリンダ・パイノのカラーイラスト25点と共に詰め込んだ、ホムラ印のガチャポン・マシーンがここに。
※この作品はカラーが含まれます。
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Posted by ブクログ
穂村弘選の短歌アンソロジー。
著者の各作品に対する思い入れが滲み出る感想が、作品の魅力をさらに高める。
本書で扱う作品には、相反する事象や感覚が同時に表現される作品が多い。現在と過去、または未来が同時に顕在するような、私と他者の境界があいまいになり混ざり合うような。例えばこちらの作品。
・幾たびもあなたの頬を拭ってた泣いているのはわたしなのにね(鈴木美紀子)
しかし、私には抽象度の高い感覚を含む作品はどうも持て余してしまうようだ。付箋を貼った作品には日常の何気ない一瞬や感情の起伏を切り取ったものが多い。
・イルカがとぶイルカがおちる何も言っていないのにきみが「ん?」と振り向く(初谷むい)
この一瞬の奇跡のようなみずみずしさに心がときめく。
穂村弘の感想を読み返してみたら、この歌に刹那と永劫を読み取っている。そのような鑑賞があるのかと感嘆する。
本書では短歌の奥深さだけでなく、その奥深さを十全に受け止めきれない自分の感覚の現在地を確かめることができる。この一筋縄ではいかないけどなぜか心にじんと染みわたる、そんな短歌の魅力に出会うことができる。