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Posted by ブクログ
『テレビで海の番組を観る。
画面一杯に現れた大きな烏賊が真っ黒な墨を大量に吐いている。
ぶわぶわぶわぶわぶわぶわぶわ。
凄いなあ、と思う。
あれでお習字をしてみたい。
なんて書こう。
「いか」かな。
それから、蛸が出てきた。
やっぱり墨を吐いている。
ぶわぶわぶわぶわぶわぶわぶわ。
これも凄いなあ。
なんて書こう。
「たこ」。
と、みせかけて「いか」。』
『「うちがわからうちがわから」という呪文を習う。
そう云いながら、ヨーグルトを嘗めると美人になるらしい。』
「声をあげて、泣け。昔、私も数多くの失恋をした。片思いをした。破れるたびに、私はダルマのように、強くなった」
『快適さを追求している筈のホテルの部屋の殆どが、ひどく乾いているのはどうしてなんだろう。
小便小僧を設置すればいいのに。』
「失礼しました。当学院は校舎内での標準語の使用は原則的に禁じられているものですから」
「あ、そうなんですか」
「はい。標準語に頼らない環境をつくることで、生徒さんたちが少しでも早く関西弁に慣れることができるようにという配慮なんです」
「レッスン&リピート、パート1、ちゃうんとちゃうん」
「ちゃうんとちゃうん」
「ちゃうんとちゃうん、ちゃうんとちゃうん」
「ちゃうんとちゃうん、ちゃうんとちゃうん」
「いいですよ。その調子」
『子供が大人になるのは給食のせいだ、と教えてくれたことがあった。
給食のパンを毎日持ち帰って家の金魚にあげてたら、仔猫くらいの大きさになった、というのだ。
ユミコちゃんは声をひそめて云った。
「給食には大きくなる薬が入ってる。だから、みんな大人になるんだよ」』
『二十年ほど前の母に云われて驚いた言葉を思い出す。
「四捨五入ってなーに?」』
『テレビで世界陸上を観る。
実況中継なので、さまざまな種目がくるくると映し出されて、ついていけないことがある。
画面が切り替わった一瞬、これは男子? 女子? と迷う。
迷ったら女子、と唱えながら観る。』
『高松さんからメールが来る。
高松です。
今、高松にいます。
それだけです。』
『若い男の子に言われる。
「西さんは絶対いいお嫁さんになりますよ。」
うるせぇ。』
Posted by ブクログ
神保町の古本市で、たまたま立ち寄った店でたまたま見つけ、たまたま知っていた「穂村弘」という名前(永井玲衣さんの本で見かけた)と、たまたま見たことのあるフジモトマサルさんのイラスト(村上春樹さんの本で知った)と、たまたま西加奈子さん(好きな作家の1人)の文も収録されていることもあり手に取った。
穂村さんの「歌人」という肩書きからすると、最初の一冊として読むのは変化球なのかもしれない。蕎麦屋のカレーみたいなものか。でも「この人の話は面白いな」と思うには充分すぎる内容だった。これだから古本探しはやめられない。
本との出会いは人との出会いに似ている。たまたま知り合った人の話がとんでもなく面白かった、なんて最高だと思う。
Posted by ブクログ
何かのツボがそこかしこにある→ツッテモナオール/鹿戦争/留守番が必要な理由/タクシー降りるとき「ごちそうさま」/ジュテーム投げ/木綿プリンと絹プリン/麻薬もここにわんわん/眠ってるうちに勝手に刈られちゃってね/生まれつきの「新聞感覚」/ペテロの立ち直り/やうかんがお家にすんでゐたら/新幹線「さそり」/俺のリモコンは凄いよ/えぐみさん/ 「ずずずずっ」と移動する講談社→天然自然なの? おもしろく書こうとしているの?
内容の有効性や論理の正当性や表現の妥当性などとは別に、テンションや心の熱さというものは、それ自体で読み手を惹きつけるようだ。(p.25)
モグラって本当はサングラスもシャベルももってないんだよね(p.63)
読んだのは単行本。
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