【感想・ネタバレ】秘密と友情のレビュー

あらすじ

骨を隠す犬のほうが、その場でガジガジやっちゃう犬より、セクシーなのかなあ(「秘密」より)。他者との不器用な関わり方、地への足の着かなさ加減――互いによく似ていることを感じとった精神科医と歌人は、某日、友情を結んだ。そんな彼らがとことん語り合ったのは、孤独、言葉、愛……。世界にいまだなじめないあなたにおくる、微笑と屈託の連続対談集。『人生問題集』改題。

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Posted by ブクログ

辞書的に一つの言葉をテーマとして章立てし語り合うスタイルの、変わり者同士の対談です。
ただの変わり者ではなく相当、と言うか生粋の(笑)変わり者対談です。好き嫌いはあるでしょうが、お二人を知っている人ならゲラゲラやニヤニヤが止まらないこと必至です。

乗り物の中とか飲食店などの人の多いところで読むには注意が必要です。笑いをこらえて涙がにじむ程でした。

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2016年03月09日

Posted by ブクログ

表紙の猫の可愛さで思わず手に取った一冊。
精神科医の春日さんと、歌人の穂村さんとの対談。

2人の知的で、かつ「普通」からは外れてしまったおかしな感覚・違和感が絶妙で、思わず吹き出してしまう箇所も。
(特に穂村さんのヘタレ具合といったら!「めまい」には笑いました)

大人になることってなんだろう、常識ってなんだろう?

巻末にそれぞれの煩悩(気になる)108リストが載っていましたが、穂村さんの「ぬいぐるみの熊が踊る文明堂のCM」は、私も常々気になっています(笑)

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2017年02月26日

Posted by ブクログ

 精神科医の春日さんと歌人の穂村さんの「人生問答集」。似ているお二人の違った視点からの発言が噛み合ってテンポよく進むので面白かった。世間と自分とのズレに違和感を持つお二人の気持ちは分かるけど、その気持ちにある程度蓋をして無理矢理にでも納得して生きている私に対して、お二人はそのズレの正体にきちんと向き合って言語化しようとしていて、それを読むことでこちらも心強い気持ちになった。

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2015年12月20日

Posted by ブクログ

学生時代、私だけが先生の言っていることを理解できない、って瞬間を体験したことが何度かあるけど、
この二人のように「世界に馴染めない」と強く感じるようなことはなかったのだけど、
自分だけ理解できない、っていう感覚のもっと強いものなんだろうか?それとも少し違った感覚なんだろか。

「生まれ直さない限り、椅子のストッパーを僕には発見できない」というフレーズが印象的だった。

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2015年04月12日

Posted by ブクログ

関節はずし猫ダマシみたいな芸風の
精神科医と歌人が
《まっとう》な題材をを語ってみようの対談集。

春日さんは存じ上げなかったのだが
穂村さんいわく「あ、このひとは変」がじわじわ伝わってくる。変なんだけど、社会人として世界に溶け込んでいるように見えて変。

《怒り》
怒り方には人間の品性みたいなものが出るという一文に共感、穂村さんの披露した怒り方は猟奇的で薄ら寒くなった。

《努力》
見つかりさえすれば…スタート地点に立てれば…努力の仕方はおのずとわかるというもの。
だが、そのスタート地点に立つまでが大変で、ほんとうにパワーのある奴は自分の才能に見合うジャンルをも作っちゃうぐらい確信をもっている。ほとんどのひとが確信もてないから、いまあるジャンルの中から探す、というお話はウワーッと大声あげたくなる。

《孤独》
自意識がすべてを醜くする。

《不安》
不安というのはあるスペース、余地に入り込むもので、でも、同時に、スペースがない時はもう死しかないような気もする。
死を忘れるな、死の隠蔽を忘れるな。
もののけ姫でジコ坊が鍋ぐるぐるしながらアシタカに言ったことと同じようなことだとおもう。

《記憶》
記憶に性差はあるのか。
エピソード記憶は女のほうが強いのかなと思うけど、どうなんでしょう。触感とかにおいは意外と忘れてしまうなあとおもう。
でもやっぱり記憶なんて大概あてにならないとおもうし、時間がたてばどんどん捏造されてくもんだとおもってる。証拠もないし。

《愛》
男女のもの、家族のものでなく、好敵手の関係で愛を表現した対談に男性会話のおもしろさを感じた。
明智小五郎と二十面相しかり、矢吹丈と力石徹しかり、星飛雄馬と花形満しかり。
天才同士だから相手の真価を知るのは互いだけっていう関係性に、周知の愛とおもうその感じが女にはない清々しさだなあ。

トークテーマは他にもたくさんあったけど
上記に上げたものがピピッときた。
この中からこの2つを題名にしたのもいい。
男性の飲み会にコップ持って参加した気分。
盗み聞きってやつですね。

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2014年11月09日

Posted by ブクログ

歌人と精神科医の対談集。さすが世界音痴の歌人(笑)共感する精神科医もなかなかの難あり(笑)自らを変人と認識しながらも社会性はあるもんだから苦悩すんのかね。ったく器が小さいんだか懐が深いんだか(笑)でも自分の心の奥底に封印していた思いをケロっとつらつらされるとありゃー私も世界音痴なのねーと改めて思い知らされる(笑)なんと言っても表紙の猫の目線、満点(笑)

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2014年10月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

単行本「人生問答集」2009の文庫化で解題「秘密と友情」。
おまけに「煩悩コンテンツリスト108」。
解説は平松洋子。

吉野朔実を挟んで超仲良しなのかと思いきや、その食事会以外ではあまり、らしい。

ちょっと笑ったのはp98。
わざと意識してゆっくり喋っているらしい。
知らなんだ。あれが素だと思っていた。
しかも石田衣良に「君のしゃべり方は不自然で気取っている」とマイルドに言われたんだとか。笑
メディア露出の多い人は大変だな。
p262あたりの大島弓子愛を論理的に語っている部分は、やはりよき。
あと感じたのは春日武彦、結構親父との挿話を語ること。
そして結構太ぇ野郎だな、というか、食えないオヤジだな、とも。

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2023年12月06日

Posted by ブクログ

精神科医の春日武彦さんと
歌人、穂村弘さんの対談集。

春日武彦さんは知らなかったけど、
穂村弘さんのエッセイはたくさん読んでて
訳のわからなさ加減含め
とても面白い文章を書く人。
肝心の短歌は読んだことない(笑)

穂村さんに関しては
自意識と諦観が入り混じりつつ、
どこか中2っぽい感じもするし、
そういうのを演じてるような気もするなぁって
漠然と思っていたけど、
この本で初めて知った春日武彦さんは、
穂村さんと精神年齢が近いのかな⁇って
印象を受けた。

世間に対するズレを感じながら
地に足の着いてない不器用なお2人が
18のテーマについて語り合っている。
途中、コレって会話噛み合ってんのかなぁ…
とか、
あれ?なんの話してるんだっけ?
とか、
読んでて迷子になったりもしたけど、
(これは読解力がないせいだと思う)
凄く興味深くて面白かった。

共感できるところも
理解できないところも合わせて
読んで良かったなぁと思わせてくれる本。


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2018年04月21日

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